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17話

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「どうして柊さんは金森さんの肩を持つのかしら」
「別にどっちの肩も持ってないだろ……はぁ……」

 なぜか舞の肩を持っていると責められる瑞希は、思わず小さいため息を漏らす。
 本当に瑞希は舞の肩も持っていないし撫子の肩も持っていない。

「なんだなんだ。三人で入部じゃなかったのか。というか早くしてくれ。麺が伸びる」
「……瑞希ちゃんはあたしが入った方が助かるんだよね」
「えっ、まぁ……金森が入ってくれる方が助かるけど」
「……分かった。あたしそのサポート部に入ります」

 いきなり耳打ちをされた瑞希は思わずドキッと動揺してしまう。
 男の娘とはまた若干違う女の子の香り。
 なんで舞がそんなにも瑞希にこだわるのかは分からないが、瑞希が立ち上げたサポート部に入ってくれるなら万々歳だ。

「それとごめんなさい撫子ちゃん。撫子ちゃんに不快な思いをさせて」
「いえ、謝るのは私の方よ。勝手に噛みついてしまってごめんなさい」

 撫子から舞に仕掛けた喧嘩は尚美のフォローのおかげもあり、すぐに鎮火することができた。

「それじゃー『サポート部』、部員三人で登録しておくから。さぁ、用が済んだら帰った帰った。授業が始まる前に食べないとマジで午後が持たんからな」

 無事二人の仲直りを確認すると、尚美は面倒くさそうな声で三人をあしらう。
 面倒くさそうな声を出しているが仕事はしっかりこなしてくれるのが尚美という女性だ。
 それに、尚美だって次に授業のために準備だってあるだろう。

「「「それではよろしくお願いします」」」

 三人は尚美に感謝を表現するために、浅すぎず深すぎない礼をして職員室から出る。

「……青春だな……若いな……はぁー……甘くて胸やけがしそうだ……あぁ……どんどん自分が老いていく……」

 そして自分が老いていっていることを自覚した尚美は一人落ち込む。

『う・る・さ・い・ば・か』

 だから瑞希は口パクで反論する。
 これが瑞希が学校でできる、最大限の反撃だった。
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