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白石奇譚
寄り道
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「白石、今日も『万里様』のお迎えか? 毎日大変だなぁ」
茶化すクラスメイトの声を無視して、俺は教室を出た。
部活へと急ぐ者、友人と寄り道の相談をしている者……放課後の喧騒から逃れるように、俺は渡り廊下を移動して中等部へと向かう。
中等部二年の目当ての教室へ着くと、ちょうど万里が教室から出て来るところだった。
俺が少しでも遅くなると、万里は一人でさっさと帰ってしまう。
今日はぎりぎり間に合ったようだ。
「万里様」
俺の顔を見た瞬間、万里はあからさまにげんなりと顔をしかめた。
「一馬……、今日も来たの? 高二の教室って一番遠いのに、よくまぁ毎日……そんなにベッタリ見張ってなくても、悪さしないよ」
俺は万里の隣に並んで歩き出す。
「何回も言ってますけど、俺は『見張り』じゃなく『お供』ですから」
もう何回目か分からないやり取りをしながら、階段を下りる。
「今日は寄り道なしで帰りますよ。万里様の誕生日会をやるって、母さん張り切ってたし」
「誕生日会なんて興味ない。そもそも、そんなのやってもらったことないもん」
「だからこそ、やるんですよ……」
親戚中をたらい回しにされたあげく、ほぼ他人だろ! というくらい……名字すら違う遠縁のうちに万里がやってきて、そろそろ三ヶ月になる。
扱いづらいのは確かだが、息が詰まるような橘一族の堅苦しさを感じさせない自由気ままな万里のことを、両親はけっこう気に入っているようだ。
校舎を出たところで、万里が何か思い出したように小さく声を上げる。
「あ、そうだ……今日、授業中に思いついたことがあったんだ。ちょっとだけ寄り道したい」
「え? あ、万里様っ!」
止める間もなく、万里はクルリと方向転換して歩き出す。
俺は慌てて後を追った。
「仕方ないなぁ……ちょっとだけですよ」
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
万里の寄り道といえば、行き先はほぼ決まっている。
学校の敷地内にある林だった。
中高一貫校ということで敷地も広い。
テニス部が準備運動をしているテニスコートの横を通り、林へと向かう。
万里は歩きながらブツブツと何やら呟き、考えを巡らせているようだ。
俺は邪魔にならないよう、二、三歩遅れてついてゆく。
テニス部の声が遠ざかり、まったく人目を気にする必要のない場所まで来ると、万里は俺に向かってポイッと鞄を放り投げた。
俺はしっかりとキャッチし、距離をとったまま、いつも通り万里を見守る。
万里は小さく深呼吸した。
「よし、やってみる……!」
印を結び、瞳を閉じ、ゆっくりと動く万里の唇から、火の元素を活性化させる呪文が紡がれる。美しく煌く炎の渦が、万里の足元から体を駆け上がってゆく。
舞い上がる火の粉に万里の黒髪がふわりと揺れた。
やはり万里は火と一番相性がいいようだ。
簡単に炎へと大きくしてしまう。
「え……?」
俺の口から思わず驚きの声が漏れた。
炎を纏ったまま、万里は続けて水の元素を活性化させる呪文を口にしたのだ。
水は火を消し止めてしまう……陰陽道で言う、相剋関係だ。
万里が何をしようとしているのか理解できない。
万里が左手をひらりと振ると、指先から輝く水の雫が帯を作る。
なんだ? どうして炎が消えない?
水と火が共存している……万里が力加減を調節しているのだろうか……。いや、そんな高度なこと……橘本家の人間でも何人できるか。
万里が瞳を開く。
右手に宿した炎を空へと打ち上げた。
そして、そこに左手から発している水をぶつける。
上空で二つが混じり合い、炎が水を呑み込んだように見えた。
その瞬間――……、
ドンッ!!!!
ものすごい衝撃と音に、俺は目を見開いた。
万里の体が弾かれたように吹っ飛ぶのを視界に捉えると同時に、俺は持っていた鞄を放り投げ、万里へと走った。
「万里様っ!!」
駆け寄ると、万里は地面に転がったままポカンとしている。
自分で自分の術に驚いているようだ。
「大丈夫ですか? お怪我は?」
助け起こすと、万里は目をパチクリさせた。
「平気……ちゃんと受け身とった」
「今のは何なんですか? どうして火と水が? 何をなさったんです!?」
俺の問いに、万里は楽しそうに笑った。
「火の破壊力を上げられないかと思って、考えてたんだ……ほら、水蒸気爆発ってあるじゃん。火と水の力加減を調節して、相剋させないように――……」
説明しながらも、万里は自分の両手を見つめて握ったり開いたりしている。力加減を反芻しているようだ。
「水蒸気爆発を起こさせるように……調節!?」
まさかの発想に、俺は目を見開いた。
考え付いたとしても、そんなことを実行できる人間など……いや、万里は確かに今、それをやってのけた。
「でも、期待したほど大した威力じゃないかも……もうちょっと工夫が必要かな。それに自分が吹っ飛んだら意味ないし……う~ん、もっと上手く出来ないかな」
俺は万里の手を引いて立ち上がらせた。
「研究熱心なのはいいですが……あまり無茶なさらないで下さい」
「分かってるよ、俺が怪我したら一馬が叱られるもんね」
俺はぐっと言葉に詰まった。
確かにその通り……万里のお供である俺が叱られる。でも、それだけじゃないと説明したところで、万里が今まで親戚をたらい回しにされて経験してきたことを覆なんて、俺には出来ない。
「帰りましょう、万里様」
「うん」
投げ捨てた鞄を拾いに、俺は万里から離れた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
その夜――……、
ささやかながらも、俺の両親が用意した誕生日会が行われた。
万里はずっと不思議そうに、まるで他人事のようにしていた……というより、初めて祝われる自分の誕生日に戸惑っていたのかも知れない。
俺の母手作りの苺がたっぷりのった誕生日ケーキを一口食べて、万里は「おいしい」と呟いた。それが俺たち家族にとって、今日一番の収穫だった。
風呂から上り、俺は自分の部屋で学校の宿題をしていた。
化学の教科書をパラパラめくる手が止まる。
そうだ――……!
俺はノートとペンを手に立ち上がり、すぐ隣の万里の部屋へと向かった。
ドアの前で声をかける。
「万里様、まだ起きてらっしゃいますか?」
「うん」
「失礼します」
返事があったのでドアを開くと、万里はパジャマでベッドに寝転がり、スマホを弄っていた。
「なに?」
万里は起き上がり、スマホを枕元に置いた。
「さっきの水蒸気爆発なんですが……、もっと威力を高めたいと仰ってましたよね?」
「うん」
「こういうのは、どうでしょう?」
持って来たノートを机に開き、白紙のページにペンを走らせる。
ベッドから下りた万里が覗き込んで来た。
「火山噴火の恐ろしいところは、地下水がマグマで熱せられて水蒸気爆発を起こすというだけでなく、そこにマグマや火山岩が混じるという事なんです」
俺が描く火山の絵を、万里は興味深そうに見つめている。
俺は説明を続けた。
「つまり、さっきの火と水の術にプラスで金の元素を足して――……」
「鉱物片を爆発にのせて飛散させるっ!」
察しのいい万里が、俺の言葉を遮るように答えを口にした。
「正解です!」
「すごい! すごいよ一馬! それ、めちゃくちゃ強そう!」
万里は興奮気味で、嬉しそうに丸い瞳をキラキラ輝かせた。
「しかし、威力は増しますが、術者が巻き込まれないような工夫が必要です……それに、一度に三元素を使うとなると、かなり難易度が高くなりますし……」
「三元素いっぺんに使うのは、俺もう出来るよ。色々と練習してるもん」
「えっ? マジですか!? それなら、後はどう術者の安全を確保するか……」
万里は俺の手からペンを取り上げ、ノートに何やら書き始める。
「それなら、こういうのはどうかな?」
……――その日、俺たちは眠るのも忘れ、朝まで術の改良について夢中で話し合った。
幼い頃から修練を続けてきたが、正直、こんなにも陰陽道を面白いと思ったのは初めてだ。
明け方ようやくウトウトした俺たちは二人揃って寝坊し、当然ながら学校にも遅刻してしまった。
茶化すクラスメイトの声を無視して、俺は教室を出た。
部活へと急ぐ者、友人と寄り道の相談をしている者……放課後の喧騒から逃れるように、俺は渡り廊下を移動して中等部へと向かう。
中等部二年の目当ての教室へ着くと、ちょうど万里が教室から出て来るところだった。
俺が少しでも遅くなると、万里は一人でさっさと帰ってしまう。
今日はぎりぎり間に合ったようだ。
「万里様」
俺の顔を見た瞬間、万里はあからさまにげんなりと顔をしかめた。
「一馬……、今日も来たの? 高二の教室って一番遠いのに、よくまぁ毎日……そんなにベッタリ見張ってなくても、悪さしないよ」
俺は万里の隣に並んで歩き出す。
「何回も言ってますけど、俺は『見張り』じゃなく『お供』ですから」
もう何回目か分からないやり取りをしながら、階段を下りる。
「今日は寄り道なしで帰りますよ。万里様の誕生日会をやるって、母さん張り切ってたし」
「誕生日会なんて興味ない。そもそも、そんなのやってもらったことないもん」
「だからこそ、やるんですよ……」
親戚中をたらい回しにされたあげく、ほぼ他人だろ! というくらい……名字すら違う遠縁のうちに万里がやってきて、そろそろ三ヶ月になる。
扱いづらいのは確かだが、息が詰まるような橘一族の堅苦しさを感じさせない自由気ままな万里のことを、両親はけっこう気に入っているようだ。
校舎を出たところで、万里が何か思い出したように小さく声を上げる。
「あ、そうだ……今日、授業中に思いついたことがあったんだ。ちょっとだけ寄り道したい」
「え? あ、万里様っ!」
止める間もなく、万里はクルリと方向転換して歩き出す。
俺は慌てて後を追った。
「仕方ないなぁ……ちょっとだけですよ」
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
万里の寄り道といえば、行き先はほぼ決まっている。
学校の敷地内にある林だった。
中高一貫校ということで敷地も広い。
テニス部が準備運動をしているテニスコートの横を通り、林へと向かう。
万里は歩きながらブツブツと何やら呟き、考えを巡らせているようだ。
俺は邪魔にならないよう、二、三歩遅れてついてゆく。
テニス部の声が遠ざかり、まったく人目を気にする必要のない場所まで来ると、万里は俺に向かってポイッと鞄を放り投げた。
俺はしっかりとキャッチし、距離をとったまま、いつも通り万里を見守る。
万里は小さく深呼吸した。
「よし、やってみる……!」
印を結び、瞳を閉じ、ゆっくりと動く万里の唇から、火の元素を活性化させる呪文が紡がれる。美しく煌く炎の渦が、万里の足元から体を駆け上がってゆく。
舞い上がる火の粉に万里の黒髪がふわりと揺れた。
やはり万里は火と一番相性がいいようだ。
簡単に炎へと大きくしてしまう。
「え……?」
俺の口から思わず驚きの声が漏れた。
炎を纏ったまま、万里は続けて水の元素を活性化させる呪文を口にしたのだ。
水は火を消し止めてしまう……陰陽道で言う、相剋関係だ。
万里が何をしようとしているのか理解できない。
万里が左手をひらりと振ると、指先から輝く水の雫が帯を作る。
なんだ? どうして炎が消えない?
水と火が共存している……万里が力加減を調節しているのだろうか……。いや、そんな高度なこと……橘本家の人間でも何人できるか。
万里が瞳を開く。
右手に宿した炎を空へと打ち上げた。
そして、そこに左手から発している水をぶつける。
上空で二つが混じり合い、炎が水を呑み込んだように見えた。
その瞬間――……、
ドンッ!!!!
ものすごい衝撃と音に、俺は目を見開いた。
万里の体が弾かれたように吹っ飛ぶのを視界に捉えると同時に、俺は持っていた鞄を放り投げ、万里へと走った。
「万里様っ!!」
駆け寄ると、万里は地面に転がったままポカンとしている。
自分で自分の術に驚いているようだ。
「大丈夫ですか? お怪我は?」
助け起こすと、万里は目をパチクリさせた。
「平気……ちゃんと受け身とった」
「今のは何なんですか? どうして火と水が? 何をなさったんです!?」
俺の問いに、万里は楽しそうに笑った。
「火の破壊力を上げられないかと思って、考えてたんだ……ほら、水蒸気爆発ってあるじゃん。火と水の力加減を調節して、相剋させないように――……」
説明しながらも、万里は自分の両手を見つめて握ったり開いたりしている。力加減を反芻しているようだ。
「水蒸気爆発を起こさせるように……調節!?」
まさかの発想に、俺は目を見開いた。
考え付いたとしても、そんなことを実行できる人間など……いや、万里は確かに今、それをやってのけた。
「でも、期待したほど大した威力じゃないかも……もうちょっと工夫が必要かな。それに自分が吹っ飛んだら意味ないし……う~ん、もっと上手く出来ないかな」
俺は万里の手を引いて立ち上がらせた。
「研究熱心なのはいいですが……あまり無茶なさらないで下さい」
「分かってるよ、俺が怪我したら一馬が叱られるもんね」
俺はぐっと言葉に詰まった。
確かにその通り……万里のお供である俺が叱られる。でも、それだけじゃないと説明したところで、万里が今まで親戚をたらい回しにされて経験してきたことを覆なんて、俺には出来ない。
「帰りましょう、万里様」
「うん」
投げ捨てた鞄を拾いに、俺は万里から離れた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
その夜――……、
ささやかながらも、俺の両親が用意した誕生日会が行われた。
万里はずっと不思議そうに、まるで他人事のようにしていた……というより、初めて祝われる自分の誕生日に戸惑っていたのかも知れない。
俺の母手作りの苺がたっぷりのった誕生日ケーキを一口食べて、万里は「おいしい」と呟いた。それが俺たち家族にとって、今日一番の収穫だった。
風呂から上り、俺は自分の部屋で学校の宿題をしていた。
化学の教科書をパラパラめくる手が止まる。
そうだ――……!
俺はノートとペンを手に立ち上がり、すぐ隣の万里の部屋へと向かった。
ドアの前で声をかける。
「万里様、まだ起きてらっしゃいますか?」
「うん」
「失礼します」
返事があったのでドアを開くと、万里はパジャマでベッドに寝転がり、スマホを弄っていた。
「なに?」
万里は起き上がり、スマホを枕元に置いた。
「さっきの水蒸気爆発なんですが……、もっと威力を高めたいと仰ってましたよね?」
「うん」
「こういうのは、どうでしょう?」
持って来たノートを机に開き、白紙のページにペンを走らせる。
ベッドから下りた万里が覗き込んで来た。
「火山噴火の恐ろしいところは、地下水がマグマで熱せられて水蒸気爆発を起こすというだけでなく、そこにマグマや火山岩が混じるという事なんです」
俺が描く火山の絵を、万里は興味深そうに見つめている。
俺は説明を続けた。
「つまり、さっきの火と水の術にプラスで金の元素を足して――……」
「鉱物片を爆発にのせて飛散させるっ!」
察しのいい万里が、俺の言葉を遮るように答えを口にした。
「正解です!」
「すごい! すごいよ一馬! それ、めちゃくちゃ強そう!」
万里は興奮気味で、嬉しそうに丸い瞳をキラキラ輝かせた。
「しかし、威力は増しますが、術者が巻き込まれないような工夫が必要です……それに、一度に三元素を使うとなると、かなり難易度が高くなりますし……」
「三元素いっぺんに使うのは、俺もう出来るよ。色々と練習してるもん」
「えっ? マジですか!? それなら、後はどう術者の安全を確保するか……」
万里は俺の手からペンを取り上げ、ノートに何やら書き始める。
「それなら、こういうのはどうかな?」
……――その日、俺たちは眠るのも忘れ、朝まで術の改良について夢中で話し合った。
幼い頃から修練を続けてきたが、正直、こんなにも陰陽道を面白いと思ったのは初めてだ。
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