8 / 20
エヘッ! 8
しおりを挟む
「やって来ました! ノッティンガム!」
おみっちゃんたちは学生さんがたくさん住んでいると言われるノッティンガムにやって来た。
「わ~い! きれいな街! 私、こういう所でも歌ってみたいな! エヘッ!」
美しい街並みに大喜びのおみっちゃん。
「このきれいな街もおみっちゃんの歌の前に滅ぶんだろうね。」
女将さんの嫌な予感はだいたい当たる。
「おみっちゃん、歌を歌う前に茶店の準備をしな。」
なんとしても、おみっちゃんに歌を歌わせない女将さん。
「ええー!?」
嫌そうな声をあげるおみっちゃん。
「お給料なしでもいいんだね?」
脅しにはいる女将さん。
「それだけはご勘弁を! はい! 直ぐに茶店の準備をします!」
おみっちゃんはパワハラに弱かった。
「ふ~う。これで大丈夫っと。」
額の汗を拭う女将さん。
「それにしても、やっぱり黒の組織パパラッチは王位継承権争いをしている誰かに呼び出されたんだね。」
女将さんは黒の組織パパラッチの幹部の火の魔神イフリートの言葉を思い出していた。
「そうですね。でも、いったい誰が!?」
シャーロット王女も戦々恐々である。
「きっとカミラよ! カミラが私を殺すためにパパラッチと契約したのよ!」
ダイアナは私情の恨みが混じった意見である。
「おばあ様。よっぽどおばあちゃんを恨んでいるのね。」
カミラは元旦那のチャールズの浮気相手で現在の妻である。
「結婚って何なんだろう?」
お金がないものがお金がある者に体を売る奴隷契約なのかもしれない。
「私! 結婚しない! イギリス王室の血筋が途絶えたって知るものか!」
シャーロット王女の独身宣言。
「カミラめ! 私だけでなくカワイイ孫娘の命まで狙うなんて許せない! 呪い殺してやる!」
ダイアナは呪術を始める。
「こいつらがイギリス王室だと思うと、イギリスの将来は暗いな。」
女将さんはイギリス王室に立ち込める暗雲を感じる。
「それにしても王室の誰が悪の組織パパラッチと契約してシャーロットを襲っているんでしょうね。」
おみっちゃんらしくない良い質問をする。
「だからカミラだって!」
ダイアナはあくまでカミラを敵視する。
「黙れ。ダイアナ。悪霊になってるよ。」
女将さんはダイアナを注意する。
「まあ、シャーロットの一族のチャールズ派ではないだろう。」
ダイアナのカミラ陰謀説は否定された。
「残りの3人の兄弟がアンドルー、エドワード、アンね。」
エリザベス女王の子供がチャールズを含め4兄弟である。
「これは乗り込んで直接会ってみるしかないですね?」
おみっちゃんは純粋な意見を言ってみた。
「あら? おみっちゃんにしては良い意見だね。」
女将さんも思わず関心する。
「私はやればできる子です! エヘッ!」
笑って見せるエヘ幽霊。
「でも、どこに行けば会えるんだい? 王族には?」
女将さんはイギリスの土地には詳しくなかった。
「基本的にはロンドンです。バッキンガム宮殿にいます。」
王族はロンドンにいるらしい。
「でも別荘で休暇していたり、巡回で地方にも行くことはありますよ。」
イベントがあればロンドン以外でも会えるみたいだ。
「きっとノッティンガムにも誰か来てるはずです。」
シャーロットは王族がノッティンガムにいるという。
「私、調べてきますね。」
ダイアナは町に王族の情報を集めに行った。
「しまった!? 既におみっちゃんの歌の犠牲になっている王族がいるかもしれないね。」
恐るべし! おみっちゃんのデスボイス!
「私の夢は江戸で歌姫になることです! 私の歌を聞いて死んだのなら本望でしょうね! エヘッ!」
自分は音痴だと想像したことがないエヘ幽霊。
「おみっちゃんに教えてあげましょうか? 自分が音痴だってことを。」
シャーロットは怖いものが見たい。
「やめときな。イギリスが大怪獣おみっちゃんの前に滅び去るよ。」
女将さんはショックでおみっちゃんは大怪獣に変身するという。
「アン王女がノッティンガムにいるそうですよ。」
ダイアナが情報をしいれて戻ってきた。
「よし! 早速アン王女に会いに行こう!」
「おお!」
おみっちゃんたちはアン王女の元に向かう。
「ごめん下さい。どちら様ですか? おみっちゃんです。どうぞ。失礼します。」
おみっちゃんはアン王女の別荘にやってくる。
「これって不法侵入ですよね?」
「いいのよ。どうぞって言われたもの。エヘッ!」
これも忍法、一人開閉の術にしよう。エヘ幽霊は何でもありなのだ。
「アン王女はどこにいるのかしら?」
おみっちゃんたちはアン王女の別荘の中を探す。
「あなたたちは何者ですか?」
そこにアン王女のメイドが現れ、おみっちゃんたちを発見する。
「勝手に入って来ないで下さい! 警察を呼びますよ!」
お怒りなメイド。
「ちゃんと挨拶しましたよ!? そしたら「どうぞ!」って言われました!?」
弁解するおみっちゃん。
「それなら仕方がありませんね。」
納得するメイド。
「はあっ!?」
その時、メイドは何かに気づいた。
「シャーロット王女! シャーロット王女ではありませんか!?」
メイドはシャーロットに気づく。
「ケーキの食べ過ぎでお腹を痛めて死んだと聞きましたが生きておいでだったんですね!?」
シャーロット死亡説あるある。
「私は何をどうやって死んだことになっているのよ?」
シャーロットは悪の組織パパラッチに暗殺されたことになっている。
「リヴァさん、どうしたんですか? お客様ですか?」
騒いでいるとおばあちゃんがやってくる。
「あ、あなたはシャーロット!?」
「アンおばあ様!」
シャーロット王女はアン王女と再会する。
「シャーロット! あなた生きていたのね! 良かった!」
「アンおばあ様!」
シャーロットとアンは感動の再会を泣きながら抱きしめあい喜んだ。
「シャーロット、よく生きていたね。本当に心配したんだよ。」
「この人達が私を助けてくれたんです。」
シャーロットはおみっちゃんたちを紹介する。
「私はおみっちゃん! 夢は江戸で歌姫になることです! エヘッ!」
いつも通りの長い自己紹介をするエヘ幽霊。
「シャーロットを助けたんだから謝礼は弾んでもらえるんだろうね?」
いつも通りの女将さん。
「シャーロット王女様の侍女のダイアナです。」
自分を偽る元王妃のダイアナ。
「あれ? あなたはどこかで見たことがあるような?」
アン王女はダイアナを生前に見たことがある。
「ひ、人違いですよ。オッホッホー!」
笑って誤魔化すダイアナ。
「みなさん、ありがとうございます。よくぞ、可愛いシャーロットを守ってくれました。」
深々と頭を下げるアン王女。
「それほどでも。私とシャーロットはお友達ですから、困った時は助け合うのが友情です。エヘッ!」
おみっちゃんとシャーロットは友達。
「そうですよ。それにシャーロットはよく働く子ですからね。カワイイ看板娘が手に入って、アホな男客が増えて丸儲けさせてもらってますよ。いざとなったら身代金をイギリス王室に請求できますからね。イヒッ!」
女将さんはシャーロットを金づるにしか思っていない。
「あんたたち、本当にシャーロットの友達かい?」
おみっちゃんと女将さんに不信感を抱くアン王女。
「ごめんなさい。おばあ様。これでも命の恩人なのよ・・・・・・。」
シャーロットのメンツは丸つぶれ。
「アンおばあ様。黒の組織パパラッチって知ってる?」
シャーロットは本題を切り出す。
「知っているよ。あんたの亡くなったおばあちゃんのダイアナもパパラッチに暗殺されたんだよ。」
やはいダイアナが死んだのは黒の組織パパラッチの仕業だった。
「今、私はパパラッチに命を狙われているの。そのパパラッチが言うには、イギリス王室の誰かに頼まれて、自分の王位継承権順位を上げるために私を殺そうとしているらしいの。」
「なんだって!?」
シャーロットはイギリス王室の誰かに命を狙われている。
「じゃあ、イギリス王室の誰かがシャーロットを狙っているっていうのかい?」
「そうなの。」
可愛そうなシャーロット。
「なんてこったい!? まさか身内が身内を襲うなんて!? 何て罰当たりな!? そんなことをしたら天に居られる神様の怒りを買ってしまうよ!?」
アン王女は怒り嘆く。
「おばあ様。誰かイギリスの王族の中で悪の組織パパラッチとつながりがありそうな人を知らないかしら?」
シャーロットはイギリス皇室とパパラッチのつながりを調べたい。
「どうだろう? 分からないね。私は高齢で一人暮らしだから、もう王位継承権なんて興味はないからね。あんたに悪意を抱くとしたら若い世代じゃないかね?」
アン王女はシャーロット世代が怪しいと考える。
「そうよね。おばあ様は子供もいないし、王位なんて狙わないわよね。」
「そうだよ。私は後は死ぬだけさ。」
シャーロットはアン王女をパパラッチと関係がある人間から外した。
「出てこい! シャーロット王女! 出てこないとノッティンガムを火の海にしてやるぞ!」
その時、外からシャーロットを名指しする大きな声が聞こえた。
「なに!?」
「外からだ!? 行ってみよう!」
シャーロットたちは外が見えるバルコニーに行く。
「俺は黒の組織パパラッチの幹部のブラック・ドラゴンだ!」
暗雲と共にブラック・ドラゴンが現れた。
「出たな! パパラッチ!」
「ブラック・ドラゴン!?」
「あいつは黒竜!?」
女将さんは黒竜を知っているみたいだ。
「黒竜は竜の中で最強に強いんだよ!? 危ないよ!? おみっちゃん!?」
「大丈夫ですよ! 私は聖竜や竜神、冥王竜、破壊竜、土石竜など何匹でも竜は呼び出せますからね! エヘッ!」
おみっちゃんの竜コレクション。
「あんたいつの間に、そんなにたくさん竜を集めたんだい?」
「詳しくはおみちゃん竜を集める編をご覧ください。エヘッ!」
そんなシリーズはないエヘ幽霊。
「私はここだ! 逃げも隠れもしないぞ!」
シャーロットは自ら大声を出してブラック・ドラゴンの注意を引き付けてノッティンガムの街を守ろうとする。
「見つけたぞ! シャーロット王女! ここがおまえの墓場になるのだ! くらえ! 黒竜破!」
ブラック・ドラゴンが黒い炎を口から吐き出す。
「おみっちゃん。発声練習をしていいよ。」
女将さんがおみっちゃんに発声練習を許可する。
「いいんですか?」
いちいち確認するおみっちゃん。
「いいからさっさと発声練習をするんだよ!」
このやり取りの間も黒い炎は近づいてくる。
「耳栓! 用意!」
女将さん、シャーロット、ダイアナは耳栓をする。
「は~い! あ! い! う! え! え! お! あ! お! あ!」
おみっちゃんが発声練習を始めた。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。もちろん発生練習も普通の発生練習なはずがない。
「なに!? 俺の黒い炎が砕かれていく!? いったい何が起こっているんだ!?」
おみっちゃんの発生練習の声が黒い炎にヒビを入れ砕いていく。
「おみっちゃん! 発生練習をおやめ!」
「モゴモゴモゴ!? 何するんですか!? 女将さん!? 人が気持ちよく発生練習をしているのに!?」
女将さんがおみっちゃんの口を手で強引に防ぐ。
「もういいんだよ! おやめ!」
「歌えって言ったり、歌うなって言ったり、女将さんは我儘だな。エヘッ!」
おみっちゃんは女将さんを我儘だと思った。
「クソッ!? いったい何が起こっているんだ!?」
ブラック・ドラゴンは予想外の出来事が起こっているので混乱していた。
(引きなさい! ブラック・ドラゴン!)
その時、ブラック・ドラゴンに女の声でテレパシーが送られる。
「はっ!? あなた様は!? マスター!?」
ブラック・ドラゴンはバルコニーにいるおみっちゃんたちの中で誰かを見つけた。
(この場は引きなさい! ブラック・ドラゴン!)
また女の声がした。
「承知いたしました。」
ブラック・ドラゴンは反転して空に去って行った。
「おお! ブラック・ドラゴンが帰って行くぞ!」
「なんて恐ろしいおみっちゃんの歌なんだ!」
結果的におみっちゃんはノッティンガムの街を救った。
「ありがとうございます。シャーロット、あなたたちのおかげで街が救われたのよ。まさにあなたたちは救世主よ。」
アン王女はシャーロットたちを褒めたたえる。
「いや~、それほどでも。エヘッ!」
褒められて可愛い子ぶるエヘ幽霊。
「アンおばあ様。ありがとうございました。他の王族の方にも会ってみます。」
「そうだね。それがいいわ。」
「行ってきます!」
シャーロットたちは次の冒険に出かけることにした。
「マスター。まさかあなた様がノッティンガムにいらっしゃったとは。」
人の姿をした物が膝間ついている。
「私のいる時に事件が起こるのはよくありませんからね。」
アン王女だ。マスターと呼ばれている人物の正体はアン王女であった。
「そうだ。ブラ、力があるからと言って破壊すれば良いというものではない。」
そこにアン王女のメイドたちが現れる。
「リー、リヴァ、イフ。おまえたちもいたのか。」
アン王女の周りには3人のメイドがいる。
「当然だ。我がマスターを一人にする訳がない。」
「我々はマスターと共に。」
メイドたちがアン王女に忠誠を誓っている。
「面白くなってきましたね。王位継承権争い。シャーロットがどれだけできるのか楽しみだわ。オッホッホー!」
ノッティンガムにアン王女の笑い声が木霊する。
つづく。
おみっちゃんたちは学生さんがたくさん住んでいると言われるノッティンガムにやって来た。
「わ~い! きれいな街! 私、こういう所でも歌ってみたいな! エヘッ!」
美しい街並みに大喜びのおみっちゃん。
「このきれいな街もおみっちゃんの歌の前に滅ぶんだろうね。」
女将さんの嫌な予感はだいたい当たる。
「おみっちゃん、歌を歌う前に茶店の準備をしな。」
なんとしても、おみっちゃんに歌を歌わせない女将さん。
「ええー!?」
嫌そうな声をあげるおみっちゃん。
「お給料なしでもいいんだね?」
脅しにはいる女将さん。
「それだけはご勘弁を! はい! 直ぐに茶店の準備をします!」
おみっちゃんはパワハラに弱かった。
「ふ~う。これで大丈夫っと。」
額の汗を拭う女将さん。
「それにしても、やっぱり黒の組織パパラッチは王位継承権争いをしている誰かに呼び出されたんだね。」
女将さんは黒の組織パパラッチの幹部の火の魔神イフリートの言葉を思い出していた。
「そうですね。でも、いったい誰が!?」
シャーロット王女も戦々恐々である。
「きっとカミラよ! カミラが私を殺すためにパパラッチと契約したのよ!」
ダイアナは私情の恨みが混じった意見である。
「おばあ様。よっぽどおばあちゃんを恨んでいるのね。」
カミラは元旦那のチャールズの浮気相手で現在の妻である。
「結婚って何なんだろう?」
お金がないものがお金がある者に体を売る奴隷契約なのかもしれない。
「私! 結婚しない! イギリス王室の血筋が途絶えたって知るものか!」
シャーロット王女の独身宣言。
「カミラめ! 私だけでなくカワイイ孫娘の命まで狙うなんて許せない! 呪い殺してやる!」
ダイアナは呪術を始める。
「こいつらがイギリス王室だと思うと、イギリスの将来は暗いな。」
女将さんはイギリス王室に立ち込める暗雲を感じる。
「それにしても王室の誰が悪の組織パパラッチと契約してシャーロットを襲っているんでしょうね。」
おみっちゃんらしくない良い質問をする。
「だからカミラだって!」
ダイアナはあくまでカミラを敵視する。
「黙れ。ダイアナ。悪霊になってるよ。」
女将さんはダイアナを注意する。
「まあ、シャーロットの一族のチャールズ派ではないだろう。」
ダイアナのカミラ陰謀説は否定された。
「残りの3人の兄弟がアンドルー、エドワード、アンね。」
エリザベス女王の子供がチャールズを含め4兄弟である。
「これは乗り込んで直接会ってみるしかないですね?」
おみっちゃんは純粋な意見を言ってみた。
「あら? おみっちゃんにしては良い意見だね。」
女将さんも思わず関心する。
「私はやればできる子です! エヘッ!」
笑って見せるエヘ幽霊。
「でも、どこに行けば会えるんだい? 王族には?」
女将さんはイギリスの土地には詳しくなかった。
「基本的にはロンドンです。バッキンガム宮殿にいます。」
王族はロンドンにいるらしい。
「でも別荘で休暇していたり、巡回で地方にも行くことはありますよ。」
イベントがあればロンドン以外でも会えるみたいだ。
「きっとノッティンガムにも誰か来てるはずです。」
シャーロットは王族がノッティンガムにいるという。
「私、調べてきますね。」
ダイアナは町に王族の情報を集めに行った。
「しまった!? 既におみっちゃんの歌の犠牲になっている王族がいるかもしれないね。」
恐るべし! おみっちゃんのデスボイス!
「私の夢は江戸で歌姫になることです! 私の歌を聞いて死んだのなら本望でしょうね! エヘッ!」
自分は音痴だと想像したことがないエヘ幽霊。
「おみっちゃんに教えてあげましょうか? 自分が音痴だってことを。」
シャーロットは怖いものが見たい。
「やめときな。イギリスが大怪獣おみっちゃんの前に滅び去るよ。」
女将さんはショックでおみっちゃんは大怪獣に変身するという。
「アン王女がノッティンガムにいるそうですよ。」
ダイアナが情報をしいれて戻ってきた。
「よし! 早速アン王女に会いに行こう!」
「おお!」
おみっちゃんたちはアン王女の元に向かう。
「ごめん下さい。どちら様ですか? おみっちゃんです。どうぞ。失礼します。」
おみっちゃんはアン王女の別荘にやってくる。
「これって不法侵入ですよね?」
「いいのよ。どうぞって言われたもの。エヘッ!」
これも忍法、一人開閉の術にしよう。エヘ幽霊は何でもありなのだ。
「アン王女はどこにいるのかしら?」
おみっちゃんたちはアン王女の別荘の中を探す。
「あなたたちは何者ですか?」
そこにアン王女のメイドが現れ、おみっちゃんたちを発見する。
「勝手に入って来ないで下さい! 警察を呼びますよ!」
お怒りなメイド。
「ちゃんと挨拶しましたよ!? そしたら「どうぞ!」って言われました!?」
弁解するおみっちゃん。
「それなら仕方がありませんね。」
納得するメイド。
「はあっ!?」
その時、メイドは何かに気づいた。
「シャーロット王女! シャーロット王女ではありませんか!?」
メイドはシャーロットに気づく。
「ケーキの食べ過ぎでお腹を痛めて死んだと聞きましたが生きておいでだったんですね!?」
シャーロット死亡説あるある。
「私は何をどうやって死んだことになっているのよ?」
シャーロットは悪の組織パパラッチに暗殺されたことになっている。
「リヴァさん、どうしたんですか? お客様ですか?」
騒いでいるとおばあちゃんがやってくる。
「あ、あなたはシャーロット!?」
「アンおばあ様!」
シャーロット王女はアン王女と再会する。
「シャーロット! あなた生きていたのね! 良かった!」
「アンおばあ様!」
シャーロットとアンは感動の再会を泣きながら抱きしめあい喜んだ。
「シャーロット、よく生きていたね。本当に心配したんだよ。」
「この人達が私を助けてくれたんです。」
シャーロットはおみっちゃんたちを紹介する。
「私はおみっちゃん! 夢は江戸で歌姫になることです! エヘッ!」
いつも通りの長い自己紹介をするエヘ幽霊。
「シャーロットを助けたんだから謝礼は弾んでもらえるんだろうね?」
いつも通りの女将さん。
「シャーロット王女様の侍女のダイアナです。」
自分を偽る元王妃のダイアナ。
「あれ? あなたはどこかで見たことがあるような?」
アン王女はダイアナを生前に見たことがある。
「ひ、人違いですよ。オッホッホー!」
笑って誤魔化すダイアナ。
「みなさん、ありがとうございます。よくぞ、可愛いシャーロットを守ってくれました。」
深々と頭を下げるアン王女。
「それほどでも。私とシャーロットはお友達ですから、困った時は助け合うのが友情です。エヘッ!」
おみっちゃんとシャーロットは友達。
「そうですよ。それにシャーロットはよく働く子ですからね。カワイイ看板娘が手に入って、アホな男客が増えて丸儲けさせてもらってますよ。いざとなったら身代金をイギリス王室に請求できますからね。イヒッ!」
女将さんはシャーロットを金づるにしか思っていない。
「あんたたち、本当にシャーロットの友達かい?」
おみっちゃんと女将さんに不信感を抱くアン王女。
「ごめんなさい。おばあ様。これでも命の恩人なのよ・・・・・・。」
シャーロットのメンツは丸つぶれ。
「アンおばあ様。黒の組織パパラッチって知ってる?」
シャーロットは本題を切り出す。
「知っているよ。あんたの亡くなったおばあちゃんのダイアナもパパラッチに暗殺されたんだよ。」
やはいダイアナが死んだのは黒の組織パパラッチの仕業だった。
「今、私はパパラッチに命を狙われているの。そのパパラッチが言うには、イギリス王室の誰かに頼まれて、自分の王位継承権順位を上げるために私を殺そうとしているらしいの。」
「なんだって!?」
シャーロットはイギリス王室の誰かに命を狙われている。
「じゃあ、イギリス王室の誰かがシャーロットを狙っているっていうのかい?」
「そうなの。」
可愛そうなシャーロット。
「なんてこったい!? まさか身内が身内を襲うなんて!? 何て罰当たりな!? そんなことをしたら天に居られる神様の怒りを買ってしまうよ!?」
アン王女は怒り嘆く。
「おばあ様。誰かイギリスの王族の中で悪の組織パパラッチとつながりがありそうな人を知らないかしら?」
シャーロットはイギリス皇室とパパラッチのつながりを調べたい。
「どうだろう? 分からないね。私は高齢で一人暮らしだから、もう王位継承権なんて興味はないからね。あんたに悪意を抱くとしたら若い世代じゃないかね?」
アン王女はシャーロット世代が怪しいと考える。
「そうよね。おばあ様は子供もいないし、王位なんて狙わないわよね。」
「そうだよ。私は後は死ぬだけさ。」
シャーロットはアン王女をパパラッチと関係がある人間から外した。
「出てこい! シャーロット王女! 出てこないとノッティンガムを火の海にしてやるぞ!」
その時、外からシャーロットを名指しする大きな声が聞こえた。
「なに!?」
「外からだ!? 行ってみよう!」
シャーロットたちは外が見えるバルコニーに行く。
「俺は黒の組織パパラッチの幹部のブラック・ドラゴンだ!」
暗雲と共にブラック・ドラゴンが現れた。
「出たな! パパラッチ!」
「ブラック・ドラゴン!?」
「あいつは黒竜!?」
女将さんは黒竜を知っているみたいだ。
「黒竜は竜の中で最強に強いんだよ!? 危ないよ!? おみっちゃん!?」
「大丈夫ですよ! 私は聖竜や竜神、冥王竜、破壊竜、土石竜など何匹でも竜は呼び出せますからね! エヘッ!」
おみっちゃんの竜コレクション。
「あんたいつの間に、そんなにたくさん竜を集めたんだい?」
「詳しくはおみちゃん竜を集める編をご覧ください。エヘッ!」
そんなシリーズはないエヘ幽霊。
「私はここだ! 逃げも隠れもしないぞ!」
シャーロットは自ら大声を出してブラック・ドラゴンの注意を引き付けてノッティンガムの街を守ろうとする。
「見つけたぞ! シャーロット王女! ここがおまえの墓場になるのだ! くらえ! 黒竜破!」
ブラック・ドラゴンが黒い炎を口から吐き出す。
「おみっちゃん。発声練習をしていいよ。」
女将さんがおみっちゃんに発声練習を許可する。
「いいんですか?」
いちいち確認するおみっちゃん。
「いいからさっさと発声練習をするんだよ!」
このやり取りの間も黒い炎は近づいてくる。
「耳栓! 用意!」
女将さん、シャーロット、ダイアナは耳栓をする。
「は~い! あ! い! う! え! え! お! あ! お! あ!」
おみっちゃんが発声練習を始めた。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。もちろん発生練習も普通の発生練習なはずがない。
「なに!? 俺の黒い炎が砕かれていく!? いったい何が起こっているんだ!?」
おみっちゃんの発生練習の声が黒い炎にヒビを入れ砕いていく。
「おみっちゃん! 発生練習をおやめ!」
「モゴモゴモゴ!? 何するんですか!? 女将さん!? 人が気持ちよく発生練習をしているのに!?」
女将さんがおみっちゃんの口を手で強引に防ぐ。
「もういいんだよ! おやめ!」
「歌えって言ったり、歌うなって言ったり、女将さんは我儘だな。エヘッ!」
おみっちゃんは女将さんを我儘だと思った。
「クソッ!? いったい何が起こっているんだ!?」
ブラック・ドラゴンは予想外の出来事が起こっているので混乱していた。
(引きなさい! ブラック・ドラゴン!)
その時、ブラック・ドラゴンに女の声でテレパシーが送られる。
「はっ!? あなた様は!? マスター!?」
ブラック・ドラゴンはバルコニーにいるおみっちゃんたちの中で誰かを見つけた。
(この場は引きなさい! ブラック・ドラゴン!)
また女の声がした。
「承知いたしました。」
ブラック・ドラゴンは反転して空に去って行った。
「おお! ブラック・ドラゴンが帰って行くぞ!」
「なんて恐ろしいおみっちゃんの歌なんだ!」
結果的におみっちゃんはノッティンガムの街を救った。
「ありがとうございます。シャーロット、あなたたちのおかげで街が救われたのよ。まさにあなたたちは救世主よ。」
アン王女はシャーロットたちを褒めたたえる。
「いや~、それほどでも。エヘッ!」
褒められて可愛い子ぶるエヘ幽霊。
「アンおばあ様。ありがとうございました。他の王族の方にも会ってみます。」
「そうだね。それがいいわ。」
「行ってきます!」
シャーロットたちは次の冒険に出かけることにした。
「マスター。まさかあなた様がノッティンガムにいらっしゃったとは。」
人の姿をした物が膝間ついている。
「私のいる時に事件が起こるのはよくありませんからね。」
アン王女だ。マスターと呼ばれている人物の正体はアン王女であった。
「そうだ。ブラ、力があるからと言って破壊すれば良いというものではない。」
そこにアン王女のメイドたちが現れる。
「リー、リヴァ、イフ。おまえたちもいたのか。」
アン王女の周りには3人のメイドがいる。
「当然だ。我がマスターを一人にする訳がない。」
「我々はマスターと共に。」
メイドたちがアン王女に忠誠を誓っている。
「面白くなってきましたね。王位継承権争い。シャーロットがどれだけできるのか楽しみだわ。オッホッホー!」
ノッティンガムにアン王女の笑い声が木霊する。
つづく。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる