〇〇少女ワールド 3

渋谷かな

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土建屋少女

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「みんな! お友達! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
 真理亜、10億人お友達キャンペーン実施中!

「土屋から土建屋の建設業も始めてお金持ちになってきたけど、少女が土建屋もやっていていいのかしら・・・・・・ああ・・・・・・乙女の青春が・・・・・・悲しい。」
 キリアは教会の土で大儲けして、建設業も始めてガッチリ儲けていた。
「あんた、それより、しっかりアハ教の教会を守りなさいよね。」
 キリアの主は、アハ教の神、アハ神に決まった。
「あら? 真理亜ちゃん。」
「あら? 真理亜ちゃんじゃない! こんな調子でアハ教会の運営は大丈夫なの?」
「大丈夫よ。私の所で建設業も始めたから、街で必要な建物があったらスカイツリーでも五重塔でも建ててみせるわよ! アハッ!」
 しかし建設レベルは高度なモノを要するだろう。
「土の掘削で山を掘ったり爆破すれば、ダイヤモンド鉱山や石炭とか色々な資源も手に入るでしょう。」
 これで探索の様に放置していてもアイテムや資源が集められる。
「これも全てお友達の神! アハ神のお導きなのです! アハ教! 万歳! アハッ!」
「アハ教! 万歳! アハ教! 万々歳!」
「アハ教徒は、みんな、お友達! アハッ!」
 妙な所で真理亜とキリアは同じ笑顔のアハ神を崇めるお友達。
「え? 異世界ファンタジー・スキルを捨てる?」
「はい。なるたけライト文芸で現代ドラマにしようと思うと予算のかかるCG加工や、超能力や呪文といったたぐいのモノは捨てないといけないの。」
「それで盛り上がるかしら?」
「全ての物語は普通。あとは演出家の演出次第よ。」
 困っている人を助けてお友達になる。これが〇〇少女ワールドのテーマである。
「良かったわね。」
「なにが?」
「真理亜ちゃん、あなた剣を使わないで蹴りが好きでしょ。」
「蹴りじゃないわよ。タイキックよ。」
「江戸時代モノなら「騙し剣、真理亜」とかで剣はフェイクで、敵を倒す時は蹴りでいいのよ。」
 次回作は江戸時代モノにしよう。
「そうか。現代ドラマはパンチやキックで敵を倒すのか。うん、納得。」
「ただの青春ヤンキーモノよ。」
 バッサリ切り捨てるキリア。
「まずは困っている人を考えよう。」
「石につまずいた人。電信柱にぶつかった人。鳥の糞が空から降って来て幸運にも当たった人など。」
「世の中、困ったちゃんばっかりね。」
 一番の困ったちゃんは、おまえたちだ。
「石を蹴り飛ばし、電信柱を蹴り倒し、鳥の糞を蹴り返す・・・・・・さすがに糞は嫌かも。」
 悲しみを蹴り飛ばす、ハイトレンドな〇〇少女ワールド。
「私とお友達になろう! お友達になるまで離れないからね! アハッ!」
 お友達勧誘のストーキング、それが〇〇少女ワールド。
「からのアハ教にも強制入会! これで今日からあなたもアハ教徒! 全世界にお友達の笑顔のための宗教! アハ教が布教されるのね! アハッ!」
 お友達の笑顔の宗教、それがアハ教の経典が完成しつつある。恐るべし。
「アハッ!」
「アハッ!」
「いくそ! お友達がいれば何でもできる! 1! 2! 3! アハッ!」
 アハ教の信者のフェスティバルは大盛況である。
「アハッ!」
「アハッ!」
 お金持ちのアハ教徒から多額の寄付をもらい、全世界にアハ教の支部がたくさんある。
「お友達と笑顔で全世界を征服してやる! アハッ!」
 完全な悪の秘密結社!
「世界は私のものだ! アハッ!」
 笑顔の裏の顔!
「お友達に笑っているだけで、私は世界を手に入れるのだ! アハッ!」
 アハ教は困っている人々を助けたい。決して上層部が高いお給料をもらいたい訳ではない。アハ教は、ユネスコや赤十字、WHOを目指している。
「こらー! 悪ノリし過ぎよ! そろそろ戻ってこい! PTAから苦情がくるぞ!」
「シスターとして、つい・・・・・・アハッ!」
 笑って誤魔化していれば何でも許されるのだ。
「大切なものは、お友達と笑顔のアハ教! あなたもアハ教に入会しませんか? アハッ!」
 宗教の勧誘アニメ作品ぽくなってきたが、きれいにまとめたところで次回に続く。
 つづく。
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