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お仕事編
ポルターガイスト
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カフェバー「ムーンサイド」でバイトをしている俺の最大の楽しみは、まかない飯だ。ランチタイム終了後には昼ご飯、バータイム終了後には夜ご飯、料理上手な店長が腕を振るってくれる。
しかも、田舎から出て来て一人暮らしの俺のために作ってくれるのは、どこか懐かしい家庭的な料理の数々――…俺はしっかり胃袋を掴まれていた。
しかし今日、お昼のランチ営業を終えた俺の前に出されたのは――…、
「お白湯……」
お白湯生活ももう三日目、しかし決して慣れることはできない。
俺はダイエット中でもないし、腸内美人を目指してデトックスしてるわけでもない。
苦々しい表情でお白湯をすする俺に、店長が苦笑した。
「今夜からやっと食べられるね」
「そうなんです! 店長、今夜はカレーか唐揚げが食べたいです!」
俺が自分からまかないメニューをおねだりするなんて初めてだが、今日くらいは許されるはず。
しかし店長はちょっと困ったように微笑んで首を傾げた。
「久しぶりの固形物だし、いきなりカレーや唐揚げは胃が受け付けないんじゃないかな。今夜はお粥にしといた方がいいと思うよ」
「えぇぇえ~っ!?」
やっと好きな物を好きなだけ食べられると思ったのに……辛い。
ガックリと項垂れた俺に、店長の声が振ってくる。
「今日は祓いの仕事の依頼があるんだ。これから出かけるけど、都築くんは三日もまともに食べてないし辛かったらお留守番しててもいいよ」
「祓いの仕事っ!? いきます!!」
契約上、祓いの仕事は時給が倍なのだ。苦学生の俺は、時給倍チャンスを逃すわけにはいかない。
俺は残っていたお白湯をグイッと飲み干し、張り切ってランチ営業の後片付けに取り掛かった。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
「ポルターガイストって、えーっと……物が勝手に動いたり、誰もいないのに音がしたりってやつですよね」
「うん、ドイツ語で『騒々しい霊』って意味だよ」
それがこの家で起こってるのか。
俺は店長と共に一軒の家の前に立っていた。
表札には『八伏』と書いてある。大きな白い壁に囲まれ、門構えも洋風でオサレだ。門の外からでも分かるくらい庭も広く、まさに豪邸。
呼び鈴を鳴らすとすぐに一人の女性が出て来た。淡い水色のワンピースが上品だ。
店長と軽く挨拶を交わした女性は、この家の主婦で八伏弥生と名乗った。
俺たちを中へと招き入れてくれる。
門から建物までほんの数メートルだが、大きな花壇が目を引く素敵な前庭だった。弥生さんが手入れしているのだろう。
小さな女の子が花壇の横に立っているのに気づく。
娘さんかな。
小学校低学年くらいか、ピンクのワンピースが良く似合っている。
俺が二ッと笑って手を振ると、女の子はちょっと恥ずかしそうに小さく手を振り返してくれた。話しかけてみようかな。
「こんにちは。お花、見てたの?」
「うん」
女の子は小さな声だが、はっきりと返事してくれる。
かわいいな。
「俺は都築、君のお名前は?」
「さつき」
「さつきちゃんかぁ、よろしくね」
さつきちゃんと話し込んでいる俺の背中に店長の声が飛んでくる。
「都築くん、中へ入るよ」
「あ、はーい!」
俺はさつきちゃんに「またね」と笑って、店長の後を追い建物の中へと入った。
屋敷の外観はかなりの豪邸だったが、中はさらに凄かった。
大きな吹き抜けの玄関ホールには高そうな調度品が飾ってあり、案内されたリビングはとにかく広く、ふかふか絨毯や暖炉、大きなソファセットなどなど……絵に描いたようなお金持ちの家だった。
「ん?」
リビングには一人の男性がいた。肩くらいありそうな金髪を一つに縛り、彫りの深い顔立ちにブルーグレーの瞳。北欧系のワイルドイケメン。
八伏さんの家族ではなさそうだ。
弥生さんが男性と店長の間に入るようにして紹介する。
「尾張さん、こちらはカトリック教会から来て下さったエクソシストの方です。今回の件を調べて対応を検討して下さっています」
「俺はアレクシス・ナインハート。アレクと呼んでくれ。噂の尾張に会えるなんて光栄だ」
お、流暢な日本語。
店長はソツのない笑顔を浮かべる。
あー、あれは営業スマイルだ。
それにしても、カトリック教会で流れてる「店長に関する噂」ってのが気になる。
「尾張です、よろしく。こちらはアシスタントの都築」
「よろしくお願いします!」
前に店長から「エクソシストは司祭以上でないとなれない」と教わったのを思い出す。
偉い人なのだ。
失礼のないように俺は深々と頭を下げた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
俺と店長は屋敷内を一通り案内してもらいながら、弥生さんとアレクさんから詳しい説明を受けた。
ご主人は海外勤務のため、一年ほど前からこの屋敷は母娘二人暮らしとのこと。
異変が起き始めたのは一ヶ月くらい前から。
突然壁や床を叩くような音がしたり、勝手に物が移動したりするらしい。
いかにもなポルターガイスト現象だ。
それは屋敷中のどこでも起こるが、特に二階の子供部屋が酷いという。
さつきちゃんの部屋だな。
「そういった現象が起こるきっかけになるような何か、心当たりはありませんか?」
二階への階段を上りながら質問する店長に、弥生さんは悲し気に少し俯いた。
「さつきが可愛がっていた犬のバロンが亡くなったんです。病気でした。おかしなことが起こり出したのは、それからです」
バロンはさつきちゃんの傍から離れたくなくて、遊び足りなくて、霊となって戻って来てしまったんだろうか。
仲良しだったんだろうな……何だか悲しい。
階段を上りきると、弥生さんは一番手前のドアを開く。
そこは子供部屋だった。
花柄ピンクの壁紙に、レースのカーテン、そして白を基調とした可愛い家具。
しかし、床には玩具や本が散乱し、ベッドや勉強机は傾き、椅子が床に転がっていた。
やり過ぎだ、バロン!!
「これが、ポルターガイスト? ひどい……」
きちんとお片付けしてないなんてレベルじゃない、家具までひっくり返っているのだ。ベッドや机まで動かすなんて、弥生さんやさつきちゃんの力では絶対に無理だ。
店長は散らばっている玩具や本を踏まないように気を付けて部屋の中央へと向かい、ぐるりと周囲を見回した。
「確かに動物霊の気配がする。バロンの可能性が高いと思うけど、これならアレクが除霊できるんじゃないかな」
「俺もそう思ったんだが、何故か何度やっても失敗する。俺じゃダメだってことで、尾張に支援要請が行ったわけだ」
「うーん……、アレクが手こずるような霊とは思えない。不思議だな」
店長は動物霊バロンの強さとアレクさんの力量の両方を把握しているようだ。
「アレク、ちょっと除霊してみて」
「分かった」
あっさりOKするアレクさんに俺は驚いた。
えっ? そんな簡単に? 俺が映画で見たエクソシストは、除霊とか悪魔祓いとか、めちゃくちゃ準備大変そうだったのに……。
アレクさんはポケットから本を取り出した。革の表紙に十字架の刻印がしてある。聖書ってやつだな。続いて小さな瓶を取り出すと蓋を外し、中の液体を振り撒く。
しかし魔法陣を書いたりとか、そういう派手なことはしないようだ。
映画で見たよりずっと地味なものだった。
聖書の言葉を読み上げ、呪文のような文言を唱えるアレクさん。
店長は動物霊の気配を探っているのだろうか、周囲に視線を走らせていた。
「終わり」
え? もう? アレクさんの言葉に俺は目を瞬かせた。
水撒いて、聖書読んで、呪文唱えただけ。本当に地味だった。
ちょっとでも俺に霊感があれば、アレクさんから立ち昇るオーラが見えたり、水がキラキラ輝いて見えたりしたのだろうか。
「除霊できてないね。今ので祓えないなんて、何故だろう」
店長は腕を組んで考え込んでしまった。
さすがに何でもお見通しってわけじゃないんだな。
弥生さんが床に散らばる本や玩具を拾いだしたので、俺も手伝うことにした。ヌイグルミなどを玩具箱へ入れてゆく。その時――…
「きゃぁああああっ!」
女の子の悲鳴が響く。
さつきちゃんの声だ!
店長とアレクさんが間髪入れずに部屋から飛び出した。
俺と弥生さんも急いで後を追う。
「さつき、大丈夫っ?」
半分悲鳴のような弥生さんの声が玄関ホールに響く。
さつきちゃんは玄関でしゃがみ込んでいた。
店長とアレクさんが、さつきちゃんの傍で周囲を警戒するように視線を走らせる。
俺と弥生さんもさつきちゃんに駆け寄った。
「…――っ!!」
俺は目を疑った。
泣きじゃくるさつきちゃんの右手の平に、大きな傷ができている。血が流れ、床へと滴り落ちた。
「止血しないと! 弥生さん、タオルと救急箱を!!」
「はいっ!」
パニック状態で立ち尽くしていた弥生さんは、俺の言葉に慌てて走り出した。
しかも、田舎から出て来て一人暮らしの俺のために作ってくれるのは、どこか懐かしい家庭的な料理の数々――…俺はしっかり胃袋を掴まれていた。
しかし今日、お昼のランチ営業を終えた俺の前に出されたのは――…、
「お白湯……」
お白湯生活ももう三日目、しかし決して慣れることはできない。
俺はダイエット中でもないし、腸内美人を目指してデトックスしてるわけでもない。
苦々しい表情でお白湯をすする俺に、店長が苦笑した。
「今夜からやっと食べられるね」
「そうなんです! 店長、今夜はカレーか唐揚げが食べたいです!」
俺が自分からまかないメニューをおねだりするなんて初めてだが、今日くらいは許されるはず。
しかし店長はちょっと困ったように微笑んで首を傾げた。
「久しぶりの固形物だし、いきなりカレーや唐揚げは胃が受け付けないんじゃないかな。今夜はお粥にしといた方がいいと思うよ」
「えぇぇえ~っ!?」
やっと好きな物を好きなだけ食べられると思ったのに……辛い。
ガックリと項垂れた俺に、店長の声が振ってくる。
「今日は祓いの仕事の依頼があるんだ。これから出かけるけど、都築くんは三日もまともに食べてないし辛かったらお留守番しててもいいよ」
「祓いの仕事っ!? いきます!!」
契約上、祓いの仕事は時給が倍なのだ。苦学生の俺は、時給倍チャンスを逃すわけにはいかない。
俺は残っていたお白湯をグイッと飲み干し、張り切ってランチ営業の後片付けに取り掛かった。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
「ポルターガイストって、えーっと……物が勝手に動いたり、誰もいないのに音がしたりってやつですよね」
「うん、ドイツ語で『騒々しい霊』って意味だよ」
それがこの家で起こってるのか。
俺は店長と共に一軒の家の前に立っていた。
表札には『八伏』と書いてある。大きな白い壁に囲まれ、門構えも洋風でオサレだ。門の外からでも分かるくらい庭も広く、まさに豪邸。
呼び鈴を鳴らすとすぐに一人の女性が出て来た。淡い水色のワンピースが上品だ。
店長と軽く挨拶を交わした女性は、この家の主婦で八伏弥生と名乗った。
俺たちを中へと招き入れてくれる。
門から建物までほんの数メートルだが、大きな花壇が目を引く素敵な前庭だった。弥生さんが手入れしているのだろう。
小さな女の子が花壇の横に立っているのに気づく。
娘さんかな。
小学校低学年くらいか、ピンクのワンピースが良く似合っている。
俺が二ッと笑って手を振ると、女の子はちょっと恥ずかしそうに小さく手を振り返してくれた。話しかけてみようかな。
「こんにちは。お花、見てたの?」
「うん」
女の子は小さな声だが、はっきりと返事してくれる。
かわいいな。
「俺は都築、君のお名前は?」
「さつき」
「さつきちゃんかぁ、よろしくね」
さつきちゃんと話し込んでいる俺の背中に店長の声が飛んでくる。
「都築くん、中へ入るよ」
「あ、はーい!」
俺はさつきちゃんに「またね」と笑って、店長の後を追い建物の中へと入った。
屋敷の外観はかなりの豪邸だったが、中はさらに凄かった。
大きな吹き抜けの玄関ホールには高そうな調度品が飾ってあり、案内されたリビングはとにかく広く、ふかふか絨毯や暖炉、大きなソファセットなどなど……絵に描いたようなお金持ちの家だった。
「ん?」
リビングには一人の男性がいた。肩くらいありそうな金髪を一つに縛り、彫りの深い顔立ちにブルーグレーの瞳。北欧系のワイルドイケメン。
八伏さんの家族ではなさそうだ。
弥生さんが男性と店長の間に入るようにして紹介する。
「尾張さん、こちらはカトリック教会から来て下さったエクソシストの方です。今回の件を調べて対応を検討して下さっています」
「俺はアレクシス・ナインハート。アレクと呼んでくれ。噂の尾張に会えるなんて光栄だ」
お、流暢な日本語。
店長はソツのない笑顔を浮かべる。
あー、あれは営業スマイルだ。
それにしても、カトリック教会で流れてる「店長に関する噂」ってのが気になる。
「尾張です、よろしく。こちらはアシスタントの都築」
「よろしくお願いします!」
前に店長から「エクソシストは司祭以上でないとなれない」と教わったのを思い出す。
偉い人なのだ。
失礼のないように俺は深々と頭を下げた。
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;☆*:;;;:**:;;;:*☆
俺と店長は屋敷内を一通り案内してもらいながら、弥生さんとアレクさんから詳しい説明を受けた。
ご主人は海外勤務のため、一年ほど前からこの屋敷は母娘二人暮らしとのこと。
異変が起き始めたのは一ヶ月くらい前から。
突然壁や床を叩くような音がしたり、勝手に物が移動したりするらしい。
いかにもなポルターガイスト現象だ。
それは屋敷中のどこでも起こるが、特に二階の子供部屋が酷いという。
さつきちゃんの部屋だな。
「そういった現象が起こるきっかけになるような何か、心当たりはありませんか?」
二階への階段を上りながら質問する店長に、弥生さんは悲し気に少し俯いた。
「さつきが可愛がっていた犬のバロンが亡くなったんです。病気でした。おかしなことが起こり出したのは、それからです」
バロンはさつきちゃんの傍から離れたくなくて、遊び足りなくて、霊となって戻って来てしまったんだろうか。
仲良しだったんだろうな……何だか悲しい。
階段を上りきると、弥生さんは一番手前のドアを開く。
そこは子供部屋だった。
花柄ピンクの壁紙に、レースのカーテン、そして白を基調とした可愛い家具。
しかし、床には玩具や本が散乱し、ベッドや勉強机は傾き、椅子が床に転がっていた。
やり過ぎだ、バロン!!
「これが、ポルターガイスト? ひどい……」
きちんとお片付けしてないなんてレベルじゃない、家具までひっくり返っているのだ。ベッドや机まで動かすなんて、弥生さんやさつきちゃんの力では絶対に無理だ。
店長は散らばっている玩具や本を踏まないように気を付けて部屋の中央へと向かい、ぐるりと周囲を見回した。
「確かに動物霊の気配がする。バロンの可能性が高いと思うけど、これならアレクが除霊できるんじゃないかな」
「俺もそう思ったんだが、何故か何度やっても失敗する。俺じゃダメだってことで、尾張に支援要請が行ったわけだ」
「うーん……、アレクが手こずるような霊とは思えない。不思議だな」
店長は動物霊バロンの強さとアレクさんの力量の両方を把握しているようだ。
「アレク、ちょっと除霊してみて」
「分かった」
あっさりOKするアレクさんに俺は驚いた。
えっ? そんな簡単に? 俺が映画で見たエクソシストは、除霊とか悪魔祓いとか、めちゃくちゃ準備大変そうだったのに……。
アレクさんはポケットから本を取り出した。革の表紙に十字架の刻印がしてある。聖書ってやつだな。続いて小さな瓶を取り出すと蓋を外し、中の液体を振り撒く。
しかし魔法陣を書いたりとか、そういう派手なことはしないようだ。
映画で見たよりずっと地味なものだった。
聖書の言葉を読み上げ、呪文のような文言を唱えるアレクさん。
店長は動物霊の気配を探っているのだろうか、周囲に視線を走らせていた。
「終わり」
え? もう? アレクさんの言葉に俺は目を瞬かせた。
水撒いて、聖書読んで、呪文唱えただけ。本当に地味だった。
ちょっとでも俺に霊感があれば、アレクさんから立ち昇るオーラが見えたり、水がキラキラ輝いて見えたりしたのだろうか。
「除霊できてないね。今ので祓えないなんて、何故だろう」
店長は腕を組んで考え込んでしまった。
さすがに何でもお見通しってわけじゃないんだな。
弥生さんが床に散らばる本や玩具を拾いだしたので、俺も手伝うことにした。ヌイグルミなどを玩具箱へ入れてゆく。その時――…
「きゃぁああああっ!」
女の子の悲鳴が響く。
さつきちゃんの声だ!
店長とアレクさんが間髪入れずに部屋から飛び出した。
俺と弥生さんも急いで後を追う。
「さつき、大丈夫っ?」
半分悲鳴のような弥生さんの声が玄関ホールに響く。
さつきちゃんは玄関でしゃがみ込んでいた。
店長とアレクさんが、さつきちゃんの傍で周囲を警戒するように視線を走らせる。
俺と弥生さんもさつきちゃんに駆け寄った。
「…――っ!!」
俺は目を疑った。
泣きじゃくるさつきちゃんの右手の平に、大きな傷ができている。血が流れ、床へと滴り落ちた。
「止血しないと! 弥生さん、タオルと救急箱を!!」
「はいっ!」
パニック状態で立ち尽くしていた弥生さんは、俺の言葉に慌てて走り出した。
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