31 / 48
4-13
しおりを挟む
「困ったな。」
美代先生が困っている。
「どうしたんですか?」
「キュル?」
心配してみなみちゃんとパンパンが尋ねる。
「絶好調過ぎて、1話2000字の縛りが苦しい。」
今回は1話2000字で30話60000字がノルマであり、2000字オーバーでクローズしないといけないので、前回のお寿司屋さん編もダイジェスト虫歯治療同様、中途半端な終わり方になってしまった。
「先生、そんなに気にしなくていいんじゃないですか?」
「キュル。」
意外と平然としている歯科助手とパンダ。
「どうして?」
なぜか尋ねる歯科医師。
「だってラノベですから。」
「キュル。」
無邪気な笑顔を見せる歯科助手とパンダ。
「そっか! ラノベだ! ラノベだったんだ!」
「ラノベですよ!」
「キュル!」
「ハハハハハ!」
決してラノベは恥ずかしいモノではありません。
「違う! ちゃんと2000字で話がまとまるような編成で文章を書けと言ってるんだ!」
美代先生の本心である。
「まあまあ、ラノベですから。」
「キュル。」
「そうだね。ラノベだね。」
「ハハハハハ!」
「違う!!!」
この件は噛めば噛むほど味が出て抜け出せなくなるので、2回でやめておこう。
「ああ・・・こんなことをやってる間に1話の4分の1も使ってしまった。」
祝500字越え。
「前回の反省を起承転結の起でいいんじゃないですか? 話もつながりますしね。」
「キュル。」
さすが、みなみちゃん。いいこと言うね。
「ということは、起承転結の結は、歯科モノらしく、虫歯との戦いだ。」
美代先生もナイスアイデア。
「起承転結の承転はどうしましょう?」
「しょうてん?」
美代先生に笑いのネ申が降臨する。
「ちゃ、らん、美代です! 座布団くれ!」
「パンパン、美代先生の座布団を全部持っていって!」
「キュル!」
歯科医みなみちゃん、回答者は美代先生、座布団運びパンパンである。
「それは笑点です!?」
「キュル!?」
「失礼しやした。」
着物姿の美代先生は反省して去って行く。
「ほら! アホなことをやってるから、800字を超えましたよ! どうするんですか?」
「キュル!」
怒りに荒れ狂う歯科助手とパンダ。
「そんなに怒らないで、出前とってもいいから。」
美代先生は観念して、話題を変えようとする。
「やったー! 出前だ!」
「キュル! キュル!」
出前に喜ぶ歯科助手とパンダ。
「勝った。」
勝利のブイサインをする歯科医師。
「新規開拓したお寿司屋さんにしましょう!」
「キュル!」
全話で悪の歯科助手とパンダの魔の手に落ちたお寿司屋さんである。
「ええ!? ラーメンじゃないの!?」
歯科医師は無類のラーメン好きの信者である。
「美代先生は座布団を取られたペナルティーです。」
「キュル。」
「そんな・・・。」
やっぱり落胆する美代先生の負けであった。
「いいじゃないですか。どうせ税金からぼったくる不正請求なんですから。」
「そうだね。・・・ん!? 違う!? 医者なら、みんながやっていることじゃないか!? ・・・ん!? 違う!? 私は無実だ!? 不正請求はやってないぞ!?」
「はいはい。」
「キュルキュル。」
身の潔白を主張するが信じてもらえない歯科医師。
「もしもし、渋谷塚寿司ですか?」
「はい、渋谷塚寿司です。」
歯科助手は出前の電話をかけ始める。
「マグロ100貫お願いします。」
「はい? 当店は出前はしておりません。」
渋谷塚寿司は出前は行っていなかった。
「みなみです。」
「キュル。」
電話の受話器に鳴き声を聞かせるパンダ。
「ギャアアア!? 未成年とパンダ!? 殺される!?」
受話器の向こうから悲鳴が聞こえ、大人しくなった。どうやら電話に出たホール係の女性は気を失ったようだ。
そして5分後。
「渋谷塚寿司の特別出前サービスです。」
お寿司の職人さんがネタとシャリを持って美代歯科医院までやって来た。
「やったー! お寿司だ!」
「キュル!」
喜ぶ歯科助手とパンダ。
「これでいいのかな?」
こんな物語でいいのか、方向性に疑問を感じる歯科医師。
「なにを握りましょうか?」
「マグロ!」
「キュル!」
みなみちゃんは回転寿司やカウンター寿司を飛び超えて、自宅にデリバリー寿司を手に入れた。
「へい! マグロとキュルです!」
寿司職人さんが手際よくお寿司を握る。
「やったー! マグロだ!」
みなみちゃんにはマグロ。
「キュル!」
「パンダには、シャリの上にマグロの代わりに笹をのせて握りました!」
「キュル!」
笹握りに、パンパン大喜び。
「職人さん、やるね!」
「こっちも店を壊されないように必死ですから!」
「ハッハハハ!」
なぜか妙な連帯感のような緊張が一同である。
「みなみちゃん、お礼に寿司職人さんの歯を見てあげて。」
「ええ!? みなみはお寿司を食べたていたいです!」
「私、雇い主。みなみちゃんは雇われている人。」
「・・・はい。」
ここで字数が1900字、危険水域である。
「職人さん、治療室へ、どうぞ。」
「え!? 私は別に歯の治療なんていいですよ!?」
「それは、こっちが困るんです。寿司屋、壊すぞ?」
「ええ!? いやーちょうど歯が痛かったんですよね!? 歯を見て下さい!?」
「みなみちゃんよろしく。」
「はい。」
ここで2100字・・・ダイジェスト治療で、どうぞ。
「みなみ、いきます!」
「みなみに治せない虫歯は無い!」
「くらえ! クリーニング波動砲!」
「白い歯って、いいな。」
こうして歯科モノの作品を守っているのであった。
「パンパン、お寿司もおいしいな。」
「キュル。」
「まあ、ラーメンには負けるけどね。」
「キュル。」
みなみちゃんと歯が真っ白くなった寿司職人は放置で、お寿司を楽しむ歯科医師とパンダであった。
つづく。
美代先生が困っている。
「どうしたんですか?」
「キュル?」
心配してみなみちゃんとパンパンが尋ねる。
「絶好調過ぎて、1話2000字の縛りが苦しい。」
今回は1話2000字で30話60000字がノルマであり、2000字オーバーでクローズしないといけないので、前回のお寿司屋さん編もダイジェスト虫歯治療同様、中途半端な終わり方になってしまった。
「先生、そんなに気にしなくていいんじゃないですか?」
「キュル。」
意外と平然としている歯科助手とパンダ。
「どうして?」
なぜか尋ねる歯科医師。
「だってラノベですから。」
「キュル。」
無邪気な笑顔を見せる歯科助手とパンダ。
「そっか! ラノベだ! ラノベだったんだ!」
「ラノベですよ!」
「キュル!」
「ハハハハハ!」
決してラノベは恥ずかしいモノではありません。
「違う! ちゃんと2000字で話がまとまるような編成で文章を書けと言ってるんだ!」
美代先生の本心である。
「まあまあ、ラノベですから。」
「キュル。」
「そうだね。ラノベだね。」
「ハハハハハ!」
「違う!!!」
この件は噛めば噛むほど味が出て抜け出せなくなるので、2回でやめておこう。
「ああ・・・こんなことをやってる間に1話の4分の1も使ってしまった。」
祝500字越え。
「前回の反省を起承転結の起でいいんじゃないですか? 話もつながりますしね。」
「キュル。」
さすが、みなみちゃん。いいこと言うね。
「ということは、起承転結の結は、歯科モノらしく、虫歯との戦いだ。」
美代先生もナイスアイデア。
「起承転結の承転はどうしましょう?」
「しょうてん?」
美代先生に笑いのネ申が降臨する。
「ちゃ、らん、美代です! 座布団くれ!」
「パンパン、美代先生の座布団を全部持っていって!」
「キュル!」
歯科医みなみちゃん、回答者は美代先生、座布団運びパンパンである。
「それは笑点です!?」
「キュル!?」
「失礼しやした。」
着物姿の美代先生は反省して去って行く。
「ほら! アホなことをやってるから、800字を超えましたよ! どうするんですか?」
「キュル!」
怒りに荒れ狂う歯科助手とパンダ。
「そんなに怒らないで、出前とってもいいから。」
美代先生は観念して、話題を変えようとする。
「やったー! 出前だ!」
「キュル! キュル!」
出前に喜ぶ歯科助手とパンダ。
「勝った。」
勝利のブイサインをする歯科医師。
「新規開拓したお寿司屋さんにしましょう!」
「キュル!」
全話で悪の歯科助手とパンダの魔の手に落ちたお寿司屋さんである。
「ええ!? ラーメンじゃないの!?」
歯科医師は無類のラーメン好きの信者である。
「美代先生は座布団を取られたペナルティーです。」
「キュル。」
「そんな・・・。」
やっぱり落胆する美代先生の負けであった。
「いいじゃないですか。どうせ税金からぼったくる不正請求なんですから。」
「そうだね。・・・ん!? 違う!? 医者なら、みんながやっていることじゃないか!? ・・・ん!? 違う!? 私は無実だ!? 不正請求はやってないぞ!?」
「はいはい。」
「キュルキュル。」
身の潔白を主張するが信じてもらえない歯科医師。
「もしもし、渋谷塚寿司ですか?」
「はい、渋谷塚寿司です。」
歯科助手は出前の電話をかけ始める。
「マグロ100貫お願いします。」
「はい? 当店は出前はしておりません。」
渋谷塚寿司は出前は行っていなかった。
「みなみです。」
「キュル。」
電話の受話器に鳴き声を聞かせるパンダ。
「ギャアアア!? 未成年とパンダ!? 殺される!?」
受話器の向こうから悲鳴が聞こえ、大人しくなった。どうやら電話に出たホール係の女性は気を失ったようだ。
そして5分後。
「渋谷塚寿司の特別出前サービスです。」
お寿司の職人さんがネタとシャリを持って美代歯科医院までやって来た。
「やったー! お寿司だ!」
「キュル!」
喜ぶ歯科助手とパンダ。
「これでいいのかな?」
こんな物語でいいのか、方向性に疑問を感じる歯科医師。
「なにを握りましょうか?」
「マグロ!」
「キュル!」
みなみちゃんは回転寿司やカウンター寿司を飛び超えて、自宅にデリバリー寿司を手に入れた。
「へい! マグロとキュルです!」
寿司職人さんが手際よくお寿司を握る。
「やったー! マグロだ!」
みなみちゃんにはマグロ。
「キュル!」
「パンダには、シャリの上にマグロの代わりに笹をのせて握りました!」
「キュル!」
笹握りに、パンパン大喜び。
「職人さん、やるね!」
「こっちも店を壊されないように必死ですから!」
「ハッハハハ!」
なぜか妙な連帯感のような緊張が一同である。
「みなみちゃん、お礼に寿司職人さんの歯を見てあげて。」
「ええ!? みなみはお寿司を食べたていたいです!」
「私、雇い主。みなみちゃんは雇われている人。」
「・・・はい。」
ここで字数が1900字、危険水域である。
「職人さん、治療室へ、どうぞ。」
「え!? 私は別に歯の治療なんていいですよ!?」
「それは、こっちが困るんです。寿司屋、壊すぞ?」
「ええ!? いやーちょうど歯が痛かったんですよね!? 歯を見て下さい!?」
「みなみちゃんよろしく。」
「はい。」
ここで2100字・・・ダイジェスト治療で、どうぞ。
「みなみ、いきます!」
「みなみに治せない虫歯は無い!」
「くらえ! クリーニング波動砲!」
「白い歯って、いいな。」
こうして歯科モノの作品を守っているのであった。
「パンパン、お寿司もおいしいな。」
「キュル。」
「まあ、ラーメンには負けるけどね。」
「キュル。」
みなみちゃんと歯が真っ白くなった寿司職人は放置で、お寿司を楽しむ歯科医師とパンダであった。
つづく。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる