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中堅、結

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 ここは魔法高校剣道東京大会の会場の日本武道館。
「勝ったぞ! みんな!」
「泪、おめでとう!」
「リーサルウェポンの私に比べればまだまだよ。ドキ。」
 泪は渋谷高校剣道部員たちの元に戻り祝福される。
「L・O・V・E・泪! イエーイ!」
 客席では魔法自衛隊の泪への歓喜の応援が続いている。
「あいつら!? ごめん、恥ずかしいから、あいつらを黙らせてくる!」
「いってらっしゃい。」
 泪は客席に走っていった。
「中堅、前へ。」
 審判が両校の中堅の選手に試合に挑むように促す。
「結、がんばってね。」
「泪なんかには負けないんだから。私に負けの二文字はないわ。」
 試合に望む結には少しの焦りがあった。
「まさか!? あんぽんたんな泪が魔法自衛隊の増員に成功していたとは!?」
 結の仲間が予想よりも早いペースで増えていたからだ。
「あの自衛隊員たちは、未来の魔法少女の卵! そのうち名前がついて、個性がついてしまう。それまでに魔法少女事務局を作り、魔法少女は申請制にして、魔法少女の合否は私が決める! ようにしなければ!」
 結は住まいの神山町の神山財団に、勝手に魔法少女48の事務局を設立中である。
「それにしても、頭の空っぽの泪の考えじゃないな。いったい誰が泪に知恵を貸しているんだ?」
 泪のブレーンを務めているのは、AIロボットの明治天皇である。
「同期の泪には負けたくない! やはり、こちらも増員して人数を増やしていかなければいけないか。」
 泪と結は、魔法少女の第1期生として、ほぼ同時に登場したので、女同士のライバル心が強かった。
「はじめ!」
 いよいよ中堅戦が始まった。2勝している渋谷高校剣道部は、あと1勝すれば準々決勝に進むことができる。
「朝食をゆっくりと楽しみたいところだけど、仕方がない。こんな手を使いたくはなかったけど、私を刺激した泪が悪い。いでよ! お化け屋敷! ティファ・ティファ・ティファニー!」
 結は、なぜか妖怪を司る魔法少女なので、日本武道館をお化け屋敷に変えることは容易であった。
「なに!? 暗くなった!?」
「お墓に、柳が現れた!?」
「いったい何がどうなっているのよ。」
 剣道部員たちも観客も日本武道館が不気味なお化け屋敷になって驚いた。
「キャア!? 司くん怖い!?」
「大丈夫。俺がついてるよ。エビメグ。」
 カップルの海老原恵と寿司だけは幸せそうだった。
「羨ましい。」
 そして、独り身の男女から恨まれるのだった。
「ギャアアア!? おばけ!?」
 そこに妖怪たちが会場のあちらこちらに現れ始めた。
「お化けとは失礼な。こう見えても幽霊なんですから。ちゃんと見て! 足はないんだから。ねえ、コンコン。」
「コン。」
 現れたのは第12魔法少女の癒し女のおみっちゃんとペットの小妖狐のコンコンと妖怪たちだった。
「おみっちゃん、よく来てくれたわ。」
「は~い! ティファニー様! 私のファンの妖怪たちをたくさん連れてきましたよ! エヘッ。」
 一つ目小僧、唐傘、提灯お化け、のっぺらぼうなど、たくさんの妖怪が日本武道館のお化け屋敷イベントに現れた。
「これでいい。これで泪との差は無くなったわ。後はこの中から魔法少女になれる人材を育てるだけ・・・って、女の妖怪がいないじゃない!?」
 結は妖怪で魔法少女を作らなくてはいけない厳しさに直面し悩み込む。
「これは妖術!? ええーい!? 隙あり!」
 港高校剣道部員Cは結を攻撃しようとする。
「ストップ!」
「え?」
 結の声に港高校剣道部員Cは静止した。
「私は縁を結ぶけど、逆は呪いもかけるわよ。それでもよければ攻撃しなさい。」
「呪う!? 参りました!? 助けて!? お母さん!?」
「それまで、準々決勝進出は、魔法渋谷高校。」
 魔法渋谷高校剣道部は順当に初戦を突破した。
 つづく。
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