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心の隙間に

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「いよいよ沖縄予選が始まる。我々はシード校として、予選は免除の決勝戦だけだ。練習試合も3戦3勝。向かう所敵なしだ。全国大会2連覇は確実だな。ワッハッハー!」
 具志堅監督から有難いお言葉を頂く。練習試合は3戦3勝だが、まともな試合は1試合もなかった。結局は、勝てば良いのだ。勝ったものだけが優勝できる。
「決勝戦まで暇なので、安室ちゃんとおままごとでもするです。」
「那覇! おまえは俺たちと敵情視察だ!」
「ええー!? 安室ちゃんと遊ばしてください!? 恋愛要素がないと青春とはいえませんよ!?」
 野球ばかりしていると安室ちゃんと遊ぶ時間がなかった。
「野球部は恋愛禁止だ!」
「恋愛禁止!?」
 いきなり野球部は女の子にモテない西表先輩の発案で恋愛禁止になった。
「恋愛したければ、全国制覇してからしろ!」
「全国制覇しても、オフも練習試合と地獄のトレーニングばかりじゃないですか!?」
「それが野球だ! 那覇、口答えするな!」
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
 那覇も自分自身に自信が着き、西表先輩に口答えするようになったのだが、まだまだ西表先輩が怒ると怖いので、直ぐに全力で謝る。
「よし! 野郎ども! 沖縄予選の試合を見に行くぞ!」
「おお!」
「安室ちゃん!? 助けてー!?」
 那覇たちは沖縄予選をやっている球場に行くことになった。
「ああ~最近は那覇くんもおままごとしてくれないし、一人ぼっち。寂しいな。」
 安室ちゃんは遊び相手がいなくなったので一人で暇そうに歩いていた。
「お嬢さん、一緒に遊ばない?」
「結構です。」
「お嬢さん、一緒にお茶しない?」
「結構です。」
「お嬢さん、一緒に薬しない?」
「結構です。」
 沖縄の街中には悪い大人がたくさんいて、孤独で弱っている安室ちゃんを誘惑する。
「お嬢さん、一緒にダンスしない? お金持ちになれるわよ。」
「はい! やります! お金持ちになりたいです!」
 安室ちゃんは知らないダンススクールのお姉さんに着いていってしまう。
「ここは?」
「沖縄ハブダンススクールよ。」
 安室ちゃんはダンススクールの教室にやってきた。
「まずは自己紹介するわね。私は、このダンス教室の責任者のハブ姉さんよ。」
「私は安室奈美です。みんなからは安室ちゃんと呼ばれています。」
「よろしくね。安室ちゃん。」
「はい! ハブ姉さん!」
 こうして安室ちゃんはアイドルへの第一歩を踏み出した。
 つづく。
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