〇〇少女ワールド ３

演歌少女

「こんな私でも見捨てないで！　だってお友達でしょ！　アハッ！」
　真理亜、お友達１００万人キャンペーン実施中。
「よくこれだけの発想が湧くわね。」
　魔法少女アリアは質問する。
「全てはタイキックの導くままに！」
　答える真理亜。
「サイキック！　真理亜ちゃん、少しズレてるよ。」
「アハッ！」
　お約束の展開である。
「アイドルのグループ名は、フレンズでなくても、○○少女４７とかで良かったんじゃない？」
「アハ神のお告げがあったの。」
「アハ教！？　神のお告げだ！？」
　アハ教徒の崇める神の存在が明らかになった。
「○○少女は作品のタイトルだし、どこかのアイドルのパクリみたいだから、グループ名は王道にしなさいと！　アハッ！」
「でも、都道府県少女４７は使用するんでしょ。」
「その通り！　さすがアリアちゃん。」
「まりあちゃんとは長い付き合いだから何でもお見通しだよ。」
「アハッ！」
　ああ～！　素晴らしき！　お友達！
「ちなみに世界の国の数は１９６らしいわよ。」
「〇〇少女ワールドだから国際的だね。」
「アハッ！」
　企画に困れば世界１９６か国の○○少女もあらわれるだろう。
「あれ？　〇〇少女ワールドって、アイドル物語だったかしら？」
　スマホのリズムゲーム化されるための苦肉の策である。
「何でもありだからいいのよ！　それに新しい○○少女が現れないんだから、悲しみと戦う必要がないのよ！　アハッ！」
　これが〇〇少女ワールド・クオリティー！
「アイドル活動をするなら、デビュー曲が必要ね。やっぱりアイドルらしいポップでキュートな、たくさんの人が笑顔になれる明るい元気な曲がいいわね。フリフリのカワイイ衣装を着て。それとも今の流行は制服で歌う方がいいのかしら？」
　魔法少女アリアは少しアイドルに憧れている。
「違うわ。着物よ。」
「着物！？」
「アイドルが着物を着て演歌を歌う！　インパクト大のデビュー曲よ！　これで多くの人々の心をゲットするのよ！　アハッ！」
　やはり真理亜の価値観は少しズレている。
「でも！？　真理亜ちゃんは演歌なんか歌えるの！？」
「歌えるわよ。それに今、若者の間でも演歌は大人気なんだから。アハッ！」
「確かに最近のポップは何を歌っているのか分からないのがランキングを占領してるからね。」
「やっぱり拳を効かせた演歌よ！　オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラー！！！！」
「違う意味で拳が聞いてるわ。さすが真理亜ちゃん、少しズレてるよ。」
　これでも少しだけと言えるアリアも少しズレている。
「演歌最高！」
　これで着物少女、歌の先生少女、レコード少女、作詞の先生少女、作曲の先生少女、きっと、きっと、もっと多くの○○少女との出会いが待っている。
　つづく。