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災いを封印する。その4
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「ねえねえ、ペリー。」
「なに? ちいちゃん。」
「私たち! 災いを封印! 少年少女剣客隊! 災い3体を封印成功!」
「さあ、これでライ、ザビエル、蛍のメイン3キャラは使い切ったので、災いを倒すキャラを創作しないといけないわね。」
「で、今後のスケジュールが、異世界コンと、ホラーコンなのよね。」
「私たちも既に、歴史モノ文学部兼、少年少女剣客隊みたいな感じだしね。」
「あそこに食べる部もいるしね。」
ちいとペリーの視線の先に、次から次へと何でも食べている楓がいる。食べ物をお運びしているのは実朝である。
「美味しい! おかわり!」
「唐揚げ! お蕎麦! サンマ! ボラ! カジキ!」
「楓は本当に何でも食べるな。」
「生まれ変わっても楓になりたくないな。」
「修行だ! 山にこもって修行して、僕は強くなって、個性を手に入れてみせる!」
「そんな尺はない。」
「それに、家々にいてもらわないとご先祖様を呼べる者がいないではないか。それでは困る。」
「やったー! 僕は必要とされているんだ! こんなに嬉しいことはない!」
「こいつ、バカか!?」
「災いのご先祖様を封印し終わったら、家々も封印しましょう。」
「そうしましょう。」
「僕だけにしかできないことをする! それはご先祖様を呼んでくることだ! わ~い! 見つけたぞ! 僕の居場所! 僕の生きる道! ワッハッハー!」
「家々のことは放置して、やっぱり災いは私たちで退治できるということにしましょう。」
「それがいいわ。ちいは竜の使いのお姉さんを口寄せする。私は、拳銃で撃ちまくる。楓は蛍ビームを放つ。ここよね。選択を間違えたのは。話を大きくせずに、私たちで物語を解決していき、一歩一歩、物語を作って行くべきだったわ。」
「次回作からの主人公は大変だな。プレッシャーが半端ない。」
「それでも最低二人いれば会話は成り立つしね。」
「最悪、一人で妄想の酷いキャラにしてしまえばいい。一人芝居とか、多重人格ってやつよ。」
「面白そう! でも、私たちより面白くなるのは、ちょっと嫌かな。」
「でも、ホラーさんは、そんな感じで、文学的な作品ができるわ。現代モノで実写化OKなやつ。脚本家デビューしたら、アイドルのサインもらって、ツーショットの写真をSNSに上げるんだ!」
「だから私たちの設定は、江戸明治だつっの。」
「伊勢海老食べる?」
「いらない!?」
「美味しいのにもったいない。ペロ。」
「丸飲み!? 伊勢海老を一口で丸飲みしたというのか!?」
「ブレイク・楓・タイムです。」
「いよいよ僕の出番でござるな。ここはやはり! この徳川第16代将軍! 徳川家々様の御成だ! ワッハッハー!」
「うるさいー! 席に着きなさい!」
「そんな!? 僕の出番が!?」
子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。
「いい、みんな! 新作を考えるのもいいけど、ちゃんと私の出番も用意しておいてね! もしも私の出番が減っていたら、宿題を3倍に増やすからね!」
「ゲゲゲ!?」
「3倍!?」
「それだけは嫌だ!?」
「それでは、皆さん、さようなら。」
「桜先生、さようなら。」
子供たちは寺子屋から帰って行った。
「宿題3倍は嫌だな。」
「ということで、先にご先祖様を倒してしまおうか。」
「そだね。」
「ということで、家々。ご先祖様を呼んできて。」
「どうせ僕はパシリですよ。」
「家々! キビキビ動け!」
「家々! グチグチ言わない!」
「家々! おて!」
「ワン・・・僕は犬ではない!? 思わず返事をしてしまったではないか。」
「いいな。家々くんは出番があって。羨ましいな。」
「そうか。実朝も、愛されキャラを目指したらどうでござるか?」
「やっぱり、パシリは嫌だ。バカにされて生きるなら、存在感が無くて、平和に生きれる方がいいや。」
「実朝にまで、バカにされた!? うおおおおおー!? ご先祖様を呼んできます!!!」
「結局行ったな。情けない奴め。」
「きっと、ご先祖様を呼びに行かないと、ご先祖様を呼びに行くというポジションも無くなると感じたんだろうな。」
「なんという危機察知能力だ!?」
「実朝くん。嫌なことは、嫌って言っていいんだよ。」
「うん。私には楓ちゃんがいるからね。二人なら、どんな苦難も、へっちゃらさ。」
ということで、家々がご先祖様を呼んできた。
「私は、徳川15将軍の一人、第4代将軍、徳川家綱である。」
「死んでください。」
「え?」
「口寄せの術! いでよ! 竜の使い!」
「だから、いきなり呼ぶなってるだろう!?」
「青春一直線!」
「どうして毎回、海ちゃんと火ちゃんしか出てこないの?」
「それは、制覇50話まで呼んでも、まだ竜の使いが、この二人しか出てきてないの。」
「ああ~、敵キャラの完全に歴史に名を残す者たちを描く方が楽しくなったってやつね。」
「そうそう。メインより、サブを愛するのだ。ワッハッハー!」
「海ちゃん! 火ちゃん! ご先祖様を成仏させて!」
「お安い御用だ! 海竜破!」
「青春は振り返らない! 火竜破!」
「計ったな!? 家々!?」
「ごめんなさい。ご先祖様。でも、ご先祖様を呼んでこないと、もっといじめるって言うんだ!? 僕には、こうするしかできなかったんだ!?」
「私は呼ばれてきただけなのに!? ギャアアア!?」
こうして災いの一人、家綱を成仏させた。
「こんばんわ。」
夕飯の支度をしている桜先生の家に客が来た。
「は~い。あら? みんな。どうしたの?」
「ただいま、桜お姉ちゃん。」
「災いの4体目を倒しました。」
「え? わざわざ、それを報告しに来たの?」
「だって桜先生が言ったじゃないですか? 私の出番を減らしたら、宿題を3倍にするって。」
「ええー!? 真に受けたの!? ごめんなさい。適当に言っちゃった。エヘッ。」
「冗談だったんですか!?」
「騙された!?」
「そうだ! せっかくだから夕飯を食べていきなさい。私の手作りよ。」
「やったー! ご飯だ!」
「いいんですか?」
「どうぞどうぞ。」
こうして災い退治よりも、自分の株を上げる桜先生であった。
つづく。
「なに? ちいちゃん。」
「私たち! 災いを封印! 少年少女剣客隊! 災い3体を封印成功!」
「さあ、これでライ、ザビエル、蛍のメイン3キャラは使い切ったので、災いを倒すキャラを創作しないといけないわね。」
「で、今後のスケジュールが、異世界コンと、ホラーコンなのよね。」
「私たちも既に、歴史モノ文学部兼、少年少女剣客隊みたいな感じだしね。」
「あそこに食べる部もいるしね。」
ちいとペリーの視線の先に、次から次へと何でも食べている楓がいる。食べ物をお運びしているのは実朝である。
「美味しい! おかわり!」
「唐揚げ! お蕎麦! サンマ! ボラ! カジキ!」
「楓は本当に何でも食べるな。」
「生まれ変わっても楓になりたくないな。」
「修行だ! 山にこもって修行して、僕は強くなって、個性を手に入れてみせる!」
「そんな尺はない。」
「それに、家々にいてもらわないとご先祖様を呼べる者がいないではないか。それでは困る。」
「やったー! 僕は必要とされているんだ! こんなに嬉しいことはない!」
「こいつ、バカか!?」
「災いのご先祖様を封印し終わったら、家々も封印しましょう。」
「そうしましょう。」
「僕だけにしかできないことをする! それはご先祖様を呼んでくることだ! わ~い! 見つけたぞ! 僕の居場所! 僕の生きる道! ワッハッハー!」
「家々のことは放置して、やっぱり災いは私たちで退治できるということにしましょう。」
「それがいいわ。ちいは竜の使いのお姉さんを口寄せする。私は、拳銃で撃ちまくる。楓は蛍ビームを放つ。ここよね。選択を間違えたのは。話を大きくせずに、私たちで物語を解決していき、一歩一歩、物語を作って行くべきだったわ。」
「次回作からの主人公は大変だな。プレッシャーが半端ない。」
「それでも最低二人いれば会話は成り立つしね。」
「最悪、一人で妄想の酷いキャラにしてしまえばいい。一人芝居とか、多重人格ってやつよ。」
「面白そう! でも、私たちより面白くなるのは、ちょっと嫌かな。」
「でも、ホラーさんは、そんな感じで、文学的な作品ができるわ。現代モノで実写化OKなやつ。脚本家デビューしたら、アイドルのサインもらって、ツーショットの写真をSNSに上げるんだ!」
「だから私たちの設定は、江戸明治だつっの。」
「伊勢海老食べる?」
「いらない!?」
「美味しいのにもったいない。ペロ。」
「丸飲み!? 伊勢海老を一口で丸飲みしたというのか!?」
「ブレイク・楓・タイムです。」
「いよいよ僕の出番でござるな。ここはやはり! この徳川第16代将軍! 徳川家々様の御成だ! ワッハッハー!」
「うるさいー! 席に着きなさい!」
「そんな!? 僕の出番が!?」
子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。
「いい、みんな! 新作を考えるのもいいけど、ちゃんと私の出番も用意しておいてね! もしも私の出番が減っていたら、宿題を3倍に増やすからね!」
「ゲゲゲ!?」
「3倍!?」
「それだけは嫌だ!?」
「それでは、皆さん、さようなら。」
「桜先生、さようなら。」
子供たちは寺子屋から帰って行った。
「宿題3倍は嫌だな。」
「ということで、先にご先祖様を倒してしまおうか。」
「そだね。」
「ということで、家々。ご先祖様を呼んできて。」
「どうせ僕はパシリですよ。」
「家々! キビキビ動け!」
「家々! グチグチ言わない!」
「家々! おて!」
「ワン・・・僕は犬ではない!? 思わず返事をしてしまったではないか。」
「いいな。家々くんは出番があって。羨ましいな。」
「そうか。実朝も、愛されキャラを目指したらどうでござるか?」
「やっぱり、パシリは嫌だ。バカにされて生きるなら、存在感が無くて、平和に生きれる方がいいや。」
「実朝にまで、バカにされた!? うおおおおおー!? ご先祖様を呼んできます!!!」
「結局行ったな。情けない奴め。」
「きっと、ご先祖様を呼びに行かないと、ご先祖様を呼びに行くというポジションも無くなると感じたんだろうな。」
「なんという危機察知能力だ!?」
「実朝くん。嫌なことは、嫌って言っていいんだよ。」
「うん。私には楓ちゃんがいるからね。二人なら、どんな苦難も、へっちゃらさ。」
ということで、家々がご先祖様を呼んできた。
「私は、徳川15将軍の一人、第4代将軍、徳川家綱である。」
「死んでください。」
「え?」
「口寄せの術! いでよ! 竜の使い!」
「だから、いきなり呼ぶなってるだろう!?」
「青春一直線!」
「どうして毎回、海ちゃんと火ちゃんしか出てこないの?」
「それは、制覇50話まで呼んでも、まだ竜の使いが、この二人しか出てきてないの。」
「ああ~、敵キャラの完全に歴史に名を残す者たちを描く方が楽しくなったってやつね。」
「そうそう。メインより、サブを愛するのだ。ワッハッハー!」
「海ちゃん! 火ちゃん! ご先祖様を成仏させて!」
「お安い御用だ! 海竜破!」
「青春は振り返らない! 火竜破!」
「計ったな!? 家々!?」
「ごめんなさい。ご先祖様。でも、ご先祖様を呼んでこないと、もっといじめるって言うんだ!? 僕には、こうするしかできなかったんだ!?」
「私は呼ばれてきただけなのに!? ギャアアア!?」
こうして災いの一人、家綱を成仏させた。
「こんばんわ。」
夕飯の支度をしている桜先生の家に客が来た。
「は~い。あら? みんな。どうしたの?」
「ただいま、桜お姉ちゃん。」
「災いの4体目を倒しました。」
「え? わざわざ、それを報告しに来たの?」
「だって桜先生が言ったじゃないですか? 私の出番を減らしたら、宿題を3倍にするって。」
「ええー!? 真に受けたの!? ごめんなさい。適当に言っちゃった。エヘッ。」
「冗談だったんですか!?」
「騙された!?」
「そうだ! せっかくだから夕飯を食べていきなさい。私の手作りよ。」
「やったー! ご飯だ!」
「いいんですか?」
「どうぞどうぞ。」
こうして災い退治よりも、自分の株を上げる桜先生であった。
つづく。
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