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12.第五界
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「根拠は?」
「科学雑誌読んでたってとこと、お前が喋った普段の弐藤さんの様子から。
映画やアニメなんかのエンタメ作品をちょっと見てハマったわけじゃなくて本当に宇宙が好き、というのが今立てられる最有力仮設かと」
「でも、今俺達息できてるし歩けてるよ」
宇宙だったら無重力だし真空なんじゃないの?
コウダは真顔で促した。
「最初に『中』入る前に読ませた手引き、思い出せ。
書いてあったろ。
『中』に侵入した人間は基本どんな場所でも大気があるように動けるから」
あれ、そうだっけ。
丸一ヶ月程前に読んだペラ紙1枚の情報なんてもう薄れてていい頃だ。
しゃーないしゃーない。
コウダとしても俺が忘れてるのが予定通りだったんだろう。
動じなかった。
「続けるぞ。
物理法則が現実に基づくと仮定すると…ここの地平線はほぼ真っ直ぐだろ。
ごく小さい星だったら例え丸くてもあんなに地平線がまっすぐじゃなくて、肉眼で湾曲して見えるはず。
ということは、ここはそれなりの大きさの、球体の星。
さらに科学雑誌の未知の惑星の想像図でここまで砂の質感が再現されているものは見たことがない。
ということは実際の写真を見たと考えられる。
一番身近で写真が残る、そういう関係の星は地球と月。
月から見た地球の写真は有名だからな。
ただ、頭の中だし、イメージが火星・金星とごっちゃになってる可能性がある。
だからこの二つも一応まだ候補に入れておきたい」
「水星とか木星とかはないの?」
理科でならった『水金地火木…』
太陽系ならどこでも有り得るんじゃないだろうか。
それを聞いてさっきのでも動じなかったコウダが呆れ顔になった。
「お前なぁ、水星と木星はガス惑星だ。
地面なんて存在しない。
俺と違ってちゃんと学校行ってるんだろ?」
ガス惑星? そうだっけ??
んなこと言われたって覚えてねぇもんは覚えてねぇ。
「まさか空が黒いのになんで明るいの? とか悩んでないだろうな」
「大気無いからでしょ。流石にそれは分かる」
まだ多少不信感の残る目付きのままコウダは真っ直ぐ前に進んでいく。
とはいえ。
寒くも熱くもなく無風のそこには、ただ砂の大地が広がるばかり。
歩いたところであの地球と思われるものが近付く筈もない。
本当に真っ直ぐ進んでいるのかさえ時々疑問になるけど、あの辺の丘チックな地形は同じ場所で段々大きくなってるから、直進になってるんだろう。
前に前に行ったところで、何の手掛かりもないのは辛い。
「せめてここが月だってわかるような、証拠になりそうなもんがあればいいのに」
「あった、かもしれない」
コウダの視線は遠くに向かって投げられた。
丁度丘チックな地形を超えた所にある今の場所から、多少急な下り坂の、更に先。
旗が立っている。
下り坂…いや、周りをよく見よう。
下り坂って地形じゃないよな。
巨大な円を描いているような…。
今まで歩いてきたのはクレーターの外側だったのか。
別の星に旗、といえば。
画像だけは何で見たのか、不勉強な俺の記憶にも一応残ってる。
ヘカテー月面計画の星条旗。
でも…なんか…あれ?
その旗からちょっと離れたとこに看板も建ってんだけど。
写真では旗しかなかったよなぁ…。
降りられなくはない程度の下りを見下ろす。
旗の模様がまだよく見えないし、こりゃ降りるしかないだろ。
「降りるよね」
砂が服の中とかいろんなところに入るのは嫌だ。
「降りる。確証を得たい。
看板あるのは気になるけど」
やっぱそこな。
「現実には存在しないだろうから…まあでも行こう」
マズいじゃないかぁー…。
暗澹たる気持ちで、途中滑り落ちそうになりながら坂を下る。
安藤さんの『中』の後で買い直したもののやっぱりまた安物のスニーカー。
ボードとか無くても砂丘やちょっとした岩肌を滑ることができる!
地面をちゃんと踏みしめてるコウダに続いてターゲットに近付いていくにつれ、その色味はハッキリしてきた。
旗、ほぼ白くね?
青と白と赤で構成された例の国旗には一向に見えてこず。
とうとう旗に触れるほど近くなって漸く、旗の布地に印刷の痕跡が見えた。
確かに星条旗。
「もしかして古くなって色抜けた?」
「かもな。でもこれで場所は確定な」
うん。月だね。
「…で、だ」
安堵したら即、次。
コウダらしい。
看板の向こうには円盤状の何か。
『THE・ウニベルCITY・マチガン』。
これも看板か? どこの町だここは。
「マチガン大学、か。なんで校章があるんだろうな」
コウダ、ぼやき英会話講座ありがとう。ウニベルCITYは大学って意味ね。
どんな経緯でここにこんなもんが…。飲み会で酔っ払い大学生が『オレらのアオハル、ウェーイ!』とかって置いてったわけじゃなし。
謎が深まるものの、少なくとも地球人がいた痕跡ってことにはなりそう。
そして件の看板は…ここに来るとまだ多少先に見えた。
外からは旗のすぐそばっって思えたんだけどなぁ。
近づくと全然遠いや。
でも、そこまでの間に、他にもポロポロ物が落ちてる。
ゴミか? ビニール袋っぽいけど…違った。ビニール袋に入った家族写真か。
謎の四角い金属板も。
「たどるか」
…俺の返事も聞かずにもう歩き出さないでほしいなぁ。
そう思いつつもさくさく歩くコウダにさくさく着いてく。
あれ、もしかしてゴルフボール? いや、もうこれ絶対ゴミでしょ。
でも看板と旗の直線上に撒かれてんだよなぁ。
お菓子のカケラをたどって歩いてる気分。
…ってそれ、フラグ立ってるっしょ。罠っしょ。
あの看板、危険フラグ?。
それがクレーター中心寄りにあることに気付き、ここに来てすぐに蟻地獄を想像したことを思い出し、軽く戦慄しつつ。
そんな事考えもしてないのか、確実にいつも通り右左を見渡しつつ歩くコウダ。
自信満々の感じだけどダイジョブか?
あれ、そういえば。
このところコウダの顔見ると何となくコウダの気分がわかるようになったよな。
前は顔見てもいつも同じだなーだったけど。
俺が慣れたのか、コウダが慣れて顔に出す様になったのか。
なんにせよお互い図らずも心理的な距離感が当初よりぐっと近くなったってことで。
この業務目的の交流によってっていう事情を鑑みると、嬉しいのか悲しいのか。
コウダが野郎じゃなくておねえさんだったら嬉しいの一択だったんだけどな。
そしたらもしかするともうちょっと、あんなこととか、こんなこととか。
目の前を歩くコウダの後ろ姿を脳内で無理矢理萌える女子に変換。
…してはみたものの全然しっくりこねぇな。
やっぱコウダはコウダ。このままがいいや
そう思うと落ち着いた。
落ち着きついでに、看板の字が読める距離に来てるので、読んでみる。
…残念! 大したこと書いてない!
英語らしきアルファベット。
小文字のiを丸で囲んだようなアイコンの脇に…よかった。わかるぞ。
『infomation』。
なんだろ。観光案内? 情報は情報でも危険情報だったらヤだな。
コウダも同じく看板に目を凝らしてるっぽく、首が斜め上角度で固定されてる。
もうちょっと近くに行くとなんかわかるのかな。
斜め上のほうを見たまま一歩足を踏みだす。
その時コウダは俺が足を踏み出したのに気付いてなかったらしい。
そしてコウダが立ち止まったままだってことに俺も気づいてなかった。
結果、俺の右足は。
カチッ
…なんか踏んだ。
ブブブッ!
「科学雑誌読んでたってとこと、お前が喋った普段の弐藤さんの様子から。
映画やアニメなんかのエンタメ作品をちょっと見てハマったわけじゃなくて本当に宇宙が好き、というのが今立てられる最有力仮設かと」
「でも、今俺達息できてるし歩けてるよ」
宇宙だったら無重力だし真空なんじゃないの?
コウダは真顔で促した。
「最初に『中』入る前に読ませた手引き、思い出せ。
書いてあったろ。
『中』に侵入した人間は基本どんな場所でも大気があるように動けるから」
あれ、そうだっけ。
丸一ヶ月程前に読んだペラ紙1枚の情報なんてもう薄れてていい頃だ。
しゃーないしゃーない。
コウダとしても俺が忘れてるのが予定通りだったんだろう。
動じなかった。
「続けるぞ。
物理法則が現実に基づくと仮定すると…ここの地平線はほぼ真っ直ぐだろ。
ごく小さい星だったら例え丸くてもあんなに地平線がまっすぐじゃなくて、肉眼で湾曲して見えるはず。
ということは、ここはそれなりの大きさの、球体の星。
さらに科学雑誌の未知の惑星の想像図でここまで砂の質感が再現されているものは見たことがない。
ということは実際の写真を見たと考えられる。
一番身近で写真が残る、そういう関係の星は地球と月。
月から見た地球の写真は有名だからな。
ただ、頭の中だし、イメージが火星・金星とごっちゃになってる可能性がある。
だからこの二つも一応まだ候補に入れておきたい」
「水星とか木星とかはないの?」
理科でならった『水金地火木…』
太陽系ならどこでも有り得るんじゃないだろうか。
それを聞いてさっきのでも動じなかったコウダが呆れ顔になった。
「お前なぁ、水星と木星はガス惑星だ。
地面なんて存在しない。
俺と違ってちゃんと学校行ってるんだろ?」
ガス惑星? そうだっけ??
んなこと言われたって覚えてねぇもんは覚えてねぇ。
「まさか空が黒いのになんで明るいの? とか悩んでないだろうな」
「大気無いからでしょ。流石にそれは分かる」
まだ多少不信感の残る目付きのままコウダは真っ直ぐ前に進んでいく。
とはいえ。
寒くも熱くもなく無風のそこには、ただ砂の大地が広がるばかり。
歩いたところであの地球と思われるものが近付く筈もない。
本当に真っ直ぐ進んでいるのかさえ時々疑問になるけど、あの辺の丘チックな地形は同じ場所で段々大きくなってるから、直進になってるんだろう。
前に前に行ったところで、何の手掛かりもないのは辛い。
「せめてここが月だってわかるような、証拠になりそうなもんがあればいいのに」
「あった、かもしれない」
コウダの視線は遠くに向かって投げられた。
丁度丘チックな地形を超えた所にある今の場所から、多少急な下り坂の、更に先。
旗が立っている。
下り坂…いや、周りをよく見よう。
下り坂って地形じゃないよな。
巨大な円を描いているような…。
今まで歩いてきたのはクレーターの外側だったのか。
別の星に旗、といえば。
画像だけは何で見たのか、不勉強な俺の記憶にも一応残ってる。
ヘカテー月面計画の星条旗。
でも…なんか…あれ?
その旗からちょっと離れたとこに看板も建ってんだけど。
写真では旗しかなかったよなぁ…。
降りられなくはない程度の下りを見下ろす。
旗の模様がまだよく見えないし、こりゃ降りるしかないだろ。
「降りるよね」
砂が服の中とかいろんなところに入るのは嫌だ。
「降りる。確証を得たい。
看板あるのは気になるけど」
やっぱそこな。
「現実には存在しないだろうから…まあでも行こう」
マズいじゃないかぁー…。
暗澹たる気持ちで、途中滑り落ちそうになりながら坂を下る。
安藤さんの『中』の後で買い直したもののやっぱりまた安物のスニーカー。
ボードとか無くても砂丘やちょっとした岩肌を滑ることができる!
地面をちゃんと踏みしめてるコウダに続いてターゲットに近付いていくにつれ、その色味はハッキリしてきた。
旗、ほぼ白くね?
青と白と赤で構成された例の国旗には一向に見えてこず。
とうとう旗に触れるほど近くなって漸く、旗の布地に印刷の痕跡が見えた。
確かに星条旗。
「もしかして古くなって色抜けた?」
「かもな。でもこれで場所は確定な」
うん。月だね。
「…で、だ」
安堵したら即、次。
コウダらしい。
看板の向こうには円盤状の何か。
『THE・ウニベルCITY・マチガン』。
これも看板か? どこの町だここは。
「マチガン大学、か。なんで校章があるんだろうな」
コウダ、ぼやき英会話講座ありがとう。ウニベルCITYは大学って意味ね。
どんな経緯でここにこんなもんが…。飲み会で酔っ払い大学生が『オレらのアオハル、ウェーイ!』とかって置いてったわけじゃなし。
謎が深まるものの、少なくとも地球人がいた痕跡ってことにはなりそう。
そして件の看板は…ここに来るとまだ多少先に見えた。
外からは旗のすぐそばっって思えたんだけどなぁ。
近づくと全然遠いや。
でも、そこまでの間に、他にもポロポロ物が落ちてる。
ゴミか? ビニール袋っぽいけど…違った。ビニール袋に入った家族写真か。
謎の四角い金属板も。
「たどるか」
…俺の返事も聞かずにもう歩き出さないでほしいなぁ。
そう思いつつもさくさく歩くコウダにさくさく着いてく。
あれ、もしかしてゴルフボール? いや、もうこれ絶対ゴミでしょ。
でも看板と旗の直線上に撒かれてんだよなぁ。
お菓子のカケラをたどって歩いてる気分。
…ってそれ、フラグ立ってるっしょ。罠っしょ。
あの看板、危険フラグ?。
それがクレーター中心寄りにあることに気付き、ここに来てすぐに蟻地獄を想像したことを思い出し、軽く戦慄しつつ。
そんな事考えもしてないのか、確実にいつも通り右左を見渡しつつ歩くコウダ。
自信満々の感じだけどダイジョブか?
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前は顔見てもいつも同じだなーだったけど。
俺が慣れたのか、コウダが慣れて顔に出す様になったのか。
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コウダが野郎じゃなくておねえさんだったら嬉しいの一択だったんだけどな。
そしたらもしかするともうちょっと、あんなこととか、こんなこととか。
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やっぱコウダはコウダ。このままがいいや
そう思うと落ち着いた。
落ち着きついでに、看板の字が読める距離に来てるので、読んでみる。
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英語らしきアルファベット。
小文字のiを丸で囲んだようなアイコンの脇に…よかった。わかるぞ。
『infomation』。
なんだろ。観光案内? 情報は情報でも危険情報だったらヤだな。
コウダも同じく看板に目を凝らしてるっぽく、首が斜め上角度で固定されてる。
もうちょっと近くに行くとなんかわかるのかな。
斜め上のほうを見たまま一歩足を踏みだす。
その時コウダは俺が足を踏み出したのに気付いてなかったらしい。
そしてコウダが立ち止まったままだってことに俺も気づいてなかった。
結果、俺の右足は。
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