銀河英雄戦艦アトランテスノヴァ

マサノブ

文字の大きさ
35 / 49
王家の絆編

PART35 反逆者Jジョーカー(前編)

しおりを挟む

遂にガルスグレーサーはその全貌を
明らかにした、本星自体が巨大な惑星サイズの
天体級大円盤だったのだ。

クリスタルアーマーステーション
ハヤテ第一艦橋司令室

コンピューターで弾き出したその答えは
真耶が発表した「推定全長出ました・・」

勝艦長は真耶が言葉に詰まったのを見て
どうしたんだね?と聞いて促した

「は・・はい失礼しました・・敵円盤の推定全長
直径40万キロM 全高3~6万キロM」

「ち・・地球より大きいじゃないか!?」
石川が声を裏返す

「尚、敵円盤の推定進路は出ています」

ハヤテのメインスクリーンに敵円盤が
直進した進路が台風の進路予想図に告示した
画像で映し出された
『天災クラスらしいちゃらしいな・・』

誠矢がそう思っていると景子が
良く今まで発見され無かったものねと
誰もが思う疑問を口にする

そこで春吉が口を挟む、
「敵円盤は100万光年も離れているのだ、
兎に角、光点観測員も驚いていたよ」

それを聞いて真耶は安心したように
「じゃあ地球に来る迄に
200年以上掛かるんじゃ・・」

現在天体級大円盤は
光速の2分1で航行している

春吉はその考えをあっさり否定した
「いいや・・あの大きさだからリープは
無理だとしても時空転移と言う方法がある
それで艦隊ごと長距離移動するんだ」

誠矢が目を細めて警戒心を表にし
「つまり・・いつ地球の目の前に現れるか
解らない代物って訳ですね?」と言うと

春吉はそれを肯定する
「規模から言って・・その予兆は
計測できるだろう」

予兆か・・其れならまだ手段はあるな
彼の脳裏にあの禁忌の力が蘇る
「近く・・ハヤテの隠された力が
必要に成りそうです・・どうか
その積もりで用意して下さい春吉さん」

春吉は誠矢から何時もとは違う空気を感じた
其れはどのような犠牲を払ってでも完遂すると言う
揺るぎない決意{王の選択}であった。

_______________________
★付箋文★

ガルスグレーサーの大円盤は春吉の
推測通り時空間転移が可能だった
動力に魔導力を1800年充填して260万光年を
一気に跳躍する、この距離なら何度でも
僅かなチャージ時間で転移可能だった。

ガルスグレーサー本星
今やその正体を露わにした
天体級大円盤ムー

アリーヌ・ロイ・シュライザ
ギルザート18世の娘であり
次代の19世と目される王女である

金色の髪に緑の瞳を持つ美しい姿は
巨人族のみならず奴隷からでさえ
女神と崇められる存在

アリーヌは王女将軍とまで呼ばれ
ファノ・シリーズの1隻まで任される
だがその流星は今や{地に落ちた}

王女は地球でジョン・スミスと出会い恋いに落ち
巨人族を裏切った、国家を揺るがす一大事も
国民には{王女は一時的に体調を崩し
治療のため暫く療養する}と
発表があっただけだ

星帝宮殿 {王族専用監獄宮殿}

※{此処は巨人が罪を犯した場合のみ収監される
場所であり小人化すると言う魂の罰を与える事
を目的とするが、衣食住は保証されている}

アリーヌが目を閉じ静かにジョンの面影を
思い浮かべて寝所で寝そべっているその時
巨人専用の回廊を10数名の{小人奴隷}
武装兵士達が駆け抜けていた

その若い兵士の目には確かな決意が漲っていた
「良いか必ずアリーヌ様をお助けするのだ!」

同じように併走しながら走る兵達も志気が高い
「解っている」「当然だ!」だが中には
「併し本当に我々はアリーヌ様を
お助けする事が出来るのだろうか?」
と不安を漏らす兵士もいる

だがそんな不安を払拭するように
「我々の平和への願いが正義ならば神は
必ず我等に微笑んで下さる」と
おくした仲間を鼓舞した

巨人回廊はその名の示す通り天井高さがビル並で
小人の彼等からしてみればガリバー世界の冒険にも
等しい場所なのだ

だが其れでも彼等は義のために立ち上がった
彼等にとってアリーヌは今や{自由の象徴}とも
言える存在、何としてでも救いだし
ガルスグレーサー和平派勢力のリーダーに
成って貰う必要がある

アリーヌが立てばそれに呼応する将軍が
必ず現れる、それが彼らの希望だった

「今のアリーヌ様は小人にされて監獄に
幽閉されておられる・・だが此は
逆に好機だ、小人と成られた今なら
目立たず救出する事も容易なのだから」
そう考えた彼等の判断は正しいと言えた

巨人界で10分1と言う大きさは武器だ
同サイズの人類種に紛れれば、そこから
アリーヌを特定するのは如何に困難か

其れにこの天体級大円盤内には
150億を超える数の小人奴隷が
居住している{その捜索は容易い物}ではない
つまりこの回廊さえ突破すれば
姫の救出は成功した様な物なのだ。

そして彼等の目の前に絶望の象徴が現れた
「お前達は和平派勢力の兵士だな?」と聞いた男は
その顔は知る人ぞ知るスパイソルジャーの
スーパーエース・Jジョカーだった

「あんたはJジョーカー・・」
「もう駄目だぁあ」
だが普通の兵士はJの事を知らず「恐れるな
敵は一人」と言い無謀にも立ち向かおうとした
そんな無謀な彼に
「まあ待て、心配するな俺は味方だ」とJが言い
「誰がそんな話信じる!?」と武器を構えるが
「少し待てせっかちめ」と窘める

其れから少し先の回廊に
仕掛られた罠を彼等に教えて
Jは難なく其れを無力化し彼等の信を得た
「此は・・す、済まない助かった」

「アリーヌ王女は俺が御助けしてくる、
執念ばかりじゃ防衛ラインは突破出来ない」
「わ・・解った此処で待っている」
星帝に反旗を翻した事を明かすJを
彼等は信じるしかない、だが用心として
Jの行動がライブ配信映像で観れる機械を
手渡す事にした「王女様を宜しく頼む」

Jは一つ頷いて王族専用監獄宮殿の中に
テレポートした、そして警報と罠を全てかわし
対ESP装置も知識の力で{かい潜る}

「スゴい・・流石はJジョーカーだ」
Jを知る和平派勢力の兵はその
あまりの手際の良さに流石はJだと称え賞賛する
そしてJは瞬く内にアリーヌが幽閉されている
{軟禁用}貴賓室の前にたどり着いた

「アリーヌ様・・」

アリーヌはその声に誰です?と問いかけた
「お助け致しますドアからお下がり下さい」

声の指示に従い王女が下がると
重厚なドアに高電圧が流れて電子ロックが
解除された、それから外側から念動で強引に
こじ開ける

その姿を見た王女は我が目を疑った
父親のギルザートが最も頼りとする
スパイソルジャーのJジョーカーだからだ

「表で和平派勢力の者達が待っております」

「それでは貴方は、お父様を裏切る事に」

「良いのです覚悟は出来ております
和平派は貴女様を必要としているのです
さあ参りましょう」と言って手を差し伸べた

Jはアリーヌを連れて走り出した
監獄宮殿内はテレポート出来ない
処置がとられている

警報を成らさないように電子ロックの回路を
ショートさせても監視ロボが巡回している
王女を連れているため無理は出来ずJは
巡回ロボを1台見つけてはサンダーサーベルの
高電圧でショートさせ機能停止にしていった

回廊の入り口でヤキモキしながら待っていた
和平派の兵士達の目の前にJが王女を連れ
テレポートして現れる
監獄宮殿のESPジャマーの有効範囲から
出てから空間を一気に飛んできたのだ

「おい和平派!アリーヌ様を頼むぞ」

其れを聞き和平派の兵士はJに
「アンタはどうする気だ?裏切りがバレるのも
時間の問題だぞ!」と言い一緒に来るように誘うが

「俺は此から星帝宮に向い囮役として
暴れて時間を稼いでやる、だからその間に
王女様をお連れして逃げろ!」

「そんな事をしたら助からないわ」と
アリーヌがJを止めるが

「俺は最後の任務として貴女様のお父上の
御首を取るつもりですお許しを」そう言って
Jジョーカーはテレポートして消えた

アリーヌは其れを聞き小人奴隷と蔑まれてきた
人々の怨嗟が如何に深いかを知った
「絶対の忠義を誓い父に使えていた
彼程の者さえもが・・」
『私達巨人族は本当に許されない大罪を
大勢の人達に犯しているのね』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━★付箋文★

星帝宮殿は巨人世界の権力の象徴である
何人も土足で立ち入ることは許されない
ありとあらゆる監視網に見張られて
蟻の入り込む隙間も無い程だ

Jジョーカーなら或いは気づかれず
星帝の寝所に忍び込み寝首を掻くことも
可能だった、だが今は陽動が先だ
未来の為にアリーヌ王女の脱出が
何にも優先される

例え巨人族が滅んでも残された
ガルスグレーサーの奴隷として連行された民を
銀河で受け入れて貰う必要がある、その際に
求心力となり交渉等の政が出来る存在
王女アリーヌが必ず必要となる筈だ

「精々頑張って暴れるか」

ガルスグレーサー天体級大円盤ムー
その内部には山脈の如き巨人都市が
山脈のように聳え立っており

その中央部には星帝宮殿と呼ばれる
荘厳な円錐状の軌道エレベーターでもある
象徴的な建造物が存在する。

その星帝宮殿こそ
ガルスグレーサー帝国の{中枢}である
武器の持ち込みなど許される筈もない
Jジョーカーはその聖域にフル装備の武器を携え
いきなり強襲を仕掛けたのである

<緊急事態発生!>

<緊急事態発生!>

<星帝宮が襲撃された!犯人はJジョーカー>

<繰り返す犯人はJジョーカー>

Jジョーカーはサンダーサーベルを抜いて
目の前を邪魔する警備ロボを次々にスクラップに
変えていった

『彼処にはA級装甲兵団がいつも100人単位で
守っている、そして今は交代の為に200人は居る
今が狙い目だ!』
まさか兵力が集中する此の時間帯にと言う油断
Jジョーカーは意表を突く大胆な作戦に出たのだ

現場を指揮する司令官に向かってJは静かに
接近した、そしてそのまま司令官の前に
テレポートした、そこには10名の兵が居たが
いきなり現れたJの姿に顔をひきつらせ
次の行動に移る前に彼等は全て地に伏していた。

Jジョーカーは堂々と正門から中に侵入し
そして兵やロボに出会う度にそれらを
斬り捨てていった
_______________________
★付箋文★


誠矢が勝流水に会うため艦長室を訪ね
Jジョーカーの言った言葉を報告していた

「・・確かにそう言ってました」

「俄には信じられない話だが、奴隷解放の為に
王をスパイが暗殺するという筋書きは
あり得ない話ではない」

「併しギルザートの首を取ると言っても
警戒厳重な所に飛び込むんだ命が幾らあっても
足りないだろう」と勝艦長が言うと誠矢は

「彼奴ならやると思います、甘さを捨てれば」

「耳を疑う言葉だな・・お前を何度も冷酷に
追い詰めた超一流のスパイだぞ」

その時誠矢が吐露したのは
「もうあの時のJではありません
復讐を捨て何かを守る戦いに身を投じる
今の彼奴は・・」

「恐らく真耶の為に・・」
誠矢は其れを言い掛け沈黙し
勝艦長も其れを聞いて沈黙した

______________________
★付箋文★

この時Jジョーカーの侵入は星帝宮殿全体に
知れ渡っていた、だが流石はJと呼ばれるスパイ
厳重な警戒態勢をかい潜り宮殿の奥深くにまで
既に食い込んでいる

超能力戦士でもあるJには有効な
エスパー能力を封じる装置も
その位置を熟知しているJには効果が薄く
{たった一人}に警備隊は振り回されていた

また巨人サイズに併せた建造物が
いらぬ死角を多く作り侵入者を
容易に見つけ難くくさせている

Jの目前に{暗殺ロボットキルMM13}の改良型の
{MM20}が5台現れた、Jジョーカーは
MM20に向かってサイボーグの速さで駆けて
サンダーサーベルで攻撃を仕掛ける

MM20の腕には超高速ライフルが
搭載されており{自動追尾型の口径80mm}
其れがJに向けて発射された
______________________
★付箋文★

誠矢は「Jジョーカーは自分の戦士としての
誇りを守りたかったんだと思います」と
勝艦長に言いながら
誠矢はその矜持を思い描く
「彼奴は常に誰かの為に戦ってきた」

「巨人の王に従ったのも同胞の犠牲を
一人でも減らすにはそれしか方法がないと
思ってのこと、だけど本当に守るものを
見つけた時、真の敵が見えて来た
それがギルザート18世だったんです」
______________________
★付箋文★

ライフルと言ってもその大きさと威力は
人間では絶対に反動に耐えられない使用不能の
重量物、それを精密射撃するのだから
並の人間なら木っ端微塵である

だがJジョーカーは5台の暗殺ロボの
死角に取り付き他のロボに撃たせ
1台を同士討ちにさせた

横凪にサンダーサーベルを祓うと
その1撃で1台が真っ二つになり
返す刀で更にロボの巨大ライフルを
両断し使用不能にする

だが一瞬でも足を止めれば、そこは自動追尾の
ライフルの餌食、ESP阻害により、いつものように
テレポートが使えないJは{武器を使用不能}にした
ロボを蹴り飛ばし横転させ、

もう一台の方向に転がすと、そのロボに
{仕掛けた3個のグレーネード}が
爆発して残った1台を巻き込み吹き飛んだ

この際Jは少なからず手傷を負った
『ESPを封じられれば戦闘能力は激減だな
坂巻と言う戦士なら問題なく戦うのだろうが』

『破壊型超能力者を素手で倒した怪物か・・
まず俺では・・歯が立つまい・・』
坂巻の強さはJでさえも恐るべき物だった
そう考えているとA級装甲兵が3人
通路の角から躍り出て来る

併しJは装甲兵の顔面を殴りつけた、
その威力の前に兜ごと兵士の頭部が吹っ飛ぶ
それに反応した隣の兵士が剣を振り上げた

Jは剣を振り上げた後ろにいた装甲兵を先に
サンダーソードで突いて感電死させ
それを引き抜く反動で前の装甲兵が剣を
振り下ろす前に切り倒す。

そしてJは一つの通路にたどり着いた
『此処にはレーザーが5カ所設置されている』
その瞬間一条のレーザーがJの足先に飛んできた
それを通路に飛び込み予め確認していた
{レーザー発射装置}に手首の仕込み手裏剣を
投げ5つとも破壊した、だがその代償に
Jジョーカーの足から一筋の鮮血が流れ出る
_____________________
★付箋文★

玉座に座る星帝ギルザート18世に
緊急時対応に駆けつけた
リンクス宰相も同席する中

{巨人守備隊・隊長}がJジョーカーが
6番防衛ラインを突破した模様との
報告を上げた、それを複雑な表情で聞く
ギルザートはリンクスに向かい

(こうなると・・ガルスグレーサーの
技術を盗み出し銀河に流したのも奴だと
見るべきか?)

(ハッ、只今Jの足跡を洗わせておりますが
恐らくその可能性が高いかと・・)

※秘密の会話を他者に聞かれない為に
王座には骨振動マイクが備え付けられている

巨神守備隊・隊長がリンクスとギルザートに
報告を上げた後「併し奴も此処まででしょう」と
警備に自信を滲ませる

リンクスは少し不快に思い「お前はあの男の
恐ろしさを知らん様だ」と忠告した

だが隊長は負けじと「御言葉ですが我が隊の
防衛ラインは鉄壁です!間違っても最後の
28番まで破られることはあり得ません」と豪語する

ギルザートは巨人の王としての風格を
見せつける様に発する言葉を重厚にして
「侮るでない、あの男なら後40分もすれば
此処まで必ず来る、自分の力を過大評価するのも
敵の力を過小評価するのも愚か者のする事だと
心得よ!」その言葉に隊長とリンクス宰相は
平伏して敬う

また星帝の言葉を裏付ける様に
監視兵が焦り気味に報告をあげる
「7番8番防衛ライン連続突破されました!!」

「何だとぉお!?」
その報告に耳を疑う守備隊長
その様子を見てリンクスが
(此処も安全ではありませんな)と
骨伝導でギルザートに伝える

ギルザートも苦笑いで
(あの様な無能が守っておるのではな・・まあ
同じ巨人として必死にやっておるのだから
厳罰は許してやろう・・それより例の
準備をしておけ)

 (畏まりました)リンクスはその場を離れた

ギルザートは心の底から思う
『惜しい男を失う事になった・・
奴こそ100年に一人の逸材、だが
こうなっては仕方あるまい・・
果たして奴に我が仕掛けを見破れるかな?』
______________________

Jジョーカーは一気に
数人の兵をサンダーサーベルで
切り捨てた
『超能力が使えればこんな無用な殺生を
しなくて済むんだが』

守備隊の衛兵の中にはロケットボーガンを
装備する兵が居る、矢を弓で射るのだが
矢自体が小型の追尾式ロケット弾となっている
そのため射程は5キロMもあり命中すれば
小型バズーカ並の破壊力がある

ガルスグレーサー版の
※{クラッシュP339}と言った
武器である。

それがJジョーカーに狙いを付けた
『ボーガ122か!?』

兵のバイザーが光学的な光を発し
自動的にJを照準で捉える「ハァーッ」
掛け声とも気合いとも言える言葉を発して
射手はボーガンから矢を放った

だがJはサイボーグの足で俊足を出し
矢を空中で叩き斬り
そのまま射手の胴を輪切りにした
『追尾ロケットだと言ったところで所詮は矢
こうして初段階で迎撃すれば良いだけの話だ』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「やはり・・Jの対応能力と分析力は
凄まじいものがある、そして此処の設備は
熟知している様だ{熟熟}抜け目ない男よ・・」

ギルザート様の言うとおりだとリンクスも
思う・・殺すには実に惜しい男だ
何とかして時期ギルザートに託したい人材
なのだが・・どうすれば良いのか・・

『こうなれば時間を凍結させるか』
Jジョーカー、お前は裏切ったくらいで
失って良い戦士ではない
リンクスは宰相になって初めて法を裏切った

「恐れながらギルザート様
このリンクス{御進言}申したい議が・・」
______________________
★付箋文★

野原のど真ん中に破壊された
レーダーサイトがある其れは
{地球防衛軍}第18レーダーサイトだ

此処は昔、大城真耶が生まれ育つた家である
今その廃墟に真耶が来ていた。

真耶は時々ふらっと此処に来る事がある
別に大した用はない、只単に心が安らぐので
何も考えずに風景を眺める為に此処に来るのである、
只そうやっているだけで穏やかに時が流れる

何の力もないけど一番幸せだった少女時代
今は愛する者を守る力はあるけれど
同時に大切な何かを無くしてしまった

やがて時が過ぎ真耶は立ち上がって
父が亡くなった
銃座の残骸を見て静かに語りかける
「じゃあねお父さん、私帰るわね」

愛車に乗り込みエンジンを掛けてから
響の顔を思い浮かべる
『お父さん・・あの人なら良いでしょう』

ハンドルを握りしめ真耶は心の中で呟いた
車は静かに発進した
━━━━━━━━━━━━━━━━━━★付箋文★

Jジョーカーは19番防衛ラインまで突破し
この頃になると{兵が集合し}Jと言えども
突破が困難になって来ていた

20番防衛ラインにはA級装甲兵やB級装甲兵
キル・MM20等が多数投入{配備}されている

『さて・・どうするか』
兵士達がJを見て怯える目が恐怖の色に染まる
それを悟った黒い死神は決して見逃さない
『決まったな、強行突破だ』

一人で行動する場合は危険は避けるのが
{スパイの鉄則}なのだが
Jジョーカーは敢えてその危険な方法をとる
{アリーヌ王女の脱出を少しでも楽にする}

よもや慎重な筈のJがそんな無謀をする訳がない
そう鷹を括る衛兵隊はこの突然の行動に混乱に
陥った。

自動追尾するキル・MM20のライフルだが
サイボーグのスピードで攪乱させられ
Jが更に装甲兵の合間を縫うように走り抜け
誤射させると、Jを狙うキル・MM20の銃弾が
装甲兵達を釣瓶打ちに撃ち抜き続け
其の結果、装甲兵部隊は全滅したのだった。

<こちら20番!21番防衛隊に救援を求む!!>

『これで21番は無防備になるな』
死んだ隊員の無線を利用しJは偽の救援要請を
21番隊に連絡した、この方法がまんまと成功し
Jは労せず21番防衛ラインを突破する。

______________________
★付箋文★ PART29 (後編に続く)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。

処理中です...