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砂の巨人
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「ここがダンジョンの入り口か!?」
「はい。そうです。」
土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人ゴブリンは、地底100階の魔のヤブシ再開発ダンジョンの入り口にたどり着いた。
「あの、危険! 再開発工事中! 入るな! 入る時はヘルメットの着用!」と書いてあるんだが、こんな所に入っていいのだろうか?」
「行くしかない!」
「でも、命の危険が。まだ私は死にたくないし。」
「行くしかない!」
「確かに闇の精霊ドヴェルグに奪われた、地の精霊の剣騎士の鎧を取り戻さなければいけないのは分かるんだけど。」
「行くしかない!」
「クソッ!? 誰だ!? 流行語大賞を目指す展開にした奴は!?」
「行くしかない!」
「行くしかない!」
「行くしかない!」
「行くしかない!」
「突撃!」
「おお!」
こうして土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人ゴブリンは、地底100階の魔のヤブシ再開発ダンジョンに入って行った。
「ヘルメット借りますよ? はい、ゴブリンさんも。」
「ありがとうございます。優しいんですね。ミヤゲさんって。」
もちろん二人ともヘルメット着用である。
「地下一階は、まだ明るいんだな。」
「そうですね。緊張して入って来て損しましたね。」
「本当だね。全く大袈裟な。」
地下一階は、まだ外からの光も入っているし、工事中だからだろうか、火が灯され、たいまつがたくさんあり明るい玄関といった感じだった。
「ギャアアア!?」
「あれ? 明かりが消えた?」
「暗いよ!? 怖いよ!?」
「おまえ、地底人だろうが。」
「ゴブリンでも怖いものは怖いんですよ!? ウギャアアア!?」
全てのドワーフやゴブリンが暗闇が怖くないという訳ではない。ゴブリンの中にも暗闇が怖いものがいるのだった。
「ジャン!」
何者かの声がした。
「あ、明かりがついた。」
「はあ・・・はあ・・・良かった。」
再び明かりが灯されて、ゴブリンの暗闇パニック障害が収まった。
「よく来た! 土の剣騎士よ!」
「おまえは何者だ!?」
「私の名前は、ドヴェルグ。闇の精霊だ!」
「何!? おまえが地の精霊の剣騎士の盗んだ闇の精霊か!?」
「ピンポーン! 大正解!」
なんと現れたのは、血の精霊ノームから、地の精霊の剣騎士の鎧を奪った、闇の精霊ドヴェルグだった。
「返せ! 血の精霊のソード・ナイト・アーマーを!」
「嫌だね! 返すぐらいなら、奪っていないわ!」
「ごもっともな意見だ。」
「納得しないで下さい!?」
「つい。お約束だから。はっはっは。」
土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人のゴブリンは仲良しになっていた。
「仲のいいことだ。なら二人一緒に殺してやろう。いでよ! 砂の巨人! ゴーレムよ!」
「うわあああー!? 地面が揺れる!?」
「砂が一カ所に集まっていきます!?」
闇の精霊ドヴェルグが召喚魔法を唱える。地面が揺れ出し、砂が一カ所に集められていき、巨大な砂の人形、ゴーレムを作りあげる。
「砂の巨人!?」
「これがゴーレムですか!?」
突如、現れた砂の巨人の大きさに驚愕するミヤゲとゴブリン。
「さあ! 踏み潰してしまえ! ゴーレムよ!」
「ガオオオオー!」
動き出すゴーレムは足を振り上げる。
「うわあああー!? 踏み潰される!?」
「助けてー!? ギャアアア!?」
ゴーレムに踏み潰されそうになる、絶体絶命のピンチのミヤゲとゴブリンであった。
つづく。
「はい。そうです。」
土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人ゴブリンは、地底100階の魔のヤブシ再開発ダンジョンの入り口にたどり着いた。
「あの、危険! 再開発工事中! 入るな! 入る時はヘルメットの着用!」と書いてあるんだが、こんな所に入っていいのだろうか?」
「行くしかない!」
「でも、命の危険が。まだ私は死にたくないし。」
「行くしかない!」
「確かに闇の精霊ドヴェルグに奪われた、地の精霊の剣騎士の鎧を取り戻さなければいけないのは分かるんだけど。」
「行くしかない!」
「クソッ!? 誰だ!? 流行語大賞を目指す展開にした奴は!?」
「行くしかない!」
「行くしかない!」
「行くしかない!」
「行くしかない!」
「突撃!」
「おお!」
こうして土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人ゴブリンは、地底100階の魔のヤブシ再開発ダンジョンに入って行った。
「ヘルメット借りますよ? はい、ゴブリンさんも。」
「ありがとうございます。優しいんですね。ミヤゲさんって。」
もちろん二人ともヘルメット着用である。
「地下一階は、まだ明るいんだな。」
「そうですね。緊張して入って来て損しましたね。」
「本当だね。全く大袈裟な。」
地下一階は、まだ外からの光も入っているし、工事中だからだろうか、火が灯され、たいまつがたくさんあり明るい玄関といった感じだった。
「ギャアアア!?」
「あれ? 明かりが消えた?」
「暗いよ!? 怖いよ!?」
「おまえ、地底人だろうが。」
「ゴブリンでも怖いものは怖いんですよ!? ウギャアアア!?」
全てのドワーフやゴブリンが暗闇が怖くないという訳ではない。ゴブリンの中にも暗闇が怖いものがいるのだった。
「ジャン!」
何者かの声がした。
「あ、明かりがついた。」
「はあ・・・はあ・・・良かった。」
再び明かりが灯されて、ゴブリンの暗闇パニック障害が収まった。
「よく来た! 土の剣騎士よ!」
「おまえは何者だ!?」
「私の名前は、ドヴェルグ。闇の精霊だ!」
「何!? おまえが地の精霊の剣騎士の盗んだ闇の精霊か!?」
「ピンポーン! 大正解!」
なんと現れたのは、血の精霊ノームから、地の精霊の剣騎士の鎧を奪った、闇の精霊ドヴェルグだった。
「返せ! 血の精霊のソード・ナイト・アーマーを!」
「嫌だね! 返すぐらいなら、奪っていないわ!」
「ごもっともな意見だ。」
「納得しないで下さい!?」
「つい。お約束だから。はっはっは。」
土の剣騎士ミヤゲと邪悪なる小人のゴブリンは仲良しになっていた。
「仲のいいことだ。なら二人一緒に殺してやろう。いでよ! 砂の巨人! ゴーレムよ!」
「うわあああー!? 地面が揺れる!?」
「砂が一カ所に集まっていきます!?」
闇の精霊ドヴェルグが召喚魔法を唱える。地面が揺れ出し、砂が一カ所に集められていき、巨大な砂の人形、ゴーレムを作りあげる。
「砂の巨人!?」
「これがゴーレムですか!?」
突如、現れた砂の巨人の大きさに驚愕するミヤゲとゴブリン。
「さあ! 踏み潰してしまえ! ゴーレムよ!」
「ガオオオオー!」
動き出すゴーレムは足を振り上げる。
「うわあああー!? 踏み潰される!?」
「助けてー!? ギャアアア!?」
ゴーレムに踏み潰されそうになる、絶体絶命のピンチのミヤゲとゴブリンであった。
つづく。
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