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マンション編
原因を探して
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「失礼しまーすっ!」
愛想よく笑顔の九住さんと店長に続いて、俺も玄関で靴を脱ぐ。
女性は店長と俺を見て戸惑いの表情を浮かべた。
「あの……こちらのお二人は?」
「配管業者です!」
営業スマイルで微笑む店長……優しく人当たりのいい美人の表情は、ランチタイムの女性客たちを虜にしてしまう必殺技だ。
「そうなんですか……」
女性はあっさり納得し、本気で配管業者だと信じてしまったようだ……。詐欺集団の一味にでもなったような気分で、俺は女性と目を合わせることが出来ず、そそくさと九住さんの後を追った。
「えーっと、間取りからすると……この部屋ですね」
お隣とは間取りが違うようだ。廊下の奥のドアの前で九住さんは足を止めた。
俺たちの後ろからついて来た女性が、なにやら言いにくそうに九住さんに声をかける。
「そこは息子の部屋なんですが……ちょっと、趣味が高じてまして……」
「あ、お気になさらず! 管理会社やってれば色んなお宅を拝見してますから。入らせていただいて大丈夫ですか?」
九住さんの言葉に促され、女性はドアをノックした。
「なに?」
ちょっと面倒くさそうな、若い男の声が答えた。
息子と母親にしては、なんだか女性の方が遠慮がちな気がする。
「裕二、マンションの管理会社の方が来てるの。部屋の壁の奥の配管を確認したいんですって」
「分かった」
ドアが開いた。
見た感じ高校生くらいか……。
しかし俺の視線は、裕二くんと呼ばれた彼ではなく、その向こうの室内に釘付けになった。
「――…っ!?」
「どうぞ、入ってもらっていいですよ」
裕二くんに招き入れられ中へ入るものの、店長はちょっと物珍しそうにキョロキョロと室内を見回す。九住さんは先ほどの言葉通り慣れているのか全然平気そうだ。……そして俺は、目のやり場に困って俯いてしまった。
その部屋は壁にびっしりと隙間なくアニメキャラの女の子のポスターが貼ってあったのだ。
しかも、……どの子も、あられもない姿であられもないポーズをとっている。
そして、ベッドには可愛い女の子のイラストがプリントされた抱き枕が二つ!! 女の子たちは下着姿で、それも脱げそうになっているっ!!
ゆ、ゆゆゆゆ裕二くんは、この抱き枕に挟まれて寝てるのか……っ!?
呼吸困難になりそうで口をパクパクさせて視線を逸らすと、勉強机の上のパソコンのディスプレイが目に入った。
そこには今まさにプレイ中だったと思われるゲーム画面が表示されていた。ピンクの髪で下着姿の女の子が次の選択肢を待っている……。
店長はゆっくりと視線を巡らせ、口元に手をあてて何やら考え込んだ。
「なるほど……、君はツインテールの幼女が好みなんだね」
「えぇ、まぁ」
なんの確認やねんっ!!!!
涼しい表情で質問する店長と、しれっと答える裕二くん……。いや、趣味も性的嗜好も人それぞれだし、どうこう言うつもりはないが……それにしても、俺はこの部屋にいること自体が恥ずかしい……そわそわして落ち着かない。
俺が居心地悪そうにしてるのがバレたのか、九住さんが苦笑しつつ店長に声をかけた。
「尾張さん、配管を確認してもらえますか?」
そうだった、店長と俺は配管業者なんだった!
「はい」
店長は一つの壁に近づき、それっぽく壁を手の甲でコンコン叩いてみたりした。女の子のポスターは全く気にならないようだ。
店長は少し考え込んでから、部屋の四隅へ順に視線を投げる。
「なるほど……やはり、簡単な工事が必要のようです。ポスターが汚れては大変だ。いったん外して他の部屋に避難させてもらえますか? できれば、汚れたり傷ついたら困るもの……パソコン、フィギュア、本などのコレクションも移動させていただいた方が安心かと」
「分かりました」
裕二くんは嫌がるわけでも、面倒くさがるわけでもなく、店長の言葉に素直に頷いた。
さっそく壁のポスターへと手を伸ばした裕二くんだったが、一枚剥がしたところでその手が止まった。
「うわっ! なんだ、これっ!?」
「まぁ、何なの? これ……」
裕二くんと母親の驚きの声が被る。九住さんも店長も、俺以外の全員が驚いたように壁を見つめている。
「……???」
きょとんとしている俺に、店長が耳打ちする。
「隣に浮き出てたのと同じ、大きな黒いシミがあるんだよ」
あー、なるほど……ポスターで隠れてて今まで分からなかったのか。
いちいち見えないのが、本当に何とも歯がゆいような申し訳ないような……。
しかし、そのシミのおかげで壁の中の配管に問題があるという話に信憑性が増し、危機感がアップしたようだ。母親は慌てて提案した。
「とりあえず、荷物はリビングの横の和室に移動を……」
店長は笑顔で頷き、俺へと声をかける。
「都築くん、パソコンとか色々運ぶの大変なものもあるから、お手伝いして」
「は、はいっ!」
そうだ、ここにあるものは全部、裕二くんの大切なコレクションなんだ!
俺は裕二くんに指示をもらいつつ、細心の注意を払って、ツインテールの幼女たちを和室へと避難させた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
あっという間に裕二くんの部屋は空っぽになった。
荷物を移動させた和室で、九住さんが母親に説明する。
「数日中にきちんと壁の修復と、クロス貼りかえ業者を手配しますので……今日は配管の応急処置だけさせていただきます」
「分かりました」
「それでは、工事の日程のご相談なんですが――…」
二人が話している横で、裕二くんはさっそくパソコンを再起動させてゲームの続きをやり始めた。
「都築くん」
店長に声をかけられ、目配せされて、俺は店長と共に裕二くんの部屋へと戻った。
店長と二人きりになって、ようやく俺は気になっていたことを質問する。
「それで、霊がいっぱい集まってくる原因は分かったんですか?」
「うん……ここには、霊道が通っているんだ」
「れい、どう……???」
初めて聞く単語だ。聞き返した俺に、店長は頷いて部屋の中をぐるりと見回した。
「霊道っていうのは、文字通り『霊の通り道』だよ……浮遊霊や動物霊が好んで通る道のこと。山で動物が良く通るところを『けもの道』って言うだろ? 同じように、何度もそこを通っているうちに、自然に『道』が出来てしまうんだよ」
「え、……でも、なんでこんな場所に霊道が? 裕二くんの荷物にはオカルトグッズみたいなアイテムはなかったですよ。どうして――…」
「細かい説明は後、今はとりあえず霊道を閉じる」
店長は左手で護符を取り出し、右手で印を結んだ。呪文を唱え始める。
俺は邪魔にならないよう、ドアの方へと後ずさった。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
「はぁ~、霊道も塞がったし、後は残ってる霊たちを祓うだけですね……!」
九住さんと店長と一緒に四〇二号室へ戻って来た俺は、ひと仕事終えたような気分で大きく息を吐いた。店長も、ちょっとホッとした様子でペットボトルの水を飲んだ。
「再び霊道が通らないように、クロスの貼り替えの時に結界用の護符を仕込んでもらえば大丈夫だと思います。九住さん、お願いできますか?」
「はい、ちょっと厚めのクロスなら段差もできなし、ばれないでしょう。大丈夫ですよ――…っと、すみません! 私はそろそろ失礼しないと……何かあればご連絡下さい!」
九住さんは腕時計をチラリと見て、慌ててポケットからマンションの鍵を取り出した。
「分かりました。都築くん、鍵を預かっておいて」
「はい」
俺は九住さんから鍵を受け取り、ポケットへしまった。
「では、残りの除霊……よろしくお願いします!」
九住さんは何度も頭を下げ、ちょっと申し訳なさそうに帰って行った。九住さんを玄関まで見送り、リビングへ戻ると店長の姿がない。
「あれ? 店長?」
「こっちだよ」
声の方を見ると、店長がベランダに出てサンドイッチを摘まんでいる。
さっき、俺と九住さんが買い出ししてきたやつだ。
「室内は臭いが酷いから、ベランダなら少しはましかと思ったけど……普通にキツいな」
軽く眉をひそめつつも、店長はサンドイッチを口に運ぶ。
まだこれから残りの除霊をするんだ。体力勝負だし、食べないともたないんだろうな。
俺は店長に並んでベランダの手すりに凭れかかった。
風がふわりと髪を揺らす。
「店長、不思議なんですが……どうして裕二くんの部屋に霊道が出来ちゃったんですか?」
愛想よく笑顔の九住さんと店長に続いて、俺も玄関で靴を脱ぐ。
女性は店長と俺を見て戸惑いの表情を浮かべた。
「あの……こちらのお二人は?」
「配管業者です!」
営業スマイルで微笑む店長……優しく人当たりのいい美人の表情は、ランチタイムの女性客たちを虜にしてしまう必殺技だ。
「そうなんですか……」
女性はあっさり納得し、本気で配管業者だと信じてしまったようだ……。詐欺集団の一味にでもなったような気分で、俺は女性と目を合わせることが出来ず、そそくさと九住さんの後を追った。
「えーっと、間取りからすると……この部屋ですね」
お隣とは間取りが違うようだ。廊下の奥のドアの前で九住さんは足を止めた。
俺たちの後ろからついて来た女性が、なにやら言いにくそうに九住さんに声をかける。
「そこは息子の部屋なんですが……ちょっと、趣味が高じてまして……」
「あ、お気になさらず! 管理会社やってれば色んなお宅を拝見してますから。入らせていただいて大丈夫ですか?」
九住さんの言葉に促され、女性はドアをノックした。
「なに?」
ちょっと面倒くさそうな、若い男の声が答えた。
息子と母親にしては、なんだか女性の方が遠慮がちな気がする。
「裕二、マンションの管理会社の方が来てるの。部屋の壁の奥の配管を確認したいんですって」
「分かった」
ドアが開いた。
見た感じ高校生くらいか……。
しかし俺の視線は、裕二くんと呼ばれた彼ではなく、その向こうの室内に釘付けになった。
「――…っ!?」
「どうぞ、入ってもらっていいですよ」
裕二くんに招き入れられ中へ入るものの、店長はちょっと物珍しそうにキョロキョロと室内を見回す。九住さんは先ほどの言葉通り慣れているのか全然平気そうだ。……そして俺は、目のやり場に困って俯いてしまった。
その部屋は壁にびっしりと隙間なくアニメキャラの女の子のポスターが貼ってあったのだ。
しかも、……どの子も、あられもない姿であられもないポーズをとっている。
そして、ベッドには可愛い女の子のイラストがプリントされた抱き枕が二つ!! 女の子たちは下着姿で、それも脱げそうになっているっ!!
ゆ、ゆゆゆゆ裕二くんは、この抱き枕に挟まれて寝てるのか……っ!?
呼吸困難になりそうで口をパクパクさせて視線を逸らすと、勉強机の上のパソコンのディスプレイが目に入った。
そこには今まさにプレイ中だったと思われるゲーム画面が表示されていた。ピンクの髪で下着姿の女の子が次の選択肢を待っている……。
店長はゆっくりと視線を巡らせ、口元に手をあてて何やら考え込んだ。
「なるほど……、君はツインテールの幼女が好みなんだね」
「えぇ、まぁ」
なんの確認やねんっ!!!!
涼しい表情で質問する店長と、しれっと答える裕二くん……。いや、趣味も性的嗜好も人それぞれだし、どうこう言うつもりはないが……それにしても、俺はこの部屋にいること自体が恥ずかしい……そわそわして落ち着かない。
俺が居心地悪そうにしてるのがバレたのか、九住さんが苦笑しつつ店長に声をかけた。
「尾張さん、配管を確認してもらえますか?」
そうだった、店長と俺は配管業者なんだった!
「はい」
店長は一つの壁に近づき、それっぽく壁を手の甲でコンコン叩いてみたりした。女の子のポスターは全く気にならないようだ。
店長は少し考え込んでから、部屋の四隅へ順に視線を投げる。
「なるほど……やはり、簡単な工事が必要のようです。ポスターが汚れては大変だ。いったん外して他の部屋に避難させてもらえますか? できれば、汚れたり傷ついたら困るもの……パソコン、フィギュア、本などのコレクションも移動させていただいた方が安心かと」
「分かりました」
裕二くんは嫌がるわけでも、面倒くさがるわけでもなく、店長の言葉に素直に頷いた。
さっそく壁のポスターへと手を伸ばした裕二くんだったが、一枚剥がしたところでその手が止まった。
「うわっ! なんだ、これっ!?」
「まぁ、何なの? これ……」
裕二くんと母親の驚きの声が被る。九住さんも店長も、俺以外の全員が驚いたように壁を見つめている。
「……???」
きょとんとしている俺に、店長が耳打ちする。
「隣に浮き出てたのと同じ、大きな黒いシミがあるんだよ」
あー、なるほど……ポスターで隠れてて今まで分からなかったのか。
いちいち見えないのが、本当に何とも歯がゆいような申し訳ないような……。
しかし、そのシミのおかげで壁の中の配管に問題があるという話に信憑性が増し、危機感がアップしたようだ。母親は慌てて提案した。
「とりあえず、荷物はリビングの横の和室に移動を……」
店長は笑顔で頷き、俺へと声をかける。
「都築くん、パソコンとか色々運ぶの大変なものもあるから、お手伝いして」
「は、はいっ!」
そうだ、ここにあるものは全部、裕二くんの大切なコレクションなんだ!
俺は裕二くんに指示をもらいつつ、細心の注意を払って、ツインテールの幼女たちを和室へと避難させた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
あっという間に裕二くんの部屋は空っぽになった。
荷物を移動させた和室で、九住さんが母親に説明する。
「数日中にきちんと壁の修復と、クロス貼りかえ業者を手配しますので……今日は配管の応急処置だけさせていただきます」
「分かりました」
「それでは、工事の日程のご相談なんですが――…」
二人が話している横で、裕二くんはさっそくパソコンを再起動させてゲームの続きをやり始めた。
「都築くん」
店長に声をかけられ、目配せされて、俺は店長と共に裕二くんの部屋へと戻った。
店長と二人きりになって、ようやく俺は気になっていたことを質問する。
「それで、霊がいっぱい集まってくる原因は分かったんですか?」
「うん……ここには、霊道が通っているんだ」
「れい、どう……???」
初めて聞く単語だ。聞き返した俺に、店長は頷いて部屋の中をぐるりと見回した。
「霊道っていうのは、文字通り『霊の通り道』だよ……浮遊霊や動物霊が好んで通る道のこと。山で動物が良く通るところを『けもの道』って言うだろ? 同じように、何度もそこを通っているうちに、自然に『道』が出来てしまうんだよ」
「え、……でも、なんでこんな場所に霊道が? 裕二くんの荷物にはオカルトグッズみたいなアイテムはなかったですよ。どうして――…」
「細かい説明は後、今はとりあえず霊道を閉じる」
店長は左手で護符を取り出し、右手で印を結んだ。呪文を唱え始める。
俺は邪魔にならないよう、ドアの方へと後ずさった。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
「はぁ~、霊道も塞がったし、後は残ってる霊たちを祓うだけですね……!」
九住さんと店長と一緒に四〇二号室へ戻って来た俺は、ひと仕事終えたような気分で大きく息を吐いた。店長も、ちょっとホッとした様子でペットボトルの水を飲んだ。
「再び霊道が通らないように、クロスの貼り替えの時に結界用の護符を仕込んでもらえば大丈夫だと思います。九住さん、お願いできますか?」
「はい、ちょっと厚めのクロスなら段差もできなし、ばれないでしょう。大丈夫ですよ――…っと、すみません! 私はそろそろ失礼しないと……何かあればご連絡下さい!」
九住さんは腕時計をチラリと見て、慌ててポケットからマンションの鍵を取り出した。
「分かりました。都築くん、鍵を預かっておいて」
「はい」
俺は九住さんから鍵を受け取り、ポケットへしまった。
「では、残りの除霊……よろしくお願いします!」
九住さんは何度も頭を下げ、ちょっと申し訳なさそうに帰って行った。九住さんを玄関まで見送り、リビングへ戻ると店長の姿がない。
「あれ? 店長?」
「こっちだよ」
声の方を見ると、店長がベランダに出てサンドイッチを摘まんでいる。
さっき、俺と九住さんが買い出ししてきたやつだ。
「室内は臭いが酷いから、ベランダなら少しはましかと思ったけど……普通にキツいな」
軽く眉をひそめつつも、店長はサンドイッチを口に運ぶ。
まだこれから残りの除霊をするんだ。体力勝負だし、食べないともたないんだろうな。
俺は店長に並んでベランダの手すりに凭れかかった。
風がふわりと髪を揺らす。
「店長、不思議なんですが……どうして裕二くんの部屋に霊道が出来ちゃったんですか?」
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