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式神編
引っ越し
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「万里、学校の教科書類はこれで全部か? やたらと少ないぞ」
「あー、だってほとんど学校におきっぱだもん。家で勉強なんかしないし……」
「なるほど……」
今日は万里の荷物を店長のマンションに移動させるため、店は臨時休業。
俺は引っ越しの手伝いに来ていた。
白石家の万里の部屋で、段ボールに学校関連の物を手際よく詰め込んでいく。
「あとは制服とか体操服……カバンとか、……どこだ?」
「そーゆーのは、洋服と一緒にそっちの段ボールに入れといた」
「よしよし……にしても、荷物少ないなぁ……本当にこれだけか?」
段ボールは合計三つ、引っ越しというにはあまりに少ない。
「尾張サンがちょこちょこ戻ってきて掃除とかしてもいいって言ってたから、足りない物があったら、その都度移動させる」
「そっか」
「あ……」
何やら思い出したように、万里は部屋を出て行った。
戻って来た万里の手には、白石ご夫婦の写真立てが握られていた。斎場から取って来たのか。
「これも持ってく」
「待て待て、そのままだとガラスが割れたらマズいから……」
俺は用意してた新聞紙で写真立てを包み、新聞紙を丸めた緩衝材と一緒に段ボールに入れてやる。
改めて部屋を見回すが、忘れ物はなさそうだ。これで荷造り終了かな。
「でも本当に、家具類は一つも移動させなくていいのか?」
「うん、ベッドとか本棚、勉強机も……尾張サン、色々買ってくれた」
店長、いいとこあるじゃないか。
「都築、万里、荷造りは終わったか?」
部屋の入口に現れたのはアレクだ。骨折もすっかり治って、最近は体力や筋力を取り戻すべく筋トレに励んでるらしい。
……そんなことしなくても、普通に俺よりムキムキだけどな。
病院でひと悶着あった万里の引っ越しだというのに、アレクは嫌な顔ひとつせず、気持ち良く手伝ってくれている。店長から事情は聞いてるんだろうけど、それにしても本当にいい奴だ。
「この段ボールの蓋したら、終わりだ」
俺がガムテープで段ボールの蓋を止めると、アレクがひょいっと持ち上げた。
「段ボールは三つだけだな。よし、車に運ぶぞ」
荷物と俺たちを乗せて、アレクの車は店長の自宅マンションへと向かった。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
「想像はしてましたけど……やっぱ、すごいとこに住んでますね」
「そう?」
店長の自宅は俺の想像をはるかに超えたオサレな高層マンションだった。
俺を500万ドルで買った人だ。
唸るほど金を持ってるだろうとは思ってたが……それにしたって。
店長はキッチンで引っ越し蕎麦を茹でている。
大理石のキッチンカウンターには、揚げたてサクサクの黄金に輝く天ぷらが並んでいた。
「税金対策で高いとこを買ったら、ファミリー向けで無駄に広くてね。部屋が余ってたし、万里くんが来てちょうど良かったよ。都築くん、そこの食器棚から器を出してくれる?」
絵に描いたような「金持ちの台詞」……税金対策なんて、俺には一生縁がなさそうだ。
「はーい」
俺は食器棚の扉を開き、器を四つ取り出してカウンターへと並べる。
「それにしても、万里のこと引き取るなんて……店長、ちょっと見直しました。いつも『ボランティアじゃない』とか言って、損得勘定ばっかりかと思ってたけど……いいとこあるじゃないですか」
俺は店長を、人間として尊敬できそうな気がしていた。
しかし店長は、不思議そうに目をパチクリさせる。
「都築くん、何か勘違いしてるようだから言っとくけど……あくまで『ムーンサイド』として万里くんの身柄を預かったんだよ。橘家からきちんと支払いしてもらってるからね」
「……え?」
「食費や家賃といった生活費に、プラス危険手当など……その他諸々、ね」
危険手当……万里は、取り扱い危険物かよ!
店長は鍋を覗いて蕎麦の茹で加減を確認し、それはもう楽しそうに笑って、独り言のように呟いた。
「順調に儲かってるし、来年あたりムーンサイドも二号店出せるかなぁ……」
「……――っ!?!?」
そそそそ、その資金はもしや……橘家からの万里の生活費では!? という質問を、俺はごっくんと呑み込んだ。怖くて聞けない……。
「都築くん、そろそろ茹で上がるからアレクと万里くん呼んできて」
「は、はいっ!」
俺は万里の部屋に向かった。
入口から中を覗くと、アレクと万里が話している。
「万里、その写真立て……出窓に置くと、日に焼けて早く色褪せるぞ」
「え? そうなの? でも明るいとこの方が、日向ぼっこしてるみたいで気持ち良さそうなんだけど……」
微笑ましい会話だ。
出窓には写真立てに並んで、管狐の水筒も置いてあった。
「ずいぶん片付いたな」
声をかけると、二人が振り返る。
「うん、アレクがいっぱい頑張ってる」
「……万里もちょっとは頑張れ」
二人のやり取りに、俺は思わず笑ってしまった。
「万里……えっと、その……式神の、一馬くんは……ちゃんと連れて来れたのか?」
ちょっと心配だったので確認すると、万里は小さく笑った。
「うん。都築の犬神……パトラッシュだっけ? 気が合うみたい。そこで一緒にお昼寝してる」
「そ、そうなのかっ!?」
なんだなんだ? いつの間に仲良くなったんだ!?
そこで、あっ! と思い出す。俺は二人を呼びに来たんだった。
「二人とも、そろそろ引っ越し蕎麦できるみたいだぞ」
「分かった」
「お腹へったー!」
三人でリビングへ戻ると、ちょうど店長がテーブルに箸と器を並べてるとこだった。出汁の香りが鼻をくすぐる。
さっそくテーブルについた俺たちは、四人揃って手を合わせた。
「いっただきまーすっ!」
箸を構え、さっそく食べ始める。
あつあつサクサクの海老の天ぷらを出汁に浸からせて、ぱくっと頬張る。
たっぷり出汁を吸い込んだ衣と、プリプリの海老……幸せ過ぎる!
「万里くん、明日からまた登校するんだし、学校の準備だけでも今日中に終わらせるんだよ」
「はーい」
店長の言葉に、蕎麦をちゅるんっ! とすすった万里が答えた。
もう完全に親子の会話だな……。
「あまり行ってなかったのか?」
ちょっと心配そうに訊ねるアレクに、万里は軽く首を傾げた。
「中高一貫のとこだから自動で高校に上がれたんだけど……学校じたい、なんか飽きちゃって……高校なってからは、ほとんど行ってない。でも、ちゃんと卒業するって尾張サンと約束したから、明日から真面目に行く」
ズズズーッと蕎麦をすすり、俺も質問してみる。
「でも、友達はいるんだろ? あぁ、ほら……あの彼女、同級生か?」
「彼女???」
万里は目をパチクリさせた。
「俺たちが初めて会った時……俺、橘と間違えて声かけただろ? あの時一緒にいた女の子って彼女じゃないのか?」
「んー……、…………あぁ! あの子か!」
ずいぶん考え込んでから、万里はようやく思い出したようだ。
「同じクラスの子なんだけど、ケーキの美味しいお店連れてくから一回だけデートして欲しいって言われて……」
「はぁ? なんだ、そりゃ……」
ケーキに釣られてデート……子供か。
まぁ、こいつ……橘と一緒で顔は良いもんなぁ。しかも、ちょっとミステリアスで寂し気な雰囲気とか……可愛い系っていうのか? 女子ウケ良さそうだ。
俺の複雑な表情を楽しそうに眺めていた店長だったが、そうそう! と思い出したように口を開く。
「万里くん、うちは女の子連れ込み禁止だよ。ケーキなら僕が作ってあげるから」
「本当に? イチゴたくさんのってるやつがいい……それから、チョコのやつも好き」
店で出してる日替わりランチのミニデザートは、お客さん達に大好評だ。
店長はお菓子作りも得意だもんな。かくいう俺も、味見しまくって、すっかり店長が作るデザートのファンだ。
アレクが楽しそうに笑った。
「都築と万里……食べ盛りの二人がいて、尾張も作り甲斐があるな」
「まぁね……でも、二人とも子供舌だからなぁ。凝ったソースより、ケチャップやマヨネーズの方が喜んで食べるんだよ」
店長も楽しそうに、ふふっと笑みを漏らす。
俺はちらりと万里を見た。
美味しそうに蕎麦をすすっている。
ムーンサイドが、万里の二番目の居場所になりますように……と、俺は心の中でそっと祈った。
「あー、だってほとんど学校におきっぱだもん。家で勉強なんかしないし……」
「なるほど……」
今日は万里の荷物を店長のマンションに移動させるため、店は臨時休業。
俺は引っ越しの手伝いに来ていた。
白石家の万里の部屋で、段ボールに学校関連の物を手際よく詰め込んでいく。
「あとは制服とか体操服……カバンとか、……どこだ?」
「そーゆーのは、洋服と一緒にそっちの段ボールに入れといた」
「よしよし……にしても、荷物少ないなぁ……本当にこれだけか?」
段ボールは合計三つ、引っ越しというにはあまりに少ない。
「尾張サンがちょこちょこ戻ってきて掃除とかしてもいいって言ってたから、足りない物があったら、その都度移動させる」
「そっか」
「あ……」
何やら思い出したように、万里は部屋を出て行った。
戻って来た万里の手には、白石ご夫婦の写真立てが握られていた。斎場から取って来たのか。
「これも持ってく」
「待て待て、そのままだとガラスが割れたらマズいから……」
俺は用意してた新聞紙で写真立てを包み、新聞紙を丸めた緩衝材と一緒に段ボールに入れてやる。
改めて部屋を見回すが、忘れ物はなさそうだ。これで荷造り終了かな。
「でも本当に、家具類は一つも移動させなくていいのか?」
「うん、ベッドとか本棚、勉強机も……尾張サン、色々買ってくれた」
店長、いいとこあるじゃないか。
「都築、万里、荷造りは終わったか?」
部屋の入口に現れたのはアレクだ。骨折もすっかり治って、最近は体力や筋力を取り戻すべく筋トレに励んでるらしい。
……そんなことしなくても、普通に俺よりムキムキだけどな。
病院でひと悶着あった万里の引っ越しだというのに、アレクは嫌な顔ひとつせず、気持ち良く手伝ってくれている。店長から事情は聞いてるんだろうけど、それにしても本当にいい奴だ。
「この段ボールの蓋したら、終わりだ」
俺がガムテープで段ボールの蓋を止めると、アレクがひょいっと持ち上げた。
「段ボールは三つだけだな。よし、車に運ぶぞ」
荷物と俺たちを乗せて、アレクの車は店長の自宅マンションへと向かった。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
「想像はしてましたけど……やっぱ、すごいとこに住んでますね」
「そう?」
店長の自宅は俺の想像をはるかに超えたオサレな高層マンションだった。
俺を500万ドルで買った人だ。
唸るほど金を持ってるだろうとは思ってたが……それにしたって。
店長はキッチンで引っ越し蕎麦を茹でている。
大理石のキッチンカウンターには、揚げたてサクサクの黄金に輝く天ぷらが並んでいた。
「税金対策で高いとこを買ったら、ファミリー向けで無駄に広くてね。部屋が余ってたし、万里くんが来てちょうど良かったよ。都築くん、そこの食器棚から器を出してくれる?」
絵に描いたような「金持ちの台詞」……税金対策なんて、俺には一生縁がなさそうだ。
「はーい」
俺は食器棚の扉を開き、器を四つ取り出してカウンターへと並べる。
「それにしても、万里のこと引き取るなんて……店長、ちょっと見直しました。いつも『ボランティアじゃない』とか言って、損得勘定ばっかりかと思ってたけど……いいとこあるじゃないですか」
俺は店長を、人間として尊敬できそうな気がしていた。
しかし店長は、不思議そうに目をパチクリさせる。
「都築くん、何か勘違いしてるようだから言っとくけど……あくまで『ムーンサイド』として万里くんの身柄を預かったんだよ。橘家からきちんと支払いしてもらってるからね」
「……え?」
「食費や家賃といった生活費に、プラス危険手当など……その他諸々、ね」
危険手当……万里は、取り扱い危険物かよ!
店長は鍋を覗いて蕎麦の茹で加減を確認し、それはもう楽しそうに笑って、独り言のように呟いた。
「順調に儲かってるし、来年あたりムーンサイドも二号店出せるかなぁ……」
「……――っ!?!?」
そそそそ、その資金はもしや……橘家からの万里の生活費では!? という質問を、俺はごっくんと呑み込んだ。怖くて聞けない……。
「都築くん、そろそろ茹で上がるからアレクと万里くん呼んできて」
「は、はいっ!」
俺は万里の部屋に向かった。
入口から中を覗くと、アレクと万里が話している。
「万里、その写真立て……出窓に置くと、日に焼けて早く色褪せるぞ」
「え? そうなの? でも明るいとこの方が、日向ぼっこしてるみたいで気持ち良さそうなんだけど……」
微笑ましい会話だ。
出窓には写真立てに並んで、管狐の水筒も置いてあった。
「ずいぶん片付いたな」
声をかけると、二人が振り返る。
「うん、アレクがいっぱい頑張ってる」
「……万里もちょっとは頑張れ」
二人のやり取りに、俺は思わず笑ってしまった。
「万里……えっと、その……式神の、一馬くんは……ちゃんと連れて来れたのか?」
ちょっと心配だったので確認すると、万里は小さく笑った。
「うん。都築の犬神……パトラッシュだっけ? 気が合うみたい。そこで一緒にお昼寝してる」
「そ、そうなのかっ!?」
なんだなんだ? いつの間に仲良くなったんだ!?
そこで、あっ! と思い出す。俺は二人を呼びに来たんだった。
「二人とも、そろそろ引っ越し蕎麦できるみたいだぞ」
「分かった」
「お腹へったー!」
三人でリビングへ戻ると、ちょうど店長がテーブルに箸と器を並べてるとこだった。出汁の香りが鼻をくすぐる。
さっそくテーブルについた俺たちは、四人揃って手を合わせた。
「いっただきまーすっ!」
箸を構え、さっそく食べ始める。
あつあつサクサクの海老の天ぷらを出汁に浸からせて、ぱくっと頬張る。
たっぷり出汁を吸い込んだ衣と、プリプリの海老……幸せ過ぎる!
「万里くん、明日からまた登校するんだし、学校の準備だけでも今日中に終わらせるんだよ」
「はーい」
店長の言葉に、蕎麦をちゅるんっ! とすすった万里が答えた。
もう完全に親子の会話だな……。
「あまり行ってなかったのか?」
ちょっと心配そうに訊ねるアレクに、万里は軽く首を傾げた。
「中高一貫のとこだから自動で高校に上がれたんだけど……学校じたい、なんか飽きちゃって……高校なってからは、ほとんど行ってない。でも、ちゃんと卒業するって尾張サンと約束したから、明日から真面目に行く」
ズズズーッと蕎麦をすすり、俺も質問してみる。
「でも、友達はいるんだろ? あぁ、ほら……あの彼女、同級生か?」
「彼女???」
万里は目をパチクリさせた。
「俺たちが初めて会った時……俺、橘と間違えて声かけただろ? あの時一緒にいた女の子って彼女じゃないのか?」
「んー……、…………あぁ! あの子か!」
ずいぶん考え込んでから、万里はようやく思い出したようだ。
「同じクラスの子なんだけど、ケーキの美味しいお店連れてくから一回だけデートして欲しいって言われて……」
「はぁ? なんだ、そりゃ……」
ケーキに釣られてデート……子供か。
まぁ、こいつ……橘と一緒で顔は良いもんなぁ。しかも、ちょっとミステリアスで寂し気な雰囲気とか……可愛い系っていうのか? 女子ウケ良さそうだ。
俺の複雑な表情を楽しそうに眺めていた店長だったが、そうそう! と思い出したように口を開く。
「万里くん、うちは女の子連れ込み禁止だよ。ケーキなら僕が作ってあげるから」
「本当に? イチゴたくさんのってるやつがいい……それから、チョコのやつも好き」
店で出してる日替わりランチのミニデザートは、お客さん達に大好評だ。
店長はお菓子作りも得意だもんな。かくいう俺も、味見しまくって、すっかり店長が作るデザートのファンだ。
アレクが楽しそうに笑った。
「都築と万里……食べ盛りの二人がいて、尾張も作り甲斐があるな」
「まぁね……でも、二人とも子供舌だからなぁ。凝ったソースより、ケチャップやマヨネーズの方が喜んで食べるんだよ」
店長も楽しそうに、ふふっと笑みを漏らす。
俺はちらりと万里を見た。
美味しそうに蕎麦をすすっている。
ムーンサイドが、万里の二番目の居場所になりますように……と、俺は心の中でそっと祈った。
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