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アップルと元メイド
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「ああ~新しい仕事を探さなくっちゃ。」
「退職金出ないのかしら?」
「無理よ。何もできないアップルお嬢様じゃ。ケッケッケ。」
3人の元メイドのアンズ、イチジク、ウメは、アップルの住むフルーツ家のフルーツ城から荷物をまとめて出て行こうとしていた。
「じゃあ、行きましょうか。次のカモの金持ちを探しに。」
「そうね。あれ? ウメはどこに行ったの? さっきまで、ここに居たのに?」
突然、ウメの姿が消えた。
「先に行ったんじゃない? 私たちも行きましょうよ・・・って、イチジクがいない?」
アンズが周囲を見渡しても、イチジクもウメの姿も無かった。
「ちょっと何よ!? みんなで隠れて私を驚かせるつもり? ガキみたいなことはやめなさいよ。」
その時、何か粉のような者がアンズに振りかけられる。
「キャア!? なに!? クシュン! この粉は胡椒!?」
アンズに振りかけられた粉の正体は、スパイスの胡椒だった。
「どうして胡椒が!? クシュン! いったい誰の悪戯よ!?」
「私です。」
そこに胡椒の小瓶を持ったアップルが現れる。
「アップル様!?」
「生で食べるのに飽きちゃった。エヘッ。」
「いや、もう私はメイドを辞めたんだから、媚び諂うことはないんだわ。小娘に。」
「やっぱり胡椒より塩にすれば良かったかしら?」
「いくら私が優秀なメイドだからって、引き留めようとしても無駄ですよ。誰がドジっ子、ダメっ子、使えない子、いらない子と言われてきた、あなたなんかに仕えるものですか!」
「噛み砕くと、血管が切れて、お部屋が血塗れになって汚れてしまうのね。だから、丸飲みにすることにしたの。それなら部屋を汚さなくていいでしょ? 私って賢いのよ。」
「小娘が、さっきから何を・・・ま、ま、ま、ま、まさか!? 大広間の血は!?」
「はい。私がやりました。」
「もしや!? イチジクとウメも!?」
「はい。私が食べました。」
「じゃあ、人を食う化け物というのは!?」
「大正解。私のことです。ニコッ。」
恐怖に歪むアンズの表情。それを楽しむように笑うアップル。
「おまえ、散々私をいじめてくれたな。人が大人しくしていれば、やり返さないと思って、いじめたい放題か? よくもいじめてくれたな。私は王族の娘だぞ。おまえごとき庶民が、高貴な私に何をした!?」
「ヒイイイイ!?」
「私の鉛筆が無くなったのも、私の消しゴムが無くなったのも、私のお小遣いが無くなったのも、私が家族にドジっ子、ダメっ子、使えない子、いらない子と思われるようになったのは! みんな! みんな! おまえのような意地悪なメイドが、お父様やお母様、お姉様、弟にあることないこと陰口を吹き込んだのが原因だ!」
「お、お許しください!? アップル様!? 私はただ、何か面白い話はないかと聞かれたので、優しいアップル様なら許してくださると思って、ちょっと脚色して面白おかしく、お話しただけです!?」
「私が家族からバカにされると思わなかったの? 私の心が傷つくとは思わなかったの?」
「だって、アップル様も嫌だとも言わずに、ニコニコ笑ってバカにされるのを楽しんでいたじゃありませんか!?」
「本当に、そう思うの?」
「え?」
「私の立場では、笑ってバカを演じるしかないだろうが! バカ扱いされて喜ぶ人間がどこにいるというんだ!」
「ヒイイイイ!? 来るな!? 化け物!?」
「人とは、簡単に主人を裏切る生き物だ。」
「ヒイイイイ!? やめろ!? 食うな!? 私なんか食べても美味しくないぞ!?」
「おまえみたいな邪な人間がいるから、世界から争いが無くならないんだ! おまえなんか食ってやる!」
「ギャアアアアア!?」
パクっと、アップルは神の口でアンズを呑み込み、モグモグと味わって食べている。
「胡椒だけだと物足りないわね。今度は塩でも振りかけようかしら。」
アップルは、人間の味が分かるグルメになっていた。
「これで用事は済んだから、いざ! 神様の元へ!」
後日、執事のアケビとメイドのアセロラとアボカドが部屋の掃除を普通に行っている。
「クシュン!? なんだ!? この部屋は!?」
「クシュン! 誰かが胡椒をバラまいたんだわ!?」
「クシュン! きっとアンズやイチジクたちが辞める前に嫌がらせで、胡椒をバラ巻いたのよ!?」
「クシュン! 働いている時から、あまりいい性格とはいえなかったが最後まで迷惑をかける連中だ。」
「クシュン! 片付けましょう。片付けないと、くしゃみが止まらないわ。」
「クシュン! 胡椒を片付けるだけで、たくさんお金をもらえるんだから、がんばって片付けるよ!」
こうして胡椒をバラ巻いたのは、アップルではなく、退職したメイドたちということになった。
つづく。
「退職金出ないのかしら?」
「無理よ。何もできないアップルお嬢様じゃ。ケッケッケ。」
3人の元メイドのアンズ、イチジク、ウメは、アップルの住むフルーツ家のフルーツ城から荷物をまとめて出て行こうとしていた。
「じゃあ、行きましょうか。次のカモの金持ちを探しに。」
「そうね。あれ? ウメはどこに行ったの? さっきまで、ここに居たのに?」
突然、ウメの姿が消えた。
「先に行ったんじゃない? 私たちも行きましょうよ・・・って、イチジクがいない?」
アンズが周囲を見渡しても、イチジクもウメの姿も無かった。
「ちょっと何よ!? みんなで隠れて私を驚かせるつもり? ガキみたいなことはやめなさいよ。」
その時、何か粉のような者がアンズに振りかけられる。
「キャア!? なに!? クシュン! この粉は胡椒!?」
アンズに振りかけられた粉の正体は、スパイスの胡椒だった。
「どうして胡椒が!? クシュン! いったい誰の悪戯よ!?」
「私です。」
そこに胡椒の小瓶を持ったアップルが現れる。
「アップル様!?」
「生で食べるのに飽きちゃった。エヘッ。」
「いや、もう私はメイドを辞めたんだから、媚び諂うことはないんだわ。小娘に。」
「やっぱり胡椒より塩にすれば良かったかしら?」
「いくら私が優秀なメイドだからって、引き留めようとしても無駄ですよ。誰がドジっ子、ダメっ子、使えない子、いらない子と言われてきた、あなたなんかに仕えるものですか!」
「噛み砕くと、血管が切れて、お部屋が血塗れになって汚れてしまうのね。だから、丸飲みにすることにしたの。それなら部屋を汚さなくていいでしょ? 私って賢いのよ。」
「小娘が、さっきから何を・・・ま、ま、ま、ま、まさか!? 大広間の血は!?」
「はい。私がやりました。」
「もしや!? イチジクとウメも!?」
「はい。私が食べました。」
「じゃあ、人を食う化け物というのは!?」
「大正解。私のことです。ニコッ。」
恐怖に歪むアンズの表情。それを楽しむように笑うアップル。
「おまえ、散々私をいじめてくれたな。人が大人しくしていれば、やり返さないと思って、いじめたい放題か? よくもいじめてくれたな。私は王族の娘だぞ。おまえごとき庶民が、高貴な私に何をした!?」
「ヒイイイイ!?」
「私の鉛筆が無くなったのも、私の消しゴムが無くなったのも、私のお小遣いが無くなったのも、私が家族にドジっ子、ダメっ子、使えない子、いらない子と思われるようになったのは! みんな! みんな! おまえのような意地悪なメイドが、お父様やお母様、お姉様、弟にあることないこと陰口を吹き込んだのが原因だ!」
「お、お許しください!? アップル様!? 私はただ、何か面白い話はないかと聞かれたので、優しいアップル様なら許してくださると思って、ちょっと脚色して面白おかしく、お話しただけです!?」
「私が家族からバカにされると思わなかったの? 私の心が傷つくとは思わなかったの?」
「だって、アップル様も嫌だとも言わずに、ニコニコ笑ってバカにされるのを楽しんでいたじゃありませんか!?」
「本当に、そう思うの?」
「え?」
「私の立場では、笑ってバカを演じるしかないだろうが! バカ扱いされて喜ぶ人間がどこにいるというんだ!」
「ヒイイイイ!? 来るな!? 化け物!?」
「人とは、簡単に主人を裏切る生き物だ。」
「ヒイイイイ!? やめろ!? 食うな!? 私なんか食べても美味しくないぞ!?」
「おまえみたいな邪な人間がいるから、世界から争いが無くならないんだ! おまえなんか食ってやる!」
「ギャアアアアア!?」
パクっと、アップルは神の口でアンズを呑み込み、モグモグと味わって食べている。
「胡椒だけだと物足りないわね。今度は塩でも振りかけようかしら。」
アップルは、人間の味が分かるグルメになっていた。
「これで用事は済んだから、いざ! 神様の元へ!」
後日、執事のアケビとメイドのアセロラとアボカドが部屋の掃除を普通に行っている。
「クシュン!? なんだ!? この部屋は!?」
「クシュン! 誰かが胡椒をバラまいたんだわ!?」
「クシュン! きっとアンズやイチジクたちが辞める前に嫌がらせで、胡椒をバラ巻いたのよ!?」
「クシュン! 働いている時から、あまりいい性格とはいえなかったが最後まで迷惑をかける連中だ。」
「クシュン! 片付けましょう。片付けないと、くしゃみが止まらないわ。」
「クシュン! 胡椒を片付けるだけで、たくさんお金をもらえるんだから、がんばって片付けるよ!」
こうして胡椒をバラ巻いたのは、アップルではなく、退職したメイドたちということになった。
つづく。
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