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50話
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「いや、嬉しいんだけど、凄い人過ぎて感情が追い付かない」
いつも冷静な茜が珍しく感情を取り乱している。
そんな茜を見て、今度はなぜか胸の奥に痛みを感じる。
「茜ってそんな凄い人に惚れられていたんだ……」
ミチルは友達が学校の人気者に惚れられていた事実を知り、感嘆している。
「いつ生徒会長は茜を惚れたんだろうね」
「分からない。生徒会長とは一度も話したことないし」
「ということは一目惚れかな」
渚の疑問に茜は見当がつかないらしく、首を傾げている。
もし茜の言う通り一度も話したことがないなら、渚の言う通り密樹の一目惚れである。
「それで茜ちゃんはどうするの? 付き合うの」
「初めて告白されたから分からない。早苗はどうすれば良いと思う?」
早苗はなぜか不安そうに茜に尋ねる。
不安なのは茜も同じらしく、どう返事をすれば良いのか分からず逆に早苗に質問する。
初めての告白に、いつも大人な茜が子供のように困っている。
「それは茜が決めなきゃいけないでしょ。茜が生徒会長に告白されたんだから。それが誠意ってもんだよ」
「ミチルの言う通り、それを早苗に聞いて答えを出すのはあまり良いとは言えないね。応じるも断るも茜が自分で判断しないとね」
早苗に判断を仰いだ茜に、友達としてミチルと渚は厳しい言葉を投げかける。
ミチルや渚の言う通り、告白されたのは茜だ。
だからこの答えは茜自信で出さないといけない。
そうしなければ相手に失礼である。
「ミチルちゃんや渚ちゃんの言う通り、茜ちゃん自身で答えを出さないといけないと思う」
「……早苗。分かった、自分自身で答えを出すよ」
本当は茜を助けてやりたいが、ここは心を鬼にして茜を突き放す早苗。
これは相手のためにも自分で答えを出さないと、相手に失礼だと早苗は思う。
茜はなんだか寂しそうに早苗の名前を呼ぶものの、覚悟を決めた。
応じるのか断るのかは分からないが、茜が後悔しない選択をしてくれれば良いと早苗は願った。
その後、ラブレターの話は一切せず、いつものようにくだらない雑談をして放課後まで過ごした。
だが四人全員が空気が重いことに気づいていたが、誰もそこに触れることはできなかった。
いつも冷静な茜が珍しく感情を取り乱している。
そんな茜を見て、今度はなぜか胸の奥に痛みを感じる。
「茜ってそんな凄い人に惚れられていたんだ……」
ミチルは友達が学校の人気者に惚れられていた事実を知り、感嘆している。
「いつ生徒会長は茜を惚れたんだろうね」
「分からない。生徒会長とは一度も話したことないし」
「ということは一目惚れかな」
渚の疑問に茜は見当がつかないらしく、首を傾げている。
もし茜の言う通り一度も話したことがないなら、渚の言う通り密樹の一目惚れである。
「それで茜ちゃんはどうするの? 付き合うの」
「初めて告白されたから分からない。早苗はどうすれば良いと思う?」
早苗はなぜか不安そうに茜に尋ねる。
不安なのは茜も同じらしく、どう返事をすれば良いのか分からず逆に早苗に質問する。
初めての告白に、いつも大人な茜が子供のように困っている。
「それは茜が決めなきゃいけないでしょ。茜が生徒会長に告白されたんだから。それが誠意ってもんだよ」
「ミチルの言う通り、それを早苗に聞いて答えを出すのはあまり良いとは言えないね。応じるも断るも茜が自分で判断しないとね」
早苗に判断を仰いだ茜に、友達としてミチルと渚は厳しい言葉を投げかける。
ミチルや渚の言う通り、告白されたのは茜だ。
だからこの答えは茜自信で出さないといけない。
そうしなければ相手に失礼である。
「ミチルちゃんや渚ちゃんの言う通り、茜ちゃん自身で答えを出さないといけないと思う」
「……早苗。分かった、自分自身で答えを出すよ」
本当は茜を助けてやりたいが、ここは心を鬼にして茜を突き放す早苗。
これは相手のためにも自分で答えを出さないと、相手に失礼だと早苗は思う。
茜はなんだか寂しそうに早苗の名前を呼ぶものの、覚悟を決めた。
応じるのか断るのかは分からないが、茜が後悔しない選択をしてくれれば良いと早苗は願った。
その後、ラブレターの話は一切せず、いつものようにくだらない雑談をして放課後まで過ごした。
だが四人全員が空気が重いことに気づいていたが、誰もそこに触れることはできなかった。
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