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第三十五話
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四月下旬。
「そろそろゴールデンウィークね。せっかくだからこの四人で一緒に出かけない」
いつも通り、優たちは四人で昼ご飯を食べていると葵が目を輝かせながらみんなに話す。
ちなみに優の突き指はもう治っているので、優は一人暮らしに戻っている。
最後のお泊りの日、葵は優の突き指が治って嬉しそうだったのに、少しだけ悲しそうな表情を浮かべていた。
「別に良いよ。高校最後のゴールデンウィークだし、来年は一緒に遊べるか分からないしね」
「私も賛成です」
「わ、私もぜひみんなとお出かけしたいです」
「それじゃー決まりね。早速ゴールデンウィークの予定について話すわよ。……あっ、そうだ。みんなでいつでも連絡取り合えるようにルインを交換しましょう。その方が便利だし」
みんな賛成し、葵がゴールデンウィークの予定を話している途中、まだ四人でルインの交換をしていなかったことを思い出した葵がみんなに提案する。
「確かにそうね。今後予定とか立てる時に連絡手段がないと不便よね」
「私も賛成です。私も楠先輩や中村さんとルイン、交換したいです」
「みんなが嫌じゃなければ私も交換したいです」
「中村さん、そんなに自分を卑下することはないと思うわ。私たちはもう友達なんだから誰もそんなこと思わないわよ」
優と葵では明らかにカーストが違う。
優はどこにでもいる普通の高校生だが、葵は明らかにクラスカーストの上位の人間だ。
そんな人とルインを交換するなんて恐れ多いと思った優は無意識に自分のことを卑下してしまう。
葵は優の頭を撫でながら優の卑下を否定する。
葵の手はとても柔らかく、サラサラしていた。
でもその時の葵は少しだけ怒っているように見えた。
その後、四人でルインを交換し、グループルインも作る。
「これで四人のグループルインができたから、これですぐに連絡が取り合えるわね」
葵はニコニコしながらグループルインの画面を見ている。
とても嬉しそうだ。
「そう言えばクラスメイトだったのに中村さんとまだルイン交換してなかったね」
「そうだね。私も忘れてた」
「でもこれで私たちもいつでもルインが送れるね」
葵はともかく実乃里とはクラスメイトなのに、今日までルインを交換してなかった。
実乃里は優とルインを交換できて嬉しそうにしている。
優も新しくルインに増えた名前を見て、思わず頬が緩んでしまう。
楠葵。
西条瞳。
倉木実乃里。
ルインに連絡先が加わるだけでさらに繋がりを強く感じる。
「そろそろゴールデンウィークね。せっかくだからこの四人で一緒に出かけない」
いつも通り、優たちは四人で昼ご飯を食べていると葵が目を輝かせながらみんなに話す。
ちなみに優の突き指はもう治っているので、優は一人暮らしに戻っている。
最後のお泊りの日、葵は優の突き指が治って嬉しそうだったのに、少しだけ悲しそうな表情を浮かべていた。
「別に良いよ。高校最後のゴールデンウィークだし、来年は一緒に遊べるか分からないしね」
「私も賛成です」
「わ、私もぜひみんなとお出かけしたいです」
「それじゃー決まりね。早速ゴールデンウィークの予定について話すわよ。……あっ、そうだ。みんなでいつでも連絡取り合えるようにルインを交換しましょう。その方が便利だし」
みんな賛成し、葵がゴールデンウィークの予定を話している途中、まだ四人でルインの交換をしていなかったことを思い出した葵がみんなに提案する。
「確かにそうね。今後予定とか立てる時に連絡手段がないと不便よね」
「私も賛成です。私も楠先輩や中村さんとルイン、交換したいです」
「みんなが嫌じゃなければ私も交換したいです」
「中村さん、そんなに自分を卑下することはないと思うわ。私たちはもう友達なんだから誰もそんなこと思わないわよ」
優と葵では明らかにカーストが違う。
優はどこにでもいる普通の高校生だが、葵は明らかにクラスカーストの上位の人間だ。
そんな人とルインを交換するなんて恐れ多いと思った優は無意識に自分のことを卑下してしまう。
葵は優の頭を撫でながら優の卑下を否定する。
葵の手はとても柔らかく、サラサラしていた。
でもその時の葵は少しだけ怒っているように見えた。
その後、四人でルインを交換し、グループルインも作る。
「これで四人のグループルインができたから、これですぐに連絡が取り合えるわね」
葵はニコニコしながらグループルインの画面を見ている。
とても嬉しそうだ。
「そう言えばクラスメイトだったのに中村さんとまだルイン交換してなかったね」
「そうだね。私も忘れてた」
「でもこれで私たちもいつでもルインが送れるね」
葵はともかく実乃里とはクラスメイトなのに、今日までルインを交換してなかった。
実乃里は優とルインを交換できて嬉しそうにしている。
優も新しくルインに増えた名前を見て、思わず頬が緩んでしまう。
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ルインに連絡先が加わるだけでさらに繋がりを強く感じる。
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