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76話
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「本当にすまない北野後輩。事故とはいえ、キスをしてしまって」
「いえ、事故だって分かってますから。私こそすみません」
動揺している真希を見て申し訳ないと思ったのか再度、紗那は真希に謝罪する。
これが事故だと真希は分かっているのだが、心が追い付かない。
「今日のことは忘れるから北野後輩も忘れてほしい」
「はい。今日のことは忘れます。今日のは事故なんですから」
紗那もこれが事故だと言うことは分かっているらしく事故ということにしてくれた。
もちろん真希も異論はなく、事故ということで忘れることに決定した。
と言っても心がそれに追いつくかはまた別な話である。
その後、紗那の服は乾ききらなかったのでビニール袋に入れて持って帰ることになった。
傘を貸し、紗那は真希のジャージを着て家に帰った。
その間、色々と紗那とやり取りをしていたはずなんだが、キスのことが頭から離れずなにを話していたのか覚えていなかった。
紗那が帰った後も真希はベッドの上に寝転がり、一人悶々した。
「……忘れられるわけないじゃん」
真希にとってこれがファーストキスだったのだ。
そんなの忘れられるわけがない。
もちろん、紗那が悪くないことは分かっている。
だが心が追い付かない。
真希の呟きは誰にも聞かれることなく虚空へと消えていった。
「いえ、事故だって分かってますから。私こそすみません」
動揺している真希を見て申し訳ないと思ったのか再度、紗那は真希に謝罪する。
これが事故だと真希は分かっているのだが、心が追い付かない。
「今日のことは忘れるから北野後輩も忘れてほしい」
「はい。今日のことは忘れます。今日のは事故なんですから」
紗那もこれが事故だと言うことは分かっているらしく事故ということにしてくれた。
もちろん真希も異論はなく、事故ということで忘れることに決定した。
と言っても心がそれに追いつくかはまた別な話である。
その後、紗那の服は乾ききらなかったのでビニール袋に入れて持って帰ることになった。
傘を貸し、紗那は真希のジャージを着て家に帰った。
その間、色々と紗那とやり取りをしていたはずなんだが、キスのことが頭から離れずなにを話していたのか覚えていなかった。
紗那が帰った後も真希はベッドの上に寝転がり、一人悶々した。
「……忘れられるわけないじゃん」
真希にとってこれがファーストキスだったのだ。
そんなの忘れられるわけがない。
もちろん、紗那が悪くないことは分かっている。
だが心が追い付かない。
真希の呟きは誰にも聞かれることなく虚空へと消えていった。
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