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SOS11
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「さあ! いよいよ夏の全国大会の渋谷区予選の決勝です! がんばるです!」
僕の名前は佐藤蒼。普通の小学一年生。
「よくこんなんで負けないで決勝戦に行けたものね。」
天使のエルエルは蒼に呆れている。
「これも全て僕のおかげです。アハッ!」
「違うでしょ! 神様のおかげでしょ!」
「それを言うな! 堕天使め!」
「堕天使言うな! 誰が堕天使だ!」
蒼と天使エルエルの日常の会話である。
「蒼! エルエルちゃん! ご飯よ!」
蒼ママがご飯の準備が出来たと大声で呼ぶ。
「わ~い! ご飯!」
「嬉しいなったら嬉しいな! アハッ!」
食べ物に弱い蒼と天使エルエルは大の仲良しであった。
「またしても忌々しいちびっ子に負けた!」
魔王から改めて妖怪王に改名したシュベルトは蒼に悪魔バエルが負けてお怒りだった。
「準備不足でアスモデウスも悪魔を1体仕込むだけで精いっぱいだったみたいです。」
悪魔騎士から妖怪七人衆に名称変更したルシファーが妖怪王シュベルトに報告する。
「なにを!? アスモデウス! アスモデウスはどこに行った!?」
「人間界から戻ってきておりません。」
「あいつめ! 責任を取りたくないから逃亡しやがったな! 許さんぞ! 見つけたら八つ裂きにしてくれるわ!」
魔王シュベルトの怒りは最高潮であった。
「まあまあ妖怪王様。お怒りをお沈め下さい。いよいよちびっ子の決勝戦です。悪魔アガレスを対戦相手の子供に取り憑かせている様なので、もしかしたらちびっ子は負けるかもしれませんよ。」
「おお! そうか! 決勝戦でちびっ子が巻ける姿が目に浮かぶわ! ワッハッハー!」
妖怪王シュベルトは大満足でご機嫌になった。
(疲れるわ。中間管理職。とほほほほ・・・・・・。)
悪魔妖怪ルシファーは妖怪王の相手に疲れていた。
「それでは侍育成、夏の全国大会渋谷区予選の決勝を行います。皆さん頑張ってくださいね。」
「おお!」
いよいよ侍育成、夏の全国大会の渋谷区予選の決勝が始まる。勇者育成ではなく、日本風に合わせると侍育成になると思われる。
「がんばるです!」
蒼は気合十分である。
「それでは決勝戦は恵比寿小学校とミイラ小学校の戦いです。」
「誰がミイラ小学校ですか!? 誰が!?」
「み、ミイラ怖い!?」
蒼の渋谷小学校はミイラが3体もいた。
「し、仕方がないよ。だ、だって樹くん、詩ちゃん、朧くん。み、みんな包帯巻き巻状態なんだもの。」
笑が渋谷小学校の現状を説明する。
「分かりました。僕たちも全身包帯を巻いて試合に望んでやるです。」
「そ、それは嫌。あ、アハッ!」
笑はしっかりと断る。
「今日の対戦相手は恵比寿小学校。必ず勝って見せるです! アハッ!」
気合を入れるデス男の蒼。
「それはどうかな?」
そこに一団が現れる。
「何者だ!?」
「俺たちは恵比寿小学校! 渋谷区代表になるのだ!」
恵比寿小学校の石川巧たちが現れた。
「負けるもんかと勇ましく! 欲しがりません! 勝つまでわ!」
「俺たちは戦時中か?」
蒼は戦に赴く気持ちであった。
「決着は決勝戦でつけよう。」
「望む所です! ウッキー!」
蒼は決勝戦に望む。
「それでは決勝戦を始めます。各学校の先鋒は前へ。」
「はい!」
「巴! がんばって!」
恵比寿小学校の先鋒の小川巴がリングに上がる。
「は、はい!」
「・・・・・・。」
渋谷小学校の先鋒の笑には応援がなかった。
「あ、蒼くん!? どうして応援してくれないのよ?」
「だって開始早々に降参して負けるんでしょ。」
「ば、バレたか。あ、アハッ!」
笑は負ける気満々だった。
「はじめ!」
笑と巴の試合が始まった。この決勝戦からは先鋒から剣士や騎士、魔法使いではなく、日本風に侍スタイルに服装は変更させられた。
「ちょっと待った!」
そこに歌が割り込んでくる。
「私はハリーポッターの様な世界で有名な魔法使いになりたいのよ! どうしてくれるのよ?」
もちろん魔法使いも廃止され忍者の忍法に置き換えられた。
「うるさいな。詩、おまえヨーロッパに転校しろ。」
その通り。ヨーロッパの生徒になれば剣士見習いと魔法使い見習いからスタートできるのだ。日本は侍見習いと忍者見習いからのスタートとなる。
「やはりこうなってくると親の財力と良い塾に通えるかということね。」
詩の通っていた魔法使い塾は忍者塾に名称を変更された。
「でも日本でも魔法使いや騎士がいても悪くはないと思うんだけど?」
良い所に気がついた。日本全体は侍と忍者教育だけど、歌は日本でも魔法使い教育を受けているとしよう。
「インターナショナルスクール!」
面白い発想ばかり出てくる。
「私は地球一の魔法使いになる!」
「あなたがなるのは忍者でしょ!」
「そんなの関係ない! 私は魔法使いになるんだ! 私は地球一の魔法使いになる!」
詩の熱意。その熱意が孤立しても、凍えても日本で忍者にならないで魔法使いになるという夢を持たせてくれる。
「気は心よ。アハッ!」
全ては自分の気持ち次第である。ということで? どういうことで? 学校の教育要領的には小学一年生で侍見習いの剣術の稽古。小学二年生で忍者見習いの忍術の稽古。小学三年生で魔法剣士見習いならぬ、忍術侍見習いの稽古をすることになる。小学四年生からは侍か忍者かの得意な道に進むとしておこう。
「う、詩ちゃん。」
「あれ? 笑、試合だったんじゃないの?」
なぜか試合中のはずの笑がリングの外にいた。
「も、もう負けちゃった。」
お約束の秒殺の笑は開始1秒で降参した。
「ですよね・・・・・・。」
詩も展開は把握しているので何も言えない。
「渋谷小学校、次鋒、前へ。」
「俺に任せろ!」
ミイラ男の樹は気合を入れる。
「樹くん! がんばるです!」
「おお! 俺は日本が小学校で侍を目指す教育をしていても剣士を目指すぜ!」
「正に反逆のカリスマ!」
日本は子供たちにわんぱくな強い侍になるように教育を受けさせるが、樹は剣士に憧れているので侍ではなく剣士を目指す。将来は騎士になれるだろう。
「はじめ!」
樹と巴の戦いが始まった。
「いくぞ! 恵比寿! これが俺のミイラ男斬りだ!」
結局は設定が違うと職業名や装備からの外見が違うだけで戦いに影響はない。
「キャアアアアアアー!」
巴はミイラ男が怖いの逃げ出す。やはり女の子に全身に包帯を巻いたミイラ姿は怖いのだ。
「勝者! 鈴木くん!」
樹は無事に勝った。
「やったです! 樹くん!」
「当たり前だのクラッカー! 俺に任せろ! ワッハッハー!」
笑うミイラ男。
「負けちゃった。」
巴も恵比寿小学校陣営に帰ってきた。
「ドンマイ! 小川さん!」
広尾小学校の大将の巧が爽やかに声をかける。
「巧くん。優しい。アハッ!」
巴は恋する乙女の目で巧を見つめる。
「石井くん! 頼んだよ!」
「おお! ミイラ男なんか粉砕してやる!」
巧は巴の危険な視線には気づいていなかった。
「おいおい。巧は鈍感だろう?」
「鈍感だな。」
山下誓と中島伝は巧を鈍感男と陰で呼んでいた。
「恵比寿小学校、次鋒、石井くん前へ!」
「おお!」
恵比寿小学校の次鋒の石井輝がリングに上がる。
「樹くん! 次も勝って2連勝です!」
「おお! 俺に任せろ! アハッ!」
不気味に笑うミイラ男。
「はじめ!」
お互いに次鋒の戦いが始まった。
「どこからでもかかってこい!」
意気揚々と剣を構える樹。
「それじゃあ、いかせてもらうよ。」
輝は何かを取り出し放り投げる。
「ま、眩しい!? 目が見えない!? なんだこれは!?」
輝が投げた物がいきなり強烈な光を放つ。
「照明弾だよ。どうだい? 眩しくて目が見えないだろう。俺はサングラスを持ってきているからな。」
輝が投げた物の正体は照明弾だった。そして輝はサングラスを装備したので光が眩しくない。
「卑怯です!」
蒼は怒る。
「何とでも言え! 勝てば官軍! 負ければ賊軍! 歴史などは勝った者が自分に都合の良いように歴史を変えてきたんだ!」
輝のいうことももっともである。
「死ね!」
輝が樹に襲い掛かる。
「何!?」
しかし樹は輝の刀を受け止める。
「眩しくておまえの目は見えていないはず!?」
「残念だったな。俺はミイラ男になり包帯で目が覆われている入院生活を長く送っている間に心眼を極めた。」
「なんですと!?」
いつの間にか樹は目で見るのではなく心の目で見る心眼をマスターしたのだった。
「樹くん!? あんたは本当に小学一年生ですか!?」
蒼もビックリ仰天。
「今度は俺の番だ! 俺は地球一の剣士になる! こんな所で負けてはいられないんだ! くらえ! 新必殺! 心眼斬り!」
樹は新しい必殺技を繰り出す。
「ギャアアアアアアー!」
輝は攻撃を受けて宙を舞う。
「それまで! 勝者は鈴木!?」
しかし樹はリングで倒れていた。心眼斬りを繰り出して体力を使い果たしたのだ。
「樹くん!?」
蒼も樹を心配する。
「この勝負! 引き分け! タンカー! タンカー!」
次鋒同士の戦いは引き分けに終わった。
「大丈夫ですか!? 樹くん!?」
「また病院生活が長くなりそうだ・・・・・・後は頼んだぞ・・・・・・絶対に全国大会に行こうな。」
「はいです! 約束するです! 絶対に僕が樹くんを甲子園に連れていくです!」
野球ではないが蒼は樹と約束をした。
「いよいよ私の出番ね! アハッ!」
「出たな! ミイラ女!」
現れたのは渋谷小学校の中堅のミイラ女こと詩だった。
「誰がミイラ女よ!? こんなにカワイイのに!」
「残念ですが全身が包帯なので可愛いかどうか分からないです。」
だってミイラ女だもの。
「何よ! 見ればわかるでしょ! この包帯の結び目が蝶々結びになっている所が可愛いのよ!」
「あ、本当だ!?」
さりげない詩のファッションチェック。
「さあ! かかってこい! 恵比寿小学校! 私は地球一の魔法使いになる女よ! キャハー!」
自信満々の詩。
「なんか危ないのがいるな。相手のチーム。」
「きっとあいつらは問題児ばっかりなんだろうよ。」
「日本国なのに侍と忍者を目指さないんだ。変わってるね。」
恵比寿小学校の面々は渋谷小学校のメンバーを変態の集まりだと感じた。もちろん恵比寿小学校や渋谷小学校の普通の小学一年生の生徒は侍見習いの授業を受けている。忍術は小学二年生から習う。歌が魔法が使えるのは魔法塾に通っているからにしておこう。
「両校! 忠犬は前へ!」
「ワン!」
パソコンの変換ミスで中堅の文字を間違えたが味があるのでそのままいこう。
「詩ちゃん! がんばるです!」
「私に任せなさい! 絶対に負けないから! アハッ!」
意気揚々としている詩。
「伝、頼んだぞ。」
「おお。」
恵比寿小学校の中堅は中島伝。
「はじめ!」
いよいよ詩と伝の戦いが始まった。
「おまえ、日本国民の小学生のくせに魔法使いを目指しているんだってな。」
「そうよ。悪い。」
「この非国民め!」
「非国民? 誰が非国民よ。誰が。」
呆れた戦いの始まりである非国民のミイラ女の詩と侍見習いの伝。
「いくぞ! 非国民!」
「何を!? 非国民をなめるなよ!」
言葉の応酬を繰り返す詩と伝。
「必殺! 非国民斬り!」
「おい。相手の実力を見誤るなよ。私の方が実力が上なんだよ!」
詩はノーモーションで火の魔法ファイアを作り出す。
「早い!? 魔法の詠唱もなしだと!?」
「私、天才なので。アハッ!」
確かに詩の魔法の才能は小学一年生にしてはずば抜けていた。
「死ね!」
詩がファイアで伝を攻撃しようとする。
「甘いな。」
伝は歌の火の魔法ファイアを受け流す。
「何!? 私の魔法が!?」
「俺は相手の攻撃を他に受け流すことができる特殊能力を持っているのだ!」
伝は相手の攻撃を他に伝えることができるのだった。
「小癪な! だが私の攻撃を受け流すだけでは勝つことはできないぞ!」
「その通り。」
「認めるんかい!?」
「だって小学一年生だもの。」
伝は相手の攻撃を受け流すことはできるが、相手に攻撃を加えることはできなかった。
「・・・・・・朧! 後は頼んだぞ!」
「おお!」
詩は朧に後のことを託す。
「詩ちゃん!? 僕もいるですよ!?」
「・・・・・・。」
蒼は落ちこぼれなので詩から信頼されていなかった。
「いくぞ! 受け流し野郎!」
「こい! ミイラ女!」
最後の勝負に出る詩。
「悪いが俺には魔法攻撃は効かないぞ! おい? 何をしている?」
詩は魔法攻撃ではなくミイラの包帯を伝に結んでいた。
「これでおまえは逃げることができない。ニヤッ。」
詩は火の魔法ファイアを発動させる。
「や、やめろ!? そんなことをしたらおまえも燃えてしまうぞ!?」
「構わない! 勝つためならおまえと一緒に死んでやる!」
詩は愛土覚悟の自爆をするつもりだった。
「詩ちゃんボム! アハッ!」
「ギャアアアアアアー!」
詩と伝は包帯に火が点火して燃え上がった。
「引き分け! 直ぐに消防班は消化しろ!」
「はい!」
中堅戦は両者相打ちで引き分けになった。
「詩ちゃん!? 大丈夫ですか!?」
「ぜ、絶対に・・・・・・負けないって・・・・・・言っただろ。バタッ。」
詩は全身大やけどで気絶してタンカーで運ばれていった。
「こんな戦いばっかりではお線香が幾つあっても足りないです!」
蒼はお線香代を心配した。
「両校、副将は前へ。」
「はい!」
渋谷小学校と恵比寿小学校の戦いは副将同士の対決になった。
「朧くん。がんばるです!」
「大丈夫だよ。余裕で勝つから。」
「リングに上がる時に躓いてタンカーで運ばれないでよ。」
「私をまるで足腰の弱い人みたいに言わないでくれ。」
「それは仕方がないよ。だって常習犯だもの。」
朧は悪いことをしている人みたいに蒼に思われている。
「誓。頼んだぞ。」
「おお! 必ず勝って見せる!」
恵比寿小学校の副将の山下誓もリングに上がる。
「はじめ。」
副将戦が始まった。
「俺は必ずおまえに勝つと約束しよう。」
「そんな約束は私が破り捨ててやろう。」
朧と誓の意地と意地の張り合い。
「それは無理だ。既におまえは俺の術中にはまっている。」
「なに?」
「俺は約束したことを必ず叶える誓約の特殊能力を持っているのだ。」
「なんだって!?」
誓は約束を守る男だった。
「面白い。私が約束は破るためにあるものだということを教えてやる! でやあー!」
朧は誓に斬りかかる。
「そんなもの食らうか! 俺は誓約に守られているんだ! ギャアアアアアアー!」
しかし誓は朧の攻撃をもろに直撃を受けてしまう。
「なぜだ!? 俺の誓約が発動しないなんて!?」
「それはまだおまえが小学一年生だから誓約の力が弱かったのだろう。」
「そういうことか・・・・・・バタッ。」
誓はリングに倒れ込んだ。
「勝者! 伊藤くん!」
朧が勝利した。
「おまえの約束は確かに破ったぞ。」
朧はリングを降りていく。
「やったです! 朧くん!」
「余裕だ。次も私が勝つから蒼は戦わなくて済むぞ。え? ウワアアアアアー!」
その時、朧は躓いた。
「すまない。蒼。後は任せた。」
朧はタンカーで運ばれていく。結果的に誓の約束は守られた。
「託されたです! 後のことは僕に任せろ! ・・・・・・ってなるかいです! 朧くん! おまえはどれだけ足腰が弱いんだです! 足を鋼に変えてしまえです!」
蒼の魂のこもった言葉であった。
「すごい気合いだね。佐藤くん。」
「おまえは!? ・・・・・・誰だっけです?」
「俺は恵比寿小学校の大将の石川巧。君の熱い情熱は感じたよ。なんだか俺も燃えてきたぞ! うおおおおおおお!」
巧は純粋に蒼を受け止めて闘志を燃やす。
「違うです!? 僕が燃えているのは自分のチームの役立たずのミイラどもに燃えているんです!?」
「燃えろ! 俺の侍魂! うおおおおおおおー!」
気合を入れる度に巧の気が大きく膨らんで戦闘力が上昇していく。
「両校、大将はリングに上がってください。」
「はいです!」
「はい。」
蒼と巧はリングに上がる。
「はじめ!」
いよいよ二人の試合が始まった。
「いくよ! 佐藤くん!」
「こいです! 石川くん!」
刀と剣を交える巧と蒼。
「なかなかやるな! 佐藤くん!」
「石川くんこそ! さすが大将です!」
両者の実力は互角で一進一退の戦いを繰り広げる。
(ちびっ子を倒せ!)
その時、巧みに乗り移っている悪魔アガレスが目覚める。
「なんだ!? どこから声が!?」
もちろん巧みには悪魔の姿は見えない。
ピキーン!
悪魔の気配を蒼は感じとる。
「この気配は悪魔!? まさか!? 石川くんからかです!?」
蒼は巧を見る。
「ギャアアアアアアー!」
「石川くん!?」
突然、巧が苦しみ始めた。
「俺は悪魔アガレス。人間どもを皆殺しにやって来た。」
巧の体が悪魔アガレスに乗っ取られた。
「だが、その前に憎っくきちびっ子。おまえを真っ先に殺してやる!」
悪魔アガレスの狙いは蒼だった。
「やれるもんならやってみろです! おまえなんか僕が簡単に倒してみせるです!」
強気な蒼。
「それはそうでしょうよ。蒼。あんたが戦う訳じゃないんだから。」
天使のエルエルは呆れている。
「死ね! ちびっ子! 悪魔魔法! アースシェイカー!」
巧は悪魔の魔法を使う。
「ウワアアアアアー! 神様! 後はよろしくです!」
蒼は地震でこけて気絶した。
ピキーン!
その時、蒼の体から神々しい光が溢れる。
「僕は絶対に負けないです!」
蒼の体は神様に乗っ取られた。
「なんだ!? さっきまでのちびっ子とは違う!? この気配は・・・・・・正に神!?」
悪魔アガレスは蒼から醸し出される神様の気配に気圧される。
「知る必要はない。おまえは今から真っ黒焦げになるのだから。くらえ! 神サンダー!」
蒼は神の雷を悪魔アガレスに振り注ぐ。
「ギャアアアアアアー! 覚えていろよ!」
悪魔は真っ黒こげになって逃げて行った。
「勝者! 佐藤くん! よって渋谷区代表は渋谷小学校に決定しました!」
遂に蒼は渋谷区代表の座を手に入れた。
「やったです! これで僕が、僕たちが渋谷区代表です!」
「や、やった! や、やった! や、やった!」
蒼、笑は大喜びする。
「こうも設定を自由にコロコロと変えられると頭が痛いわ。」
妖怪7人衆から再び悪魔ルシファーに戻った。
「あれ?」
ルシファーは何かに気がついた。
「ちびっ子が小学一年生スタートということは、もしかして、この物語は10万字では終わらないのでは?」
悪魔騎士ルシファーは良い所に気がついた。そう1物語10万字で十分だが、まったく終わる気配は無かった。
「永遠にちびっ子を倒せないまま物語が進んでいくんじゃないだろうか? ああ~、不安だ。」
遠くを見つめるルシファーであった。
「18才になったちびっ子はどれだけ強くなっているんだろう? あれ? ということは10年経っても私たちは人間界を支配できていないということか!? それも困る!? 魔王様にドヤされる!? ギャアアアアアアー!」
中間管理職の悪魔騎士ルシファーの呟きは今日も続く。
「今日も勝ったです! 勝ったです! また勝ったです!」
蒼は渋谷区代表に決まって大喜びである。
「です! です! うるさいわね! あんた死にたいのデス?」
天使エルエルは蒼に呆れている。
「案ずるが産むがやすしです。アハッです! 勝ってしまえば僕のものです! アハッです!」
蒼は絶好調。
「蒼。あんたに悩み事はないの?」
「悩み事? う~ん。悩んでいる時間がもったいないので前に進です。アハッです!」
「ダメだこりゃ。聞いた私がバカだった。ある意味で蒼は自分をしっかり持っているんだった。」
天使エルエルはある意味で蒼を認めていた。
「蒼! エルエルちゃん! ご飯よ!」
蒼ママがご飯で呼ぶ声がする。
「はい! ご飯!」
「わ~い! 今日のご飯は何だろな? アハッ!」
これでも蒼と天使エルエルは仲良しさ。
つづく。
1年2組1班
佐藤 蒼 剣士 神様標準装備 神サンダー
鈴木 樹 剣士 ミイラ斬り
高橋 詩 魔法使い
田中 笑 回復職 秒殺
伊藤 朧 剣士
1年2組2班
井上 楓 魔法剣士 紅葉狩り
木村 築 魔法 謎
林 空 魔法 凡人
斎藤 蛍 魔法 気配を消す
清水 心 魔法 回復道具いっぱい
1年1組
山崎 授 かなり性格が悪い 卑怯
森 静 未だに不明
池田 昴 凡人
橋本 刹 気合突き
阿部 奏 リコーダー
校長 渡辺
購買のおばちゃん。 山本
保健の先生 中村
剣の先生 小林
魔法の先生 加藤
悪役で教頭。吉田
担任の先生。山田
VR全否定の普通の授業の先生。佐々木
掃除のおっちゃん。山口
給食のおばちゃん。松本
神ゼウス サイコパス 神サンダー
天使エルエル マスコットキャラクター
天使ウリエル 神の火 神の光
天使ガブリエル 死者を生き返らせる ドレイン 蘇生魔法リザレクション
天使ラファエル 神の癒し
蒼パパ
蒼ママ 料理が美味しい。
魔王シュベルト
悪魔騎士ルシファー 傲慢 光魔法サンライズ
悪魔騎士アスモデウス 色欲 誘惑テンプテーション
悪魔バエル 光魔法ライト 光の矢
悪魔アガレス 地震アースクエイク
悪魔ウァサゴ 暗殺 透明インビシブル
悪魔ガミジン 召喚サモンズ
悪魔マルバス 疫病プレーグ
悪魔ウァレフォル 盗むスチール
悪魔アモン 不和ディスコード
悪魔バルバトス 狩人ハンター
恵比寿小学校
石川 巧 鈍感
山下 誓 約束
中島 伝 受け流す
石井 輝 照明弾
小川 巴 巧が好き
広尾小学校
前田 隠 身を隠す
岡田 錦 錦鯉
長谷川 縫 特殊能力者
藤田 寧 女剣士
後藤 希 やる気なし。
代官山小学校
近藤 鋼 仮勇者
村上 響 魔法使い
遠藤 太 斧 怪力
青木 紅
坂本 洸
僕の名前は佐藤蒼。普通の小学一年生。
「よくこんなんで負けないで決勝戦に行けたものね。」
天使のエルエルは蒼に呆れている。
「これも全て僕のおかげです。アハッ!」
「違うでしょ! 神様のおかげでしょ!」
「それを言うな! 堕天使め!」
「堕天使言うな! 誰が堕天使だ!」
蒼と天使エルエルの日常の会話である。
「蒼! エルエルちゃん! ご飯よ!」
蒼ママがご飯の準備が出来たと大声で呼ぶ。
「わ~い! ご飯!」
「嬉しいなったら嬉しいな! アハッ!」
食べ物に弱い蒼と天使エルエルは大の仲良しであった。
「またしても忌々しいちびっ子に負けた!」
魔王から改めて妖怪王に改名したシュベルトは蒼に悪魔バエルが負けてお怒りだった。
「準備不足でアスモデウスも悪魔を1体仕込むだけで精いっぱいだったみたいです。」
悪魔騎士から妖怪七人衆に名称変更したルシファーが妖怪王シュベルトに報告する。
「なにを!? アスモデウス! アスモデウスはどこに行った!?」
「人間界から戻ってきておりません。」
「あいつめ! 責任を取りたくないから逃亡しやがったな! 許さんぞ! 見つけたら八つ裂きにしてくれるわ!」
魔王シュベルトの怒りは最高潮であった。
「まあまあ妖怪王様。お怒りをお沈め下さい。いよいよちびっ子の決勝戦です。悪魔アガレスを対戦相手の子供に取り憑かせている様なので、もしかしたらちびっ子は負けるかもしれませんよ。」
「おお! そうか! 決勝戦でちびっ子が巻ける姿が目に浮かぶわ! ワッハッハー!」
妖怪王シュベルトは大満足でご機嫌になった。
(疲れるわ。中間管理職。とほほほほ・・・・・・。)
悪魔妖怪ルシファーは妖怪王の相手に疲れていた。
「それでは侍育成、夏の全国大会渋谷区予選の決勝を行います。皆さん頑張ってくださいね。」
「おお!」
いよいよ侍育成、夏の全国大会の渋谷区予選の決勝が始まる。勇者育成ではなく、日本風に合わせると侍育成になると思われる。
「がんばるです!」
蒼は気合十分である。
「それでは決勝戦は恵比寿小学校とミイラ小学校の戦いです。」
「誰がミイラ小学校ですか!? 誰が!?」
「み、ミイラ怖い!?」
蒼の渋谷小学校はミイラが3体もいた。
「し、仕方がないよ。だ、だって樹くん、詩ちゃん、朧くん。み、みんな包帯巻き巻状態なんだもの。」
笑が渋谷小学校の現状を説明する。
「分かりました。僕たちも全身包帯を巻いて試合に望んでやるです。」
「そ、それは嫌。あ、アハッ!」
笑はしっかりと断る。
「今日の対戦相手は恵比寿小学校。必ず勝って見せるです! アハッ!」
気合を入れるデス男の蒼。
「それはどうかな?」
そこに一団が現れる。
「何者だ!?」
「俺たちは恵比寿小学校! 渋谷区代表になるのだ!」
恵比寿小学校の石川巧たちが現れた。
「負けるもんかと勇ましく! 欲しがりません! 勝つまでわ!」
「俺たちは戦時中か?」
蒼は戦に赴く気持ちであった。
「決着は決勝戦でつけよう。」
「望む所です! ウッキー!」
蒼は決勝戦に望む。
「それでは決勝戦を始めます。各学校の先鋒は前へ。」
「はい!」
「巴! がんばって!」
恵比寿小学校の先鋒の小川巴がリングに上がる。
「は、はい!」
「・・・・・・。」
渋谷小学校の先鋒の笑には応援がなかった。
「あ、蒼くん!? どうして応援してくれないのよ?」
「だって開始早々に降参して負けるんでしょ。」
「ば、バレたか。あ、アハッ!」
笑は負ける気満々だった。
「はじめ!」
笑と巴の試合が始まった。この決勝戦からは先鋒から剣士や騎士、魔法使いではなく、日本風に侍スタイルに服装は変更させられた。
「ちょっと待った!」
そこに歌が割り込んでくる。
「私はハリーポッターの様な世界で有名な魔法使いになりたいのよ! どうしてくれるのよ?」
もちろん魔法使いも廃止され忍者の忍法に置き換えられた。
「うるさいな。詩、おまえヨーロッパに転校しろ。」
その通り。ヨーロッパの生徒になれば剣士見習いと魔法使い見習いからスタートできるのだ。日本は侍見習いと忍者見習いからのスタートとなる。
「やはりこうなってくると親の財力と良い塾に通えるかということね。」
詩の通っていた魔法使い塾は忍者塾に名称を変更された。
「でも日本でも魔法使いや騎士がいても悪くはないと思うんだけど?」
良い所に気がついた。日本全体は侍と忍者教育だけど、歌は日本でも魔法使い教育を受けているとしよう。
「インターナショナルスクール!」
面白い発想ばかり出てくる。
「私は地球一の魔法使いになる!」
「あなたがなるのは忍者でしょ!」
「そんなの関係ない! 私は魔法使いになるんだ! 私は地球一の魔法使いになる!」
詩の熱意。その熱意が孤立しても、凍えても日本で忍者にならないで魔法使いになるという夢を持たせてくれる。
「気は心よ。アハッ!」
全ては自分の気持ち次第である。ということで? どういうことで? 学校の教育要領的には小学一年生で侍見習いの剣術の稽古。小学二年生で忍者見習いの忍術の稽古。小学三年生で魔法剣士見習いならぬ、忍術侍見習いの稽古をすることになる。小学四年生からは侍か忍者かの得意な道に進むとしておこう。
「う、詩ちゃん。」
「あれ? 笑、試合だったんじゃないの?」
なぜか試合中のはずの笑がリングの外にいた。
「も、もう負けちゃった。」
お約束の秒殺の笑は開始1秒で降参した。
「ですよね・・・・・・。」
詩も展開は把握しているので何も言えない。
「渋谷小学校、次鋒、前へ。」
「俺に任せろ!」
ミイラ男の樹は気合を入れる。
「樹くん! がんばるです!」
「おお! 俺は日本が小学校で侍を目指す教育をしていても剣士を目指すぜ!」
「正に反逆のカリスマ!」
日本は子供たちにわんぱくな強い侍になるように教育を受けさせるが、樹は剣士に憧れているので侍ではなく剣士を目指す。将来は騎士になれるだろう。
「はじめ!」
樹と巴の戦いが始まった。
「いくぞ! 恵比寿! これが俺のミイラ男斬りだ!」
結局は設定が違うと職業名や装備からの外見が違うだけで戦いに影響はない。
「キャアアアアアアー!」
巴はミイラ男が怖いの逃げ出す。やはり女の子に全身に包帯を巻いたミイラ姿は怖いのだ。
「勝者! 鈴木くん!」
樹は無事に勝った。
「やったです! 樹くん!」
「当たり前だのクラッカー! 俺に任せろ! ワッハッハー!」
笑うミイラ男。
「負けちゃった。」
巴も恵比寿小学校陣営に帰ってきた。
「ドンマイ! 小川さん!」
広尾小学校の大将の巧が爽やかに声をかける。
「巧くん。優しい。アハッ!」
巴は恋する乙女の目で巧を見つめる。
「石井くん! 頼んだよ!」
「おお! ミイラ男なんか粉砕してやる!」
巧は巴の危険な視線には気づいていなかった。
「おいおい。巧は鈍感だろう?」
「鈍感だな。」
山下誓と中島伝は巧を鈍感男と陰で呼んでいた。
「恵比寿小学校、次鋒、石井くん前へ!」
「おお!」
恵比寿小学校の次鋒の石井輝がリングに上がる。
「樹くん! 次も勝って2連勝です!」
「おお! 俺に任せろ! アハッ!」
不気味に笑うミイラ男。
「はじめ!」
お互いに次鋒の戦いが始まった。
「どこからでもかかってこい!」
意気揚々と剣を構える樹。
「それじゃあ、いかせてもらうよ。」
輝は何かを取り出し放り投げる。
「ま、眩しい!? 目が見えない!? なんだこれは!?」
輝が投げた物がいきなり強烈な光を放つ。
「照明弾だよ。どうだい? 眩しくて目が見えないだろう。俺はサングラスを持ってきているからな。」
輝が投げた物の正体は照明弾だった。そして輝はサングラスを装備したので光が眩しくない。
「卑怯です!」
蒼は怒る。
「何とでも言え! 勝てば官軍! 負ければ賊軍! 歴史などは勝った者が自分に都合の良いように歴史を変えてきたんだ!」
輝のいうことももっともである。
「死ね!」
輝が樹に襲い掛かる。
「何!?」
しかし樹は輝の刀を受け止める。
「眩しくておまえの目は見えていないはず!?」
「残念だったな。俺はミイラ男になり包帯で目が覆われている入院生活を長く送っている間に心眼を極めた。」
「なんですと!?」
いつの間にか樹は目で見るのではなく心の目で見る心眼をマスターしたのだった。
「樹くん!? あんたは本当に小学一年生ですか!?」
蒼もビックリ仰天。
「今度は俺の番だ! 俺は地球一の剣士になる! こんな所で負けてはいられないんだ! くらえ! 新必殺! 心眼斬り!」
樹は新しい必殺技を繰り出す。
「ギャアアアアアアー!」
輝は攻撃を受けて宙を舞う。
「それまで! 勝者は鈴木!?」
しかし樹はリングで倒れていた。心眼斬りを繰り出して体力を使い果たしたのだ。
「樹くん!?」
蒼も樹を心配する。
「この勝負! 引き分け! タンカー! タンカー!」
次鋒同士の戦いは引き分けに終わった。
「大丈夫ですか!? 樹くん!?」
「また病院生活が長くなりそうだ・・・・・・後は頼んだぞ・・・・・・絶対に全国大会に行こうな。」
「はいです! 約束するです! 絶対に僕が樹くんを甲子園に連れていくです!」
野球ではないが蒼は樹と約束をした。
「いよいよ私の出番ね! アハッ!」
「出たな! ミイラ女!」
現れたのは渋谷小学校の中堅のミイラ女こと詩だった。
「誰がミイラ女よ!? こんなにカワイイのに!」
「残念ですが全身が包帯なので可愛いかどうか分からないです。」
だってミイラ女だもの。
「何よ! 見ればわかるでしょ! この包帯の結び目が蝶々結びになっている所が可愛いのよ!」
「あ、本当だ!?」
さりげない詩のファッションチェック。
「さあ! かかってこい! 恵比寿小学校! 私は地球一の魔法使いになる女よ! キャハー!」
自信満々の詩。
「なんか危ないのがいるな。相手のチーム。」
「きっとあいつらは問題児ばっかりなんだろうよ。」
「日本国なのに侍と忍者を目指さないんだ。変わってるね。」
恵比寿小学校の面々は渋谷小学校のメンバーを変態の集まりだと感じた。もちろん恵比寿小学校や渋谷小学校の普通の小学一年生の生徒は侍見習いの授業を受けている。忍術は小学二年生から習う。歌が魔法が使えるのは魔法塾に通っているからにしておこう。
「両校! 忠犬は前へ!」
「ワン!」
パソコンの変換ミスで中堅の文字を間違えたが味があるのでそのままいこう。
「詩ちゃん! がんばるです!」
「私に任せなさい! 絶対に負けないから! アハッ!」
意気揚々としている詩。
「伝、頼んだぞ。」
「おお。」
恵比寿小学校の中堅は中島伝。
「はじめ!」
いよいよ詩と伝の戦いが始まった。
「おまえ、日本国民の小学生のくせに魔法使いを目指しているんだってな。」
「そうよ。悪い。」
「この非国民め!」
「非国民? 誰が非国民よ。誰が。」
呆れた戦いの始まりである非国民のミイラ女の詩と侍見習いの伝。
「いくぞ! 非国民!」
「何を!? 非国民をなめるなよ!」
言葉の応酬を繰り返す詩と伝。
「必殺! 非国民斬り!」
「おい。相手の実力を見誤るなよ。私の方が実力が上なんだよ!」
詩はノーモーションで火の魔法ファイアを作り出す。
「早い!? 魔法の詠唱もなしだと!?」
「私、天才なので。アハッ!」
確かに詩の魔法の才能は小学一年生にしてはずば抜けていた。
「死ね!」
詩がファイアで伝を攻撃しようとする。
「甘いな。」
伝は歌の火の魔法ファイアを受け流す。
「何!? 私の魔法が!?」
「俺は相手の攻撃を他に受け流すことができる特殊能力を持っているのだ!」
伝は相手の攻撃を他に伝えることができるのだった。
「小癪な! だが私の攻撃を受け流すだけでは勝つことはできないぞ!」
「その通り。」
「認めるんかい!?」
「だって小学一年生だもの。」
伝は相手の攻撃を受け流すことはできるが、相手に攻撃を加えることはできなかった。
「・・・・・・朧! 後は頼んだぞ!」
「おお!」
詩は朧に後のことを託す。
「詩ちゃん!? 僕もいるですよ!?」
「・・・・・・。」
蒼は落ちこぼれなので詩から信頼されていなかった。
「いくぞ! 受け流し野郎!」
「こい! ミイラ女!」
最後の勝負に出る詩。
「悪いが俺には魔法攻撃は効かないぞ! おい? 何をしている?」
詩は魔法攻撃ではなくミイラの包帯を伝に結んでいた。
「これでおまえは逃げることができない。ニヤッ。」
詩は火の魔法ファイアを発動させる。
「や、やめろ!? そんなことをしたらおまえも燃えてしまうぞ!?」
「構わない! 勝つためならおまえと一緒に死んでやる!」
詩は愛土覚悟の自爆をするつもりだった。
「詩ちゃんボム! アハッ!」
「ギャアアアアアアー!」
詩と伝は包帯に火が点火して燃え上がった。
「引き分け! 直ぐに消防班は消化しろ!」
「はい!」
中堅戦は両者相打ちで引き分けになった。
「詩ちゃん!? 大丈夫ですか!?」
「ぜ、絶対に・・・・・・負けないって・・・・・・言っただろ。バタッ。」
詩は全身大やけどで気絶してタンカーで運ばれていった。
「こんな戦いばっかりではお線香が幾つあっても足りないです!」
蒼はお線香代を心配した。
「両校、副将は前へ。」
「はい!」
渋谷小学校と恵比寿小学校の戦いは副将同士の対決になった。
「朧くん。がんばるです!」
「大丈夫だよ。余裕で勝つから。」
「リングに上がる時に躓いてタンカーで運ばれないでよ。」
「私をまるで足腰の弱い人みたいに言わないでくれ。」
「それは仕方がないよ。だって常習犯だもの。」
朧は悪いことをしている人みたいに蒼に思われている。
「誓。頼んだぞ。」
「おお! 必ず勝って見せる!」
恵比寿小学校の副将の山下誓もリングに上がる。
「はじめ。」
副将戦が始まった。
「俺は必ずおまえに勝つと約束しよう。」
「そんな約束は私が破り捨ててやろう。」
朧と誓の意地と意地の張り合い。
「それは無理だ。既におまえは俺の術中にはまっている。」
「なに?」
「俺は約束したことを必ず叶える誓約の特殊能力を持っているのだ。」
「なんだって!?」
誓は約束を守る男だった。
「面白い。私が約束は破るためにあるものだということを教えてやる! でやあー!」
朧は誓に斬りかかる。
「そんなもの食らうか! 俺は誓約に守られているんだ! ギャアアアアアアー!」
しかし誓は朧の攻撃をもろに直撃を受けてしまう。
「なぜだ!? 俺の誓約が発動しないなんて!?」
「それはまだおまえが小学一年生だから誓約の力が弱かったのだろう。」
「そういうことか・・・・・・バタッ。」
誓はリングに倒れ込んだ。
「勝者! 伊藤くん!」
朧が勝利した。
「おまえの約束は確かに破ったぞ。」
朧はリングを降りていく。
「やったです! 朧くん!」
「余裕だ。次も私が勝つから蒼は戦わなくて済むぞ。え? ウワアアアアアー!」
その時、朧は躓いた。
「すまない。蒼。後は任せた。」
朧はタンカーで運ばれていく。結果的に誓の約束は守られた。
「託されたです! 後のことは僕に任せろ! ・・・・・・ってなるかいです! 朧くん! おまえはどれだけ足腰が弱いんだです! 足を鋼に変えてしまえです!」
蒼の魂のこもった言葉であった。
「すごい気合いだね。佐藤くん。」
「おまえは!? ・・・・・・誰だっけです?」
「俺は恵比寿小学校の大将の石川巧。君の熱い情熱は感じたよ。なんだか俺も燃えてきたぞ! うおおおおおおお!」
巧は純粋に蒼を受け止めて闘志を燃やす。
「違うです!? 僕が燃えているのは自分のチームの役立たずのミイラどもに燃えているんです!?」
「燃えろ! 俺の侍魂! うおおおおおおおー!」
気合を入れる度に巧の気が大きく膨らんで戦闘力が上昇していく。
「両校、大将はリングに上がってください。」
「はいです!」
「はい。」
蒼と巧はリングに上がる。
「はじめ!」
いよいよ二人の試合が始まった。
「いくよ! 佐藤くん!」
「こいです! 石川くん!」
刀と剣を交える巧と蒼。
「なかなかやるな! 佐藤くん!」
「石川くんこそ! さすが大将です!」
両者の実力は互角で一進一退の戦いを繰り広げる。
(ちびっ子を倒せ!)
その時、巧みに乗り移っている悪魔アガレスが目覚める。
「なんだ!? どこから声が!?」
もちろん巧みには悪魔の姿は見えない。
ピキーン!
悪魔の気配を蒼は感じとる。
「この気配は悪魔!? まさか!? 石川くんからかです!?」
蒼は巧を見る。
「ギャアアアアアアー!」
「石川くん!?」
突然、巧が苦しみ始めた。
「俺は悪魔アガレス。人間どもを皆殺しにやって来た。」
巧の体が悪魔アガレスに乗っ取られた。
「だが、その前に憎っくきちびっ子。おまえを真っ先に殺してやる!」
悪魔アガレスの狙いは蒼だった。
「やれるもんならやってみろです! おまえなんか僕が簡単に倒してみせるです!」
強気な蒼。
「それはそうでしょうよ。蒼。あんたが戦う訳じゃないんだから。」
天使のエルエルは呆れている。
「死ね! ちびっ子! 悪魔魔法! アースシェイカー!」
巧は悪魔の魔法を使う。
「ウワアアアアアー! 神様! 後はよろしくです!」
蒼は地震でこけて気絶した。
ピキーン!
その時、蒼の体から神々しい光が溢れる。
「僕は絶対に負けないです!」
蒼の体は神様に乗っ取られた。
「なんだ!? さっきまでのちびっ子とは違う!? この気配は・・・・・・正に神!?」
悪魔アガレスは蒼から醸し出される神様の気配に気圧される。
「知る必要はない。おまえは今から真っ黒焦げになるのだから。くらえ! 神サンダー!」
蒼は神の雷を悪魔アガレスに振り注ぐ。
「ギャアアアアアアー! 覚えていろよ!」
悪魔は真っ黒こげになって逃げて行った。
「勝者! 佐藤くん! よって渋谷区代表は渋谷小学校に決定しました!」
遂に蒼は渋谷区代表の座を手に入れた。
「やったです! これで僕が、僕たちが渋谷区代表です!」
「や、やった! や、やった! や、やった!」
蒼、笑は大喜びする。
「こうも設定を自由にコロコロと変えられると頭が痛いわ。」
妖怪7人衆から再び悪魔ルシファーに戻った。
「あれ?」
ルシファーは何かに気がついた。
「ちびっ子が小学一年生スタートということは、もしかして、この物語は10万字では終わらないのでは?」
悪魔騎士ルシファーは良い所に気がついた。そう1物語10万字で十分だが、まったく終わる気配は無かった。
「永遠にちびっ子を倒せないまま物語が進んでいくんじゃないだろうか? ああ~、不安だ。」
遠くを見つめるルシファーであった。
「18才になったちびっ子はどれだけ強くなっているんだろう? あれ? ということは10年経っても私たちは人間界を支配できていないということか!? それも困る!? 魔王様にドヤされる!? ギャアアアアアアー!」
中間管理職の悪魔騎士ルシファーの呟きは今日も続く。
「今日も勝ったです! 勝ったです! また勝ったです!」
蒼は渋谷区代表に決まって大喜びである。
「です! です! うるさいわね! あんた死にたいのデス?」
天使エルエルは蒼に呆れている。
「案ずるが産むがやすしです。アハッです! 勝ってしまえば僕のものです! アハッです!」
蒼は絶好調。
「蒼。あんたに悩み事はないの?」
「悩み事? う~ん。悩んでいる時間がもったいないので前に進です。アハッです!」
「ダメだこりゃ。聞いた私がバカだった。ある意味で蒼は自分をしっかり持っているんだった。」
天使エルエルはある意味で蒼を認めていた。
「蒼! エルエルちゃん! ご飯よ!」
蒼ママがご飯で呼ぶ声がする。
「はい! ご飯!」
「わ~い! 今日のご飯は何だろな? アハッ!」
これでも蒼と天使エルエルは仲良しさ。
つづく。
1年2組1班
佐藤 蒼 剣士 神様標準装備 神サンダー
鈴木 樹 剣士 ミイラ斬り
高橋 詩 魔法使い
田中 笑 回復職 秒殺
伊藤 朧 剣士
1年2組2班
井上 楓 魔法剣士 紅葉狩り
木村 築 魔法 謎
林 空 魔法 凡人
斎藤 蛍 魔法 気配を消す
清水 心 魔法 回復道具いっぱい
1年1組
山崎 授 かなり性格が悪い 卑怯
森 静 未だに不明
池田 昴 凡人
橋本 刹 気合突き
阿部 奏 リコーダー
校長 渡辺
購買のおばちゃん。 山本
保健の先生 中村
剣の先生 小林
魔法の先生 加藤
悪役で教頭。吉田
担任の先生。山田
VR全否定の普通の授業の先生。佐々木
掃除のおっちゃん。山口
給食のおばちゃん。松本
神ゼウス サイコパス 神サンダー
天使エルエル マスコットキャラクター
天使ウリエル 神の火 神の光
天使ガブリエル 死者を生き返らせる ドレイン 蘇生魔法リザレクション
天使ラファエル 神の癒し
蒼パパ
蒼ママ 料理が美味しい。
魔王シュベルト
悪魔騎士ルシファー 傲慢 光魔法サンライズ
悪魔騎士アスモデウス 色欲 誘惑テンプテーション
悪魔バエル 光魔法ライト 光の矢
悪魔アガレス 地震アースクエイク
悪魔ウァサゴ 暗殺 透明インビシブル
悪魔ガミジン 召喚サモンズ
悪魔マルバス 疫病プレーグ
悪魔ウァレフォル 盗むスチール
悪魔アモン 不和ディスコード
悪魔バルバトス 狩人ハンター
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石川 巧 鈍感
山下 誓 約束
中島 伝 受け流す
石井 輝 照明弾
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前田 隠 身を隠す
岡田 錦 錦鯉
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遠藤 太 斧 怪力
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