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83話
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「それなら良いが、もし体調が悪かったら言ってくれ。すぐに帰るから」
茜の体調を第一に考えてくれる密樹は、本当に心優しい先輩である。
こんな素敵な先輩がどうして自分のことを好きになったのか不思議である。
その後、二人はフリーパスを買い、入園する。
「どこから回ろうか」
「そうですね。飯島先輩はなにが好きなんですか?」
「私はジェットコースターとか好きだな」
「それじゃーそれにしましょう。私もジェットコースターが好きなので」
「神崎さんもそれで良いならそこに向かおう」
二人で相談しながら乗るアトラクションを決める二人。
茜が密樹の好き嫌いが分からないように、密樹も茜の好き嫌いが分からない。
お互い手探りでそれを知っていく姿はまさに付き合いたてのカップルのようだった。
「もしなにかダメなものがあったら言ってほしい。私はまだ神崎さんのことを知らないから。だからこそ少しずつ知っていきたいと思ってる」
「ありがとうございます。私も飯島先輩のことあまり知らないので、少しずつ知って行きたいです」
密樹は茜が不愉快にならないように気を遣う。
本当に優しい先輩である。
だから学校一人気の生徒会長なのだろう。
自分にはもったいないぐらいの彼氏である。
そんな会話をしていると、ふと早苗のことを思い出す。
今ではこんな会話、早苗とはしたことがない。
それぐらい、お互いのことを知っている証拠でもあり、密樹とこの会話はなんだか新鮮で楽しかった。
「……一時間待ちですね」
「……そうだな。やはり休日は混み合うな。神崎さんは一時間待ってられるか」
「はい。あたしは全然大丈夫ですよ。それにどこのアトラクションでも多分これぐらいは待ちますし」
「そうだな。それじゃー一時間待つとしよう」
当たり前だが今日は休日だ。
つまり、家族連れやカップル、友達連れなどたくさんの人がこの遊園地に来園している。
もちろん、お盆休みやクリスマスほどではないがそれなりに混んでいる。
待ち時間でさえ茜のことを気遣ってくれる密樹は、本当に優しい男の娘だ。
その後、二人で雑談をしながら列に並ぶ。
最初、一時間も待つからかなり長いなと思っていたが密樹との話が盛り上がり、体感的にはあっという間に一時間が過ぎていた。
密樹の話は面白く、茜も今だけは早苗とのギスギスを忘れることができた。
「いよいよ次だな」
「はい。でも飯島先輩との話が面白かったので結構あっという間でした」
「それは嬉しいよ。それで神崎さん、いや茜さん。今日は名前呼びで呼び合わないか。その……今日だけは茜さんと呼びたいんだ。……ダメかな」
乗る直前になった時、密樹が名前呼びの提案をし出す。
密樹的にはかなり勇気を振り絞ったのだろう。
茜にもその緊張が伝わって来た。
茜の体調を第一に考えてくれる密樹は、本当に心優しい先輩である。
こんな素敵な先輩がどうして自分のことを好きになったのか不思議である。
その後、二人はフリーパスを買い、入園する。
「どこから回ろうか」
「そうですね。飯島先輩はなにが好きなんですか?」
「私はジェットコースターとか好きだな」
「それじゃーそれにしましょう。私もジェットコースターが好きなので」
「神崎さんもそれで良いならそこに向かおう」
二人で相談しながら乗るアトラクションを決める二人。
茜が密樹の好き嫌いが分からないように、密樹も茜の好き嫌いが分からない。
お互い手探りでそれを知っていく姿はまさに付き合いたてのカップルのようだった。
「もしなにかダメなものがあったら言ってほしい。私はまだ神崎さんのことを知らないから。だからこそ少しずつ知っていきたいと思ってる」
「ありがとうございます。私も飯島先輩のことあまり知らないので、少しずつ知って行きたいです」
密樹は茜が不愉快にならないように気を遣う。
本当に優しい先輩である。
だから学校一人気の生徒会長なのだろう。
自分にはもったいないぐらいの彼氏である。
そんな会話をしていると、ふと早苗のことを思い出す。
今ではこんな会話、早苗とはしたことがない。
それぐらい、お互いのことを知っている証拠でもあり、密樹とこの会話はなんだか新鮮で楽しかった。
「……一時間待ちですね」
「……そうだな。やはり休日は混み合うな。神崎さんは一時間待ってられるか」
「はい。あたしは全然大丈夫ですよ。それにどこのアトラクションでも多分これぐらいは待ちますし」
「そうだな。それじゃー一時間待つとしよう」
当たり前だが今日は休日だ。
つまり、家族連れやカップル、友達連れなどたくさんの人がこの遊園地に来園している。
もちろん、お盆休みやクリスマスほどではないがそれなりに混んでいる。
待ち時間でさえ茜のことを気遣ってくれる密樹は、本当に優しい男の娘だ。
その後、二人で雑談をしながら列に並ぶ。
最初、一時間も待つからかなり長いなと思っていたが密樹との話が盛り上がり、体感的にはあっという間に一時間が過ぎていた。
密樹の話は面白く、茜も今だけは早苗とのギスギスを忘れることができた。
「いよいよ次だな」
「はい。でも飯島先輩との話が面白かったので結構あっという間でした」
「それは嬉しいよ。それで神崎さん、いや茜さん。今日は名前呼びで呼び合わないか。その……今日だけは茜さんと呼びたいんだ。……ダメかな」
乗る直前になった時、密樹が名前呼びの提案をし出す。
密樹的にはかなり勇気を振り絞ったのだろう。
茜にもその緊張が伝わって来た。
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