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第8魔法少女、イスラ
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ここは魔法高校剣道東京大会の行われている日本武道館、決勝戦前。
「決勝進出おめでとう!」
「ありがとう! 安倍さん!」
魔法世田谷高校も決勝進出を決めた。
「みんな、決勝進出が決まったのに喜ばないの?」
しかし世田谷高校の剣道部員たちは特に喜ぶことは無かった。
「私たちは勝つのが当然ですから。」
「さすがマリコ様。どこまでもついていきます。」
「さあ、パンが焼ける時間だからオーブンを見てこよう。」
「決勝進出で来たんも、うちのおかげや。必死のパッチやな。ワッハッハー!」
リコ、夜虎、虹子、マオは自分勝手なことを言う。急造なので、個人実力主義が蔓延して、世田谷高校にはチームワークがなかった。
「困ったね。イスラちゃん。」
「あう。」
イスラは第8魔法少女である。使い魔兼家族というよりは、安倍景子さんは家族である。魔法の詠唱も、特にブランド品の名前という訳でもない。「バン。」という短いワードだけで、超小型のプラスチック爆弾を爆発させることが出来る。
「もうすぐ決勝戦が始まるけど、イスラちゃんは大丈夫。」
「あうあう。」
「まったく、日本語が苦手なんだから、それとも甘えているのかな?」
「あう。」
イスラは安部さんが好きである。しかし阿部さんのことが怖い。安倍さんが怒るのも怖いが、本当は安部さんを失うのが1番怖い。これも幼女テロリストとして、戦地で命の尊さを実感してきたからだろう。
「あ、忘れてた。イスラちゃん。国連事務総長と、アメリカ大統領と、日本の総理大臣が電話が欲しいって。決勝戦が終わったら電話してね。」
「あう。」
イスラは世界的なネットワークを持っている。中東でテロリスト組織アルカイダダを壊滅させ、国連事務総長と仲良くなり、そこに付け込み油田を占領しようとしたアメリカ軍を、たった1人で全滅させ、アメリカ大統領と和解した。それを知った日本の総理大臣はイスラを公務員にして、世界との会談にはSPとして同行させている。中東でゲリラ生活をしていた時の仇名が「幼女の悪魔」であった。
「今年は、ラグビーのワールドカップに、サミットもあるから、警備の任務がいっぱいで休みが取れないね。」
「あう。」
「さっきからしか「あう」しか言ってないけど、ちゃんと聞いてる?」
「あうあう。」
イスラは16歳になって、日本に呼ばれた。イスラの母親は中東のお姫様。父親は日本の外交官だった。そこでアメリカや中国の無理難題から日本を守るために、日本政府はイスラに日本国籍を与えた。そして女子高生をしながら、日本秘密局なる組織に席を置いている。仕事は要人の護衛である。
「明日は休みだから、想いでの東京ディズニーランドドに行こうか?」
「大阪のUSJJがいい。ハリーポッタータが見たい。」
「そこは「あう」でしょ!?」
イスラの日本での面倒を見ているのが、保護者、安倍景子である。イスラが日本の生活で不自由しないために2人は同棲している。そして2人が初めて遊びにお出かけしたのが東京ディズニーランドドだった。もし世界に戦争がなければ、イスラは平和に暮らしていたのかもしれない。しかし戦争がなければ、イスラと阿部は出会ってないのかもしれない。
「それでは決勝戦を始めます。魔法渋谷高校と魔法世田谷高校は準備してください。」
審判が両校の生徒に声をかける。
「いよいよだね。がんばってね。イスラちゃん。」
「あう。」
「じゃあ、私は観客席で見てるからね。」
安倍はイスラの元を去って行った。
「さあ! 爆発は芸術だ! 全て粉々に吹きとばしてやる!」
安倍がいなくなったイスラは本来のテロリストの性格に戻った。
「あいつは二重人格か?」
「ブリっ子してたな。」
「怖い。」
チームメイトもイスラの変わりように戦慄を覚えるのだった。
つづく。
「決勝進出おめでとう!」
「ありがとう! 安倍さん!」
魔法世田谷高校も決勝進出を決めた。
「みんな、決勝進出が決まったのに喜ばないの?」
しかし世田谷高校の剣道部員たちは特に喜ぶことは無かった。
「私たちは勝つのが当然ですから。」
「さすがマリコ様。どこまでもついていきます。」
「さあ、パンが焼ける時間だからオーブンを見てこよう。」
「決勝進出で来たんも、うちのおかげや。必死のパッチやな。ワッハッハー!」
リコ、夜虎、虹子、マオは自分勝手なことを言う。急造なので、個人実力主義が蔓延して、世田谷高校にはチームワークがなかった。
「困ったね。イスラちゃん。」
「あう。」
イスラは第8魔法少女である。使い魔兼家族というよりは、安倍景子さんは家族である。魔法の詠唱も、特にブランド品の名前という訳でもない。「バン。」という短いワードだけで、超小型のプラスチック爆弾を爆発させることが出来る。
「もうすぐ決勝戦が始まるけど、イスラちゃんは大丈夫。」
「あうあう。」
「まったく、日本語が苦手なんだから、それとも甘えているのかな?」
「あう。」
イスラは安部さんが好きである。しかし阿部さんのことが怖い。安倍さんが怒るのも怖いが、本当は安部さんを失うのが1番怖い。これも幼女テロリストとして、戦地で命の尊さを実感してきたからだろう。
「あ、忘れてた。イスラちゃん。国連事務総長と、アメリカ大統領と、日本の総理大臣が電話が欲しいって。決勝戦が終わったら電話してね。」
「あう。」
イスラは世界的なネットワークを持っている。中東でテロリスト組織アルカイダダを壊滅させ、国連事務総長と仲良くなり、そこに付け込み油田を占領しようとしたアメリカ軍を、たった1人で全滅させ、アメリカ大統領と和解した。それを知った日本の総理大臣はイスラを公務員にして、世界との会談にはSPとして同行させている。中東でゲリラ生活をしていた時の仇名が「幼女の悪魔」であった。
「今年は、ラグビーのワールドカップに、サミットもあるから、警備の任務がいっぱいで休みが取れないね。」
「あう。」
「さっきからしか「あう」しか言ってないけど、ちゃんと聞いてる?」
「あうあう。」
イスラは16歳になって、日本に呼ばれた。イスラの母親は中東のお姫様。父親は日本の外交官だった。そこでアメリカや中国の無理難題から日本を守るために、日本政府はイスラに日本国籍を与えた。そして女子高生をしながら、日本秘密局なる組織に席を置いている。仕事は要人の護衛である。
「明日は休みだから、想いでの東京ディズニーランドドに行こうか?」
「大阪のUSJJがいい。ハリーポッタータが見たい。」
「そこは「あう」でしょ!?」
イスラの日本での面倒を見ているのが、保護者、安倍景子である。イスラが日本の生活で不自由しないために2人は同棲している。そして2人が初めて遊びにお出かけしたのが東京ディズニーランドドだった。もし世界に戦争がなければ、イスラは平和に暮らしていたのかもしれない。しかし戦争がなければ、イスラと阿部は出会ってないのかもしれない。
「それでは決勝戦を始めます。魔法渋谷高校と魔法世田谷高校は準備してください。」
審判が両校の生徒に声をかける。
「いよいよだね。がんばってね。イスラちゃん。」
「あう。」
「じゃあ、私は観客席で見てるからね。」
安倍はイスラの元を去って行った。
「さあ! 爆発は芸術だ! 全て粉々に吹きとばしてやる!」
安倍がいなくなったイスラは本来のテロリストの性格に戻った。
「あいつは二重人格か?」
「ブリっ子してたな。」
「怖い。」
チームメイトもイスラの変わりように戦慄を覚えるのだった。
つづく。
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