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第四十五話
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「もしかして楠先輩ってあの楠グループの人なんですか」
「そうね……あの楠グループの娘よ」
「まさか楠先輩ってそんなに凄い人だったんですね。えぇ~と私、楠先輩に失礼なことしてませんよね?」
「そんなに恐縮しなくても大丈夫よ。学校や今はただの女子高生の楠葵だから。逆に気をつかわれる方が嫌だわ」
楠グループと言えば日本でも有名な大企業である。
主に化粧品とファッションと通販サイトが有名で、それ以外にもいろいろと事業を展開している。
その企業の娘の葵は、正真正銘お嬢様だ。
そんなお嬢様に優はなにか粗相をしていないか不安になる。
だが葵は逆にお嬢様として気をつかわれる方が嫌らしく、唇を尖らせる。
「だから今まで通りに接してほしいわ」
「分かりました楠先輩」
「分かってくれて嬉しいわ」
「それにしてもさっきの楠先輩は迫力があって怖かったです」
「ごめんね中村さん。でもあれは企業が絶対やってはいけないミスをしたから厳しく注意しただけよ。本当はあんなこと私も言いたくはないんだけど、犠牲者を出してしまってからでは遅いから。経営者見習いとしては言うべきことははっきり言わないといけないから」
「そうだったんですね。でも経営者見習いの楠先輩はなんだか新鮮でした……えっ、楠先輩って経営者なんですか。凄いですね」
優は葵が経営者見習いということに驚く。
葵は成人しているとはいえ、まだ高校生だ。
高校生で見習いとはいえ、経営者というのは凄いことではないだろうか。
「あくまでも見習いで本格的なことは大学生になってからよ。だから別に凄くなんかはないわ」
「葵は親の稼業を就くんだな」
「うん。もともと経営には興味があったし。私もいずれ父さんや姉さんたちみたいな経営者になることが夢なの。上手くいくかは分からないけど、一生懸命頑張るつもりよ」
高校三年生だからある程度進路は決まっていると思っていたが、まさかもうすでに経営者を志望しているなんて思わなかった。
スケールが大きすぎて全く想像ができない。
「頑張ってください。楠先輩なら慣れると思います……ってこんなこと言うのは無責任ですよね」
「ありがとう中村さん。私、頑張るわね」
優から見て楠葵は才色兼備な女子高生だ。
だから優は葵なら経営者になれると本心から思った。
応援された葵はやる気が満ち溢れている。
「瞳ちゃんは進路とか決めたの? もう高校三年生でしょ」
「そうだな。あたしは先生になろうかなと思ってる。人に勉強教えるの好きだし」
「そうなんだね、頑張ってね瞳ちゃん。でも瞳ちゃんの進路ってそれだけじゃないでしょ」
「? どういう意味だ」
「あーあ、私は瞳ちゃんの旦那さんになりたいのに瞳ちゃんは私の奥さんになりたくないんだ」
「それは……もう決定事項だからわざわざ言うほどのことでもないと思っただけだ」
「……そう……」
葵だけではなく瞳も高校三年生だ。
だから後ろで瞳、実乃里カップルも将来のことについて話している。
その内容を一言で表すと甘すぎる会話だった。
二人とも最後には照れて視線を外すのは本当に可愛らしかった。
本当にラブラブなカップルだ。
「そうね……あの楠グループの娘よ」
「まさか楠先輩ってそんなに凄い人だったんですね。えぇ~と私、楠先輩に失礼なことしてませんよね?」
「そんなに恐縮しなくても大丈夫よ。学校や今はただの女子高生の楠葵だから。逆に気をつかわれる方が嫌だわ」
楠グループと言えば日本でも有名な大企業である。
主に化粧品とファッションと通販サイトが有名で、それ以外にもいろいろと事業を展開している。
その企業の娘の葵は、正真正銘お嬢様だ。
そんなお嬢様に優はなにか粗相をしていないか不安になる。
だが葵は逆にお嬢様として気をつかわれる方が嫌らしく、唇を尖らせる。
「だから今まで通りに接してほしいわ」
「分かりました楠先輩」
「分かってくれて嬉しいわ」
「それにしてもさっきの楠先輩は迫力があって怖かったです」
「ごめんね中村さん。でもあれは企業が絶対やってはいけないミスをしたから厳しく注意しただけよ。本当はあんなこと私も言いたくはないんだけど、犠牲者を出してしまってからでは遅いから。経営者見習いとしては言うべきことははっきり言わないといけないから」
「そうだったんですね。でも経営者見習いの楠先輩はなんだか新鮮でした……えっ、楠先輩って経営者なんですか。凄いですね」
優は葵が経営者見習いということに驚く。
葵は成人しているとはいえ、まだ高校生だ。
高校生で見習いとはいえ、経営者というのは凄いことではないだろうか。
「あくまでも見習いで本格的なことは大学生になってからよ。だから別に凄くなんかはないわ」
「葵は親の稼業を就くんだな」
「うん。もともと経営には興味があったし。私もいずれ父さんや姉さんたちみたいな経営者になることが夢なの。上手くいくかは分からないけど、一生懸命頑張るつもりよ」
高校三年生だからある程度進路は決まっていると思っていたが、まさかもうすでに経営者を志望しているなんて思わなかった。
スケールが大きすぎて全く想像ができない。
「頑張ってください。楠先輩なら慣れると思います……ってこんなこと言うのは無責任ですよね」
「ありがとう中村さん。私、頑張るわね」
優から見て楠葵は才色兼備な女子高生だ。
だから優は葵なら経営者になれると本心から思った。
応援された葵はやる気が満ち溢れている。
「瞳ちゃんは進路とか決めたの? もう高校三年生でしょ」
「そうだな。あたしは先生になろうかなと思ってる。人に勉強教えるの好きだし」
「そうなんだね、頑張ってね瞳ちゃん。でも瞳ちゃんの進路ってそれだけじゃないでしょ」
「? どういう意味だ」
「あーあ、私は瞳ちゃんの旦那さんになりたいのに瞳ちゃんは私の奥さんになりたくないんだ」
「それは……もう決定事項だからわざわざ言うほどのことでもないと思っただけだ」
「……そう……」
葵だけではなく瞳も高校三年生だ。
だから後ろで瞳、実乃里カップルも将来のことについて話している。
その内容を一言で表すと甘すぎる会話だった。
二人とも最後には照れて視線を外すのは本当に可愛らしかった。
本当にラブラブなカップルだ。
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