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江戸時代に野球はありか? 強い者いじめ
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ライト文芸はスポーツモノで決まり。
作者が楽。だって展開は同じことの繰り返しだから。
???
で、時代劇に野球は有りなのか?
野球で全国制覇!
決勝戦は江戸城で行う。(現在の皇居)
徳川家康の首を取るのが目標。
「私を江戸城に連れてって。」
???
こういうのが簡単に描けちゃんだよね~。
何てつまらん。
型に落として、落として、落として。
同じことの繰り返しの物語の出来上がり。
つまらんらん。
???
「日常」と「戦闘」と「○○」と。
これに全て該当するのがアンパンマン。
○○をパンの世界とした場合。
○○を時代劇にすればOKか?
江戸で一番の賞金稼ぎを目指す?
江戸で一番の剣客を目指す?
江戸の殿様、貧乏旗本の三男坊で暴れる?
江戸のドーナツ屋???
???
そうか! 主人公だけ作って、後は置き換えればいいのだ。
暴れん坊将軍、大岡越前、水戸黄門、遠山の金さん。
そういえば、こいつら主人公が違うだけで内容は同じだ!
ああ・・・・・・。
プロが同じことの繰り返しでOKなんだから、パクリスぺクト作品でOKなのだろう。
ああ~あくまでも基本ベースね。
時代劇。
基本は正義貫徹。
斬り殺しまくると鬼滅の刃みたいにPTAウケが悪い。
本当に売れたのか、マスコミがそういう方向に洗脳したのか、製作側が水増ししたのか、なぜ? と思う微妙さ。
本当に一般大衆に売れたのなら、今の日本人が殺しやパワハラ、セクハラ、いじめが好きな民族ということになる。悲しいね。
辻褄は合わないけどコナンぐらいの誰も死なないが良いのだろうか?
???
圧倒的な強さ。
それは武力であっても、お奉行、将軍という権力。
主人公はそういうのを持っているな。
若しくは弱くて成長していくか・・・・・・。
???
人を助ける?
困っている人を助ける?
弱者を助ける?
これも一般大衆ウケは良い。
正義貫徹。
???
「強い者いじめ」
強者が弱者をいたぶる。
その強者を、もっと強者がいじめる。
これって普通の時代劇か?
光の刀。
光刀。
光刀斬
光刀破
刀を持っていれば忍術が使える?
光の精霊?
光の座敷童?
光の小人?
元から剣士?
いや、一般人が妖刀を持って、一流の剣士になる。こっちだな。
主人公は光刀を拾う。
死にかけの状態から光刀を拾う。こっちだな。
敵はパワハラ、セクハラ、いじめ。
時代劇なら将軍、大名、奉行、悪代官、越後屋とか。
光の精?
エレキテル?
違うな。電気がない所で刀が光るから妖刀になる? おお~いい流れだ。
そうなると本当に主人公は死にかけなければいけない。
不幸の連続だな。
光刀はどこから生まれる?
主人公の心から光の刀は生まれる。
「生きていても、希望や光なんてない。生きていても楽しいこともない。俺はこのまま死ぬんだ・・・・・・。」
そこで光の刀が現れて物語が始まる。
「諦めるんですか?」
主人公の心にどこからか声が聞こえてくる。
「光? 光がどこから? 光が満ちていく!?」
主人公の体から光の刀が姿を現す。
光の刀の精。ピカリン。
邪気
鬼気
暗気
黒気
暗黒気
時代劇コン・・・・・・明日までか・・・・・・全然間に合わないな。
「暗闇に呑み込まれなければ、本当の光に気づかないだけだ。」
野党に殺される。
動物に食べられかける。
妖怪に襲われる。
人間に裏切られる。
貧しい生まれで、生きていても楽しいこともない。
字も読めない。今日、食べる者すらない。
毎日毎日偉い人達に働かされている。
奴隷だ。
俺には力も金もない。
生きている意味があるのか?
いっそう死んでしまった方が楽かもしれない。
俺に存在価値があるのだろうか?
夢も希望もない。
光なんて見えねえ。
「おい! サト! これもおまえがやっておけ! 俺の方が先輩だからな!」
奴隷の中でも上下関係がある。長年奉公している奴は主に媚びを売って仕事なんかしない。全て弱い者に押し付ける。サトは貧しい家に生まれ奴隷として両親に売られた。
「おまえたち! しっかり働かないとご飯は食べさせないからね!」
女将さんは鬼だ。ただお金持ちの男と結婚しただけで自分の立場が上がり威張り散らしている。それでも主の嫁だから誰も言い返せない。それを良いことに弱い者に威張り散らしている。
「いいか! おまえたちの代わりはいくらでもいるんだからな! 動かなくなったら新しいのに変えるだけだ! ワッハッハー!」
主は人間を人間とも思っていない。壊れたら部品を交換すればいいくらいにしか思っていない。奴隷の命なんてどうでもいいのだ。ただお金を持っているだけ、それだけで強い権力が持てる。そしてお金のない奴はそれに従わなければ生きていけない。なんて不条理な世の中なんだろう。
「お金持ちになりたいな。」
ふと思った。
「無理無理。俺たち奴隷がお金持ちにはなれないよ。商売をする元金がないもの。」
「そうだな。まだ刀の腕を磨いて用心棒とか暗殺稼業の方が成功する可能性が高いんじゃないか?」
「今日を生きるだけで精一杯だ。夢なんか見てないでさっさと仕事をしろよな。」
同じ奴隷仲間は無理だと言った。
「そうだな。ここで働き続けなければ、田舎の家族にお金を送ることができない。」
切実な願いであった。
「貧乏の何がいけないんだろう。ただお金持ちに生まれたか、貧乏に生まれたかの違いだけなのに。」
未来に夢も希望もなかった。
「キャアアアアアアー!」
ある日、田舎の奉公先に野盗が現れた。次から次へと刀で斬り殺していく。主も女将も真っ先に殺される。
「嫌だ! グアッ!」
「逃げろ! ゲヘッ!」
「死にたくない! ホゲッ!」
貧しい奉公人たちも次々と野盗に殺されていく。
「死んだ方が幸せになれるんだ。この弱者から解放される。今度生まれ変わったら権力かお金持ちか強い者に生まれ変わりたいな。自由に生きたいな。」
サトは死を覚悟した。
「生きていても、希望や光なんてない。生きていても楽しいこともない。諦めよう。俺はこのまま死ぬんだ。」
目から不思議と涙が流れていた。
「なぜ泣いているんですか? 本当は生きたいからですよね。」
主人公の心にどこからか声が聞こえてくる。
「光? 光がどこから? 光が満ちていく!?」
主人公の体から光の刀が姿を現す。
「私は光の精です。この光の刀は西洋名はライトセイバーです。光なんて真っ暗にならないと見えないものですよ。あなたの未来は希望の光に満ち溢れています。」
光の精が現れる。陽気な光だった。
「光が喋った!?」
サトには光が喋っているようにしか見えない。
「このまま黙って何の抵抗もせずに野党に殺されますか? それとも笑って暮らすために、楽しく生きるために強い者と戦いますか?」
「いいんですか? 俺なんかが笑っても? 俺みたいのが生きていても?」
奴隷として飼いならされていたサトは死にながら生きていたような人生だったので、自分の意志で生きたことがない。
「はい! 一歩踏み出しましょう! 明るい未来があなたを待っていますよ!」
光の精はサトの心に光を灯す。
「おい! こっちにまだガキがいるぜ!」
「殺しちまおうぜ! ケッケッケ!」
野盗がサトを見つけた。
「見つかった!? やっぱり俺はここで死ぬんだ!? ギャアアアアアアー!」
サトは野盗に殺されると嘆く。
「戦ってください。何もしなければ死を待つだけですよ。生きたければ自分で戦ってください。」
「戦う? 自分で戦う?」
生きることを諦めていたサトは自分の人生を自分で切り開いたことはない。強者に従うだけで、自分で戦うことなど考えたことはなかった。
「目の前に私がいるじゃないですか?」
光の精は刀の姿になっている。
「でも俺、刀なんか握ったこともないし、どうすれば!?」
「大丈夫です。後は私がやりますから。」
サトは光の刀を握った。
「光? なんだろう? この温かさは? まるで優しさに包まれているみたいだ。これが心に光があるということなんだろうか?」
サトは初めての光に不思議な感覚を覚える。
「これからはあなたの人生を生きて下さい。行きたいところに行って、食べたいものを食べて、楽しく笑って生きて下さい。」
光の精がサトに前向きな光の明るい心で暗黒だったサトの心を照らしていく。
「ある! 俺の心にも光が! この光は希望の光だ!」
暗い人間から明るい人間に生まれ変わったサト。
「なんだ? こいつ俺たちとやる気か?」
「死ね! クソガキ!」
野盗がサトに襲い掛かってくる。
「俺ならやれるはずだ! 俺は俺を信じる!」
光の刀から光が溢れる。
「ギャアアアアアアー!」
一瞬だった。一太刀でサトは野盗を切り裂く。
「なに!? なんだ!? こいつは!?」
子供に仲間が斬り殺されて驚く野盗はサトに不気味なものを感じる。
「面白いですか? 抵抗しないものを斬るのわ。逃げ惑う者を斬り殺すのわ。弱い者をいじめるのわ。」
サトは強い者に疑問を尋ねてみる。
「頭でもおかしいのか? この世は殺すか殺されるかどっちかなんだよ! 力無き者は泣いて暮らすしかないんだよ! うおおおおおおー!」
野盗はサトに襲い掛かる。
「ギャアアアアアアー!」
サトは光刀で野盗を斬り殺す。
「強い者を倒してやる。俺が強い者よりも強くなればいいんだ。」
サトは屋敷に侵入した野盗を次から次へと斬り殺して一掃する。
「こいつら強くなかった。もし戦っていたら誰も死ななくて済んだかもしれない。」
サトは哀れんで主や女将、他の奉公人たちのお墓を作っていく。
「成仏してください。」
お墓に手を合わせるサト。
「これからどうしようかな? あ、野盗さんが運び出そうとした千両箱が山の様にある。これは今までのお給金としていただこう。」
サトは大金持ちになった。
「これは何だろう? 西洋文化の本かな? うわあ! 美味しそう! 揚げた練り物かな。これは俺にでもつくることができるのだろうか?」
サトは西洋の料理本を手に入れた。
「これから俺は新しい人生を歩むんだ! アハッ!」
こうしてサトは自由と力とお金を手に入れた。
第2話
「んん~。お金を手に入れたけど使い方が分からない。力を手にれたけど、ほとんど光の精のおかげだしな。」
今までの奴隷生活が長かったのでサトは途方に暮れていた。
「なら自分自身を鍛えてみてはどうですか? 光の使い方も教えますよ。アハッ!」
光の精は相変わらず光っている。
「光の使い方?」
光に使い方があったのだろうかと不思議そうに考えるサト。
「魔法みたいな・・・・・・例えが違いますね。忍術みたいなものです。」
今は時代劇である。魔法は忍術に置き換えられる。
「忍術? 忍術って忍者が使うやつ?」
「そうです。光に選ばれたあなたは光の忍術が使えます。」
「光の忍術!?」
光の精は光のことについて詳しい。
「そうです。例えば、こんな感じで光を飛ばしたり、光線!」
光の精から光が放たれる。
「岩が割れた!? いったい何をしたんだ!?」
光線は大きな岩を真っ二つにした。
「ちょっと光を飛ばしただけです。エッヘン。」
得意げな光の精。
「ちょっとって、あれで!? じゃあ本気でやったらどうなるの!?」
「台地が裂けて、お城が消滅するでしょうね。アハッ!」
恐るべし光の力。
「これが光の忍術です。あなたはこれを自由に使いこなせるようになりましょう。夜にローソクを買わなくて良くナなるので節約もバッチリできますよ。アハッ!」
生活感バッチリの光の精。
「俺にも忍術が使えるのだろうか?」
自分に自信がないサト。
「大丈夫です。あなたならできます。光に選ばれた者なのですから。」
サトは光に選ばれた者らしい。
「とりあえずやってみましょう。それは始めの第一歩です。やってみなければ良いことも悪いことも分かりませんからね。アハッ!」
とても前向きな光の精。
「いつも明るく元気に笑顔で前向きだな。」
「光の精ですから。アハッ!」
輝きを放つ光の精。
「できなくても知らないからね。」
「はいはい。」
サトは光の忍術を使ってみることにした。
「光線。」
サトの手から光が放たれる。
「うわあ!?」
サトが放った光は岩に風穴を開ける。
「おおー! スゴイですね! さすがです! パチパチパチパチ!」
光の精は手を叩いて大喜び。
「できた!? できたぞ! 俺にも忍術が使えたぞ! やったー! うおおおおおおー!」
自分で何かを成し遂げた喜びを全身で表すサト。
「さすが光の侍です。光の忍術もバッチリですね。アハッ!」
親心の様に一緒に喜ぶ光の精。
「しいて言うなら、前向きな心が強すぎて光が膨大ですね。光の調整をしないといけませんね。アハッ!」
苦言も忘れない光の精。
「やったー! できたー! 今度は村ごと吹き飛ばしてやる!」
「やめい!」
調子に乗ったサトの光の濫用は防がれた。
「光の調整?」
「そうです。前向きで心の中に夢や希望の気持ちが大きければ光は強くなり、あなたが後ろ向きな気持ちや悪い心になれば光は弱くなります。」
光の精はサトに光の調整の仕方を教える。
「強い敵には強い前向きな心で立ち向かって、些細な時は平常心で挑めば普通の光が出ますよ。アハッ!」
「ありがとう。教えてくれて。」
「どういたしまして。アハッ!」
光の精は前向きに感謝されると嬉しい。
「でも注意してください。あなたの心に前向きな気持ちがなくなると光の刀どころか、光の忍術も使えなくなってしまいます。くれぐれも心から光を無くさないで下さい。いいですか! いつも楽しく笑顔で前向きにですよ! アハッ!」
ある意味、最強な前向きの光の精。
「分かった。たぶん大丈夫だよ。俺は暗闇を知っているから。」
不幸だった分だけサトの光は輝きを保てる。
「へっへっへ! 千両箱が山の様にあるぜ!」
その時、野盗の本体が現れる。
「お頭! これで俺たちは大金持ちだ! イヤッホー!」
「んん? まだ生き残りがいるぞ。」
野盗の親分が生き残ったサトを見つける。
「野盗!? まだいたのか!?」
サトは野党の追加の出現に身構える。
「まだ子供じゃないか。おい小僧。俺たちの仲間にならないか? そうすれば命は助けてやるぞ。」
「奴隷になりたい訳じゃない。おまえたちに従ったって俺は俺で生きられない。それなら例えおまえたちが強かろうと何人いようと俺は戦う。命を懸けて!」
やっと自由を手に入れたサトは二度と自分の人生を捨てることは選ばない。
「おかしな小僧だ。この世は力が全てだ。数を揃えていれば一人に負けることはないんだよ。」
「フン。そんなことはやってみないと分からないじゃないか。俺は一人でも諦めない。だって俺には心に光があるから。」
前向きなサトの心に呼応して光の刀が現れる。
「なんだ!? お宝を隠し持っていたのか。生意気な口を利かずに、俺の言うことを聞いていれば命だけは助けてやったのに。弱い者は強い者に従っていればいいんだ。バカな小僧だ。殺しちまえ!」
「おお!」
野盗のお頭の命令で子分がサトに襲い掛かる。
「え? ギャアアアアアアー!」
野盗がきれいにサトに斬られた。
「俺は強い者と戦いたい。弱い者がいじめられる恐怖を教えてやる。」
サトの心情は負け犬弱者だったので、強い者への恨みはたまっている。
「なんだ!? この小僧は!? それに刀が光ってやがる!? まるで妖刀じゃないか!?」
野盗のお頭はサトの刀を妖刀の様だという。
「おまえらみたいな奴らに俺の心の光は消させやしない!」
サトの強い前向きな気持ちが光を増大させていく。
「光忍術! 拡散光線!」
サトの手から光線が何本も放たれる。
「ギャアアアアアアー!」
一瞬で何十人もの野盗を光の光線で倒していく。
「バカな!? 俺の作り上げた盗賊団が一瞬でやられるなんて!? 認めんぞ! 絶対に認めんぞ! なんで俺が、こんな小僧に負けなければいけないんだ! 俺は偉いんだぞ! 俺は強いんだ!」
野盗の親分は自分が惨めな存在だと認めたくないので強く偉そうな態度をとった。完全に野盗の親分の心は闇に落ちた。
「闇の世界へ、ようこそ。」
その時、野盗の親分の心に闇が広がり声がする。
「なんだ!? おまえは!?」
「はい。私は闇の精です。ハッキリいって、暗いですよ。ドヨン・・・・・・。」
闇の精は光の精と真逆で後ろ向きな精だった。
「あなた。強いんですよね?」
「おお! 俺は強い!」
「あんな小僧に負けていいんですか?」
「良くない!」
「私が力を貸してあげましょう。」
「本当か? 有難い!」
「そのかわり何でもやりますか?」
「やります! 勝てるなら! 何だってやります!」
勢いとノリで野盗の親分の言葉を誘導していく闇の精。
「なら、妖怪になってください!」
「妖怪にだってなるぞ! ・・・・・・え? 妖怪?」
野盗の親分は言っていけない言葉を口にして闇の精と合意してしまった。
「聞きましたよ。確かに。ケッケッケ。」
不気味に笑う闇の精。
「何か黒い者が見えるんだけど?」
サトの目には野盗の親分に取り憑いている闇の精が見えた。
「あれは闇の精です。人間が前向きな心を失うと現れます。そして人間を人ではない姿に変えてしまいます。」
恐るべし闇の精。
「妖怪になあれ、妖怪になあれ。」
闇の精が野盗の親分を妖怪に変える呪いの呪文を唱える。
「ギャアアアアアアー!」
野盗の親分の姿が変わっていく。
「ガオー!」
野盗の親分はいなくなり、代わりに妖怪が現れた。
「ええ~! 人間が妖怪になった!?」
「はい。妖怪は元々は人間だったのです。闇に落ちた人間は妖怪になってしまいます。できるだけ悪いことはしない方がいいですよ。アハッ!」
どんな時も笑顔な光の精。
「後は任せました。さようなら。」
闇の精は礼儀正しく去っていく。
「またねー! アハッ! ・・・・・・しまった!? 私としたことが!? ついつい習慣で明るく接してしまう!?」
職業病な光の精。
「ガオー!」
妖怪がサトに襲い掛かってくる。
「人間でも妖怪でも何でも来い! どんなに相手が強くても俺は諦めない! 俺は闇を照らす光になりたい!」
サトが光の刀を構える。光の刀はサトの感情の高鳴りに共鳴して、とてつもなく輝いて光を放つ。
「うおおおおおおー!」
サトは光の刀で妖怪を切り裂く。
「俺の心の光は誰にも消させたりはしない。」
サトは妖怪を倒した。
「これで光の剣術と忍術は免許皆伝ですね。アハッ!」
光の精はサトの成長を喜んだ。
「そうだ。江戸に行ってみよう。」
田舎者のサトは賑やかな江戸に行ってみることにした。
第3話
「すごい人だな。人に酔いそうだな。オエッ!」
サトは江戸の城下町にやってきた。田舎とは違い人が多くて気持ち悪かった。
「おっと、ごめんよ。」
「いえ。大丈夫です。」
その時、サトはおっさんとぶつかった。普通に笑顔で返事を返す。
「お兄さん。なんで笑っているの?」
知らない子供に声をかけられる。
「え?」
「あの人、スリだよ。」
「ええ~!?」
サトは懐の財布を調べる。
「ない! 俺の財布がない!」
立派にスリに財布をすられた。
「ワッハッハー! バカだな。早く追いかけなよ。」
子供に馬鹿にされて笑われる。
「大丈夫。」
しかし余裕で落ち着いているサト。
「え? もしかしてお兄さんはお金持ち?」
サトが財布をすられても動じないので子供には理解できなかった。
「違うよ。少し面白い手品を見せてあげよう。」
「手品?」
サトはスリのオッサンに向けて手を伸ばす。
「光線。」
サトの手から光が放たれて、スリのおっさんを突き刺す。
「ギャアアアアアアー!」
おっさんはその場で地面に倒れ込む。
「良かった。少ししかお金を持って来なかったので。」
サトは財布をスリから取り戻す。
「スゴイ! 今の手品はどうやってやったの!?」
子供は大興奮である。さっきまでの田舎者を見る目からサトを見る目が尊敬のまなざしに変わった。
「また今度ね。アハッ!」
笑って誤魔化すサト。
「ケチッ。」
拗ねた子供とはここでお別れする。
「オラオラ! ここは越後屋さんのものだ! おまえたち貧乏人は出ていきやがれ!」
チンピラが貧乏長屋の住人を追い出そうと嫌がらせをしている。
「やめて下さい! 私たちが何をしたと言うんですか?」
「そうだ! そうだ!」
長屋の住民たちは嘆くだけで、チンピラとは戦いはしなかった。
「うるさい! 痛い目にあいたくなければ黙ってろ!」
「キャア!」
チンピラは長屋の住民を蹴り飛ばす。
「すいません。この長屋に空きはありますか? 揚げもの屋をやりたいんですが。いいですか?」
そこにサトが現れる。
「え? はい。どうぞ。空いてます。」
「良かった。住む所が決まって。まずはこの人達を倒しちゃいますね。ニコッ!」
サトは長屋の住民と話をつけて立ち上がる。
「やいやい! なんだ! おまえは! 小僧は黙ってろ!」
チンピラがサトに殴りかかる。
「光線。」
サトは光を放つ。
「ギャアアアアアアー!」
一撃でチンピラを倒す。
「なんだ!? こいつは!? 化け物だ!? 妖術使いだ!? ギャアアアアアアー! 逃げろ!」
チンピラたちは逃げて行った。
「弱い者いじめはするけど、強い者とは戦ったことがないんだろうな。あの人たち。」
サトは呆れる。
「ああ! 財布すられたお兄ちゃん!」
「おまえはあの時の。」
サトの前に財布をすられたことを教えてくれた子供が現れる。
「ここの長屋の子だったのか。」
「そうです! 師匠!」
「誰が師匠だ。誰が。」
子供には憧れるサトが神の様に輝いて見えた。
「こっちです! 師匠!」
「だから師匠じゃないって。まったく。」
それでも少し嬉しそうなサトであった。孤独に奴隷として生きてきたので普通に人間に接してもらえるだけで嬉しいのであった。
「長屋の連中を追い出せば、タダで土地が手に入る。こんなおいしい商いは他にはありませんな。ワッハッハー!」
クソ微笑む越後屋さん。
「すいません。失敗しました。」
そこにチンピラが戻って来る。
「なに!? おまえらは貧乏人どもを追い出すことすらできないのか!? この役立たずどもめ!」
激怒する越後屋さん。
「それがおかしな奴が現れまして。そいつが強いのなんのって。そのまま長屋に住み着いてしまいまして。」
詳細を説明するチンピラ。
「そんなに強いのかい?」
「へえ。あっしらでは歯が立ちません。」
「そういう時は頭を使うんだよ。頭を。火をつけて燃やしちまえば人も家も燃え尽きて更地の出来上がりだ。もちろん俺の土地になるのだ! ワッハッハー!」
越後屋さんの根性は腐っていた。
「火事だ! 火事だ!」
「火を消せ!」
「逃げろ!」
長屋に火が放たれました。
「何事ですか?」
「火事です! あんたも早く逃げて!」
サトは火事が起こったことを知る。
「うん? 危ない!」
子供に燃えて崩れた木が落ちて当たりそうになる。
「あっ。斬れちゃった。アハッ!」
危機一髪のところでサトは刀を振り光の斬撃を飛ばし木を斬り子供を救う。
「師匠!」
「大丈夫。ケガはない?」
「はい。でも家が・・・・・・住む所がなくなってしまった。」
火事で燃える長屋を見て悲しむ子供。
「命が助かっただけでいいじゃない。生きていれば必ず良いこともあるよ。アハッ!」
サトは笑って見せた。
「師匠はすごいですね。火事で家が燃えても動じないで笑っているなんて。さすがです。師匠。」
「いつも明るく笑顔で前向きにねがモットーなんで。アハッ!」
サトの明るさは弱っている子供の悲しみをやわらげる。
「きっと、この火事も越後屋の仕業だ。俺たちが立ち退かないから、遂に火をつけやがったんだ。師匠! 俺は悔しいです!」
子供は涙を流しながら悔しがる。
「・・・・・・。」
その姿を見て、サトは黙って歩き出す。
「ワッハッハー! 燃えた! 燃えた! 貧乏人共が俺に歯向かうからいけないんだ! 素直に俺に長屋を差し出していればケガをしなくて良かったのな! ワッハッハー!」
笑いが止まらない越後屋さん。
「ギャアアアアアアー!」
その時、チンピラの断末魔の叫びが聞こえてくる。
「あなたが越後屋ですね。」
そこにサトが現れる。
「あいつです! 長屋で俺たちを邪魔した奴です!」
「なに? 嘘をつくな! あんな子供にやられる訳がないだろうが! やれ! やっちまえ!」
「へい!」
越後屋の命令でチンピラがサトに襲い掛かる。
「拡散光線!」
サトは無数の光を放つ。
「ギャアアアアアアー!」
チンピラは一瞬で一掃された。
「バカな!? 相手は子供だぞ!? いったい何をしたというんだ!?」
その光景を越後屋は目を疑った。
「弱い者をいじめて楽しいですか?」
「ああ! 楽しいね! 弱い者なんて強い者に踏みつけられるために存在している様なもんだ! 煮ようが焼こうが俺の自由だ! なんたって俺には金がある! 金があれば何人でも俺の言うことをきかせることができる! 俺は成功者だ! 権力を持った強者だ! ワッハッハー!」
越後屋さんの根性は腐るを極めていた。
「なら俺は強い者をいじめます。おまえなんかに人々の夢や希望を奪う資格はない。」
「資格? 弱い者いじめをするのおまえの許可がいるのかい!」
サトと越後屋が対峙する。
「ヒイイイイー!? 命だけはお助けを! おまえを俺の用心棒にしてやろう! 金も女も好きなだけやる! 俺と一緒に仲良くやろうぜ! な? な? な?」
もちろん刀を持っているサトが越後屋に簡単に勝つ。
「断ります。」
「なぜだ? どうしてだ?」
「俺はドーナツ屋さんをやるから。」
サトは将来のビジョンが明確に決まっていたので越後屋の甘い誘いを断った。
「不味い!? このままでは俺は負けてしまう!? あんな若造に負けてなるものか!」
往生際の悪い越後屋さん。
「お困りですか?」
そこに闇の精が現れる。
「なんだ!? おまえは!?」
「そんなことはどうでもいいじゃないですか。このままだと、あなた、殺されますよ。ケッケッケ!」
闇の精は人間の心の弱い所を突く。
「嫌だ! 死にたくない! なんで俺が死なないといけないんだ! 金はいくらでも出す! 俺を助けてくれ!」
命乞いする必死な越後屋さん。
「お金なんていませんよ。ちょっと妖怪になってもらうだけですから。」
「妖怪?」
「妖怪になあれ。妖怪になあれ。ケッケッケー!」
「ギャアアアアアアー!」
闇の精の呪いの呪文で越後屋さんの体がブクブクと変化していく。
「ガオー!」
越後屋さんは妖怪になってしまった。
「闇の精の仕業ですよ!」
光の精も現れる。
「心が闇に飲まれてしまったんだ。俺ももう少し自分の中の光に気づかなかったら、人間ではなくなっていたのだろうか? 人の姿をした化け物に。」
やっぱり越後屋さんは最低な人間であった。過去の自分を思い出すサト。
「後は任せた。さようなら。」
「またね! バイバイ! アハッ!」
闇の精は去って行った。
「ガオー!」
妖怪がサトに襲い掛かる。
「俺は闇を照らす光になる! いくぞ! 妖怪! これが俺の心の光だ! うおおおおおおー!」
光の刀でサトは妖怪を切り裂く。
「ギャアアアアアアー!」
妖怪は光に消滅させられる。
「これで良しっと。」
サトは悪い越後屋さんを倒した。
「あれ? 越後屋さんってお金持ちだよね。」
サトは越後屋の倉庫から千両箱を運び出す。
「ジャン! オシャレな新築長屋の完成です!」
サトは越後屋から譲り受けたお金で貧乏長屋の跡地に新築の長屋を建てた。
「すげえー! さすが師匠!」
ボロ屋が新築に変わったので驚く長屋の住人達。
「生きてれば良いこともあるっていったでしょ。アハッ!」
いつも明るく笑顔で前向きなサトであった。
作者が楽。だって展開は同じことの繰り返しだから。
???
で、時代劇に野球は有りなのか?
野球で全国制覇!
決勝戦は江戸城で行う。(現在の皇居)
徳川家康の首を取るのが目標。
「私を江戸城に連れてって。」
???
こういうのが簡単に描けちゃんだよね~。
何てつまらん。
型に落として、落として、落として。
同じことの繰り返しの物語の出来上がり。
つまらんらん。
???
「日常」と「戦闘」と「○○」と。
これに全て該当するのがアンパンマン。
○○をパンの世界とした場合。
○○を時代劇にすればOKか?
江戸で一番の賞金稼ぎを目指す?
江戸で一番の剣客を目指す?
江戸の殿様、貧乏旗本の三男坊で暴れる?
江戸のドーナツ屋???
???
そうか! 主人公だけ作って、後は置き換えればいいのだ。
暴れん坊将軍、大岡越前、水戸黄門、遠山の金さん。
そういえば、こいつら主人公が違うだけで内容は同じだ!
ああ・・・・・・。
プロが同じことの繰り返しでOKなんだから、パクリスぺクト作品でOKなのだろう。
ああ~あくまでも基本ベースね。
時代劇。
基本は正義貫徹。
斬り殺しまくると鬼滅の刃みたいにPTAウケが悪い。
本当に売れたのか、マスコミがそういう方向に洗脳したのか、製作側が水増ししたのか、なぜ? と思う微妙さ。
本当に一般大衆に売れたのなら、今の日本人が殺しやパワハラ、セクハラ、いじめが好きな民族ということになる。悲しいね。
辻褄は合わないけどコナンぐらいの誰も死なないが良いのだろうか?
???
圧倒的な強さ。
それは武力であっても、お奉行、将軍という権力。
主人公はそういうのを持っているな。
若しくは弱くて成長していくか・・・・・・。
???
人を助ける?
困っている人を助ける?
弱者を助ける?
これも一般大衆ウケは良い。
正義貫徹。
???
「強い者いじめ」
強者が弱者をいたぶる。
その強者を、もっと強者がいじめる。
これって普通の時代劇か?
光の刀。
光刀。
光刀斬
光刀破
刀を持っていれば忍術が使える?
光の精霊?
光の座敷童?
光の小人?
元から剣士?
いや、一般人が妖刀を持って、一流の剣士になる。こっちだな。
主人公は光刀を拾う。
死にかけの状態から光刀を拾う。こっちだな。
敵はパワハラ、セクハラ、いじめ。
時代劇なら将軍、大名、奉行、悪代官、越後屋とか。
光の精?
エレキテル?
違うな。電気がない所で刀が光るから妖刀になる? おお~いい流れだ。
そうなると本当に主人公は死にかけなければいけない。
不幸の連続だな。
光刀はどこから生まれる?
主人公の心から光の刀は生まれる。
「生きていても、希望や光なんてない。生きていても楽しいこともない。俺はこのまま死ぬんだ・・・・・・。」
そこで光の刀が現れて物語が始まる。
「諦めるんですか?」
主人公の心にどこからか声が聞こえてくる。
「光? 光がどこから? 光が満ちていく!?」
主人公の体から光の刀が姿を現す。
光の刀の精。ピカリン。
邪気
鬼気
暗気
黒気
暗黒気
時代劇コン・・・・・・明日までか・・・・・・全然間に合わないな。
「暗闇に呑み込まれなければ、本当の光に気づかないだけだ。」
野党に殺される。
動物に食べられかける。
妖怪に襲われる。
人間に裏切られる。
貧しい生まれで、生きていても楽しいこともない。
字も読めない。今日、食べる者すらない。
毎日毎日偉い人達に働かされている。
奴隷だ。
俺には力も金もない。
生きている意味があるのか?
いっそう死んでしまった方が楽かもしれない。
俺に存在価値があるのだろうか?
夢も希望もない。
光なんて見えねえ。
「おい! サト! これもおまえがやっておけ! 俺の方が先輩だからな!」
奴隷の中でも上下関係がある。長年奉公している奴は主に媚びを売って仕事なんかしない。全て弱い者に押し付ける。サトは貧しい家に生まれ奴隷として両親に売られた。
「おまえたち! しっかり働かないとご飯は食べさせないからね!」
女将さんは鬼だ。ただお金持ちの男と結婚しただけで自分の立場が上がり威張り散らしている。それでも主の嫁だから誰も言い返せない。それを良いことに弱い者に威張り散らしている。
「いいか! おまえたちの代わりはいくらでもいるんだからな! 動かなくなったら新しいのに変えるだけだ! ワッハッハー!」
主は人間を人間とも思っていない。壊れたら部品を交換すればいいくらいにしか思っていない。奴隷の命なんてどうでもいいのだ。ただお金を持っているだけ、それだけで強い権力が持てる。そしてお金のない奴はそれに従わなければ生きていけない。なんて不条理な世の中なんだろう。
「お金持ちになりたいな。」
ふと思った。
「無理無理。俺たち奴隷がお金持ちにはなれないよ。商売をする元金がないもの。」
「そうだな。まだ刀の腕を磨いて用心棒とか暗殺稼業の方が成功する可能性が高いんじゃないか?」
「今日を生きるだけで精一杯だ。夢なんか見てないでさっさと仕事をしろよな。」
同じ奴隷仲間は無理だと言った。
「そうだな。ここで働き続けなければ、田舎の家族にお金を送ることができない。」
切実な願いであった。
「貧乏の何がいけないんだろう。ただお金持ちに生まれたか、貧乏に生まれたかの違いだけなのに。」
未来に夢も希望もなかった。
「キャアアアアアアー!」
ある日、田舎の奉公先に野盗が現れた。次から次へと刀で斬り殺していく。主も女将も真っ先に殺される。
「嫌だ! グアッ!」
「逃げろ! ゲヘッ!」
「死にたくない! ホゲッ!」
貧しい奉公人たちも次々と野盗に殺されていく。
「死んだ方が幸せになれるんだ。この弱者から解放される。今度生まれ変わったら権力かお金持ちか強い者に生まれ変わりたいな。自由に生きたいな。」
サトは死を覚悟した。
「生きていても、希望や光なんてない。生きていても楽しいこともない。諦めよう。俺はこのまま死ぬんだ。」
目から不思議と涙が流れていた。
「なぜ泣いているんですか? 本当は生きたいからですよね。」
主人公の心にどこからか声が聞こえてくる。
「光? 光がどこから? 光が満ちていく!?」
主人公の体から光の刀が姿を現す。
「私は光の精です。この光の刀は西洋名はライトセイバーです。光なんて真っ暗にならないと見えないものですよ。あなたの未来は希望の光に満ち溢れています。」
光の精が現れる。陽気な光だった。
「光が喋った!?」
サトには光が喋っているようにしか見えない。
「このまま黙って何の抵抗もせずに野党に殺されますか? それとも笑って暮らすために、楽しく生きるために強い者と戦いますか?」
「いいんですか? 俺なんかが笑っても? 俺みたいのが生きていても?」
奴隷として飼いならされていたサトは死にながら生きていたような人生だったので、自分の意志で生きたことがない。
「はい! 一歩踏み出しましょう! 明るい未来があなたを待っていますよ!」
光の精はサトの心に光を灯す。
「おい! こっちにまだガキがいるぜ!」
「殺しちまおうぜ! ケッケッケ!」
野盗がサトを見つけた。
「見つかった!? やっぱり俺はここで死ぬんだ!? ギャアアアアアアー!」
サトは野盗に殺されると嘆く。
「戦ってください。何もしなければ死を待つだけですよ。生きたければ自分で戦ってください。」
「戦う? 自分で戦う?」
生きることを諦めていたサトは自分の人生を自分で切り開いたことはない。強者に従うだけで、自分で戦うことなど考えたことはなかった。
「目の前に私がいるじゃないですか?」
光の精は刀の姿になっている。
「でも俺、刀なんか握ったこともないし、どうすれば!?」
「大丈夫です。後は私がやりますから。」
サトは光の刀を握った。
「光? なんだろう? この温かさは? まるで優しさに包まれているみたいだ。これが心に光があるということなんだろうか?」
サトは初めての光に不思議な感覚を覚える。
「これからはあなたの人生を生きて下さい。行きたいところに行って、食べたいものを食べて、楽しく笑って生きて下さい。」
光の精がサトに前向きな光の明るい心で暗黒だったサトの心を照らしていく。
「ある! 俺の心にも光が! この光は希望の光だ!」
暗い人間から明るい人間に生まれ変わったサト。
「なんだ? こいつ俺たちとやる気か?」
「死ね! クソガキ!」
野盗がサトに襲い掛かってくる。
「俺ならやれるはずだ! 俺は俺を信じる!」
光の刀から光が溢れる。
「ギャアアアアアアー!」
一瞬だった。一太刀でサトは野盗を切り裂く。
「なに!? なんだ!? こいつは!?」
子供に仲間が斬り殺されて驚く野盗はサトに不気味なものを感じる。
「面白いですか? 抵抗しないものを斬るのわ。逃げ惑う者を斬り殺すのわ。弱い者をいじめるのわ。」
サトは強い者に疑問を尋ねてみる。
「頭でもおかしいのか? この世は殺すか殺されるかどっちかなんだよ! 力無き者は泣いて暮らすしかないんだよ! うおおおおおおー!」
野盗はサトに襲い掛かる。
「ギャアアアアアアー!」
サトは光刀で野盗を斬り殺す。
「強い者を倒してやる。俺が強い者よりも強くなればいいんだ。」
サトは屋敷に侵入した野盗を次から次へと斬り殺して一掃する。
「こいつら強くなかった。もし戦っていたら誰も死ななくて済んだかもしれない。」
サトは哀れんで主や女将、他の奉公人たちのお墓を作っていく。
「成仏してください。」
お墓に手を合わせるサト。
「これからどうしようかな? あ、野盗さんが運び出そうとした千両箱が山の様にある。これは今までのお給金としていただこう。」
サトは大金持ちになった。
「これは何だろう? 西洋文化の本かな? うわあ! 美味しそう! 揚げた練り物かな。これは俺にでもつくることができるのだろうか?」
サトは西洋の料理本を手に入れた。
「これから俺は新しい人生を歩むんだ! アハッ!」
こうしてサトは自由と力とお金を手に入れた。
第2話
「んん~。お金を手に入れたけど使い方が分からない。力を手にれたけど、ほとんど光の精のおかげだしな。」
今までの奴隷生活が長かったのでサトは途方に暮れていた。
「なら自分自身を鍛えてみてはどうですか? 光の使い方も教えますよ。アハッ!」
光の精は相変わらず光っている。
「光の使い方?」
光に使い方があったのだろうかと不思議そうに考えるサト。
「魔法みたいな・・・・・・例えが違いますね。忍術みたいなものです。」
今は時代劇である。魔法は忍術に置き換えられる。
「忍術? 忍術って忍者が使うやつ?」
「そうです。光に選ばれたあなたは光の忍術が使えます。」
「光の忍術!?」
光の精は光のことについて詳しい。
「そうです。例えば、こんな感じで光を飛ばしたり、光線!」
光の精から光が放たれる。
「岩が割れた!? いったい何をしたんだ!?」
光線は大きな岩を真っ二つにした。
「ちょっと光を飛ばしただけです。エッヘン。」
得意げな光の精。
「ちょっとって、あれで!? じゃあ本気でやったらどうなるの!?」
「台地が裂けて、お城が消滅するでしょうね。アハッ!」
恐るべし光の力。
「これが光の忍術です。あなたはこれを自由に使いこなせるようになりましょう。夜にローソクを買わなくて良くナなるので節約もバッチリできますよ。アハッ!」
生活感バッチリの光の精。
「俺にも忍術が使えるのだろうか?」
自分に自信がないサト。
「大丈夫です。あなたならできます。光に選ばれた者なのですから。」
サトは光に選ばれた者らしい。
「とりあえずやってみましょう。それは始めの第一歩です。やってみなければ良いことも悪いことも分かりませんからね。アハッ!」
とても前向きな光の精。
「いつも明るく元気に笑顔で前向きだな。」
「光の精ですから。アハッ!」
輝きを放つ光の精。
「できなくても知らないからね。」
「はいはい。」
サトは光の忍術を使ってみることにした。
「光線。」
サトの手から光が放たれる。
「うわあ!?」
サトが放った光は岩に風穴を開ける。
「おおー! スゴイですね! さすがです! パチパチパチパチ!」
光の精は手を叩いて大喜び。
「できた!? できたぞ! 俺にも忍術が使えたぞ! やったー! うおおおおおおー!」
自分で何かを成し遂げた喜びを全身で表すサト。
「さすが光の侍です。光の忍術もバッチリですね。アハッ!」
親心の様に一緒に喜ぶ光の精。
「しいて言うなら、前向きな心が強すぎて光が膨大ですね。光の調整をしないといけませんね。アハッ!」
苦言も忘れない光の精。
「やったー! できたー! 今度は村ごと吹き飛ばしてやる!」
「やめい!」
調子に乗ったサトの光の濫用は防がれた。
「光の調整?」
「そうです。前向きで心の中に夢や希望の気持ちが大きければ光は強くなり、あなたが後ろ向きな気持ちや悪い心になれば光は弱くなります。」
光の精はサトに光の調整の仕方を教える。
「強い敵には強い前向きな心で立ち向かって、些細な時は平常心で挑めば普通の光が出ますよ。アハッ!」
「ありがとう。教えてくれて。」
「どういたしまして。アハッ!」
光の精は前向きに感謝されると嬉しい。
「でも注意してください。あなたの心に前向きな気持ちがなくなると光の刀どころか、光の忍術も使えなくなってしまいます。くれぐれも心から光を無くさないで下さい。いいですか! いつも楽しく笑顔で前向きにですよ! アハッ!」
ある意味、最強な前向きの光の精。
「分かった。たぶん大丈夫だよ。俺は暗闇を知っているから。」
不幸だった分だけサトの光は輝きを保てる。
「へっへっへ! 千両箱が山の様にあるぜ!」
その時、野盗の本体が現れる。
「お頭! これで俺たちは大金持ちだ! イヤッホー!」
「んん? まだ生き残りがいるぞ。」
野盗の親分が生き残ったサトを見つける。
「野盗!? まだいたのか!?」
サトは野党の追加の出現に身構える。
「まだ子供じゃないか。おい小僧。俺たちの仲間にならないか? そうすれば命は助けてやるぞ。」
「奴隷になりたい訳じゃない。おまえたちに従ったって俺は俺で生きられない。それなら例えおまえたちが強かろうと何人いようと俺は戦う。命を懸けて!」
やっと自由を手に入れたサトは二度と自分の人生を捨てることは選ばない。
「おかしな小僧だ。この世は力が全てだ。数を揃えていれば一人に負けることはないんだよ。」
「フン。そんなことはやってみないと分からないじゃないか。俺は一人でも諦めない。だって俺には心に光があるから。」
前向きなサトの心に呼応して光の刀が現れる。
「なんだ!? お宝を隠し持っていたのか。生意気な口を利かずに、俺の言うことを聞いていれば命だけは助けてやったのに。弱い者は強い者に従っていればいいんだ。バカな小僧だ。殺しちまえ!」
「おお!」
野盗のお頭の命令で子分がサトに襲い掛かる。
「え? ギャアアアアアアー!」
野盗がきれいにサトに斬られた。
「俺は強い者と戦いたい。弱い者がいじめられる恐怖を教えてやる。」
サトの心情は負け犬弱者だったので、強い者への恨みはたまっている。
「なんだ!? この小僧は!? それに刀が光ってやがる!? まるで妖刀じゃないか!?」
野盗のお頭はサトの刀を妖刀の様だという。
「おまえらみたいな奴らに俺の心の光は消させやしない!」
サトの強い前向きな気持ちが光を増大させていく。
「光忍術! 拡散光線!」
サトの手から光線が何本も放たれる。
「ギャアアアアアアー!」
一瞬で何十人もの野盗を光の光線で倒していく。
「バカな!? 俺の作り上げた盗賊団が一瞬でやられるなんて!? 認めんぞ! 絶対に認めんぞ! なんで俺が、こんな小僧に負けなければいけないんだ! 俺は偉いんだぞ! 俺は強いんだ!」
野盗の親分は自分が惨めな存在だと認めたくないので強く偉そうな態度をとった。完全に野盗の親分の心は闇に落ちた。
「闇の世界へ、ようこそ。」
その時、野盗の親分の心に闇が広がり声がする。
「なんだ!? おまえは!?」
「はい。私は闇の精です。ハッキリいって、暗いですよ。ドヨン・・・・・・。」
闇の精は光の精と真逆で後ろ向きな精だった。
「あなた。強いんですよね?」
「おお! 俺は強い!」
「あんな小僧に負けていいんですか?」
「良くない!」
「私が力を貸してあげましょう。」
「本当か? 有難い!」
「そのかわり何でもやりますか?」
「やります! 勝てるなら! 何だってやります!」
勢いとノリで野盗の親分の言葉を誘導していく闇の精。
「なら、妖怪になってください!」
「妖怪にだってなるぞ! ・・・・・・え? 妖怪?」
野盗の親分は言っていけない言葉を口にして闇の精と合意してしまった。
「聞きましたよ。確かに。ケッケッケ。」
不気味に笑う闇の精。
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サトの目には野盗の親分に取り憑いている闇の精が見えた。
「あれは闇の精です。人間が前向きな心を失うと現れます。そして人間を人ではない姿に変えてしまいます。」
恐るべし闇の精。
「妖怪になあれ、妖怪になあれ。」
闇の精が野盗の親分を妖怪に変える呪いの呪文を唱える。
「ギャアアアアアアー!」
野盗の親分の姿が変わっていく。
「ガオー!」
野盗の親分はいなくなり、代わりに妖怪が現れた。
「ええ~! 人間が妖怪になった!?」
「はい。妖怪は元々は人間だったのです。闇に落ちた人間は妖怪になってしまいます。できるだけ悪いことはしない方がいいですよ。アハッ!」
どんな時も笑顔な光の精。
「後は任せました。さようなら。」
闇の精は礼儀正しく去っていく。
「またねー! アハッ! ・・・・・・しまった!? 私としたことが!? ついつい習慣で明るく接してしまう!?」
職業病な光の精。
「ガオー!」
妖怪がサトに襲い掛かってくる。
「人間でも妖怪でも何でも来い! どんなに相手が強くても俺は諦めない! 俺は闇を照らす光になりたい!」
サトが光の刀を構える。光の刀はサトの感情の高鳴りに共鳴して、とてつもなく輝いて光を放つ。
「うおおおおおおー!」
サトは光の刀で妖怪を切り裂く。
「俺の心の光は誰にも消させたりはしない。」
サトは妖怪を倒した。
「これで光の剣術と忍術は免許皆伝ですね。アハッ!」
光の精はサトの成長を喜んだ。
「そうだ。江戸に行ってみよう。」
田舎者のサトは賑やかな江戸に行ってみることにした。
第3話
「すごい人だな。人に酔いそうだな。オエッ!」
サトは江戸の城下町にやってきた。田舎とは違い人が多くて気持ち悪かった。
「おっと、ごめんよ。」
「いえ。大丈夫です。」
その時、サトはおっさんとぶつかった。普通に笑顔で返事を返す。
「お兄さん。なんで笑っているの?」
知らない子供に声をかけられる。
「え?」
「あの人、スリだよ。」
「ええ~!?」
サトは懐の財布を調べる。
「ない! 俺の財布がない!」
立派にスリに財布をすられた。
「ワッハッハー! バカだな。早く追いかけなよ。」
子供に馬鹿にされて笑われる。
「大丈夫。」
しかし余裕で落ち着いているサト。
「え? もしかしてお兄さんはお金持ち?」
サトが財布をすられても動じないので子供には理解できなかった。
「違うよ。少し面白い手品を見せてあげよう。」
「手品?」
サトはスリのオッサンに向けて手を伸ばす。
「光線。」
サトの手から光が放たれて、スリのおっさんを突き刺す。
「ギャアアアアアアー!」
おっさんはその場で地面に倒れ込む。
「良かった。少ししかお金を持って来なかったので。」
サトは財布をスリから取り戻す。
「スゴイ! 今の手品はどうやってやったの!?」
子供は大興奮である。さっきまでの田舎者を見る目からサトを見る目が尊敬のまなざしに変わった。
「また今度ね。アハッ!」
笑って誤魔化すサト。
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「オラオラ! ここは越後屋さんのものだ! おまえたち貧乏人は出ていきやがれ!」
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「キャア!」
チンピラは長屋の住民を蹴り飛ばす。
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そこにサトが現れる。
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サトは長屋の住民と話をつけて立ち上がる。
「やいやい! なんだ! おまえは! 小僧は黙ってろ!」
チンピラがサトに殴りかかる。
「光線。」
サトは光を放つ。
「ギャアアアアアアー!」
一撃でチンピラを倒す。
「なんだ!? こいつは!? 化け物だ!? 妖術使いだ!? ギャアアアアアアー! 逃げろ!」
チンピラたちは逃げて行った。
「弱い者いじめはするけど、強い者とは戦ったことがないんだろうな。あの人たち。」
サトは呆れる。
「ああ! 財布すられたお兄ちゃん!」
「おまえはあの時の。」
サトの前に財布をすられたことを教えてくれた子供が現れる。
「ここの長屋の子だったのか。」
「そうです! 師匠!」
「誰が師匠だ。誰が。」
子供には憧れるサトが神の様に輝いて見えた。
「こっちです! 師匠!」
「だから師匠じゃないって。まったく。」
それでも少し嬉しそうなサトであった。孤独に奴隷として生きてきたので普通に人間に接してもらえるだけで嬉しいのであった。
「長屋の連中を追い出せば、タダで土地が手に入る。こんなおいしい商いは他にはありませんな。ワッハッハー!」
クソ微笑む越後屋さん。
「すいません。失敗しました。」
そこにチンピラが戻って来る。
「なに!? おまえらは貧乏人どもを追い出すことすらできないのか!? この役立たずどもめ!」
激怒する越後屋さん。
「それがおかしな奴が現れまして。そいつが強いのなんのって。そのまま長屋に住み着いてしまいまして。」
詳細を説明するチンピラ。
「そんなに強いのかい?」
「へえ。あっしらでは歯が立ちません。」
「そういう時は頭を使うんだよ。頭を。火をつけて燃やしちまえば人も家も燃え尽きて更地の出来上がりだ。もちろん俺の土地になるのだ! ワッハッハー!」
越後屋さんの根性は腐っていた。
「火事だ! 火事だ!」
「火を消せ!」
「逃げろ!」
長屋に火が放たれました。
「何事ですか?」
「火事です! あんたも早く逃げて!」
サトは火事が起こったことを知る。
「うん? 危ない!」
子供に燃えて崩れた木が落ちて当たりそうになる。
「あっ。斬れちゃった。アハッ!」
危機一髪のところでサトは刀を振り光の斬撃を飛ばし木を斬り子供を救う。
「師匠!」
「大丈夫。ケガはない?」
「はい。でも家が・・・・・・住む所がなくなってしまった。」
火事で燃える長屋を見て悲しむ子供。
「命が助かっただけでいいじゃない。生きていれば必ず良いこともあるよ。アハッ!」
サトは笑って見せた。
「師匠はすごいですね。火事で家が燃えても動じないで笑っているなんて。さすがです。師匠。」
「いつも明るく笑顔で前向きにねがモットーなんで。アハッ!」
サトの明るさは弱っている子供の悲しみをやわらげる。
「きっと、この火事も越後屋の仕業だ。俺たちが立ち退かないから、遂に火をつけやがったんだ。師匠! 俺は悔しいです!」
子供は涙を流しながら悔しがる。
「・・・・・・。」
その姿を見て、サトは黙って歩き出す。
「ワッハッハー! 燃えた! 燃えた! 貧乏人共が俺に歯向かうからいけないんだ! 素直に俺に長屋を差し出していればケガをしなくて良かったのな! ワッハッハー!」
笑いが止まらない越後屋さん。
「ギャアアアアアアー!」
その時、チンピラの断末魔の叫びが聞こえてくる。
「あなたが越後屋ですね。」
そこにサトが現れる。
「あいつです! 長屋で俺たちを邪魔した奴です!」
「なに? 嘘をつくな! あんな子供にやられる訳がないだろうが! やれ! やっちまえ!」
「へい!」
越後屋の命令でチンピラがサトに襲い掛かる。
「拡散光線!」
サトは無数の光を放つ。
「ギャアアアアアアー!」
チンピラは一瞬で一掃された。
「バカな!? 相手は子供だぞ!? いったい何をしたというんだ!?」
その光景を越後屋は目を疑った。
「弱い者をいじめて楽しいですか?」
「ああ! 楽しいね! 弱い者なんて強い者に踏みつけられるために存在している様なもんだ! 煮ようが焼こうが俺の自由だ! なんたって俺には金がある! 金があれば何人でも俺の言うことをきかせることができる! 俺は成功者だ! 権力を持った強者だ! ワッハッハー!」
越後屋さんの根性は腐るを極めていた。
「なら俺は強い者をいじめます。おまえなんかに人々の夢や希望を奪う資格はない。」
「資格? 弱い者いじめをするのおまえの許可がいるのかい!」
サトと越後屋が対峙する。
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「不味い!? このままでは俺は負けてしまう!? あんな若造に負けてなるものか!」
往生際の悪い越後屋さん。
「お困りですか?」
そこに闇の精が現れる。
「なんだ!? おまえは!?」
「そんなことはどうでもいいじゃないですか。このままだと、あなた、殺されますよ。ケッケッケ!」
闇の精は人間の心の弱い所を突く。
「嫌だ! 死にたくない! なんで俺が死なないといけないんだ! 金はいくらでも出す! 俺を助けてくれ!」
命乞いする必死な越後屋さん。
「お金なんていませんよ。ちょっと妖怪になってもらうだけですから。」
「妖怪?」
「妖怪になあれ。妖怪になあれ。ケッケッケー!」
「ギャアアアアアアー!」
闇の精の呪いの呪文で越後屋さんの体がブクブクと変化していく。
「ガオー!」
越後屋さんは妖怪になってしまった。
「闇の精の仕業ですよ!」
光の精も現れる。
「心が闇に飲まれてしまったんだ。俺ももう少し自分の中の光に気づかなかったら、人間ではなくなっていたのだろうか? 人の姿をした化け物に。」
やっぱり越後屋さんは最低な人間であった。過去の自分を思い出すサト。
「後は任せた。さようなら。」
「またね! バイバイ! アハッ!」
闇の精は去って行った。
「ガオー!」
妖怪がサトに襲い掛かる。
「俺は闇を照らす光になる! いくぞ! 妖怪! これが俺の心の光だ! うおおおおおおー!」
光の刀でサトは妖怪を切り裂く。
「ギャアアアアアアー!」
妖怪は光に消滅させられる。
「これで良しっと。」
サトは悪い越後屋さんを倒した。
「あれ? 越後屋さんってお金持ちだよね。」
サトは越後屋の倉庫から千両箱を運び出す。
「ジャン! オシャレな新築長屋の完成です!」
サトは越後屋から譲り受けたお金で貧乏長屋の跡地に新築の長屋を建てた。
「すげえー! さすが師匠!」
ボロ屋が新築に変わったので驚く長屋の住人達。
「生きてれば良いこともあるっていったでしょ。アハッ!」
いつも明るく笑顔で前向きなサトであった。
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