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タカハッシ―と雷の精霊

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「くらえ! 火炎瓶!」
 火の精霊サラマンダーは火炎瓶を投げつけた。
「なにを! 水鉄砲!」
 水の精霊ウンディーネは水鉄砲を放つ。
「やめろ! 俺の部屋で暴れるな!」
 そして被害者のサトーがキレる。
「ごめんなさい。」
「許してください。」
 反省する火と水の精霊たち。
「暴れるならスズーキの家でやれ。」
「それは困る。お外で遊びなさい。」
 スズーキも精霊たちが暴れるのは困る。
「はい。」
「続きはお外で。アハッ!」
 まだまだ戦うつもりの精霊たち。
「はあ~。精霊っていったい。」
 呆れるサトー。
「で、俺たちは何を話していたんだったっけ?」
「だから精霊戦士ではダサいので、スピリット・ファイターでどうだ? カッコイイだろう。」
 スズーキはネーミングに拘っていた。
「いや、国内は精霊戦士の方が分かりやすいだろう。外国に進出したらスピリット・ファイターにしてもらえ。」
 サトーは既に海外展開を考えていた。
「こういうのもあるぞ。精霊がスピリットだから、俺たち精霊戦士はスピリッターだ。スピリッターはネット検索しても、まだ誰も使っていない言葉だ。検索しても出てこないからな。」
 正に奇跡。2022年にまだ誰も使用していない言葉が見つかること事態が珍しい。
「スゲー! 新語だ! 生きてて良かった! アハッ!」
 さすがのサトーも新語の発見に感動する。  
「次に必殺技だが。」
 スズーキは次の提案を始める。
「まだあるのかい!?」
 思わずツッコムサトー。
「まだまだあるぞ。ネタの宝庫だ。お題は必殺技だ。パンチとキックだけではダサくないか?」
 スズーキは必殺技がサラマンダー・パンチとウンディーネ・キックだけでは寂しいと思っていた。
「バカ野郎。パンチとキックだから一般大衆にも馴染みがあって分かりやすいんだろうが。技を増やしてしまうと新しい技を考えなければいけなくなるから大変になるぞ。」
 サトーは現状維持を主張。
「仕方がない。妥協しよう。またの機会だ。」
 新必殺は諦めたスズーキ。
「めでたし、めでたし。」
 サトーは胸をなでおろす。
「その代わり、武器を追加しよう。」
 スズーキは簡単にはめげない。
「武器?」
 サトーは嫌な予感しかしない。
「水の剣ウンディーネ・ソードだ! おまえなら火の剣サラマンダー・ソードだ! カッコイイだろう! ワッハッハー!」
 スズーキは精霊戦士の武器でそれぞれの属性の剣である。
「まあ、それはありかも。」
 精霊戦士の武器は採用された。
「他にもウンディーネ・バズーカ! ウンディーネ・マシンガン! ウンディーネ・ビームライフルだ!」
 スズーキの暴走は止まらない。
「なんでもウンディーネを付ければいいってもんじゃないぞ!」
 サトーはスズーキに物申す。
「それでは次のお題、いってみよう!」
 スズーキの創作は永遠に続く。
ドカーン!
 その時、外で爆発が起こる。
「なんだ? なんだ?」
 サトーは窓の外を見る。
「アアアアアー!? あいつら!?」
 外では火の精霊サラマンダーと水の精霊ウンディーネが仲良く遊んでいた。
「街が火の海だ!?」
 サトーはシブヤ―村が燃えている姿を見た。
「地面が水で見えない!?」
 スズーキは村が水に浸かっているのを見た。
「あいつらの仕業だ!」
「早く止めに行こう!」
 サトーとスズーキは慌てて外に出かける。

「やるな! ウンディーネ!」
「腕を上げたわね! サラちゃん!」
 火の精霊サラマンダーと水の精霊ウンディーネの互角の戦い。
「やめろー! 村を破壊するな!」
「そうだ! 火を消せ! 水を飲み干せ!」
 サトーとスズーキは火の精霊サラマンダーと水の精霊ウンディーネを怒る。
「え? 私たちお外でおままごとしていただけだけど。」
「そうよそうよ。仲良く遊んでいただけよ。」
 確かに火の精霊サラマンダーと水の精霊ウンディーネはお外でおままごとしているだけだった。
「え? じゃあ、この火と水は?」
「まさか!?」
 サトーとスズーキは一つの結論に達した。
「悪魔の仕業よ!」
 そこに新たな少年と精霊が現れる。
「お久しぶり。そして相変わらずね。サラちゃん。ウンちゃん。」
 精霊は火の精霊サラマンダーと水の精霊ウンディーネの知り合いだった。
「おまえはサンダーバード!?」
 現れたのは雷の精霊サンダーバードであった。
「生きていたのね! 良かった! アハッ!」
 水の精霊ウンディーネは雷の精霊サンダーバードを見て安心する。
「誰が死ぬもんか! おまえたちに不意打ちでゴムを被せられたが天候が悪くなれば雷は自然発生するのだ! それに私のパワーの源は電力だからな! 今の世の中簡単に充電できるわ!」
 便利な雷の精霊サンダーバード。
「いや。異世界設定だからコンセントは無いからコンビニやカフェで簡単に充電はできないぞ。」
 軽く否定される雷の精霊サンダーバード。
「それならお団子やに充電器を設置しろや!」
 一歩も引き下がらない雷の精霊サンダーバード。
「俺の名前はタカハッシー。とりあえず精霊さんたちは置いておこうか。話が進まないからね。」
 現れた少年はタカハッシー。
「異議なし。俺はサトー。」
「たまに精霊さんたちは悪魔と間違えて見えるからな。俺はスズーキ。」
「確かに。」
 自己紹介するサトーとスズーキ。
「タカハッシー。おまえも悲劇的に精霊さんを召喚してしまったのか?」
 サトーはタカハッシーに尋ねてみた。
「実は・・・・・・電気代が払えなくて「暗い! 暗いよ! 明かりはどこだ!? 電気を寄こせ! 俺に雷を降り注げ! サンダー!」と叫んだら雷の精霊サンダーバードが現れたんだ。」
 タカハッシーと雷の精霊サンダーバードとの悲劇的召喚である。
「悪魔はシブヤ―村のスクランブル交差点の辺りだ! 行こう!」
「おお! 人々を村を悪魔から守るんだ!」
 サトーたちは悪魔の元に向かおうとする。
「おい! ウンちゃんたち! 悪魔を倒しにいくぞ!」
 スズーキは精霊さんたちに呼びかけた。
「火は電を作り(火力発電)、水は電を透す(水の性質)。不意打ちさえ食らわなければおまえたちに負けるはずがない! くらえ! 秘拳! サンダーバード・ライトニング!」
「負けるもんかと勇ましく! サラマンダー・ファイア!」
「おまけのウンディーネ・タイダル・ウエイブ!」
 精霊さんの終わりなき戦い。
「・・・・・・。」
 呆れるサトーたち。
「関わらない方がいい。放っておこう。」
「それじゃあ、俺たちも精霊戦士に変身ができない。」
 精霊戦士には人間と精霊が一体化するから。
「みんな! おやつの時間だよ!」
「わ~い! おやつ! アハッ!」
 精霊さんたちはおやつに釣られて争いを止めた。
「世界が平和になった!?」
 サトーは世界平和の瞬間を見た。
「はい。今日のおやつはチョコレートだよ。」
「やったー! チョコ大好き!」
 精霊さんたちは食べ物に弱かった。
「早く悪魔を倒しに行こうよ。」
 こうしておやつを食べながら悪魔の元に向かうのであった。

「人間どもを殺すのだ! 皆殺しだ! 今日は血祭りだ! ワッハッハー!」
 悪魔とモンスターが村で暴れていた。
「やめろ! 悪魔!」
 そこにサトーたちが現れる。
「なんだ? おまえたちは?」
 悪魔はサトーに尋ねてみた。
「俺たちは精霊戦士だ!」
 サトーは自己紹介する。
「いや、そこはスプリッターだの方がいいんじゃないか?」
 スズーキの拘り。
「どっちでもいいよ。」
 タカハッシーはネーミングに興味なかった。
「精霊戦士? 知らないな。俺の名前は悪魔ウァサゴ。おまえたちも皆殺しだ! ワッハッハー!」
 悪魔ウァサゴがサトーたちに襲い掛かってくる。
「みんな! 変身だ!」
「おお!」
 サトーたちは悪魔と戦おうとする。
「サラマンダー・変身!」
「ウンディーネ・変身!」
「サンダーバード・変身!」  
 サトーたちは精霊戦士に変身する。
「なんだと!? 変身しただと!?」
 悪魔ウァサゴもビックリ。
「火の精霊戦士! サラマンダー!」
「水の精霊戦士! ウンディーネ!」
「雷の精霊戦士! サンダーバード!」
 3体の精霊戦士が現れた。
「3対1とは卑怯だぞ!?」
 悪魔ウァサゴは抗議する。
「悪魔が正々堂々を求めているんじゃねえ!」
 悪魔ウァサゴの意見は拒否された。
「くらえ! ウァサゴ! 必殺! イフリート・パンチ!」
「ウンディーネ・パンチ!」
「サンダーバード。パンチ!」
 サトーたちは悪魔ウァサゴにトリプルパンチを繰り出す。
「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」
 悪魔ウァサゴは退治されて吹っ飛んで星になって消えた。
「意外に強いんだよな。精霊戦士って。アハッ!」
 サトーは勝利に満足であった。
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