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武闘大会
勝敗の行方
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ラディウスは剣をぐっと握り直した。
さらに速い攻撃がくると直感したリーシャは、魔法を使いさらに動体視力と身体能力を向上させた。
(明日は筋肉痛……どころじゃなくなるだろうなぁ……)
無理に能力を底上げするのだ。慣れない負荷を強いられる体が悲鳴を上げるのは間違いない。
(けど、皆の頑張りを無駄にしないためにも、多少の無茶をしてでも勝たないと!)
リーシャが身体強化の魔法で通常の何倍もの力を得たのとほぼ同時に、ラディウスは一瞬で距離を詰め、剣を振るった。
「うわっ!」
リーシャは体を逸らして何とか避けた。
接近戦を得意とする戦士であっても、今のラディウスの攻撃の速さでは勝負が決していただろう。
リーシャも、もし直前に身体強化の魔法を使っていなかったら、かわせていなかったかもしれない。それほど速い攻撃だった。
次々に繰り出される攻撃をかわすのにリーシャは必死だった。
「こんなに、無理やり、能力上げてるのに、ついていくのが、ギリギリって……どんだけ、速いのよ!」
どうにか隙を見て攻撃魔法を放っても、かすりもしない。
リーシャの魔法は発動速度も威力も全てがトップクラス。どんなに早い魔物でも、ここまでかわされ続けることはこれまでになかった。
それでもリーシャは攻撃の手を緩めず魔法を放ち続けなければならない。攻撃が止まった瞬間、勝負が決することはわかりきっているからだ。
リーシャは、“全力の攻撃をださせない“ためだけにひたすら魔法を打ち続けた。
(このままじゃ、魔力切れでほんとに負けちゃう。何か手を考えないと……)
リーシャはあることを思い出し、口から小さな声がこぼれた。
「そうだ……もしかしたらあの魔法なら……」
頭の中を、幼い時に起こしたあの出来事がよぎった。
(小さい時に魔力の暴走で発動させた、あの魔法。全方位に向けての広域攻撃なら)
攻撃を当てるためには、もうそれしかないと思った。
ただ、全方位への魔法を使うには多くの魔力が必要だ。故に実践には不向きで、実際に戦いの中で使う魔法使いはいない。
そもそも、魔法発動のイメージが難しいのか、使える魔法使い自体がほとんどいないという話も聞く。
(1回、不本意にだけど発動できたんだから、今ここで使うこと自体は可能なはず。昔より実力もついてるんだから、今ならうまく……)
使える自信はそれなりにあるけれど、使う事への抵抗があった。使えても、絶対に制御できるという自信がなかったからだ。
再び魔法を暴走させてしまうのではないかという懸念が頭をよぎる。
けれどこれまで使ってきた魔法で、他にラディウスの速さに対応できそうな魔法が思い当たらない。
(……きっと、魔法をうまく使えるようになった今なら、大丈夫)
そう自分に言い聞かせ、遠い記憶のかけらを頼りに魔力に風の属性の魔力を作り上げていった。
(いける!)
リーシャは一気に魔力を解き放った。
突風がリーシャを中心にフィールド全体へ向かって吹き出した。
「なっ‼」
強い風に襲われ、思うように動けなくなったラディウスの姿が誰の目からも捉えられるようになった。
徐々に威力を増す風の魔法はラディウスの肌だけでなく、彼が纏う金属の鎧や石の床に魔物が鋭い爪で引き裂いたような深い傷跡を残した。
観客たちの元にも、顔を覆いたくなるほどの風が届いている。
想像以上の威力がフィールド全体を襲い、リーシャは慌てて魔法を止めようとした。
「えっ? うっ、嘘‼」
魔力を抑え込もうとするけれど、魔法は威力が弱まる気配がない。
むしろ風は勢いを増し、フィールドに残す爪痕は巨大な生物が引き裂いたような跡に変化していた。
この魔力の流れ、リーシャには覚えがあり焦りを感じた。
(これ、あの魔法と……同じ感じがする……‼)
あの魔法とは、リーシャが改善方法を考えている合成魔法。
大きな黒竜と戦った時に使ったあの魔法と同じように、魔力が勝手に魔法へと変換されていく。
「お願い……止まって………………止まってよぉ‼」
リーシャは必死に力を抑えようともがいた。そんな抵抗をあざ笑うかのように強風は音を立て、周りの物を破壊し、吹き荒れ続ける。
魔力が底をつきかけた時、やっとリーシャは魔法をコントロールできるようになり、風魔法を止めた。
自分の意志に反し、周囲を壊し続けてしまったリーシャは、幼いころの記憶が頭をよぎり、恐怖でその場に崩れ落ちた。
心臓は壊れるかと思えるくらいに大きな鼓動を刻み、額からは嫌な汗が流れ落ちる。
何が起こったのか理解したくなかった。
「イッ、イヤー―――――‼」
呆然としていると観客席から悲鳴とどよめきが聞こえ、リーシャは我に返った。
考えることを放棄した頭では悲鳴が上がる理由はわからない。けれど、直感的に目がラディウスの方ヘ向いていた。
ラディウスは体のあちこちからは血が流れ、右腕を握りしめながら膝で立っている。見るも無残な姿だった。
抑えている腕からは血がしたたり落ちていた。
腕の先はなく、それは数メート離れた地面に転がっている。
「ラディウス!」
リーシャが慌てて駆けつけると、ラディウスは痛みを堪えた顔で笑いかけた。
「はっ、ははっ。すごかったよ……俺の負け、だね……」
そう言い終わるとラディウスはその場に崩れ落ちた。先を失った腕からは、絶え間なく赤い液体が流れ出ている。
「しょ……勝者……リーシャ……」
審判が勝敗を告げたが、誰もが試合の勝敗どころではなかった。
観客達はとまどい、なかには手で顔を覆う人、その場を離れる人もいた。
魔物も入らない安全な街で生活していれば、こんな惨状を見ることなんてそうそうないのだから当たり前の反応だ。
その場から動けずにフィールドに留まる2人の元へ、相手選手だけでなくシルバーやレインたちも駆け寄った。
リーシャはどうしていいかわからず、頭を押さえ、戸惑いの声を出した。
「どうしよう……また……また、私のせいで……‼」
「落ち着け」
取り乱すリーシャの背をノアはあやすようにさすった。
その様子を見ていたルシアとエリアルも観客席から飛び降りてきた。
「リーシャ!」
「リーシャねぇちゃん‼」
リーシャが異常な精神状態になっている姿を見たルシアは、正面から覆いかぶさるような形で抱きしめた。
エリアルは側で今にも泣きだしそうな顔をしている。
「大丈夫だ。こいつは死んでねぇから、な? ほら、深呼吸しろ」
リーシャはルシアに言われた通り深呼吸した。何度か繰り返すと、心臓の鼓動が少しずつ穏やかになっていった。
落ち着くと、レインがリーシャに話しかけた。
「まずはこの血が流れ出るのを止めないと。リーシャ、まだ魔力は残ってる?」
レインはラディウスを仰向けに寝かし、切り落とされた腕をあるべき場所へ添えた。
この場で唯一、すぐに回復魔法を使えるリーシャに腕を治させようと考えているらしい。
「かろうじで残ってるけど。けど、ム、ムリ……私、回復系の魔法うまく使えなくて……」
「大丈夫、落ち着いて? 完全に治せなくてもいいから。もうすぐ救護班がくる。だから、それまでできることはしておこう?」
こんな大怪我を治せる自信など、リーシャにはない。
けれどこのままラディウスの体から血が流れ続ければ、死のリスクが高まっていく。それは混乱しているリーシャの頭でも理解はできた。
「……わ、わかった」
完全ではなくとも、流れ出る血を抑えるくらいには治せるかもしれない。
リーシャは両手に魔力を集め、回復魔法に集中した。
リーシャの手から魔法の光が放たれると、離れた部位がくっつき始め、地面に広がり続けていた血溜まりの広がりが止まった。
意識がかすかに残っていたラディウスは蒼白な顔をしたまま、リーシャのことを見つめていた。そして、優しい目をしてリーシャに話しかけた。
「君は、なんでもできるんだね」
自身が死にそうな状態なのにも関わらず、リーシャを安心させようとするように青い顔で笑っていた。
(ラディウス……私、あなたに恨まれても仕方ないことしちゃったのに……)
リーシャの目からは、ラディウスの優しさと自身のふがいなさで涙が流れ落ちた。
そんなリーシャの気持ちを見透かしたかのように、ラディウスは話しかけ続けた。
「君のせいじゃ、ないから、泣かないで。ただ俺が、君よりずっと弱かっただけ、なんだ。相手が魔物、だった、ら、きっと、俺は死んで……」
ラディウスはそのまま意識を失った。こんなに長いこと意識があったことが不思議なくらいだ。
「……今はゆっくり眠ってて」
それとほぼ同時に救護班が到着した。
「怪我人は!」
「この人です!」
レインが大声で救護の人間を呼ぶと、リーシャはそのままラディウスを彼らに託した。
ラディウスはタンカーに乗せられ、急いで救護室へと運ばれて行った。
同じチームではないリーシャたちは、その様子をその場で見守ることしかできなかった。
(大会には勝った……けど……)
こんな状況で喜べるわけがない。むしろ後悔しかない。
扱えるかどうかもわからない魔法をぶっつけ本番で使い、相手に大怪我をさせてしまった。下手をすれば死んでしまっていたかもしれない状況を作り出してしまった。
リーシャはそんな自分が許せなかった。
さらに速い攻撃がくると直感したリーシャは、魔法を使いさらに動体視力と身体能力を向上させた。
(明日は筋肉痛……どころじゃなくなるだろうなぁ……)
無理に能力を底上げするのだ。慣れない負荷を強いられる体が悲鳴を上げるのは間違いない。
(けど、皆の頑張りを無駄にしないためにも、多少の無茶をしてでも勝たないと!)
リーシャが身体強化の魔法で通常の何倍もの力を得たのとほぼ同時に、ラディウスは一瞬で距離を詰め、剣を振るった。
「うわっ!」
リーシャは体を逸らして何とか避けた。
接近戦を得意とする戦士であっても、今のラディウスの攻撃の速さでは勝負が決していただろう。
リーシャも、もし直前に身体強化の魔法を使っていなかったら、かわせていなかったかもしれない。それほど速い攻撃だった。
次々に繰り出される攻撃をかわすのにリーシャは必死だった。
「こんなに、無理やり、能力上げてるのに、ついていくのが、ギリギリって……どんだけ、速いのよ!」
どうにか隙を見て攻撃魔法を放っても、かすりもしない。
リーシャの魔法は発動速度も威力も全てがトップクラス。どんなに早い魔物でも、ここまでかわされ続けることはこれまでになかった。
それでもリーシャは攻撃の手を緩めず魔法を放ち続けなければならない。攻撃が止まった瞬間、勝負が決することはわかりきっているからだ。
リーシャは、“全力の攻撃をださせない“ためだけにひたすら魔法を打ち続けた。
(このままじゃ、魔力切れでほんとに負けちゃう。何か手を考えないと……)
リーシャはあることを思い出し、口から小さな声がこぼれた。
「そうだ……もしかしたらあの魔法なら……」
頭の中を、幼い時に起こしたあの出来事がよぎった。
(小さい時に魔力の暴走で発動させた、あの魔法。全方位に向けての広域攻撃なら)
攻撃を当てるためには、もうそれしかないと思った。
ただ、全方位への魔法を使うには多くの魔力が必要だ。故に実践には不向きで、実際に戦いの中で使う魔法使いはいない。
そもそも、魔法発動のイメージが難しいのか、使える魔法使い自体がほとんどいないという話も聞く。
(1回、不本意にだけど発動できたんだから、今ここで使うこと自体は可能なはず。昔より実力もついてるんだから、今ならうまく……)
使える自信はそれなりにあるけれど、使う事への抵抗があった。使えても、絶対に制御できるという自信がなかったからだ。
再び魔法を暴走させてしまうのではないかという懸念が頭をよぎる。
けれどこれまで使ってきた魔法で、他にラディウスの速さに対応できそうな魔法が思い当たらない。
(……きっと、魔法をうまく使えるようになった今なら、大丈夫)
そう自分に言い聞かせ、遠い記憶のかけらを頼りに魔力に風の属性の魔力を作り上げていった。
(いける!)
リーシャは一気に魔力を解き放った。
突風がリーシャを中心にフィールド全体へ向かって吹き出した。
「なっ‼」
強い風に襲われ、思うように動けなくなったラディウスの姿が誰の目からも捉えられるようになった。
徐々に威力を増す風の魔法はラディウスの肌だけでなく、彼が纏う金属の鎧や石の床に魔物が鋭い爪で引き裂いたような深い傷跡を残した。
観客たちの元にも、顔を覆いたくなるほどの風が届いている。
想像以上の威力がフィールド全体を襲い、リーシャは慌てて魔法を止めようとした。
「えっ? うっ、嘘‼」
魔力を抑え込もうとするけれど、魔法は威力が弱まる気配がない。
むしろ風は勢いを増し、フィールドに残す爪痕は巨大な生物が引き裂いたような跡に変化していた。
この魔力の流れ、リーシャには覚えがあり焦りを感じた。
(これ、あの魔法と……同じ感じがする……‼)
あの魔法とは、リーシャが改善方法を考えている合成魔法。
大きな黒竜と戦った時に使ったあの魔法と同じように、魔力が勝手に魔法へと変換されていく。
「お願い……止まって………………止まってよぉ‼」
リーシャは必死に力を抑えようともがいた。そんな抵抗をあざ笑うかのように強風は音を立て、周りの物を破壊し、吹き荒れ続ける。
魔力が底をつきかけた時、やっとリーシャは魔法をコントロールできるようになり、風魔法を止めた。
自分の意志に反し、周囲を壊し続けてしまったリーシャは、幼いころの記憶が頭をよぎり、恐怖でその場に崩れ落ちた。
心臓は壊れるかと思えるくらいに大きな鼓動を刻み、額からは嫌な汗が流れ落ちる。
何が起こったのか理解したくなかった。
「イッ、イヤー―――――‼」
呆然としていると観客席から悲鳴とどよめきが聞こえ、リーシャは我に返った。
考えることを放棄した頭では悲鳴が上がる理由はわからない。けれど、直感的に目がラディウスの方ヘ向いていた。
ラディウスは体のあちこちからは血が流れ、右腕を握りしめながら膝で立っている。見るも無残な姿だった。
抑えている腕からは血がしたたり落ちていた。
腕の先はなく、それは数メート離れた地面に転がっている。
「ラディウス!」
リーシャが慌てて駆けつけると、ラディウスは痛みを堪えた顔で笑いかけた。
「はっ、ははっ。すごかったよ……俺の負け、だね……」
そう言い終わるとラディウスはその場に崩れ落ちた。先を失った腕からは、絶え間なく赤い液体が流れ出ている。
「しょ……勝者……リーシャ……」
審判が勝敗を告げたが、誰もが試合の勝敗どころではなかった。
観客達はとまどい、なかには手で顔を覆う人、その場を離れる人もいた。
魔物も入らない安全な街で生活していれば、こんな惨状を見ることなんてそうそうないのだから当たり前の反応だ。
その場から動けずにフィールドに留まる2人の元へ、相手選手だけでなくシルバーやレインたちも駆け寄った。
リーシャはどうしていいかわからず、頭を押さえ、戸惑いの声を出した。
「どうしよう……また……また、私のせいで……‼」
「落ち着け」
取り乱すリーシャの背をノアはあやすようにさすった。
その様子を見ていたルシアとエリアルも観客席から飛び降りてきた。
「リーシャ!」
「リーシャねぇちゃん‼」
リーシャが異常な精神状態になっている姿を見たルシアは、正面から覆いかぶさるような形で抱きしめた。
エリアルは側で今にも泣きだしそうな顔をしている。
「大丈夫だ。こいつは死んでねぇから、な? ほら、深呼吸しろ」
リーシャはルシアに言われた通り深呼吸した。何度か繰り返すと、心臓の鼓動が少しずつ穏やかになっていった。
落ち着くと、レインがリーシャに話しかけた。
「まずはこの血が流れ出るのを止めないと。リーシャ、まだ魔力は残ってる?」
レインはラディウスを仰向けに寝かし、切り落とされた腕をあるべき場所へ添えた。
この場で唯一、すぐに回復魔法を使えるリーシャに腕を治させようと考えているらしい。
「かろうじで残ってるけど。けど、ム、ムリ……私、回復系の魔法うまく使えなくて……」
「大丈夫、落ち着いて? 完全に治せなくてもいいから。もうすぐ救護班がくる。だから、それまでできることはしておこう?」
こんな大怪我を治せる自信など、リーシャにはない。
けれどこのままラディウスの体から血が流れ続ければ、死のリスクが高まっていく。それは混乱しているリーシャの頭でも理解はできた。
「……わ、わかった」
完全ではなくとも、流れ出る血を抑えるくらいには治せるかもしれない。
リーシャは両手に魔力を集め、回復魔法に集中した。
リーシャの手から魔法の光が放たれると、離れた部位がくっつき始め、地面に広がり続けていた血溜まりの広がりが止まった。
意識がかすかに残っていたラディウスは蒼白な顔をしたまま、リーシャのことを見つめていた。そして、優しい目をしてリーシャに話しかけた。
「君は、なんでもできるんだね」
自身が死にそうな状態なのにも関わらず、リーシャを安心させようとするように青い顔で笑っていた。
(ラディウス……私、あなたに恨まれても仕方ないことしちゃったのに……)
リーシャの目からは、ラディウスの優しさと自身のふがいなさで涙が流れ落ちた。
そんなリーシャの気持ちを見透かしたかのように、ラディウスは話しかけ続けた。
「君のせいじゃ、ないから、泣かないで。ただ俺が、君よりずっと弱かっただけ、なんだ。相手が魔物、だった、ら、きっと、俺は死んで……」
ラディウスはそのまま意識を失った。こんなに長いこと意識があったことが不思議なくらいだ。
「……今はゆっくり眠ってて」
それとほぼ同時に救護班が到着した。
「怪我人は!」
「この人です!」
レインが大声で救護の人間を呼ぶと、リーシャはそのままラディウスを彼らに託した。
ラディウスはタンカーに乗せられ、急いで救護室へと運ばれて行った。
同じチームではないリーシャたちは、その様子をその場で見守ることしかできなかった。
(大会には勝った……けど……)
こんな状況で喜べるわけがない。むしろ後悔しかない。
扱えるかどうかもわからない魔法をぶっつけ本番で使い、相手に大怪我をさせてしまった。下手をすれば死んでしまっていたかもしれない状況を作り出してしまった。
リーシャはそんな自分が許せなかった。
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