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マンション編
事故物件
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「ありがとうございましたーっ!」
ランチタイム最後の客は、いつも通り隣のオフィスビルで働く事務員さん達だ。
笑顔で送り出す俺に、「ごちそうさま~」とか「美味しかったわ」と声をかけてくれるのもいつも通り。
これで店の前に出来ていた大行列も、ようやくさばき終わった。
お座敷様効果は本当にすごい!
俺は達成感に浸りつつ店のドアにかけてあるプレートを「営業中」から「休憩中」にひっくり返した。
「都築くん、お疲れ様」
店内に戻ると、店長の優しい労いの言葉が迎えてくれる。
「今日も大繁盛でしたね! ミニデザートのイチゴババロア、すごーく好評でしたよ!」
テーブルに残っていた皿をトレイにまとめてカウンターに置くと、店長が笑顔で厨房へと運んでいく。
「それは良かった。やっぱりデザートは飽きられないように次々新作を出したいね」
店長が厨房からまかないを運んできてくれる。俺はいそいそとカウンターの椅子に腰を下ろした。
がっつり労働の後の飯は格別だ!
「今日の昼ご飯は――…っ! ブリ大根っ!? ふわぁああ~、ウマそう~っ!」
目の前に置かれたブリ大根とほかほか白ご飯、味噌汁、そしてほうれん草のお浸し……まかない飯がどんどん豪華になっていくのは、きっと昼のランチ営業が繁盛しまくってるおかげに違いない。
お座敷様に感謝しつつ、俺は手を合わせた。
「いただきまーすっ!」
店長がウサギ柄のマグカップを持ってきて、カウンターにコトリと置いた。クリームがたっぷりのったホットチョコレートは、もちろん俺のじゃない。
「お座敷様って、甘いモノが好きなんですね。お供え物って、もっとこう……昆布とかお餅みたいな物かと思ってました」
「本当は御神酒なんかが一般的だけど、都築くんがパトラッシュにドッグフードあげてるの見て、色々試してみたんだよ。そしたら、甘くて温かい飲み物がお好きだって分かってね」
「へぇ~……あ、大根うまっ……、……」
脂ののったブリと、その旨みがたっぷりしみ込んだ大根!
こってり甘めの味付けがご飯と相性抜群だ。そして、ほうれん草のお浸しはさっぱりと優しい味わい。味噌汁には玉ねぎやサツマイモが入っていてほっこり甘い。
あぁ、もう! 箸がとまらない!
「ふふっ、ご飯のお代わりあるから――…」
「お代わりお願いしますっ!!」
店長の言葉に被り気味に、俺は幸せいっぱいで空のお茶碗を差し出した。
お昼のまかない飯をたっぷりがっつり堪能した俺は、上機嫌で店内の掃除をしていた。
夜のバータイムの客は相変わらず少ないが、少しでも居心地良い空間で寛いでもらいたい。観葉植物に水をやってから間接照明の位置を確認していると、カウンターで帳簿をつけていた店長が何やら思い出したように「あ……」と声をあげた。
「店長、どうかしました?」
「忘れてた。今日、祓いの仕事があったんだ。都築くん、夜営業の準備はいいから出かける支度してくれる?」
「分かりました!」
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
戸締りと着替えが終わったタイミングに合わせるように店のドアが開いた。
細身のスーツ姿の中年男性が入って来る。
「失礼します! 尾張さん、お迎えにあがりました!」
「あれ? 祓いのお客さんって、九住さん?」
驚く俺に、九住さんは愛想よく笑顔で頷く。
九住さんは数少ないバータイムのお客さんだ。月に一、二回程度の来店だから常連というほどではないが、営業マンらしいハキハキした話し方と笑顔で、俺にも気さくに接してくれる。
「そうなんですよ。今日はお酒をいただきに来たんじゃなく、お祓いの依頼なんです……あぁ、詳しい説明は移動しながら……、お車にどうぞ!」
九住さんに促され、店を出た店長と俺は「九住不動産」と書かれている車に乗り込んだ。
車はすぐに出発し、移動中に九住さんが依頼内容を説明してくれる。
話によると、九住さんは不動産屋で、事故物件などで霊現象が起こる物件のお祓いを「ムーンサイド」に依頼しているらしい。
年に一、二回くらいのペースで依頼があるようだが、俺がアシスタントになってからは始めてだ。
「確実に祓って下さるので、尾張さんにお願いすれば安心なんですよね。今回もパパッとお願いします!」
九住さんの口調は軽い。あくまでビジネスとして説明しているだけで、霊現象に対しての恐怖や深刻さは全く感じられない。
不動産屋ともなると、そういう事に対して慣れっこなのだろうか。
話しているうちに車は目的地であるマンションへと到着した。
管理会社専用の駐車スペースに滑り込むように車は停まる。
「着きましたよ」
「はいっ!」
車を降りて見上げたマンションは五階建てだった。
駅からも近く、入口には植え込みもあり、建物自体もお洒落な雰囲気で人気ありそうだ。
霊現象が起こると聞いて、もっと古ぼけたおどろおどろしい雰囲気の建物を想像してた俺は、ちょっと拍子抜けしてしまう。
店長は車から降りると、いったんマンションを見上げてから俺へと視線を落とした。
「都築くん」
「なんですか?」
手招きされて近づくと、店長はちょっと困ったように苦笑した。
「パトラッシュが威嚇しまくって霊が怖がって隠れちゃうから、除霊しにくくなる。ハウスさせといて」
「――……っ!! す、すみません! パトラッシュ、ハウス!」
俺は慌ててパトラッシュに指示を出す。
そんな俺たちを九住さんは不思議そうに見比べた。
九住さんに案内され、店長と俺はマンションの中へ入った。エレベーターで四階へ上がりながら、九住さんが説明の続きをしてくれる。
「このマンションはうちが管理を任されているのですが、四〇二号室が家賃の滞納が続いて、ご近所から異臭の連絡がありまして……」
「中を確認したら、亡くなっていた……?」
「はい。元は高齢のご夫婦で入居されてたのですが、奥様がご病気で入院されてお亡くなりになり、一人残されたご主人は奥様の後を追うようにドアノブで首を吊られて……」
「なるほど……」
九住さんと店長の話はとても悲しい内容なのに、二人はただ淡々と事実確認をしていく。口調はどこまでも事務的だ。
俺は複雑な気分で二人の後をついてエレベーターをおりた。
廊下を進み、四〇二号室のドア前で九住さんはちょっと言いにくそうに軽く咳払いした。
「ご夫婦の荷物や家財道具は全て業者に引き取ってもらったのですが、何度清掃業者に入ってもらっても、臭いがとれないんです。水が腐ったような、かなりの悪臭なので……覚悟しておいて下さいね」
前置きしつつ九住さんはポケットから鍵を取り出した。
ガチャリ……
ドアを開くと同時に、九住さんと店長は顔をしかめた。俺は……、特に何も感じない。
うん、まぁ……ですよね。
靴を脱ぐ俺をチラリと見て、店長は小さく呟いた。
「都築くんの特異体質……ちょっとだけ羨ましいよ」
九住さんは室内に入ると早足でリビングを突っ切り、窓を開けた。
こもっている臭いを逃すためだろう。
ふと店長へ目をやると、リビングの入口で茫然と立ち尽くしている。
「店長? どうかしました? 大丈夫ですか?」
「……あ、……えっと……」
俺の声かけでハッと我に返った店長は何度か瞬きした。そして周囲に厳しい視線を走らせる。
「九住さん、ここで亡くなったのはその男性だけですか?」
「はい。このマンションが建った時からうちが管理していますが、マンション全体でも、亡くなったのはお一人だけです」
「う~ん……」
店長は腕を組んで何やら考え込む。
九住さんは臭いに耐えられなくなったのか、ポケットからハンカチを取り出して鼻と口元を覆った。そして店長へと近づく。
「さすが尾張さん、やっぱりお感じになりますか? この部屋に出るのはその男性の霊だけじゃないんです。清掃業者は、小さな男の子と中学生くらいの女の子の影を見たと言いますし。私自身も中年女性と大学生くらいの男性を見ています」
え……?
ここに何人もの霊がいる? いったいどういう事なんだ!?
店長はもう一度ゆっくりと周囲を見渡した。俺には何もないガランとした空間に見えるが……。
いつになく店長の顔色が悪い気がする。
店長には、何が、どんなふうに見えてるんだ?
「ここには、霊が大量にいます……まるで満員電車だ。こんなの――…、……見たことがない」
ランチタイム最後の客は、いつも通り隣のオフィスビルで働く事務員さん達だ。
笑顔で送り出す俺に、「ごちそうさま~」とか「美味しかったわ」と声をかけてくれるのもいつも通り。
これで店の前に出来ていた大行列も、ようやくさばき終わった。
お座敷様効果は本当にすごい!
俺は達成感に浸りつつ店のドアにかけてあるプレートを「営業中」から「休憩中」にひっくり返した。
「都築くん、お疲れ様」
店内に戻ると、店長の優しい労いの言葉が迎えてくれる。
「今日も大繁盛でしたね! ミニデザートのイチゴババロア、すごーく好評でしたよ!」
テーブルに残っていた皿をトレイにまとめてカウンターに置くと、店長が笑顔で厨房へと運んでいく。
「それは良かった。やっぱりデザートは飽きられないように次々新作を出したいね」
店長が厨房からまかないを運んできてくれる。俺はいそいそとカウンターの椅子に腰を下ろした。
がっつり労働の後の飯は格別だ!
「今日の昼ご飯は――…っ! ブリ大根っ!? ふわぁああ~、ウマそう~っ!」
目の前に置かれたブリ大根とほかほか白ご飯、味噌汁、そしてほうれん草のお浸し……まかない飯がどんどん豪華になっていくのは、きっと昼のランチ営業が繁盛しまくってるおかげに違いない。
お座敷様に感謝しつつ、俺は手を合わせた。
「いただきまーすっ!」
店長がウサギ柄のマグカップを持ってきて、カウンターにコトリと置いた。クリームがたっぷりのったホットチョコレートは、もちろん俺のじゃない。
「お座敷様って、甘いモノが好きなんですね。お供え物って、もっとこう……昆布とかお餅みたいな物かと思ってました」
「本当は御神酒なんかが一般的だけど、都築くんがパトラッシュにドッグフードあげてるの見て、色々試してみたんだよ。そしたら、甘くて温かい飲み物がお好きだって分かってね」
「へぇ~……あ、大根うまっ……、……」
脂ののったブリと、その旨みがたっぷりしみ込んだ大根!
こってり甘めの味付けがご飯と相性抜群だ。そして、ほうれん草のお浸しはさっぱりと優しい味わい。味噌汁には玉ねぎやサツマイモが入っていてほっこり甘い。
あぁ、もう! 箸がとまらない!
「ふふっ、ご飯のお代わりあるから――…」
「お代わりお願いしますっ!!」
店長の言葉に被り気味に、俺は幸せいっぱいで空のお茶碗を差し出した。
お昼のまかない飯をたっぷりがっつり堪能した俺は、上機嫌で店内の掃除をしていた。
夜のバータイムの客は相変わらず少ないが、少しでも居心地良い空間で寛いでもらいたい。観葉植物に水をやってから間接照明の位置を確認していると、カウンターで帳簿をつけていた店長が何やら思い出したように「あ……」と声をあげた。
「店長、どうかしました?」
「忘れてた。今日、祓いの仕事があったんだ。都築くん、夜営業の準備はいいから出かける支度してくれる?」
「分かりました!」
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
戸締りと着替えが終わったタイミングに合わせるように店のドアが開いた。
細身のスーツ姿の中年男性が入って来る。
「失礼します! 尾張さん、お迎えにあがりました!」
「あれ? 祓いのお客さんって、九住さん?」
驚く俺に、九住さんは愛想よく笑顔で頷く。
九住さんは数少ないバータイムのお客さんだ。月に一、二回程度の来店だから常連というほどではないが、営業マンらしいハキハキした話し方と笑顔で、俺にも気さくに接してくれる。
「そうなんですよ。今日はお酒をいただきに来たんじゃなく、お祓いの依頼なんです……あぁ、詳しい説明は移動しながら……、お車にどうぞ!」
九住さんに促され、店を出た店長と俺は「九住不動産」と書かれている車に乗り込んだ。
車はすぐに出発し、移動中に九住さんが依頼内容を説明してくれる。
話によると、九住さんは不動産屋で、事故物件などで霊現象が起こる物件のお祓いを「ムーンサイド」に依頼しているらしい。
年に一、二回くらいのペースで依頼があるようだが、俺がアシスタントになってからは始めてだ。
「確実に祓って下さるので、尾張さんにお願いすれば安心なんですよね。今回もパパッとお願いします!」
九住さんの口調は軽い。あくまでビジネスとして説明しているだけで、霊現象に対しての恐怖や深刻さは全く感じられない。
不動産屋ともなると、そういう事に対して慣れっこなのだろうか。
話しているうちに車は目的地であるマンションへと到着した。
管理会社専用の駐車スペースに滑り込むように車は停まる。
「着きましたよ」
「はいっ!」
車を降りて見上げたマンションは五階建てだった。
駅からも近く、入口には植え込みもあり、建物自体もお洒落な雰囲気で人気ありそうだ。
霊現象が起こると聞いて、もっと古ぼけたおどろおどろしい雰囲気の建物を想像してた俺は、ちょっと拍子抜けしてしまう。
店長は車から降りると、いったんマンションを見上げてから俺へと視線を落とした。
「都築くん」
「なんですか?」
手招きされて近づくと、店長はちょっと困ったように苦笑した。
「パトラッシュが威嚇しまくって霊が怖がって隠れちゃうから、除霊しにくくなる。ハウスさせといて」
「――……っ!! す、すみません! パトラッシュ、ハウス!」
俺は慌ててパトラッシュに指示を出す。
そんな俺たちを九住さんは不思議そうに見比べた。
九住さんに案内され、店長と俺はマンションの中へ入った。エレベーターで四階へ上がりながら、九住さんが説明の続きをしてくれる。
「このマンションはうちが管理を任されているのですが、四〇二号室が家賃の滞納が続いて、ご近所から異臭の連絡がありまして……」
「中を確認したら、亡くなっていた……?」
「はい。元は高齢のご夫婦で入居されてたのですが、奥様がご病気で入院されてお亡くなりになり、一人残されたご主人は奥様の後を追うようにドアノブで首を吊られて……」
「なるほど……」
九住さんと店長の話はとても悲しい内容なのに、二人はただ淡々と事実確認をしていく。口調はどこまでも事務的だ。
俺は複雑な気分で二人の後をついてエレベーターをおりた。
廊下を進み、四〇二号室のドア前で九住さんはちょっと言いにくそうに軽く咳払いした。
「ご夫婦の荷物や家財道具は全て業者に引き取ってもらったのですが、何度清掃業者に入ってもらっても、臭いがとれないんです。水が腐ったような、かなりの悪臭なので……覚悟しておいて下さいね」
前置きしつつ九住さんはポケットから鍵を取り出した。
ガチャリ……
ドアを開くと同時に、九住さんと店長は顔をしかめた。俺は……、特に何も感じない。
うん、まぁ……ですよね。
靴を脱ぐ俺をチラリと見て、店長は小さく呟いた。
「都築くんの特異体質……ちょっとだけ羨ましいよ」
九住さんは室内に入ると早足でリビングを突っ切り、窓を開けた。
こもっている臭いを逃すためだろう。
ふと店長へ目をやると、リビングの入口で茫然と立ち尽くしている。
「店長? どうかしました? 大丈夫ですか?」
「……あ、……えっと……」
俺の声かけでハッと我に返った店長は何度か瞬きした。そして周囲に厳しい視線を走らせる。
「九住さん、ここで亡くなったのはその男性だけですか?」
「はい。このマンションが建った時からうちが管理していますが、マンション全体でも、亡くなったのはお一人だけです」
「う~ん……」
店長は腕を組んで何やら考え込む。
九住さんは臭いに耐えられなくなったのか、ポケットからハンカチを取り出して鼻と口元を覆った。そして店長へと近づく。
「さすが尾張さん、やっぱりお感じになりますか? この部屋に出るのはその男性の霊だけじゃないんです。清掃業者は、小さな男の子と中学生くらいの女の子の影を見たと言いますし。私自身も中年女性と大学生くらいの男性を見ています」
え……?
ここに何人もの霊がいる? いったいどういう事なんだ!?
店長はもう一度ゆっくりと周囲を見渡した。俺には何もないガランとした空間に見えるが……。
いつになく店長の顔色が悪い気がする。
店長には、何が、どんなふうに見えてるんだ?
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