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準々決勝 鹿児島戦

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「いよいよ準々決勝だ! 今日は鹿児島代表チームが相手だ。的は人造人間に改造された桜島のいるチームだ! なにが何でも勝ち切るぞ!」
「おお!」
 具志堅監督の激励に答える沖縄代表チームの子供たち。
(人造人間だろうが、アンドロイドだろうが、俺は俺の野球をするだけだ!)
 俺は少し桜島と対決するのを楽しみにしていた。
「プレイボール!」
 いよいよ準々決勝の沖縄代表チーム対、鹿児島代表チームの試合が始まる。
「ピッチャー、那覇くん。」
 沖縄代表チームのマウンドにはエースの那覇が登場。
「桜島は4番か。この回は面白くないな。」
 那覇は気楽に第一球を投げた。
 カキーン!
「なに!?」
 那覇は鹿児島の1番バッターにセンター前ヒットを打たれた。
「タイム!」
 キャッチャーの石垣がすかさずマウンドに駆け寄る。
「ドンマイ! 那覇先輩! まぐれですよ! まぐれ!」
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
 那覇はヒットを打たれたことを怒られると思って全力で謝った。
(おい! 石垣! 気づけよ! こいつら様子がおかしいぞ!? 千代田の光速ボールが打たれたのもまぐれじゃねえ!? なにかあるんだ、カラクリが!?)
 俺は鹿児島代表チームに不気味な違和感を覚えた。
(いいだろう! 全力で相手をしてやろうじゃないか!)
 正体が分からないので俺は全力投球に切り替えた。
「ストライク! バッター! アウト!」
 俺は2番バッターを三球三振にした。
「ほお、全力投球に切り替えたか。プライドの高い千代田とは違うようだな。だが俺たちのチームの正体に気づかなければ、いつまでも不安な気持ちで試合を続けないといけないんだぜ。那覇ー!」
「ストライク! バッター! アウト!」
「ツーアウト! ツーアウト!」
「4番バッター、桜島くん!」
 1回から4番の桜島に打席が回ってしまった。この時点で9回で桜島に打席が4回あることになる。
(でたな。人造人間!)
「那覇。おまえに勝たせてやるぜ。」
 桜島は緩やかにバッターボックスに入る。
(くらえ! 桜島! これが俺のバーン・ボールだ!)
 那覇は火の玉が焦げ付くボールを投げ込む。
「ストライク!」
 桜島は打つ気がないくらいピクリとも動かないで見逃す。
(打てるもんなら! 打ってみろ!)
 那覇は第2球もバーン・ボールを投げつける。
「ストライク! ツー!」
 また桜島はバットを振らない。
(これで終わりだ!)
「ストライク! バッター! アウト! チェンジ!」
 結局、桜島は余裕でバットを振らずにベンチにニヤニヤしながら帰って行った。
(なぜ!? 桜島はバットを振らなかったんだ!?)
「悩め! 悩むんだ! 那覇! 俺たちの秘密が分かるかな! ワッハッハー!」
 不気味に笑う桜島だった。
 つづく。
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