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良、第2魔法少女、泪

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 ここは魔法自衛隊の渋谷駐屯地の一室。
「私の日常? そんなものを知りたい奴がいるのか? ストーカーにも困ったものだ。」
 泪は、自衛隊女子高生として、日本の平和のために暮らしている。
「そんなこと言わないで下さいよ。私なんか、登場するのは久しぶりなんですから。ちゅん。」
「アホー、アホー、出番を増やせー。アホー。」
「zzz。」
 泪の使い魔兼家族の雀のモノグラム、カラスのヴェルニ、フクロウのダミエである。現在、キャラクター数が増えすぎて、使い魔兼家族のマスコットキャラクターは平凡な日常用のお留守番キャラになってしまった。これでは、ぬいぐるみが売れない。困った。
「ということは、主人公は毎回登場で、主人公目線で物語を進めていくとなると、第2魔法少女の私も、主人公の友達キャラになるのか。」
 現在、魔法少女が10人以上、使い魔兼家族も10匹以上、その他、名無しのキャラクターの数が10人以上。登場させて殺さないと、永遠にキャラクター数は増え続けるのだ。敢えて言おう、もうパンクしていると。
「どうすれば、私の存在感がアップするかな?」
「軍事を司るルイヴィトン様は、やっぱり軍隊! ちゅん。」
「アホー、アホー、ふっとべー! アホー。」
「zzz。」 
 どうして私が吹き飛ばないといけないんだ? 泪は首を傾げる。
「よし! こういう自分をアピールできる時に、自分のキャラクターを確立して、登場回数を増やすんだ! 軍備増強! 火力全快! 全軍! 退避!」
 泪は自分の生きる道を見つけた。
「くらえ! 必殺! アトミック・ボム!」
 ドカーンとキノコ雲が発生する。アトミック・ボムとは、原子爆弾のことである。泪のテーマは「困った時は、吹き飛ばそう!」である。
「過ちも消せない過去も吹き飛ぶがいい。よし! リーサルウェポンの出し惜しみはもったいない。連射できるようにしよう。」
 孤高なる高みを目指すために、泪は自身のレベルアップを誓う。
「恋愛? たるんでいるな! 自衛官が恋愛なんかしたら、軍の規律が乱れるじゃないか。自衛隊の中に従軍慰安婦を作らないでくれ。」
 これが魔法自衛隊女子高生の泪の恋愛に対するストイックな価値観である。
「そうだ! せっかくの剣道モノだし、竹刀に爆弾をしかけよう! 触れた相手は吹き飛ぶのだ! ワッハッハー!」
 泪は軍事を司る魔法少女なので、どうしても武力行使に暴走気味である。
「やめて下さい!? 反則で負けますよ!? 部屋が吹き飛んだら、私たちはどこで生活するんですか!? ちゅん。」
「寝袋。テントもあるぞ。」
「アホー、アホー。」
「zzz。」
 軍隊モノで突き進むと危険だな。ここで自衛隊の階級を調べる。大佐や少佐はないことを初めて知る。
「良い事を思いついたぞ! おまえたちにそれぞれ、陸、海、空軍を与えよう!」
突然、使い魔兼家族の3鳥は、各軍事権を与えられた。
「モノグラム2等陸士!」
「ちゅん。」
「ヴェルニ2等海士!」
「アホー、アホー。」
「ダミエ2等空士!」
「zzz。」
「不安しかない。こいつらじゃダメだ。」
 アホガラスと寝ているフクロウでは軍の指揮者がいないのと同じである。
「そういう、ルイヴィトン様の階級はなんですか? ちゅん。」
「私は、陸海空の全てを指揮できる、魔法統合幕僚長だ!」
「魔法統合幕僚長!?」
 泪の階級は魔法自衛隊の最高階級であった。オリジナルな魔法階級である。
「やっぱりCPUで陸海空自衛隊員ABCを登場させようかな? こいつらじゃ、戦争したら負けちゃうわ。ホエー。」
 泪の軍事色が強くなった。ヒットラーのような独裁思考も生まれそうで怖い。
「日本の平和は私に任せなさい! 世界制覇だ! くらえ! 原爆魔法アトミック・ボム!」
 ドカーンっと泪の個性が強くなった。

つづく。
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