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15話

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「うん、とても助かるよ。ありがとう金森」
「ううん、別にこれぐらい全然大丈夫だよ」
「……私が最初話してたのに」
「どうした白鳥。なんでそんなに浮かない顔してるんだ」
「別に浮かない顔なんてしてないわ。それよりもありがとう金森さん。おかげで助かったわ」
「いえいえ、これからもよろしくね瑞希ちゃん、撫子ちゃん」

 一体、撫子はなにをそんなに拗ねていたのだろうか。
 せっかく、最後の部員も集まりやりたくもない部活をやらなくてすんだのに。
 あんなに苦労して部員を探していたのに、いざ箱を開けてみると最後は拍子抜けの結末だった。



 とりあえず三人集まったので昼休みに、瑞希たちは入部届を出すために職員室に向った。

「黒川先生。とりあえず三人集まりました」
「おっ、柊に白鳥に……金森か……これはまた珍しい子を連れてきたな柊」

 職員室で一人カップ麺を食べていた尚美に瑞希は部活創設の申請書とその部活に入部する部員の証明書を提出した。
 昼からカップ麺って栄養バランスとか気にしていないのだろうか、この幼馴染は。
 一人暮らしだからこそ、栄養バランスが良い食事は大切だと思うのだが。

「すみません、食事中に」
「先生もカップ麺とか食べるんですね。大人ってもっと栄養バランスとか気にしてると思いましたー」
「金森は私をなんだと思ってるんだ。私だってカップ麺は食べる」

 大人のくせに栄養バランスが悪いカップ麺を食べていると言われたと受け取った尚美が子供のように拗ねる。

「あまり栄養バランスが悪い食事は控えてくださいね。後々体に響きますよ」
「わ、分かってるよ」

 これは生徒としてではなく幼馴染としての忠告である。
 尚美も生徒たちに責められて無視が悪いの、歯切れが悪い。

「とりあえずどんな部にしたんだ」
「あっ、そう言えば瑞希ちゃんと撫子ちゃんってどんな部を作ったの?」
「ん? 言わなかったか」
「えっ、言ってないよ」
「金森。お前、どんな部なのかも分からないのに、入部したのか」
「えへへ……すっかり失念してました」

 撫子と二人で自分たちで部活を作っている話をした時に説明したと思っていたがどうやら忘れていたらしい。
 というか、どんな部活かも分かっていない状態で普通入部するだろうか。
 尚美でなくても声を荒げ呆れるだろう。

「なになにサポート部……よりよい学校生活を送るために私たちがみなさんのサポートをします……柊、お前とは真逆な部活だな」
「笑うな……笑わないでください。怒りますよ」
「すまんすまん。それは悪かった」

 部活動の名前と活動内容を読み上げた尚美はクスクス笑いを漏らしている。
 瑞希もこれにはカチンと来て、思わずここが学校ということを忘れてタメで怒ってしまった。
 反省、反省。
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