28 / 49
王家の絆編
PART28 ターナー討伐隊壊滅
しおりを挟むガルスグレーサー本星の巨人宮殿では
上へ下への大騒ぎと成っていた
星帝ギルザート18世は激怒している
「まだアリーヌは見つからぬか!?
何をしておるリンクス!!」
星帝の見せる威圧に小人奴隷の多数が気絶した
宰相リンクス3世は冷静に対応する
「捜索の途中経過でありますが御報告致します
アリーヌ様はどうも地球に行く艦に
お忍びで紛れ込まれた模様です」
ギルザートは冒険好きでお転婆な姫なら
あり得る事だと思った
「何たることだ・・直ぐに
ル・リオン将軍を呼び出せ・・
それからサイモン将軍もだ」
ル・リオン将軍と言うのは超人部隊と
第4戦艦隊の司令官だった。
ル・リオンに向かって仲介を忘れ
ギルザートはアリーヌの情報を
受けていないかを直接訪ねた
「アリーヌの事で何か報告は受けておらんか?」
ル・リオンは星帝に畏まりつつも
「この様な事を申し上げる前に何らかの
手を打ちたかったので有りますが」
言葉を選びながら「実はアリーヌ様は
地球人に浚われた様であります」
衝撃の一言だったギルザートは力なく
王座に体を沈めた「何と・・それは誠か?」
ル・リオン司令官の報告は続く
「スカルタンよりの報告です、彼等も
母艦を破壊されアリーヌ様を取り返すまで
迎えを寄越さないで欲しいとの事」
ギルザートはこめかみを片手で押さえ
暫く間を置き怒りを抑えた
「それならばスカルタンに伝えよ
アリーヌを連れ戻すまで任務は中止だとな」
「そして連れ戻すまで帰還は許さぬともだ」
拳を王座の手摺りに打ち付け
星帝は憤怒を押し殺して言った
ル・リオンは此以上無いほどに平伏し
必ずそう伝えますと誓い通信を終える。
暫く重苦しい空気の中
リンクス宰相がギルザートに耳打ちする
「グラウスサイモン将軍で御座います」
グラウス・サイモン将軍 第8空母隊隊長
「お呼びでしょうか?ギルザート様」
星帝からの恐ろしい空気を武人の感覚で読みとる
グラウスサイモン将軍は冷や汗を流した
「我が娘アリーヌが地球人に拿捕された」
「・・・っ」 将軍には寝耳に水の話だ
「スカルタンに救出を命じたが・・・
お前の方も兵を何人か差し向けてやれ」
「畏まりました、それから・・ヘルターナーの
手掛かりを掴みました」
ギルザートは良くやったと言いながら
興味少なげな態度を示す
「奴は見つけ次第始末しろ見せしめだ」
「それでは私めは此で・・」
将軍が言い切れぬ内に通信が切れた
今はターナー所の騒ぎではないらしい
「銀河円盤の件もあり大艦隊を送れない
少数精鋭で片を付けねば・・ならないな・・」
頭の痛い問題が此処の所続き
ガルスグレーサーの将軍職連には
この年はまさしく厄年であった。
_______________________
★付箋文★
ハヤテ第一艦橋司令室
「あ~あ惨めだね」小原が情けない泣き言を言うと
岩川が「仕方ないよ基地をぶっ潰されたんだから」
基地を失ったハヤテは犬吠岬近くの港に
停泊していた、その様子を誠矢と響と勝艦長が
遠くから眺めている
「青い海に白銀の船体は良く映えるな」
誠矢の感想に勝艦長が
「ハヤテの写真を各国の関係者に見せたら
美しい戦艦だと褒めてくれたそうだ」
響は成るほどと納得しながら
言われてみれば絵になると言い、
「ここでカモメでも飛んでくれば言うこと無しだ」
とも言った
そう言った途端カモメが数羽飛んできて
ハヤテに向けて飛んで行く
「ヒューやっぱり絵になるネー」
腰に手を置きそう言う響に向こうから
サイバドック7号とコンガラクの
ポンコツコンビが網を持って
ドタバタと走ってきた
「待て待てー焼きとりー」
「7号アレハ焼き鳥トハ言いまセン
カモメと言ウ学名デス」
「焼いちゃえば皆焼き鳥なのさ」
そう言いながら誠矢達の前を走り去っていく
そんなポンコツコンビに響が両コブシを振り回し
「コラー折角のムードをぶち壊すなー!!」
夕焼け空となり、近くの航空基地に1機の
スペースユニコーンが着陸した
機体には白い虎が描かれている
管制官が「全くリストを何だと思っているんだ」と
同僚にグチるが横の管制官は「仕方ないよ
着陸させちまったんだ」と言い肩を竦める
その時問題のパイロットが
管制官に向かって一言言った
「到着が速すぎて失礼した、私は
ドイツ空母ワイマール
第一航空師団所属アキレスFハルトマン
ホワイトタイガーと呼ばれている」
其の名を聞いて
オペレーターが慌てて、「リストにあります」
「1時間速かったな」
ハルトマンの言葉に管制官が「2時間です!」と
声を張り上げ修正する。
「それは失礼した」
ハルトマンは愛機を後に残し基地を出た。
______________________
★付箋文★
太陽系の最果ての宙域でグラウスサイモン艦隊の
偵察に出ていた数隻の戦艦が他の艦隊の
強襲を受けていた。
攻撃した艦隊の旗艦は全長780mの
巨体を持つシリウス艦隊旗艦ギャレンだ
共同戦線が成立したのでシリウス星から
地球首相の護衛任務を受けやって来たのである
「ガルスグレーサーの犬が
未だに彷徨って居るようだな」
旗艦ギャレン艦長ガードロスは
そう言うと地球に向け再発進を命じる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鍾乳洞の奥に一つの影がある
それは女戦士のシャロンだった
そして後方から近づく気配に
「スカルね・・」と言い当てた
スカルタンはニヤリと笑い
「その通り良く解ったな」と言い近寄る
シャロンは不敵な笑みを漏らし
「気配で解ったわ」と言った
「こんな所で何をしている?」
「そう言う貴方こそ私に何か用なの?」
「言わなくても解っているだろう?」
そう言うとスカルタンはシャロンの首筋に
キスをし手をシャロンの胸に運ぶ
「私もあなたを待っていたのよ」
シャロンは目を閉じてされるが侭になっている
だがこの時スカルタンが何を考えているかを
知らなかった。
やがて部下のやってくる気配を感じ
二人は何事も無かったように離れた
現れた部下はソレまでのことを
気づいてない何も知らないと言う顔で
「アリーヌ様の居所が判明しました」と報告した
腕組みをしているスカルタンはソレを聞くと
「そうか、ではシャロン! 副隊長のお前に
隊員を何名か預けるから王女様を奪還してこい」
シャロンは胸に手を置き敬礼のポーズを取り
スカルタンに対して
「了解しました!直ちにアリーヌ王女様を
奪還しに行ってきます!!」と言い出撃した
シャロンとエスパー部隊が出て行くと
スカルタンは残忍な目になりこう呟く・・
「フフフ馬鹿な女よ・・
利用されているとも知らずに良く働く」
その言葉の意味を知るのはこの{死に神}
だけだった
______________________
★付箋文★
大城真耶が坂巻進吾に呼び出されていた
そして坂巻は真耶に事の成り行きを説明した
「敵の超人部隊が来るんですね?」
真耶は超能力者からアリーヌを守る
手助けを頼まれた訳だ
敵の重要人物とはいえ
{重要機密}の塊である
ハヤテに収容する事は出来ない
かといって生半可な場所では
超能力者相手ではどうしようもない
そこで一計を案じて
物理の坂巻と超能力の真耶の
出動と言う訳だ。
アリーヌは坂巻の屋敷に引き続き
匿われる事になり坂巻は景子に事情を話し
手を借りる
そしてジョンスミスは心配そうに
「アリーヌ元気かい?」と優しく訪ねる
アリーヌの傷は北本医師の腕もあり
快方に向かっていた
『どうやら大分顔色が良くなったな』
アリーヌは布団文化に馴染む様に
着物を羽織り寝間着も和装である
ジョンは心から美しいと思った
「君は着物が良く似合ってる綺麗だ」
アリーヌはそれを聞くと取り乱し
「ほ・・他に着る物が無いとか言うし
仕方なくよ仕方なく・・」
動揺したのを隠したいアリーヌは
「それよりどうして私を防衛軍に
突き出さない」
言わなくても良いことを言ってしまい
後悔しつつジョンをキツい目で睨みつける
だがジョンは{顔を真っ赤にして自分を
威嚇してくる可愛い女豹}に
「さあね、ヒョットしたら君に惚れたからかも」
それを聞いたアリーヌは拗ねるように
布団に口元を絶対見せないようにしながら
「か・・からかわないで」と言いながら
身を捩らす
「あーーーお邪魔します」
「お・・お邪魔しちゃいます」
そう言いながら何時の間に来たのか
坂巻と真耶が部屋に入ってきた
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ハヤテでは新設計のレーダーの取り替えが
秘密工場内で行われていた
この空間はシルヴァニア現象により
統べてが10分の1世界である
ハヤテの外装修理が唯一可能なのが
この特殊偽装された工場だった
その取り替え工事を指揮していた
総科学班長の春吉が
「誠矢隊長、君はハンティング
オペレーションの事を知っているかな?」
誠矢は知ってますと答えた
春吉はならば良いが、このハヤテも
ハンティングオペレーションの一環に
過ぎないんだが、ハヤテタイプの
{超高速戦艦}が建造に入ったそうだ
誠矢は銀河連邦の規約を完全に破棄した
結果だと解りニヤリとする
「あーあのプロジェクトβ艦ですね」
これでシルヴァニア現象以外はハヤテと
同等クラスの戦闘力を持つ強力な艦隊が
地球の戦力として誕生するのだ。
「孤立無援だったハヤテの苦労も後少しの
辛抱って訳だな」
その時誠矢の肩に手をかけた人物がいた
振り返るとそこに居たのは
「ハルトマン!」
アキレスFハルトマンは
予定時間より遙かに早くハヤテに現れた
「我が愛機ユニコーンのエンジンの調子が良すぎて
2時間程速く着いてしまったよ」
「おお、そうか!お前もとうとう
ユニコーンに乗るのか」
そう言いながらハルトマンと肩を組み
「後は坂巻だけ{はみ子}だな」と
意地悪くハルトマンが言うと
「そうだな」と同じく誠矢も笑う
意外な事に3人は未だに競い合っている
そこに春吉が誠矢に
「君の知り合いは変わった人物ばかりだね」
誠矢とハルトマンは吹き出した
「それを言ったらアンタが一番の変わり者だよ
春吉さん!」
ここに春吉{科学班}の部下がやって来て
「春吉チーフ、例のコスモハンターが届きました」
「コスモハンター?」
アキレスは初めて聞く名前だった
だが誠矢は既に知っているらしく
「来いよ一緒に見ようぜ」と言って
春吉を向かえに来た隊員に着いていくと
10m程の高さのコンテナが50個程
工場内の倉庫に収納されていた
そのコンテナをアームで開けると
中から夥しい量の機械の部品が
収納された連結部品が出てきた
春吉がメザーガトリング2門
(魔導速射破壊弾)を検品している
「全長で100Mの兵器部品か、確かだな」
このメザーガトリングは1種の
対要塞戦兵器で、ハヤテの艦主に装備される
デストロイ・カタストロフ戦を
参考にした春吉進一郎自らが設計し
ハヤテに実践初装備されたのだった。
______________________
★付箋文★
坂巻家屋敷の近くにシャロン副隊長率いる
6名のエスパー部隊が現れた
テレポートで空間を移動する彼等に
どんなに厳重な守りも意味をなさず
突破されるだけだ
それにしても驚の襲撃姿だ・・
彼等は何故だか民間人の服を着ていた
如何にもピクニックにでも来たような
装いで、彼女達は近くの川原に
テントを張り夜を待ったのだ
襲撃は夜の闇夜に紛れて行う
その時は超能力専用の特注スーツに
身を包み万全の体制で挑む構えだ
『敵にはあのガリアスを倒した強者が
待ちかまえて居るのだから』
シャロンはこの任務に己の全てを掛ける
坂巻家屋敷の前に来ると堀を飛び越えて
屋敷内に進入した、その気配に
坂巻は直ぐに反応した「来たか」
坂巻とジョンの二人は今回、真耶以外にも
最強とも言える援軍を呼んでいた
坂巻流現党首にして進吾の実の父
坂巻鉄斎である、当然だが怪物の父も怪物だ。
一番始めに敵のエスパーを倒したのは
鉄斎であった、そのエスパーソルジャーは
スペースナイフを6本空中に浮かせ
自由自在にそれを操作しながら鉄斎めがけ
飛ばしたが
そのナイフは鉄斎の体に当たる前に
全て飛ばしたエスパー自身の体に
突き刺さる
「暗殺者の中には短剣を20は飛ばす手練れが
ザラにおると言うのに、この程度の数では
児戯にも劣る」
そしてそのエスパーは鉄斎に睨まれるや否や
金縛りで全く動けなくなりその場に立ち尽くすと
次の瞬間
人間の頭部を持った鉄斎が背後に居た
そしてその場から立ち去りながら
「哀れな奴よ、敵の気迫に呑まれおって」
鉄斎がそのまま歩いていると
坂巻進吾が敵の超人部隊の一人に
技を仕掛けようとしていた
エスパー達は坂巻に3人掛かりで
3方向から毒を塗った凶器で襲ったのだが
その凶器を蹴りで逆に跳ね返され2人は
顔面に凶器が突き刺さり即死した
「馬鹿な・・エスパー部隊の俺達がこんなに
あっさり・・貴様が使うその武術は
一体何なのだ!?」
「古来より研鑽を積重ねて来た魔導の極み
坂巻流真魔導拳、貴様等{人外}の天敵がこの俺だ」
常人の動きを遙かに越える坂巻をまえに
気圧され一人残ったエスパーが棒立ちの所を
そのエスパーに向かって走り寄り
手前で飛び上がると後ろに回って体を捻り
そのまま首筋に水平打ちをかけ
首を跳ね飛ばす、襲撃者は皮一枚残して頭が
背中にぶら下がりそのまま前のめりに倒れ込む
それを見ていた鉄斎は
「坂巻流{飛翔枝切り}か・・
まだまだ修行が足らん皮一枚残すとは」
{殺す時に余計な意識を裂くな}と
後継者に厳しく戒を促す父に
進吾は{死体処理班の仕事を減らす}気使いで、
わざとそうしたのだが、その考えも含めての
駄目出しであろうと思い此処は素直に
「左様ですな親父殿」と答えた
鉄斎は一点を睨み、そうだと言ったと思うと
一気に飛び上がり木の上にいて
二人を銃で撃とうとした
超人部隊の一人の胸を蹴りで突き破った
胸に風穴が空いたエスパーは血飛沫を
吹き出しながら木から落下する
「結局銃を使うなら普通の暗殺者と代わらん」
ジョンスミスを見つけた超人部隊の一人は
木の上から狙撃しようとサイレンサー銃を発射した。
だが次の瞬間にはそのエスパーは
心臓を撃ち抜かれ即死する
目視できるほど強力なシールドが発生し
ジョンの身を守った其れは携帯様に開発された
「流石は春吉さん発明の{エスパーシールド}だ」
その時、シャロン副隊長は混乱していた
『あり得ないあり得ないあり得ない』
目の前で起こっている事が信じられない
『次々に超人部隊が消されていく
一体どうなってるの!?』
シャロンはテレパシーで次々に消えていく
仲間の死を知って恐怖を覚えていた。
最初、屋敷の中に忍び込んでいたシャロンは
アリーヌと真耶が居る部屋に直行した
襖を次々に念道で開き最後に奥の間に
アリーヌを発見するシャロン
アリーヌは侵入者の顔を見て
「シャロン」と名を呼ぶ
「アリーヌ様今すぐお助け致します!」
それを聞きアリーヌは複雑そうな顔をした
『アリーヌ様?』
そこに真耶が立ち塞がる
「この人をあなた達に渡さないわ!」
『この娘エスパーね私には解る・・』
シャロンは脅しと警告の意味も込めて
「私は破壊型エスパーよ退きなさい!」
だがそれを聞いた真耶は「そうですか」と
怯んだ様子を見せない
真耶とシャロンはそのまま屋敷を飛び出し
庭に降り立つと睨み合った
シャロンがテレキネシスで巨大な重量物の
庭石を念動で持ち上げるとそれを真耶に向けて
投げつける、だがそれを真耶は難なく受け止め
ゆっくりと庭に降ろした
「綺麗な庭園を荒らすのはやめて頂戴」
それを聞いたシャロンは「戯けるな!」と叫び
灯籠や木などを持ち上げ真耶にブツケようと
次々に投げつけてくる。
だがそれら全てを空中で受け止めて
又しても真耶は静かに降ろした
『このままだと勝負がつかない!』
シャロンは何を思ったか急にテレポートした
真耶もそれを追う
二人は開けた空き地に出現すると
ここでシャロンはサイコキネシスをフルに
使い始めた、真耶は防戦一方である
しかし真耶はシャロンを無傷で捕らえるために
反撃の機会を伺っていた。
力は大したことはない、これなら
傷つけず押さえ込むことも容易に出来そうだと
すこし我慢をしていたら
案の定と言うべきかシャロンに疲れが見えて
一瞬の隙が生まれた、だがコレは真耶と戦う間に
部下達が次々に消されていると知り同様した
せいでもあった。
真耶はシャロンの足元に念力を集中し
地面を割ってシャロンの足をその中に
落とそうとした
「あっ!」シャロンを地面にヒビを入れて
足だけを落とし捕らえるつもりが
地面は信じられない程大きな深い亀裂が発生し
大規模の揺れで彼女は其処に呑み込まれる
「危ない!!」そう叫び真耶は間一髪で
シャロンの手を掴んだ
それに驚いたのはシャロンだった
「な・・なぜ!!?」
真耶は必死にシャロンを引き上げ
「どうして敵の私を助けたの?
意味が分からないわ!」
真耶が悲しげな声で
「解らないけど多分あなたが私と同じ
破壊型超能力者だと思ったから・・」
シャロンはその言葉に真耶の苦しみを感じとった
それは同じ超能力者同士の共鳴だった
真耶は泣き顔で
「同じエスパー同士で争うなんて悲しすぎるわ」
だがシャロンもそれが人の業だと、
そう言う時代なのだと自分を納得させていた
『貴女なら解るでしょう私の心が・・』
『私は愛する人のためにこの道を選んだ
決して後悔はしてないわ!!』
シャロンは真耶に自分では絶対に勝てないと認め
その場からテレポートで去った
後には彼女の悲しさだけが残る
真耶は虚空を見つめながら
「私なら・・愛する人の為にその道を
選ばないわシャロン」
______________________
★付箋文★
シャロンは鍾乳洞に居る
スカルタン隊長の元に戻ったが、
此処で彼女の身に悲劇が起こった
「アリーヌ様の奪還に失敗し
部下達まで失いながらお怖お怖と
戻ってくるとは、恥知らずな奴め!」
愛する男にそう罵倒された
悔しさと悲しみに下唇を噛みしめながら
シャロンは何も言えなかった、そんな
彼女にスカルタンはこう言った
「そろそろお前にも見切りを付ける時期だな」
この一言にシャロンはスカルタンに縋りつき
「お願いスカルタン貴方を愛しているの!
私を捨てないで!!」
だが冷徹にもスカルタンは
自分に縋りつくシャロンの腹部を
時空断絶の超能力で切り裂いた
お腹を抱えながら倒れ伏し瀕死に成ったシャロンに
スカルタンは「愚かな女だと」吐き捨てる
そして・・・
シャロンは消えていく意識の中で自分の死を
誰かに伝えようと最後の力を振り絞り
テレパシーを送って力尽きた
鬼畜のスカルタンは部下に死体を片付けろと
情け容赦なく告げるとその場を立ち去った
後に残った部下達が
「シャロン様・・御労しい・・」
「全くだ、何も殺さなくても」
「余り余計な口はきくな・・二の舞になるぞ」
「前々から危険な任務は副隊長に任せて
手柄は全部自分の物にし、出世の足掛かりが
出来たら捨てる気だったんだな」
「そこまで出来るんだから、あの人は
隊長なんだよ!」部下は吐き捨てるように言った
併しスカルタンは知らなかった、シャロンが
死の間際にテレパシーを送った相手が
地球最強の破壊型超能力者{大城真耶}だった事を。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★付箋文★
銀河系渦巻腕
太陽系から渦巻腕深く潜り込んだ
ヘルターナーの逃亡艦隊は
超巨大全自動式(宇宙戦艦製造)
移動要塞工場バダイと呼ばれている
全長6000メートル
全高6000メートル
全幅6000メートル
形状は完全立方体で
自信で移動可能
最大リープ速度(R)4
このバダイを中心に艦隊を構成し
アジトに出来そうな星系を探し現在放浪中である
だがそんな状態でも今の彼等は希望に満ちている
旗艦キングターナー3世の艦橋で
今や一国一城成らぬ{大艦隊}の
主となったヘルターナが副官のグラダーに
「妙だな」と告げる
「どうしたのですかターナー様」
ターナーは面白くない風に「どうも旨くないな」
と呟きそして「やはり尾行されている様だ」
「我等の艦隊が、で御座いますか・・まさか」
「報告によると我々の艦隊の工作艦から
気化したガドニウムが帯のように流れ出し・・
その端のブレがどうもこっち方面に向かい
近づいて来るらしいのだ」
偶然の事故で起きた
気体漏れが{幸を制した}感じである
「このタイミングで来たと言う事は・・
我々への討伐艦隊と言う事でしょうか?」
ヘルターナは片目を瞑り「だろうな」と
アッサリ言うと、「敵の目星もついている」
と言い出す。
グラダーが底知れぬヘルターナノ慧眼を
疑う事はなく聞いた「それで誰が?」
「レーダーに察知されない幽霊艦隊と言えば」
ヘルターナはその人物だと確信して言った
「{第8空母隊}隊長グラウス・サイモン将軍だ」
________________________
★付箋文★
シャロンの死はテレパシーで
瞬間的に大城真耶に伝わった。
シャロンの無念、悲しみ絶望その全てが
伝わるぐらい彼女の思念は強力だったのだ
「そんな・・こ・・殺される・・何て・・」
この時の真耶は昔からの仲の良い友達が
死んだ様な強い感覚に襲われていた
そして倒すべき敵の名も知った
「スカル・・タン・・許しはしない」
この時真耶は生まれて初めて
心から誰かを憎んだ
_______________________
★付箋文★
スカルタンは自らアリーヌを奪取する方法を
考えていた、彼が部下と共に出撃したのは
シャロンの死から3時間後である
その3時間の間にスカルタンは
第4艦隊司令のル・リオン将軍に
連絡してた、その連絡内容は
<シャロン率いるアリーヌ様救出部隊は
敵にアリーヌ様を殺害すると脅され
卑怯にも{同士討ち}を強要されました>
<シャロン副隊長と
戦士ガリアスにより部隊は全滅し
二人とも最後は相打ちとなった模様です>
ル・リオン将軍は残念だと言い
<貴重な超人部隊だが
アリーヌ様のお命には替えられない
貴様は引き続きアリーヌ様救出に
全力を尽くせ!!>
<ハッ!畏まりました!>
『良し良し・・此で、この任務が如何に危険で
困難な事なのかが十分にアピール出来たな』
『王族に借りを作れる機会など早々ないからな
これで俺にも運が向いてきた・・』
ル・リオン将軍の通信は続く
<それと、ハヤテへの破壊活動の失敗の件だが>
「その件に関してですがハヤテの周りには
強力なアンチESPシールドが張られていました」
<馬鹿なESP研究後進国の地球にそんな物が
存在する訳があるまい>
そこでル・リオン将軍は声を落とし
<と言いたい所だが・・リンクス宰相が
一つの推論を出している>
スカルタンはピンときた
「ガルスグレーサーの技術を何者かが・・?」
<流石だ察しが良い・・宰相は銀河円盤の
技術も盗まれた可能性を危惧しておられる>
「ガルスグレーサーに裏切り者で御座いますか・・?」
「確かにクーデターを企てる者が居るとしたら
事ですな・・」
<滅多な事を言うな、宰相に粛正されるぞ>
スカルタンも馬鹿ではない
ガルスグレーサーで出世するには
巨人の御機嫌を取るのが一番の早道なのだ
「肝に命じます・・」
<それでは呉々も慎重にな・・欲をかくなよ>
スカルタンはそれは貴様の方だろうと
心の中で呟きながら、
ル・リオン将軍との通信を終えた
_____________________
★付箋文★
場所は移り坂巻家屋敷にて
真耶はアリーヌに話しかけた
「どうして彼等は貴女を
命がけで取り戻そうとするのかしら?」
アリーヌは解らないわと答えたが
この時部屋にいるのは2人だけである
「貴女には解っている筈・・」
「何のこと?」
真耶は迷いのない目でアリーヌを見つめ
「それは貴女が次のギルザート19世を
受け継ぐアリーヌ・ロイ・シュライザ
だからでしょ?」
「!!」
アリーヌは自分の事をいきなり言い当てられて
同様した「何故・・何故そのことを?」
真耶は涙を浮かべるアリーヌに教えた
「私はエスパーです、シャロンから
テレパシーで教えて貰いました」
アリーヌは泣き崩れた「お願い言わないで・・
ジョン・・ジョンにだけは知られたくない!」
そんな王女に真耶は「本気なの?」と聞いた
「許されない事なのは知っている、だけど・・
どうしようもないくらい彼の事が好き!」
真耶はアリーヌの乙女心に共感を覚えた
「この事は私だけの心に仕舞い込んでおくわ」
そしてアリーヌの手を取り真耶は真っ正面から
「女が恋をする時、理屈じゃないこと私にも
解るから、良いじゃないそれで!」
アリーヌは真耶自身も自分以上に
恋に絶望的な障害を抱えている事を感じ取った
「有り難う真耶・・絶望より私も希望を持つわ!」
少女達が叶わない幸せに夢を馳せる間もなく
既に次の襲撃が坂巻家屋敷に起きていた
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スカルタンは坂巻家屋敷の側に
超人部隊を配備し襲撃の準備は整い終わる
早朝の空気は実に澄んでいた。
そしてスカルタンは屋敷内にテレポートした
何処にアリーヌが居るか全く解らないので
虱潰しに探す作戦に出たのだ
次の瞬間スカルタンは坂巻達の後ろに現れ
坂巻が気づいた瞬間、スカルタンの姿は
消えていた、屋敷内で連続でランダムに
テレポートし、其れをアリーヌを
見つける迄続ける
この方法は幸を制しスカルタンは遂に
アリーヌの真後ろに出現し、間髪を入れず
彼女の腕を掴むと「御免!」そのまま
屋敷外にテレポートしたのである
アリーヌは声をあげる暇もなかった。
スカルタンはアリーヌを抱き抱えながら
テレキネシスで空中を移動した
殆ど車と変わらない速度で
それを追うジョン達も車に飛び乗って
追跡するが山中で追いつくも
其処には超人部隊が待ちかまえていた
「ここは俺と親父殿に任せてお前は行け!」
坂巻と鉄斎の二人はその場に残り
超人部隊100人以上の相手をする事になる
「貴重な超能力戦士がガルスグレーサーでは
この数とは中々侮れないですね親父殿」
「超能力者なんぞ初めて見るのにこの数・・
フン有り難みもないわい」
二人の怪物は100人もの超人部隊と激闘し
最終的には全滅させたと戦記には記されている。
ジョンと真耶はアリーヌを連れた
スカルタンを追ったが、敵の待ち伏せに合う
「20人のエスパー」
「超人部隊か・・」
スカルタンが不適な笑みを見せながら
言い放つ「掛かったな地球のエスパー」
「20人のエスパー相手に戦って
そのお荷物を庇いながら果たして勝てるかな?」
ジョンはエスパーシールドをかけた
しかしそれでは防御しか出来ない
真耶はジョンを庇いつつ敵のエスパーの
攻撃を何とか凌いでいる
その様子にアリーヌは思わず
「ジョーン!!逃げてーっ」
そしてアリーヌはスカルタンに
「もう止めさせなさい!私が国に連れ帰れば
お前の任務は終わりの筈でしょ?」
スカルタンは少し驚きながらも
その目が細く鋭く尖り冷酷な光を放つ
「アリーヌ王女様・・それは不味い・・
王女様が誘拐犯の男に心惹かれるとは
大変なスキャンダルですぞ!」
『この会話は録音させて貰う・・
後々の保険だ』
「あの男が王女様を騙したのですね?
ならば私はガルスグレーサー愛国者として
あの卑劣漢を討伐する義務が御座います」
『良いぞ此で俺は救国の英雄だ!』
「ち・・違うのです!私はあの地球人に
何もされていない!良いから早く
撤退しなさい命令よ!!」
『この部分は丸々カットだな』
「アリーヌ王女様には少々刺激が強い様です
どうぞ御眠り下さい・・次にお目覚めになれば
お優しいお父上様の腕の中で御座います」
スカルタンは手を翳すとアリーヌに催眠波を施し
強制的に睡眠導入させる
『ジョン・・私のジョンを・・殺さないで・・』
「此で良い、後はジョンとか言うあの優男を殺せば
このスカルタンが目標とする将軍職も夢ではない」
{だがそんな妄想を邪魔する声があった}
<スカルタン!あなたのその醜い野望はこの私が
絶対に阻止するわ!>
其のテレパシーの主は真耶だった
<この小娘め生意気な!>
スカルタンは声の主を凝視した
「ジョン!敵のエスパー達はもういないわよ!」
その言葉にスカルタンは真耶の周りで
倒された超人部隊の姿を見た
「馬鹿な・・何時の間に!?」
真耶がゆっくり歩み寄り
「スカルタン・・シャロンにした仕打ち
絶対に許さないわ!」
「地球のエスパー、シャロンとテレパシーで
繋がったか?・・味な真似を・・」
その時一人の兵士がスカルタンに駆け寄り
「キラーコンドルの準備が整いました」
キラーコンドルはブイトール機能により
飛行場でなくても0距離発進出来る
「よし、速やかにお連れしろ」
スカルタンは昏睡したアリーヌを
その兵士に引き渡し連れて行かせた
それを追おうとする真耶の前に立ち塞がり
スカルタンは凶暴なオーラを全身に漲らせる
「ジョン彼女を追って!」
ジョンはキラーコンドルに向かって走り
必死で駆け寄るが一歩遅く、目の前で
{ブイトール}で機体が浮き上がり
機体が安定すると同時に一気に宇宙に向け発進する
ジョンはそれを何処までも追った
愛する人の名を叫びながら。
その場は超能力者同士が牙を剥き合う
キリングフィールドと化していた
常人なら即死する空間で怪物同士が
互いの命を喰らい合う
そして怒りの真耶とスカルタンは
超常の能力をぶつけ合った
だが破壊型超能力者同士の戦いは
周囲に被害が出るだけで中々勝負が付かない
「こうなれば・・」スカルタンは真耶と
決着を付けるべくテレポート空間に飛び込んだ
そして真耶もそれを追う
テレポート空間内でエスパーはその力を
同時に使う事が出来ない、その為サーベルでの
戦いになるのである
そうなればスカルタンの方が遙かに有利である
テレポート空間で剣を交えながら
「私の仲間にならないか大城真耶?
お前なら高待遇で向かえてやるぞ!」
「シャロンを情け容赦なく殺したあなたなんかに
私がどうして仲間になると思うの?」
「私はあの女を愛してなど居なかった
破壊型と言っても{強弱はある}弱い奴は
足手まといだ!」
「彼奴に比べ{君は極上}だ
最強クラスの破壊型は価値が高い」
真耶はスカルタンの言葉に怒りを覚える
「シャロンの愛を価値が高い低いで計らないで!」
ガキーンと大きな音を立てて
サーベルが弾けた
「彼女は苦しんでいたけど・・あなたを恨んで
いなかった・・それ所か最後まで」
その瞬間、真耶はスカルタンの心を観た
「読める・・あなたの心が・・」
スカルタンは自分の心に常に強力な
シールドを張っている
『ハッタリだ・・俺の心が読める訳がない!』
だが併し
「・・そうなのね・・自分よりシャロンの能力が
強くなるのを恐れてあなたは・・彼女を殺した」
この時、真耶の目が青白く発光し出し・・
「許さない・・私はお前を許さない」
次の瞬間スカルタンは凄まじい殺気を感じ
テレポートアウトしようとした
併しそれが出来ない
「お前は私のバリアーの中から逃げることは
出来ない」
『まさか・・テレポート空間内で能力を
使えるエスパーなんて居るわけが・・・まさか』
スカルタンの目の前にシャロンが現れた
私はあなたを愛していた私はあなたを愛していた
私はあなたを愛していた私は
その言葉はスカルタンの脳内で爆発的に
増大していく何億何兆の愛の連呼
脳細胞の全てが浸食されていくのである
「や・・やめろ・・やめてくれぇえええええ」
真耶は全身から巨大な魔導気が吹き出し
その超新星の光は真耶の影を巨人に投影し
強大な力を持つ魔女の姿に変貌する
その恐怖に呑まれスカリタンは絶叫をあげた
全身の穴という穴から体液を漏らし
正気と狂気を何千回と繰り返す
「安心しなさい殺しはしない
シャロンが愛した人だから・・」
そして一筋の涙を流す
「罰として正気と狂気を繰り返しながら
この空間をさまよい続けるがいいわ」
スカルタンはこの時真耶の後ろに
巨大な気配を感じたそれが何か彼は
直ぐ気が付いた
「そ・・そうか・・この真耶という少女は
あの伝説の・・{時の魔女}だったのか・・
俺は決して触れては成らない存在に
手を出してしまった・・・」
凄まじい迄の恐怖と孤独
スカルタンの肉体はそのままに
精神が焼き尽くされて
宇宙の深淵に溶けて消え去っていく
真耶は元の場所にテレポートアウトすると
そのまま気を失う様に倒れて、そのまま眠った。
_______________________
★付箋文★
凄まじい戦いが終わり朝が来るも
結局アリーヌはガルスグレーサーに
連れ戻されてしまった。
数時間後ジョンスミスは
ハヤテに乗船したが気分は落ち込んでいた
「まさかアリーヌが・・
ガルスグレーサーの王女だったなんて」
スカルタンが暴露しその正体を知っても
ジョンの気持ちは全く変わらなかった
この事実はハヤテの中だけの話となり
今は問題を複雑化させるのを防ぐ意味でも
他言無用という扱いとなる
勝艦長はクルー達の気を引き締める様に
「此よりシリウス艦隊を向かえに行く
これは最速のハヤテが単艦で引き受けた任務だ」
「艦長、シリウス艦隊には神林総理と
アストラ大使が乗っていますよね?」
勝艦長は誠矢の質問にその通りだと答えた
「シリウス艦隊からガルスグレーサーの
艦隊と一戦を交えた報告からも・・
{銀河円盤}の出番と成るかも知れない」
銀河円盤の登場と言う事は
例の{案件絡み}と言う事だ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そしてシリウス艦隊の現在いる宙域
銀河渦巻腕部にて、ターナー艦隊と
サイモン艦隊の宇宙会戦が始まっていた
自走工場バダイを護衛艦と先に行かせ、
残りの艦隊でサイモン艦隊と戦うターナー艦隊
サイモンの艦隊は新鋭艦で組まれており
ターナー艦隊は劣勢だった
戦艦は修理中のものや退役間近な艦も混じり
数だけ互角でも戦況は苦しいものに・・
それでも何とか善戦している。
サイモン将軍は
「此ほどの戦法を取る男が敗北続きだったとは
地球は其れほど迄に強敵なのか!?」
だが併し戦艦の性能差は如何ともし難く
次第に防戦を余儀なくされた
その時ヘルターナに朗報がもたらされる
通信士が「地球艦隊接近!シリウス艦隊と共に
ハヤテ・・ハヤテの姿あり!」
メインスクリーンにハヤテとシリウス艦隊が
映し出された瞬間ヘルターナは心の中で拳を上げた
「やっと来たか・・送った通信がハヤテを
{呼び寄せる}のに随分時間が掛かったな」
グラダー副官が
「サイモン将軍の艦隊の速さと
我が艦隊の足の遅さも計算外でした」
「兎に角駒は揃った反撃の狼煙をあげろ」
グラダーはターナーの悪のりに苦笑いする
「それでは用意した救援要請の通信を送ります」
<銀河円盤に救援を要請します!我が方は
ガルスグレーサーから逃亡した船団であり
只今ガルスグレーサーの討伐艦隊により
攻撃を受け大変苦境に立っております>
<願わくばどうか救援願います!>
開いた口ポカーンである
とんでもない手の平替えし
ハヤテ艦橋の空気は恐ろしく脱力していた
「コレは完全に俺達を利用するつもりだな・・」
響でなくてもそう思うだろう
「此処まであからさまな事をしなくても
良いでしょうに、意地が悪いわね」
崎景子はレーダーを観ながらそうボヤく
春吉は「やはりな・・ハヤテに来た通信が
シリウスのギャレンに{覚えがない}
と言われた時点で、こんな事ではないかと
思っていたよ」と誠矢を見ながら肩を竦めた
「俺がガルスグレーサーの逃亡者は
追っ手から必ず救うと言ったのを
利用されてしまった、勝艦長すいません」
勝艦長の判断は早かった
「こうなれば仕方あるまい{銀河防衛作戦}を
実行する」
銀河防衛作戦とはガードミラージュにより
ハヤテを銀河円盤に姿を変え{偽のハヤテF}を
同時にパージする作戦である
シリウス艦隊のレーダーにジャミングが掛かり
次の瞬間には一瞬にして銀河円盤がその場に
姿を現した
これが観た事もない円盤ならシリウスも
警戒するのだが其処にあるのはお馴染みの
銀河連邦の普通円盤、何の警戒も必要ない
シリウス艦隊ギャレンから通信が入る
<そちらの所属と身分を明かして下さい>
<こちら銀河の盾所属
{UN01型シルバーソーサー}>
取り敢えずそう答えておく
<そちらの目的を明かして頂きたい>
<ガルスグレーサーの避難民船団を
敵ガルスグレーサー討伐艦隊より
守るため、条約に従い>
<此よりガルスグレーサー艦隊を殲滅する>
シリウス艦隊より入電
<手助けはいるか>です、返答はどうするのか
ジョンが勝艦長に聞くと一言
<不要、巻き込まれないよう注意されたし>
それだけを発信し銀河円盤は
強力なエネルギー砲を一撃
ガルスグレーサー艦隊に向けて放つ
その一撃はまさに衝撃的だった
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サイモン将軍は此まで銀河円盤の存在を
少々甘く捉えていた
そのため突然ヘルターナーが銀河円盤に
救援要請を始めた時には
「追いつめられて可笑しくなったか?
だとすれば期待外れも良いところだ」
そうヘルターナーを蔑んだ途端に
シリウス艦隊と例のハヤテがレーダーに
現れ、その直ぐ後
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あの銀河円盤が突然シリウス艦隊の間近に
出現したのである
そして銀河円盤は一切の警告なしに
突然強力なエネルギー砲で
サイモンの艦隊に一撃を入れた
{銀河円盤は防衛圏内でガルスグレーサー
艦隊を発見しだい攻撃すると予言していた
そして今本当に砲撃したのだ}
副官がサイモン将軍に状況を伝える
「今の一撃で味方艦の3分の1が撃沈しました」
何を撃ったのか・・まるで重力の砲弾が
光の速度で激突したかの様な
「超重力圧懐砲命中!敵艦隊の33%撃沈しました」
崎景子観測班長がレーダーを観測し
敵に与えた損害状況を勝艦長に伝えた
艦体が崩壊し原型を止めていない30隻以上の
ガルスグレーサー艦が宇宙空間に散乱する
「隠密遮蔽シールド展開!」
サイモンは己の持つ最強の戦法を使う事にした
「此より銀河円盤に反撃する!」
一度に30隻以上の戦艦が撃沈され
この宇宙域は敵戦艦のデブリだらけとなる
銀河円盤の破壊力を間近に観た
シリウス艦隊の旗艦ギャレン
その艦長ガードロスは背筋が凍った
「銀河円盤・・あんな普通サイズの円盤機が
アレほどの威力を隠し持っていたとは」
だがガードロス艦長のぞばに居るアストラ大使は
「安心していただきたい
銀河連邦の円盤と外装は同じでも
中身は全くの別物です」
アストラ大使の隣にいる地球代表の
{神林総理大臣}も同じように
「あれは銀河の盾の円盤です御間違いなきよう」
ガードロス艦長は地球と銀河の盾が
どうやら1枚岩であることは間違いないと
この時確信した、『こうなれば我がシリウスも
何としてでも勝ち馬に乗らねば、
その為にも地球との同盟を一刻も早く結ぶ必要がある』
『最早・・銀河連邦など相手にしている
場合ではないぞ!!』
銀河円盤の実践を観る事が出来ただけでも
地球に神林を送り届ける為に艦隊を送ったのは
大正解だったと、ガードロスはシリウス政府の
勇気ある英断に感謝した。
_____________________
★付箋文★
グラウス・サイモン将軍の
通称・幽霊艦隊はその名の通り
本当にその姿を消してしまった
サイモンは一息つく
『どれほどの威力があろうと
当たらなければ、どうにもなるまい!』
そして艦隊を分散し、四方から銀河円盤に
攻撃を加えた
ハヤテでは見えない敵からの攻撃に
苛立ちが隠せない
「あんな鉄砲玉何発あたっても
ハヤテはびくともしないけど
いい加減腹が立つよな誠矢!」
「同感だな、敵はヒットアンドアウエイ戦法だ
撃った所に撃ち返しても姿が見えなければ
逃げられるだけだ!」
響と誠矢の言う通りで、この侭取り逃がすと
禍根を残す事になるだろう・・
最悪この幽霊艦隊を仕留めるまで
地球に帰還できない
勝艦長は、偽装ハヤテだけを先に地球へ戻し
この幽霊艦隊をこの侭追う選択に迫られる
『今あの敵は銀河円盤を一方的に攻撃できる
好機に恵まれ逃げようとしていない・・
殲滅するなら今が絶好の機会なのだ』
この戦況を遠方から高みの見物をする男がいた
ヘルターナーである、自分が現況である事は
棚に起きメインモニターで戦況を鑑賞しているのだ
「どうやらグラウスサイモンの術中に濱って
しまった様だな・・仕方あるまい・・手助け
してやるか」
グラダー副官はヘルターナーに
敵に塩を送るのですか?と聞いた
するとターナーは笑いながら
「少なくとも今は味方だ・・この先の
事は解らんがな、それに此処で奴に
サイモンの艦隊を叩いて貰わんと
俺達がサイモンに追い回される事になる」
グラダーは自分の浅はかさに恥いりながら
ヘルターナの慧眼を称える
「して・・如何にして彼奴を助けるのでしょう?」
ターナーは事もなさげに言った
「なーに、もう一度
工作艦から気化したガドニウムが
流れ出した事故を再現すれば
後はハヤテが勝手に決着を付けてくれ・・」
ターナーは此処で気づき言い直した
「いや銀河円盤がだな!」
数分後・・何処から来たのか謎のガスが
この宇宙域に充満しだした
崎景子がレーダー反応を説明し
真耶とイザベルが成分を分析した結果
それが気化したガドニウムである事が判明する
其れを聞いた勝艦長はガスの出元を探らせた
景子が「先程助けた避難船団の内1隻が
ガス漏れを起こしたと思われます」
「だからといって、この量は凄いな」
「ガスが影響して戦闘に支障がでないか心配だ」
勝艦長は景子に、「崎!ガスに影響されない箇所を
特定しろ、誠矢!其処に向け主砲全門発射だ!!」
艦長の指示に慣れ親しんでいるハヤテクルーには
この一瞬で勝流水の意図に気が付いた
艦長の予期した通りガスの中に戦艦の大きさで
ポッカリト空いた空間が多数発見された
言うまでもなくサイモン自慢の幽霊艦隊である
ハヤテ=銀河円盤が縦横無尽に動き回り始め
回転と停止と宙返りにジグザグと言う
UFO特有の動きを見せたかと思った瞬間
致命的な破壊力を持つ大口径の大砲が
複数の空間転移ゲートから発射され
それが幽霊艦隊の戦艦に次々に致命傷を与えて行く
『馬鹿な!何故だ!?何故我が艦隊の居場所が
銀河円盤にバレたのだ!?』
グラウスサイモンはターナー避難船団から
ガスが大量に流出しているのをこの時
レーダー手に教えられた事を思い出した
『あの時は何の問題も感じず
そのまま放置していたが・・もしや・・』
「レーダー手!ターナー船団からまた
ガスが来てないだろうな!?」
もしや、もしや・・
「はい出ています!前回以上の大量のガスが・・
戦闘に関係ない報告をするなと言われましたので
・・申し訳ありません!!」
此処に来てそのレーダー手も事の重大な意味を
悟った様だ
「愚か者と言いたいところだが・・
ミスを犯したのはこの私だ・・君に責はない」
『このグラウスサイモン、勝ちを焦り
ヘルターナの策略にまんまと乗せられた・・』
「私が負けたのはヘルターナ貴様にだ!
銀河円盤にではない!!
恐るべき男だ、見事なりターナー・・」
銀河円盤が目前に迫る、そして強烈な光に
グラウスサイモンは呑み込まれた
「ガルスグレーサーに栄光あれ・・」
こうしてガルスグレーサーの名将
グラウスサイモンが宇宙に散った。
その衝撃的なニュースは
アリーヌが救出された報を受け俄に活気ずく
星帝の元にもたらされた。
リンクスが顔色を変えて報告をあげる
「ギルザート様・・・・
ターナー討伐隊が壊滅致しました」
「何だと!?」
王座に座るギルザートは直ぐに冷静になる
「少数精鋭規模でも銀河円盤が出たのか?」
「状況からみてヘルターナが銀河円盤を
利用したものと考えられます」
リンクスは予想していた事とは言え
其れが現実になると話が別だと進言する
「ハヤテがシリウスの艦隊と同行していた時に
ヘルターナがこの手を使ったのは・・」
『点と点が繋がった・・断言は出来ない・が・・
ターナーと銀河円盤はグルだ!』
「これで銀河円盤が実は
ガルスグレーサー起源説が
益々濃厚に成りました」
『技術流出にヘルターナが絡んでいたとなれば』
「スカルタンの報告で地球艦のハヤテが
サイコバリアーシステムを保有している件も含め
ガルスグレーサー由来の何者かが裏切り・・
銀河の盾に技術提供した説が最も有効です」
「だとすれば1万もの量産機があるというのも」
「時間的にも技術的にも不可能でしょう」
リンクスの言葉を聞きギルザートは苦笑いである
「我々はとんだハッタリに踊らされたわけだな」
一番気掛かりな懸案もかたずき
ギルザートはそこで興味を他に移した
「それはさておき、アリーヌはどうしておる?」
リンクスは畏まりながら
「お忍びに際しての興が過ぎまして、巨人化を
拒否されておられます」
其れを聞いた星帝は溜息をつき・・
「仕方のない姫よ・・まあ良い
此も為政者の経験の一つとなろう・・
今暫くアレの好きにさせよ」
リンクスは巨人ではない自分を想像出来ないので
アリーヌの行為が異常に思えて成らない
だがギルザートはアリーヌが小人達に愛されており
人の心を掌握するカリスマ性をも身につければ
{鬼に金棒}と考えている
星帝アリーヌならばガルスグレーサーに
永遠の繁栄を持たらす希望の女神になるであろう
それがギルザート18世の大いなる望みだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる