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15話

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「甘いわ。甘いわ茜ちゃん。あぁ~胸がキュンキュンしちゃう」
「そうだね。初々しい二人の告白を聞いて、あたしも胸がキュンキュンしちゃった」

 二人の恋バナを聞き終えた早苗と茜は、二人の甘さに悶えていた。
 告白したことも告白されたこともない早苗だが、告白し付き合った二人を見て、今幸せなことだけは十分に伝わってくる。
 二人の甘々な恋バナを聞いて興奮した早苗はさらに茜の腕を強く抱きしめる。
 二人が青春すぎて眩しい。

「……なんで二人がキュンキュンしてるのよ」
「……それは友達だからだよミチル。ミチルだって早苗と茜がお付き合いしてラブラブだったら嬉しいでしょ」
「……そうね。あたしが間違えていたわ。確かに二人が付き合ったらあたしも嬉しい」

 二人がミチルの恋バナを聞いて、キュンキュンしてる姿を見てミチルは不思議がる。
 その理由を渚が説明すると、ミチルも納得する。
 二人の甘々な恋バナを聞いて興奮していた早苗たちの耳には、ミチルたちの会話は聞こえていなかった。

「やっぱり告白は渚からだったんだね」
「最初に言おうとしてたのはあたしだし。馬鹿にしないでよ。緊張しちゃったんだからしょうがないじゃない。ホントは男のあたしから告白するべきだったと思うけど」

 茜にはミチルをいじったつもりはなかったのだがミチルは、いじられたと勘違いをし強い口調で言いわけを言う。

「別に茜はミチルをいじっても馬鹿にもしてないよ。ただ告白したのは渚からだったんだなと思っただけでしょ」
「うん。ごめんねミチル、なんか誤解させる言い方をしちゃって。ただ告白は渚からだったんだなと思っただけ」
「あたしこそごめん。告白したのが女の渚からだったから馬鹿にされたと感じちゃって。告白ってなんか男からのイメージがあったから」
「そんなことないよミチルちゃん。別に告白は男の娘からでも女の子からでも良いと思うよ。そこに性別なんて関係ないよ」
「早苗の言う通り。告白するのに性別は関係ないと思う」

 渚が茜の意図を代弁すると茜もミチルに上手く自分の意図が伝えきれていないことに気づき、反省する。
 そこでミチルも自分が勘違いしていたことに気づく。
 告白をするのに、男の娘も女の子も関係と早苗は思う。
 相手を好きになったから告白をする。そこに性別なんて関係ない。
 茜も早苗と同じ意見らしく、同調する。

「それにしても二人はもうカップルなんだよね~。カップルってどんな感じ? やっぱり今までと今は違う感じなの?」
「どんな感じと言われても、分からないというのが正直な感想ね。もちろん、渚とカップルになれたのは凄く嬉しいけどまだ実感がないというか、今はまだ友達の延長線って感じ」

 まだ誰とも付き合ったことがない早苗にとって、恋人という存在がいまいち分からない。
 それをミチルに聞いてみると、ミチルもまだ付き合ったばかりで実感がないのかミチルもいまいち分かっていなかった。
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