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渋子の街、友達

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「アハッ!」
 渋子の街に敵が攻め込んできた。裏切り者のソウちゃんたちだ。
「まさに飛んで火にいる夏の虫ってね。全員、私を裏切ったことを後悔させてたる! 私の恐ろしさを思い知らせてやる! 裏切り者には死をー!!!」
 渋子は手ぐすねを引いて、準備万端で待ち構えていた。そしてセリフも盛り上がる2行まで長くして、学んだことをスキルとして有効活用する。
「あの渋子に頭がある訳がない。ただ、アハッ! と言っていれば話が進むと思っているような珍獣だ。私が倒して、日向様の寵愛を受けるのだ!」
 ソウちゃんは渋子を軽んじ、姉の日向に忠誠を誓う。
「ムムッ!? 敵か!? 前方から何かが飛んでくる。んん? 飛んでくる!?」
 前方から見覚えのある巨大ロボが飛んできた。
「ソウちゃんロボ!?」
 飛んできたのはソウちゃんロボだった。そう、渋子の味方は巨大ロボであった。
「裏切り者には死を!」
「やめろ!? ソウちゃんロボ!? 私はおまえの主だぞ!?」
「主君の渋子様を裏切るとは言語道断! 仲間を見捨てる奴は最低だ! 人間の風上にも置けない! 根性を叩き直してやる!」
「巨大ロボの分際で、それを言うか!?」
「巨大ロボットではない! 正式名称は、ジャパロボだ!」
 ソウちゃんロボは、ソウちゃんに襲い掛かる。
「ギャアアアアアアー!?」
 ソウちゃんをソウちゃんロボが踏んづけた。
「正義は勝つのだ!」
 ソウちゃんロボ、音声機能付き。技術の進歩は凄まじかった。AIは元から搭載しているのだが。ソウちゃんロボは特にギミックもない、将軍のバランス型の機体である。文武両道。
「ギャアアアアアアー!?」
「ペロ~ン。」
「ウンギャー!?」
「アベシー!?」
「プチ。」
 同じように巨大ロボを派遣されて、踏んづけられたシバちゃんたちは、自身のイメージ巨大ロボに踏んづけられて半死の病院送り。
「みんな! ありがとう!」
「全ては渋子様のために! エイエイオー! エイエイオー!」
 渋子は巨大ロボを大切にするので巨大ロボの女神として称えられた。
「やっぱり裏切る人間より、忠実な巨大ロボよね。アハッ!」
 渋子にシンデレラ・スマイルが戻った。
 つづく。
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