銀河英雄戦艦アトランテスノヴァ

マサノブ

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王家の絆編

PART22 捕らえられた自由

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此までの粗筋。

地球は冥王星攻略のために
今出せる最大規模の大艦隊を出撃させた。

地球艦隊はこの時点で敵戦力が存在しないと
目していた海王星で12基もの砲台衛星に
攻撃された、然しハヤテの大活躍により
味方艦の被害を出さず無傷で冥王星に到達し
圧倒的有利の状態で対峙する事になる

冥王星基地の守りの要は5重バリアーであり
ハヤテの巨大戦力で此を破壊すると基地そのものが
壊滅的な被害を受け数万人単位の人的被害が
予想された、真耶を初めその犠牲の大きさに
躊躇するハヤテメンバー達

其処で5重バリアのエネルギー発生炉の
破壊の為に超能力を使える真耶を
潜入させた、だが運悪く真耶は捕えられ
超能力阻害装置の首輪を填められ
敵基地に監禁されてしまう。

______________________

真耶が目覚めた時ベットの側に
大鷲の頭部を持つグリフォンが
イスに座っていた

「目が覚めた様だね」

その声に真耶は一瞬声を失った
そしてグリフォンの姿に怯えはじめた

「そんなに怖がらないで頂きたい
大城真耶隊員」

真耶はこの一言で
この人物が自分を知っている事に驚いてしまう

「実は君達とは火星で戦った事がある
私はグリフォン、あの戦艦空母艦隊の指揮官だ
その節は質の悪い幻覚を見せて失礼した」

「あ・・貴方はあの時の指揮官なんですか?」

「覚えておられるとは嬉しいですな」
ハヤテを過去、彼処まで追いつめた敵
は跡にも先にもグリフォンだけだった
プレッシャーハートシリーズの戦法は
未だに悪夢を見る程だ

「私の姿を見てもう怯えてない様下で良かった」

「ご・・ご免なさいグリフォン将軍」

この時真耶は改めてグリフォンの目を見た
鋭いが優しく知的で高貴な魂を持つ大人物
そうした印象を抱いた

真耶がグリフォンと暫く会話をしてると
いきなりドアが開いて一人の男が飛び込んできた
その男は真耶を見て驚愕し真耶も同様に驚いた
「やはりお前だったのか・真耶」

「あなたはJジョーカー」

「エスパーを捕らえたと言うから
もしやとは思ったが・・・」
Jジョーカーは困惑気味に
「ハヤテの重要メンバーのお前がどうして
こんな所に来たんだ!」

真耶は別に秘密でも何でもないので
この基地のバリアーシステムを破壊し
降伏勧告しようとした事を明かす

「何てバカなことを・・相変わらずの
理想主義者だなお前達兄妹は」
だがその理想主義がなければ
今の奇跡もない

グリフォンはJジョーカーに
「言われた通りにしたが、此からどうするのだ?」
そう言われても流石に其処までまだ考えていない
「うむ・・それは」

この時、科学者グループを引き連れた
ドン・ドルガが入ってきた

「グリフォン将軍、それにJジョーカー
どうしてこんな場所におられるのかな?」

「それはコッチの台詞だ総司令のくせに
この非常時に何故司令室にいない!?
貴様職務怠慢で地位を剥奪されたいのか!?」
部外者のJジョーカーを喧しそうに
ドン・ドルガは
「そのエスパーの能力を調べるためだ」と言う

グリフォン将軍が
「それならば私も立ち会わせて貰おう」

「いや・・閣下にそのようなお手を煩わせては・・」

「私は客将として招かれている・・
特権として自由にさせて貰える立場だ」

ドン・ドルガ総司令はそれ以上何も言えなかった
国の大英雄であり自分でも憧れの人物に
此処まで言われては仕方がない。

科学者達は真耶の体を調べ始めた
「脈拍正常」「呼吸値正常」「血圧正常」
「エスパー要素反応絶大」

暫く科学者達は真耶の体を調べたいように調べた
併しこれは真耶にとって苦痛でしかなかった

血液を採取するのに注射器の針を身体の
至る所に刺され、何種類も投薬された
更に電流まで全身に流されたのである
真耶は必死にそれに耐えていた。

それをグリフォンは気の毒そうに見ていた
Jジョーカーは複雑な表情である
何故ならJジョーカーは活き活きした真耶を
知ってるだけに、今はベットの上に体を固定され
苦痛に耐えている姿を見るには忍びなかった

やがてドン・ドルガ司令官は科学者達と共に
監禁室を出て行った。

後には電流などを体に流されグッタリとなった
真耶が半分気絶した状態となって寝かされている
Jジョーカーが苛立ちながら
「あれだけの調査は1週間置きに5回に分けて
行うものなのに、此ではまるで拷問だ」

「幾ら能力を調べる為とはいえ・・こんな
(幼気な)少女に・・ドン・ドルガめ」

その時スピーカーからアナウンスが入り
グリフォン将軍に艦に戻るように放送が流される

「どうやら例の物が完成したようだな」

「例の物?」

「あの天才がハヤテ対策に1から設計し建造した
一品だ!星帝級の能力を参考にしたらしいから
相当期待できるそうだ」

この時、真耶は意識を無くしていない
当然Jジョーカーもグリフォン将軍も
気づいていて態と話している
『アレ?この二人(態と)私に聞かせてる?』

勘の良い真耶は二人の意図に直ぐ気が付いた
「巨人要塞戦艦の性能となれば10の魔導兵器を
再現できたのか?」

『ま・・魔導兵器!!!?』
真耶は重大な機密情報に聞き耳を立てた

「伝説ではあらゆる宇宙現象を再現し
艦隊規模を一瞬で破壊したり時間と空間を
自在に操る魔法のような事も出来るらしいが」

「ハハハバカバカしい話だな
お伽話にしても科学者が言う事じゃない
ウルフはたまにロマンチストになる」

Jジョーカーは
笑いながら盗聴装置を真耶に目線で示す
真耶もそれを発見した
『盗聴されているんだわ』

「ではグリフォン、俺は暫く此処に居てやる
幾ら敵でも知ってる奴が側にいたら少しは
気が休まるかも知れないからな」

「そうか、所で私は道に迷って此処に来て
しまったんだが、どう行ったらML35ドックに
行けるんだ?」

Jジョーカーは笑いながら
「まだこの基地に慣れてないんだな・・
此処を出て400mほど行ったら左に曲がり
そこまで行けば標識がある気を付けて行けよ」

「ああ解った、また後で顔を出す」
そう言ってグリフォン将軍は行ってしまった

『何なの今の会話・・まさか脱出経路!?』
真耶は心の中でグリフォンと
Jジョーカーの二人に感謝した。

______________________
★付箋文★

地球艦隊の艦長達が
メインスクリーンを使って
(Wev会議)中である

{艦長同士で素早く意志疎通する方法として
春吉進一郎(科学班長)によって提案され
防衛軍司令部に採用された}

<いったいどう言うことです勝さん!>

<何故その真耶という隊員に
そんな無茶な作戦をさせたのですか!?>

長門の艦長は激怒した、自分の娘くらいに
見える少女一人に負わせる責務ではない

<その件についてだが私の言葉を聞いて貰いたい>

その声は突然この秘匿回線に割り込んできた
<バカな防衛軍最高機密回線に
割り込みだとぉ!何者だっ>

長門の艦長以外の艦長達も戸惑いを隠せなかったが
その人物が姿を見せた瞬間全ての謎が解けた

<ああ・・貴方でしたかアストラ大使>

<突然済まない・・今回の件は全て勝艦長に
私が要望した結果で艦長に落ち度は一切ないのだ>

勝艦長は無言でいる、どうやら
アストラ大使の説明によると
冥王星のバリアーをダウンさせることで
敵の戦意を奪う作戦だったと言う事だった

ガルスグレーサーの将兵から
出来るだけ犠牲を出さず冥王星を陥落し
巨人族の政治体制を崩壊させる計画の
足掛かりにしたいと言う事らしい

其処で選ばれたのが防衛軍唯一のエスパー隊員の
大城真耶に白羽の矢が立ったという話だった
実戦に耐えうるエスパーが防衛隊に存在していた
事実は初耳だが。

<ハヤテの威力では冥王星基地は壊滅してしまう>

<それでは折角の飴の言葉が説得力を失うだろう>

『全てはアストラ大使の横槍が入った
結果であったのか・・地球政府も
アストラ大使の要望なら無碍に出来ない・・』

<すまないが・・ハヤテに少し時間を
貰いたい大城真耶隊員を救い出す時間を>

<勝さ・・ん>
此処までの戦いで地球防衛軍艦隊が一隻も
沈められていないのはハヤテの存在あっての事だ
(恐らくは銀河円盤の力添えありきか)

これだけの戦力差があれば、人命が重くなるのも
納得がいく・・それに敵の兵士の命が巡り巡って
巨人政権に止めを刺す一躍と成るのであれば
尚更だった

<独裁政権を潰すと言う作戦は
素晴らしいものだと思います、アストラ大使>
<当然我々も協力を惜しみません>
地球防衛軍艦隊の艦長達の意見は纏まった
通信を終えアストラのメットを外した
その下の顔は崎勢十郎である

「此で誠矢君の影武者初作戦は・・
一応成功かな?」
交信履歴を追われない用心に勢十郎は
ハヤテから数光年離れた場所に
姿を遮蔽した小型宇宙船から交信していた。

_______________________
★付箋文★

ハヤテ第一艦橋司令室では
様々な作戦案がメインクルーから提示された

「艦長、パンドラをやりましょう」

「駄目だアレは人工衛星に対する物だ
冥王星を取り囲むのはとても無理だし
仮に出来たとしても冥王星全域が基地と言う
訳ではないんだ」

「誠矢、例のハヤテの奇襲戦法はどうだ?」
艦長の言葉に続き意見を具申する
響きの提案に誠矢は

「あの新戦法か・・主砲をソード状態にして
5重バリアーを突き破るんだな」

名案にも思えたが
「シュミレーションにヨリマスト
冥王星基地の半分が一瞬で崩壊シマス」
真耶に変わりコンガラクが検証し答える

「駄目か威力が有り過ぎるんだな」
コンガラクは眉パーツを下げ
「逆に弱ければあのバリアーヲ突破出来ません
ミナサン真耶チーフを助けてオネガイ!」

「解ってるってお前のチーフは
俺にとっても大切な妹なんだ」
誠矢は頭を冷やして来ると言い席から離れた

響はじっと、スクリーンに映る冥王星を睨んでいる
『もし出来ることなら直ぐにでも飛んでいきたい
だがそれも出来ない俺はなんて非力なんだ』

此はジョンも同じ気持ちだった。
『真耶・・君は無事なのか?』

真耶と姉妹の契りを交わしたイザベルは
その場の空気に耐えきれず席を外した
イザベルはテラスにいる誠矢を見つけ

「誠矢さんこんな所で何をしてるの?」

「ンッああイザベル君か・・今
星を見てるんだ」

「星を?」
イザベルは誠矢が何時になく焦りを見せていると
心で思う、だが気が付かないフリをした

「俺も真耶の事となると見境がなくなるから
星を見て気分を落ち着けていたんだよ」
誠矢はイザベルに気を使わせて悪いと思い
本音を言った
「いつも冷静沈着な頼れるリーダーの貴方が?」

「俺にだって弱点はあるさ」

イザベルは英雄も人の子なんだと思いながら
テラスの窓ガラスに投影される艦外モニターの
宇宙の映像に、流星が1本流れる様子を見た
『綺麗な星・・あっ』

その時イザベルは不意に名案を思いついた
「そうだわ、もしかして上手く行けば
真耶を助けられるかも知れない」

その一言を聞き誠矢がイザベル案をその場で
聞き出した「そうか・・君は天才だったな」

そしてイザベルは空いてる真耶の席に座り
コンガラクにも手伝わせ何かの
シュミレーションを実行する。

それを唖然と見守るクルー達
「小原さん冥王星のレーダーサイトの
カバー能力のデーターをこっちに送って」

そう言われて小原は慌てて調べたデータを
イザベルに送った。

イザベルは何やら計算をすると今度は景子に
「景子さんデータを送るから冥王星の画像に
プログラミングして下さい」

「了解よ」
景子は送られてきたデータを打ち込む

イザベルはジッとシュミレーション画面を見て
やがて一言ぽつりと
「冥王星、攻略可能よ」

そこにいる全メンバーは自分の耳を疑った
だがイザベルスミスは天使の微笑みを
浮かべていた。

______________________
★付箋文★

冥王星ではドン・ドルガ総司令官が
科学者達が調べた真耶のデータを聞き
驚愕していた。

「今の報告に間違いはないな!?」

科学者達は自信満々に答える
「間違い有りません!我々が過去に調べた
どのエスパーよりも遙かに強力な個体です」

こんな銀河の辺境であり得ない御宝を見つけた
「こ・こ・この結果を見るとあの小娘が・
破壊型超能力者の域に達しておるとは誠か?」

科学者の男は勝ち誇った様に
「左様で御座います、
然も過去に現れた破壊型
超能力者は37名それも巡洋艦クラスの
破壊力に対してあの少女の破壊力は
12基の砲台衛星よりも強力なのです」

その破壊力にドン・ドルガ司令は何かを思いつく
「そうか・・それならば・・良い事を思いついた
小娘の力を利用すればハヤテを撃沈出来るかも
知れないな」

科学者達はドン・ドルガのアイディアを持ち上げた
「誠に素晴らしいお考えだと思います!」

「流石はドン・ドルガ総司令官です」

「我々は何処までも貴方様について行きます」

自分を賛美する言葉に気を良くするドン・ドルガ
「超能力増幅装置を用意しろ
準備が整い次第、小娘にハヤテを攻撃させる!!」

急げ!と焚きつけられ科学者達は準備に
奔走した、全ては自分たち科学部門の幾末を
降って沸いたこのチャンスに賭けるからである。

同時刻、グリフォン将軍は
ウルフシューターとワイルダーとの
打ち合わせを終えてから、其の足で
捕らわれている真耶の元に行き
絵筆を取っていた

「君をモデルにさせて貰って悪いね
私が此処に来る理由としては他に
思いつかなかったのだよ」

真耶は首を振り
「良いんですどうぞ描いて下さい」

そして唐突にドアが開きドン・ドルガ司令が
入室してきて、グリフォンに会釈をした後
真耶の側に立った

「お前に協力してもらい事が出来た、
一緒に来て貰おう」

真耶もグリフォンも驚いてドン・ドルガを見た
その顔は邪悪な欲望に醜く歪んでいる
「ハヤテを撃滅するのにお前の超能力が
必要だ、お前の力は恐るべき物だからな」

真耶は思ってもない言葉に動揺する
「な・何を言ってるの?
そんなこと協力する訳がないでしょ!」

ドン・ドルガは真耶をジロリと見て
「協力する気にさせてやろうか?」
真耶はその邪気に怖気が走る

「今のお前は幽閉装置を首に付けられた只の
小娘だオマケに体の自由が利かん、どんな事を
されても抵抗する事も出来ん」

ドン・ドルガの言うことが真耶は理解できない
「どういう意味?」

その反応に欲望を漲らせながら顔を歪ませ
「解らんのか?・・処女は察しが悪いな~
我が輩の気分一つでお前を捕虜からこの基地の
兵士共の慰み者にする事が出来ると言っておるのだ」

そして顔面を真耶の顔に息がかかる程近づけ
「何千もの雄共の性処理係りをさせてやろうか?」

真耶はドン・ドルガから目を逸らし
黙り込んでしまう・・やがて小声で静かに
「悔しいけど今の私の体はいつでもお前達の
自由にされ放題よ」

ドン・ドルガは下卑た笑いを漏らし
「良く解っている様だな協力する気になったか?」

「返事はお断りよ!私を煮るなり焼くなり
好きにすればいいわ!」
真耶の反抗的な言葉にドン・ドルガは
小娘に舐められた事に激怒し怒号をあげた

「ヌゥアアアニイイイぎざまぁああああ
このドン・ドルガ様に逆らいおって
絶対に許さん後悔させてやる
望み通り娼婦以下の奴隷女にしてやるぞぉおお!!」

「そのような事はこの大鷲将軍の
名誉に賭けて絶対に許さんぞドン・ドルガよ」
その時背後から大鷲将軍の猛禽類の
危険極まりない恐ろしい殺気が迫り
ドンの生存本能が危険を知らせた

それとは別にもう一人同じくらい
危険で獰猛な野獣の殺気が加わった
「私も同じ考えだぞドン・ドルガ」

ドン・ドルガは前進から冷や汗をかきながら
自分より遙かに武人として格上の二人が
本気で自分に殺気を向けていると知る

殺気を自分に向ける
もう一人が狼将軍ウルフシューターだった

「お待ち下さいグリフォン将軍・・
そ・・それにウルフシューター将軍!!
此処の責任者は我が輩ですぞ・・幾ら
将軍方々でも口出しは控えて頂たい」

恐怖で上と下の歯がかち合わない、
だがここで引き下がれば
この先自分は総司令官としての威厳を保てない

「そうはいかんな」
その時また一人真耶にとって心強い援軍が現れる
それは第2艦隊司令にして戦鬼将軍と呼ばれる男
「貴方はワイルダー将軍」

何故ここに3将軍が現れるのだ!?本来なら自分が
将軍に成ってから顔を合わせ友好を結ぶ筈だった
ドン・ドルガは内心焦りを感じていた。

「その少女は優秀なエスパーだそうだな」

「そ・・その通りですが・・それが何か?」

「星帝はたとえ敵であっても
優秀なエスパーを虐待する事を堅く禁じている」

ワイルダー将軍の言葉に被せてグリフォンが
「一つ聞きたい、貴様は彼女を
どうするつもりだったのだ?」

ドン・ドルガ端を俯き声も弱々しく
「そ・・それは、ギルザート様に献上する
つもりで・・」其処でドンはあっと叫び
手で口を覆う

ワイルダー将軍が鋭い眼光で
ドン・ドルガを睨み据え
「そうすれば出世に繋がるからな、
だが・・その少女を虐待すれば
出世所か星帝の逆鱗に触れ
貴様の思惑は大きく外れると思うがね
太陽系攻撃総司令官ドン・ドルガ殿」

ドン・ドルガは最後に階級と名前を強調され
返事が出来なくなった

暫くしてからドン・ドルガが苦々しそうに
「あなた方の言いたい事は・・良く解り申した
・・だが併しハヤテ撃滅にはこの小娘の力が
必要なのです・・」

グリフォン将軍はドン・ドルガが
何故此処まで真耶の超能力に拘るかが
気になり訪ねた所、
その訳は真耶の超能力レベルが
破壊型に到達しているためだと知らされた

「何!?そんな馬鹿な!!」

「事実です・・まあ間もなく増幅装置の
準備が整う、そうすれば本人の意思に関係なく
我々に協力する事になるのだ」
そう言ってドン・ドルガは監禁室から出て行った。

その背中を見送りながら真耶は心の中で
『絶対に協力なんてしないわ』
真耶は其れから将軍達に向いて
「あの・・有り難う御座いました
グリフォン将軍」

グリフォンは優しく礼には及ばないと言い
ワイルダーもオイオイお嬢さんを助けたのは
グリフォンだけじゃないよとフランクに言った
真耶はワイルダーにも優しさを感じ
「有り難う宇御座います」と可愛く返事を返す

「何も謝る必要はない男として当然の事を
したまでだよ」
さっきまでの最悪の空気は3将軍の御陰で
だいぶ緩やかな物に成った

「紹介しよう俺はワイルダーこっちは・・」
そして真耶は先に答えた
「ウルフシューター将軍ですよね?」

ウルフシューターは少し驚き
「君は私の事を知っている様だね」

「はい、私は前に将軍がハヤテに通信した際
そこに居合わせていました」

「ハヤテの第一艦橋に・・そうか思い出したよ
確か君は右側の一番奥の席に座っていた」

「覚えていて下されたんですか?」

「研究過程で何度も観たからね・・女性が二人
乗っているので印象も強かったからな」

「今は3人に増えてますよ」
真耶はイザベルが加わり女子メンバーが
更に増えた事をウルフシューターに教えた
この会話にワイルダー将軍が驚いて
「お前彼女を知ってるのか!?」

 「知っているとも彼女はハヤテの
第一艦橋の主要メンバーだ」

「そんな彼女が
どうしてこんな危険な任務に!?」
ワイルダー将軍の疑問に
「それは・・」
真耶はこの3人にこの情報を敢えて
明かすべきと判断した

「銀河の盾アストラ大使の意志に従い
ガルスグレーサー将兵の犠牲者を
出来る限り出さない様にする作戦の為です」

「ここのバリアーシステムを破壊して
降伏を受け入れさせるよう潜入しました」

3将軍は互いに顔を見合い頷き合う
「そ・それは又無謀な作戦だ」

「ガルスグレーサーは何があっても
降伏したりはしないぞ」

「あ・・ああ全くだ!」

だが結果として、3将軍と
こうして出会えたのだから
真耶は自分の行動が決して
無駄ではなかったと思った

ウルフシューターは真耶に
「まあそれは良いだろう、だが君は
もうすぐイヤでも超能力を使う事になる」

「それはどうしてですか?」

その問いにはワイルダーが答えた
「ドン・ドルガの言っていた増幅装置は
君が今首に付けられている幽閉装置と連動して
本人の意志に反し超能力を引き出す事が
出来るのだ」

「例えば上から落ちて来る滝の水を
人間の意志の力で元に戻せないのと同じだ」

そう言われて真耶は暫く考えてから
「私の力ではどうすることも出来ないんですね?」

「解りました・・それでは一つだけ
教えて下さいグリフォン将軍」

「何だね?」

「破壊型超能力者とはどういう意味ですか?」

グリフォンは専門外だと念を押しつつ
「我々ガルスグレーサーでは超能力研究が
盛んでね、長年の研究からエスパー能力の
強度にランクを付けた」

「大体一般がノーマルタイプESP」
「次がガードタイプESP」
「更に強力なのがバトルタイプESP」
「その上だとアタックタイプESP」
「そして最強と呼ばれる
デストロイヤータイプESPだ」

「5種類のタイプ分けがされていて、ハッキリとは
言えないが理論上(自然調和型)ナチュラルタイプが
存在するらしいが、此は未だに確認されていない」

「話を戻そう」

「破壊型超能力者と言うのは何でも
その力が破壊に適したものらしく
一人で艦隊規模の戦力に成るそうだ」

真耶は自分の力が艦隊にも匹敵する
とまで言われて流石に恐怖を感じる

「そ・・そうですか・・それじゃあ私は
エスパーで最も強い種類のエスパーなんですね」

そして気になるのが
「所でその・・自然調和型と言うのはどんな?」

此処でワイルダーが口を挟んでくる
「それなら俺も少し聞いたことがある
何でもこの宇宙の森羅万象の妖精と
テレパシーで会話出来るらしいぞ」

「妖精?」

「意志を持つエネルギー生命体だそうだ」
ワイルダーがオドケた態度でそう言うと

「妖精・・私も同じ超能力者なら
自然調和型になりたかった」
真耶は改めて自分の呪われた運命を嘆いた。

その一方で
Jジョーカーは真耶が破壊型超能力者だったことを
科学者の助手から聞き、掴み掛かっていた。

「本当に破壊型なのか!!」

「本当です間違いない、く苦しい手を
離して下さい!!」

Jジョカーは助手から手を離して片手で顔を覆う
『何て事だ、破壊型だったなんて』

ジョーカーは自分がエスパーなので
エスパーの事は良く解るのだ
此は避けられない運命だ
破壊型超能力者の辿る運命は・・

『命を燃やし尽くして死ぬ・・真耶は長く
生きられない!』

______________________
★付箋文★

ハヤテは冥王星上空に再び現れた
{イザベル作戦}に賭けたのだ

ドン・ドルガ総司令官はハヤテ出現の報告に
『遂に来たか悪魔の船め!いよいよ
我が野望が成就する時が来た貴様を撃破し
この俺様が権力を握る礎としてくれる!!』

その時、
超能力増幅装置の準備が終わった
ドン・ドルガは監禁室に入ると部下に
真耶の手枷と足枷を外せと命じる

そして真耶に白い布の様な服と
ベルトを投げて寄越し早くそれを着ろと命令した。
真耶は兵隊に銃を突きつけられて仕方なく
それを身に纏う。

その姿は丁度古代ギリシャの装いに見えた
ドン・ドルガはそのまま真耶を司令室に連行すると
機械仕掛けのイスに座らせた

そして再び手枷と足枷でイスに拘束され
首の幽閉装置がイスの増幅装置に連結される
頭上の大スクリーンにハヤテの勇姿が映し出された

『これで我が野望が叶う、あの悪魔の船を
撃破すればその手柄で(我が輩)は
3将軍と並ぶ大将軍となるのだ!』

「攻撃準備整いました」
科学者達がOKサインを出した

「よし!目標地球最強の新鋭艦ハヤテ」
自分のたてる手柄を大きく見せる為に
獲物を少しでも大袈裟に表現するドン

真耶はそれを聞き自分が今まさに超能力で
愛する人達の乗るハヤテに攻撃しようと
している事実を知る
「嫌あああああやめてぇええええ!!」

ドン・ドルガは冷徹に攻撃を命じた
「やれ!」

超能力増幅装置が真耶の超能力を吸い上げ
凄まじい破壊規模の念動波が発射された
ハヤテではその攻撃をレーダーで捉えていた
「強力なエネルギー波が右舷に来ます!」

だが響は景子が警告する前に
ハヤテを左舷転身させていた

艦体は左に曲がり辛うじて直撃を避けるも
右のR1副砲の砲身が2本とも、もぎ取られた
凄まじい破壊音と共に砲身が粒子になって消滅する

「R1副砲使用不能!」
小原がハヤテの損害を艦長に報告する

「第2波接近、右舷に来ます!」
だが此も又、響は読んでいた様に回避運動を
既にやっていた、だが其れでも

「間に合いません!」攻撃が異常に早すぎた

クッソォオ!!ハヤテの右舷の垂直尾翼が
半分もぎ取られる

再びハヤテに衝撃が走り、もぎ取られた
垂直尾翼が粒子化し消滅してしまう

「此までにない破壊力の攻撃だ響!何としてでも
回避しろ!!」
勝艦長は2度も響が奇跡的な先読みで
攻撃を回避していると気が付いていた

だが響の口からその訳を知ることになる
「この攻撃は真耶の超能力だ」

誠矢は叫ぶ「どう言うことだ!」と

「エネルギー波が来る一瞬前に真耶の
助けを求める声がしたんだ!」
響の言葉に「テレパシーか!?」
春吉がそう言う間にも
「又来ます!」景子が言うより先に
今度は左舷に艦を転身した

「駄目よ左舷にも来る!」
響はそれも読み艦を右舷に戻すが
強いショックがハヤテを襲った

「きゃああああっ」

イザベルは席から投げ出され床に転倒し
小原は艦の被害状況を調べる
「大変ですL1L2が吹き飛ばされました!」

ジョンが冥王星からの通信を艦長に伝え
メインスクリーンに敵の姿が映し出された

「ハヤテの諸君、我が輩はドン・ドルガ
太陽系攻撃隊総司令である」

「諸君等の感想を聞きたくてわざわざ
通信してやった、どうかねエネルギー念動波を
喰らった感想は?」

ドン・ドルガの醜い顔が愉悦に歪む
「いまからどんな兵器を使ったかを見せ
てしんぜよう」

ドン・ドルガは勿体ぶらずスクリーンの
アングルを変えさせ、増幅装置のイスに
体を固定された真耶を映し出した。

真耶は精神的に追い詰められて悲壮な表情で
「も・・もうやめて・・お願い・・此以上
私に皆を傷つけさせないで」
その時真耶は、ハヤテを攻撃した事を
嘆き悲しんでいた。

ドン・ドルガは勝ち誇りながら
「どうだ仲間の超能力でやられる気分は?
此処に来てどうやら形勢逆転かな?」

その時、勝艦長は時計を見るとこう言った
「それはどうかな?ハヤテが倒れる時は同時に
冥王星基地も最後だと私は思うぞ」

ドン・ドルガは片眉を引き上げ
「どういう意味だ?負け惜しみとは
見苦しいぞ」と言った

だが言い終わらない内に司令部の北西の
方角で火の手が上がり、続いて南の方角からも
火の手が上がる

「なっ何をした!?」
ドン・ドルガの慌て様に勝艦長は
「貴様は高等戦術に対する防衛ばかり気にして
最も初歩的な戦法に対する備えを疎かにしたのだ」
   「あ?」
ドン・ドルガはまだ勝艦長の言葉の意味が
飲み込めずにいる

「貴様はハヤテばかりに注目して
他の艦隊の事を忘れている」

「5重バリアーが天井はあるのに
下がガラ空きなのを見落としただろう?」

「うがぁ!」

即ち、冥王星の裏側に降下した艦隊から
発進した攻撃隊による低空攻撃の可能性を
全く考慮していなかったと言う事だ。

「さあ攻撃を続けたらどうだ
貴様の目的はこのハヤテだけなのだろう?」

嘲笑されブチ切れるドン・ドルガ
「己ぇええ殺れ!ハヤテを撃破しろ!!」

ハヤテに向けて冥王星基地から
迎撃ミサイルが撃たれ其れが集中攻撃した
殆ど同時にハヤテから
新兵器ドリルサブロックミサイルが
発射される!

ドン・ドルガは
戦艦隊に出撃命令を出してから
自ら乗艦のためにハンガーに向かった。

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