96 / 110
番外編 お花見
親子
しおりを挟む
少し遅れてやって来た千代ちゃんと百園さんのおかげで空気は一変した。
全員でブルーシートに丸く座り、真ん中に開かれた重箱の豪華な料理に歓声が上がる。
「さっすが尾張さん、とっても美味しそうね!」
重箱を覗き込んだ千代ちゃんは、にこにこ上機嫌だ。
百園さんが皆に取り皿と箸を配ってくれたので、俺はクーラーボックスから飲み物を取り出す。
「えーっと、アレクはジンジャーエール……千代ちゃんと万里はオレンジジュースで、百園さんは緑茶……それから、店長はビールっと……」
それぞれに確認しながら手渡していく。
この季節限定の桜がデザインされた缶ビールを差し出すと、店長は小さく「ありがとう」と言って受け取った。さっきは厳しく言い過ぎたと思ってるのか、ちょっとバツが悪そうだ。
全員が飲み物を手に乾杯の用意ができると、アレクが店長に笑顔で声をかける。
「今回は万里の送別会もかねてるし、尾張から一言挨拶してくれ」
「なんで僕が……」
なんて言いつつ、店長はまんざらでもなさそうだ。
短い間とはいえ、万里の世話焼いてしっかり「お母さん」してたもんな。
店長は小さく咳払いしてから口を開いた。
「今回の特別編入は、万里くんにとっていい経験になると思う。しっかり学んで、たっぷり楽しんでくるといい」
優しい言葉に、万里は素直に頷いた。
さっきお説教くらってた時とは大違いだ。
店長は続ける。
「もちろん嫌な奴もいるだろうし、苛められるかも知れない……呪詛をかける時には、バレないように陰陽系のものを使うこと」
……嫌なアドバイスだな。
「それから、これは僕からの宿題……一人でいいから、『人間の友達』を作っておいで」
ザァッと風が吹いて桜の花びらが舞った。
俺はハッとして万里を見た。
万里は少し驚いたように目を瞬かせて、持っていた缶ジュースに視線を落とし、小さく「うん」と答えた。
「それじゃ、乾杯しよう」
店長の言葉に、全員が飲み物を掲げる。
「かんぱーいっ!!」
皆の声が重なる。
万里の友人関係は俺もずっと気なっていた。
長い間休みがちだった万里は、高校に上手く馴染めないようだ。
学校では少し異質な存在なのかも知れない。
話の合う友人というのも、なかなか見つからないだろう。
宿題、頑張れよ……。
俺は心の中で密かにエールを送り、さっそく店長特製のジューシー唐揚げに箸を伸ばした。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
ひらひらと舞い落ちて来る桜の花びらはとっても綺麗だ。
木漏れ日はぽかぽかと優しく暖かく、店長の料理は今日もばつぐんに美味い。もりもり飲み食いしながら、俺たちは思いっきり盛り上がった。
千代ちゃんと百園さんが学校のオカルト研究部からモーレツに勧誘されて困っている件。
アレクが祓いの仕事で橘と鉢合わせし、二人で協力して雛人形の呪いを解いた話。
話題は尽きることなく、料理も飲み物もどんどん減っていく。
ふいに、俺の隣に座っていた万里が立ち上がった。
「万里?」
「食べ過ぎてお腹苦しい……ちょっと散歩してくる」
「あ、俺も行く。ちょうどトイレ行きたかったし」
ブルーシートの端で万里と一緒に靴を履く。
二人でトイレに行ってから、散歩コースをのんびり歩きだした。
隣を歩く万里に、ちらりと視線をやる。
少し身長が伸びたんじゃないかな……。
春風が万里の黒髪をふわりと揺らした。
「さっきの霊、気になる……」
ぽつりと呟くような万里の言葉に、俺はぎょっとした。
「お、おいっ! なに言ってんだよ、さっきあんだけ叱られたのに。危険なやつだったんだろ?」
「強いから『危険』って思われただけ。小さな子供の霊だよ、意地悪な感じもしなかったし、俺は怖くなかった」
ちょっと拗ねたような万里の横顔に、俺はどう声をかければいいのか分からない。
見えないし感じない俺には、判断しようがないのだ。
せめてパトラッシュの意見が聞けたらなぁ……。
「すごく強いって……普通の霊じゃなかったのか?」
「んっと……、尾張サンに追い払われたから、今は離れてるけど……普段はあの桜のとこに居るみたい……。桜ってすごく強い力を持ってるから、少しずつ力を分けてもらってるうちに強くなっちゃったんだと思う」
「へぇ~……」
桜って『強い』のか……。
確かに、不思議と惹きつけられる……魅力ある存在なのは確かだ。
「店長かアレクに頼んで、浄霊してもらうか?」
万里はまだ、力技で霊を消滅させてしまう『除霊』しかできないはず。
天国へと送る『浄霊』は、かなりテクニックが必要なんだとか……。
俺の提案に、万里はふるふると首を振った。
「あの子、『お母さんを探してる』って言ってた。……会わせてあげられないかな」
「え!? 会わせるって、どうやって?」
「あの子と一緒に『お母さん』を探す。『お母さん』が生きてたら、その姿を見せてあげたい。もし、もう『お母さん』が死んでたら、アッチで会えるからコッチで探し回る必要ないって教えてあげられる」
アッチって、天国の事だよな。
そんで、コッチがこの世……。
母親が生きていたら、会ってちゃんと「さよなら」をさせてやりたいって事か。
俺は店長が霊媒師について説明してくれたのを思い出す。
霊に共感して相談にのってやったりして、霊が自ら浄化されるように導く。そういう形で『祓い』を行うのが霊媒師なのだと……。
十和子さんのような霊媒師スタイルの浄霊なら、万里でもできるかもしれない。
「なるほどな……『お母さん』、探してみるか?」
店長に叱られそうな予感を追いやって問いかけると、万里は少し驚いたように俺を見た。
「いいの? 都築、また尾張サンに叱られるよ?」
俺は苦笑しつつ肩を竦める。
「一緒に叱られてやるよ……その代わり、無茶はしない。困ったことになりそうだったら、ちゃんと店長に相談する……いいな?」
「うん、分かった!」
嬉しそうに笑う万里の頭に、桜の花びらがふわりと舞い降りた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
花見の片付けも終わり、店で洗い物を済ませると、もうすっかり夜になっていた。
昼間はぽかぽかだが、夜はまだ少し冷える。
いったんアパートに戻った俺は、春物の薄手の上着を羽織り、再び公園へと向かった。
外灯は点いているものの、公園は夜桜のライトアップはされていなかった。
当然、花見客の姿もない。
昼に来た時とは全く別の場所のような静けさ……月明りに照らされた桜の花がぼんやり光ってるように見えて幻想的だ。
「つづき~っ!」
こっちに向かって手を振っている人影に、俺も振り返しながら近づく。
「待ったか?」
「うん、暇だった」
「お前な……こういう時は、嘘でも『大丈夫、そんなに待ってない』って言うもんだぞ」
「そういうの、よく分かんない」
万里は拗ねたようにそっぽを向いた。
俺は改めて周囲を見回してみる。
「子供の霊ってのは、ここに戻って来てるのか?」
「うん、そこにいるよ」
万里が指さす方に目をやる。……が、もちろん俺には見えない。
「ところで、探すっていっても、あてはあるのか?」
「ない」
万里の即答に、俺は一瞬眩暈がした。
無計画すぎだろ……。
「んー……、とりあえず住んでた家を思い出してもらって行ってみるとか……。『お母さん』がまだそこに住んでる可能性もあるし、もう住んでなくても何か手がかりが見つかるかもしれない」
「都築、かしこい」
褒められるほどの案でもないが、万里は感心したように頷いて、さっき指さした方へと声をかける。
「住んでたとこ、分かる?」
何やらぼそぼそとしばらく話した後、万里がこちらを向く。
「あんまり覚えてないみたいだけど……たぶん、あっちの方みたい……」
子供の霊だし、いったい何年前のことかも分からない……記憶も定かじゃないんだろう。
かなりあやふや情報っぽいが、今はそれに頼るしかない。
「行ってみよう!」
俺たちは公園を出て、夜の街を歩き出した。
全員でブルーシートに丸く座り、真ん中に開かれた重箱の豪華な料理に歓声が上がる。
「さっすが尾張さん、とっても美味しそうね!」
重箱を覗き込んだ千代ちゃんは、にこにこ上機嫌だ。
百園さんが皆に取り皿と箸を配ってくれたので、俺はクーラーボックスから飲み物を取り出す。
「えーっと、アレクはジンジャーエール……千代ちゃんと万里はオレンジジュースで、百園さんは緑茶……それから、店長はビールっと……」
それぞれに確認しながら手渡していく。
この季節限定の桜がデザインされた缶ビールを差し出すと、店長は小さく「ありがとう」と言って受け取った。さっきは厳しく言い過ぎたと思ってるのか、ちょっとバツが悪そうだ。
全員が飲み物を手に乾杯の用意ができると、アレクが店長に笑顔で声をかける。
「今回は万里の送別会もかねてるし、尾張から一言挨拶してくれ」
「なんで僕が……」
なんて言いつつ、店長はまんざらでもなさそうだ。
短い間とはいえ、万里の世話焼いてしっかり「お母さん」してたもんな。
店長は小さく咳払いしてから口を開いた。
「今回の特別編入は、万里くんにとっていい経験になると思う。しっかり学んで、たっぷり楽しんでくるといい」
優しい言葉に、万里は素直に頷いた。
さっきお説教くらってた時とは大違いだ。
店長は続ける。
「もちろん嫌な奴もいるだろうし、苛められるかも知れない……呪詛をかける時には、バレないように陰陽系のものを使うこと」
……嫌なアドバイスだな。
「それから、これは僕からの宿題……一人でいいから、『人間の友達』を作っておいで」
ザァッと風が吹いて桜の花びらが舞った。
俺はハッとして万里を見た。
万里は少し驚いたように目を瞬かせて、持っていた缶ジュースに視線を落とし、小さく「うん」と答えた。
「それじゃ、乾杯しよう」
店長の言葉に、全員が飲み物を掲げる。
「かんぱーいっ!!」
皆の声が重なる。
万里の友人関係は俺もずっと気なっていた。
長い間休みがちだった万里は、高校に上手く馴染めないようだ。
学校では少し異質な存在なのかも知れない。
話の合う友人というのも、なかなか見つからないだろう。
宿題、頑張れよ……。
俺は心の中で密かにエールを送り、さっそく店長特製のジューシー唐揚げに箸を伸ばした。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
ひらひらと舞い落ちて来る桜の花びらはとっても綺麗だ。
木漏れ日はぽかぽかと優しく暖かく、店長の料理は今日もばつぐんに美味い。もりもり飲み食いしながら、俺たちは思いっきり盛り上がった。
千代ちゃんと百園さんが学校のオカルト研究部からモーレツに勧誘されて困っている件。
アレクが祓いの仕事で橘と鉢合わせし、二人で協力して雛人形の呪いを解いた話。
話題は尽きることなく、料理も飲み物もどんどん減っていく。
ふいに、俺の隣に座っていた万里が立ち上がった。
「万里?」
「食べ過ぎてお腹苦しい……ちょっと散歩してくる」
「あ、俺も行く。ちょうどトイレ行きたかったし」
ブルーシートの端で万里と一緒に靴を履く。
二人でトイレに行ってから、散歩コースをのんびり歩きだした。
隣を歩く万里に、ちらりと視線をやる。
少し身長が伸びたんじゃないかな……。
春風が万里の黒髪をふわりと揺らした。
「さっきの霊、気になる……」
ぽつりと呟くような万里の言葉に、俺はぎょっとした。
「お、おいっ! なに言ってんだよ、さっきあんだけ叱られたのに。危険なやつだったんだろ?」
「強いから『危険』って思われただけ。小さな子供の霊だよ、意地悪な感じもしなかったし、俺は怖くなかった」
ちょっと拗ねたような万里の横顔に、俺はどう声をかければいいのか分からない。
見えないし感じない俺には、判断しようがないのだ。
せめてパトラッシュの意見が聞けたらなぁ……。
「すごく強いって……普通の霊じゃなかったのか?」
「んっと……、尾張サンに追い払われたから、今は離れてるけど……普段はあの桜のとこに居るみたい……。桜ってすごく強い力を持ってるから、少しずつ力を分けてもらってるうちに強くなっちゃったんだと思う」
「へぇ~……」
桜って『強い』のか……。
確かに、不思議と惹きつけられる……魅力ある存在なのは確かだ。
「店長かアレクに頼んで、浄霊してもらうか?」
万里はまだ、力技で霊を消滅させてしまう『除霊』しかできないはず。
天国へと送る『浄霊』は、かなりテクニックが必要なんだとか……。
俺の提案に、万里はふるふると首を振った。
「あの子、『お母さんを探してる』って言ってた。……会わせてあげられないかな」
「え!? 会わせるって、どうやって?」
「あの子と一緒に『お母さん』を探す。『お母さん』が生きてたら、その姿を見せてあげたい。もし、もう『お母さん』が死んでたら、アッチで会えるからコッチで探し回る必要ないって教えてあげられる」
アッチって、天国の事だよな。
そんで、コッチがこの世……。
母親が生きていたら、会ってちゃんと「さよなら」をさせてやりたいって事か。
俺は店長が霊媒師について説明してくれたのを思い出す。
霊に共感して相談にのってやったりして、霊が自ら浄化されるように導く。そういう形で『祓い』を行うのが霊媒師なのだと……。
十和子さんのような霊媒師スタイルの浄霊なら、万里でもできるかもしれない。
「なるほどな……『お母さん』、探してみるか?」
店長に叱られそうな予感を追いやって問いかけると、万里は少し驚いたように俺を見た。
「いいの? 都築、また尾張サンに叱られるよ?」
俺は苦笑しつつ肩を竦める。
「一緒に叱られてやるよ……その代わり、無茶はしない。困ったことになりそうだったら、ちゃんと店長に相談する……いいな?」
「うん、分かった!」
嬉しそうに笑う万里の頭に、桜の花びらがふわりと舞い降りた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
花見の片付けも終わり、店で洗い物を済ませると、もうすっかり夜になっていた。
昼間はぽかぽかだが、夜はまだ少し冷える。
いったんアパートに戻った俺は、春物の薄手の上着を羽織り、再び公園へと向かった。
外灯は点いているものの、公園は夜桜のライトアップはされていなかった。
当然、花見客の姿もない。
昼に来た時とは全く別の場所のような静けさ……月明りに照らされた桜の花がぼんやり光ってるように見えて幻想的だ。
「つづき~っ!」
こっちに向かって手を振っている人影に、俺も振り返しながら近づく。
「待ったか?」
「うん、暇だった」
「お前な……こういう時は、嘘でも『大丈夫、そんなに待ってない』って言うもんだぞ」
「そういうの、よく分かんない」
万里は拗ねたようにそっぽを向いた。
俺は改めて周囲を見回してみる。
「子供の霊ってのは、ここに戻って来てるのか?」
「うん、そこにいるよ」
万里が指さす方に目をやる。……が、もちろん俺には見えない。
「ところで、探すっていっても、あてはあるのか?」
「ない」
万里の即答に、俺は一瞬眩暈がした。
無計画すぎだろ……。
「んー……、とりあえず住んでた家を思い出してもらって行ってみるとか……。『お母さん』がまだそこに住んでる可能性もあるし、もう住んでなくても何か手がかりが見つかるかもしれない」
「都築、かしこい」
褒められるほどの案でもないが、万里は感心したように頷いて、さっき指さした方へと声をかける。
「住んでたとこ、分かる?」
何やらぼそぼそとしばらく話した後、万里がこちらを向く。
「あんまり覚えてないみたいだけど……たぶん、あっちの方みたい……」
子供の霊だし、いったい何年前のことかも分からない……記憶も定かじゃないんだろう。
かなりあやふや情報っぽいが、今はそれに頼るしかない。
「行ってみよう!」
俺たちは公園を出て、夜の街を歩き出した。
0
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
ルナール古書店の秘密
志波 連
キャラ文芸
両親を事故で亡くした松本聡志は、海のきれいな田舎町に住む祖母の家へとやってきた。
その事故によって顔に酷い傷痕が残ってしまった聡志に友人はいない。
それでもこの町にいるしかないと知っている聡志は、可愛がってくれる祖母を悲しませないために、毎日を懸命に生きていこうと努力していた。
そして、この町に来て五年目の夏、聡志は海の家で人生初のバイトに挑戦した。
先輩たちに無視されつつも、休むことなく頑張る聡志は、海岸への階段にある「ルナール古書店」の店主や、バイト先である「海の家」の店長らとかかわっていくうちに、自分が何ものだったのかを知ることになるのだった。
表紙は写真ACより引用しています
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
やめてよ、お姉ちゃん!
日和崎よしな
キャラ文芸
―あらすじ―
姉・染紅華絵は才色兼備で誰からも憧憬の的の女子高生。
だが実は、弟にだけはとんでもない傍若無人を働く怪物的存在だった。
彼女がキレる頭脳を駆使して弟に非道の限りを尽くす!?
そんな日常を描いた物語。
―作品について―
全32話、約12万字。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる