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SOS6
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「さあ! 今日から夏の全国大会の代表を決める校内の大会の始まりです。」
僕の名前は佐藤蒼。普通の小学一年生。
「僕も入学してから頑張ってべんきょうしたので、かなり強くなったです! アハッ!」
「あんたじゃなくて神様のおかげなんだけどね。」
「なんか言ったですか?」
「別に何も言ってないわよ。オッホッホッホー!」
天使エルエルは蒼の成長は神様によるところが多いと影ながら主張する。
「蒼! エルエルちゃん! 朝ごはんよ!」
蒼ママがご飯だと呼んでいる。
「は~い! どうしよう?」
こうして蒼の朝は始まる。
「どいつもこいつも役立たずばかりじゃないか!?」
「はい。魔王様。」
魔界。魔王シュベルトが悪魔騎士ルシファーから報告を受けている。
「これぐらいは余興で良いのではありませんか? それでも気分がすぐれないというのであれば、私が魔王様をお喜ばせましょう。堕天使サンライズ。」
ルシファーが指で弾いて光を飛ばす。
ドカーン!
光がアフリカ大陸に命中して、アフリカ全土の人間や建物を全て吹き飛ばす。
「おお! さすがルシファーだ!」
魔王シュベルトは愉快な出来事に大喜び。
「これでアフリカ大陸は魔王様のものです。お好きにモンスターを派遣して魔王様の地球支配の拠点にしましょう。」
「そうだ! まず私のお城を作るぞ! 生き残った人間を捕まえて奴隷にして私の城を作らせよう! ワッハッハー!」
こうして魔王と人間の戦いでアフリカ大陸は魔王の支配下に完全になり下がった。
「ウァレフォル。」
「はい。ルシファー様。」
悪魔騎士ルシファーが悪魔ウァレフォルを呼び出す。
「日本で我々の人間界の侵略を邪魔する者がいるようです。行って排除してきなさい。」
「かしこまりました。」
悪魔ウァレフォルは日本に旅立った。
「そうだ! その気になればいつでも人間など滅ぼすことができるのだ! ワッハッハー!」
喜び笑う魔王シュベルトであった。
「それでは夏の全国大会に向けて渋谷小学校の1年生の代表選手を決めたいと思います。」
月日は流れ夏の全国大会を決める時期になった。
「がんばるです! 勉強も剣も魔法も稽古は十分したです! うおおおおおー!」
蒼は気合十分である。
「夏の全国大会は学年ごとに行われるので、各学校1学年で5名の代表選手を決めます。まずは2組の代表選手5人を決めましょう。」
「おお!」
いよいよ夏の全国大会のクラス代表決定戦が始まる。
「僕たちは一生懸命に勉強と稽古したので必ず勝つです!」
「それはどうかしら。」
「ぬぬぬ!? おまえは井上さん!?」
そこに楓が現れる。
「2組の代表になるのは私たちよ。以前の私たちと思わないことね。」
楓は言いたいことだけ言って去って行った。
「確かに楓はできる。」
「でも向こうって楓だけでしょ?」
「わ、私は無理!」
「大丈夫ですよ。私たち3人で勝てますから。」
樹たちは笑と蒼も戦力には入れてなかった。
「負けるもんかと勇ましく! アハッ!」
蒼は気合だけは十分であった。
「それでは両班の先鋒は前へ。」
「は、はい。」
1班の蒼の班からは笑が。2班の楓の班からは心が現れる。
「笑! 辛かった勉強と剣と魔法の修行の成果を見せるです!」
「ま、任せておいて! わ、私だってがんばったもん! わ、私だって強くなったもん! ど、努力は人を裏切らないもん!」
笑も気合が入っている。
「それでは夏の全国大会のクラス代表選、始め!」
いよいよ夏の全国大会の代表を決める試合が始まった。
「ま、参りました!」
いつものように笑は開始1秒で負けを認める。正に「秒殺の笑」である。
「ズコーッ!」
もちろん会場の全員がズッコケる。
「笑!? あんたやる気はあるの?」
「だ、だって怖いんだもの。」
詩は笑を責め立てる。
「心! ナイス!」
「そうだ! 勝ちは勝ちだぞ!」
楓たちは勝った心に声援を送る。
「私、何もやってないんですけどね。ラッキー。」
素直に勝利を喜ぶ心。
「次は俺がいこう!」
樹が次鋒として戦いに赴く。
「がんばれ! 樹くん!」
「任せとけ!」
蒼は樹を応援する。
「それでは2班先鋒の清水さんと1班の次鋒の鈴木くんとの戦いを始めます。」
第2試合目が始まった。
「悪いが女相手でも手加減はしないぜ!」
「こっちも手加減するつもりはないわ。できるだけのことをするまでよ!」
樹と心の戦いが始まった。
「くらえ! 俺の剣術は小学一年生の中では最高峰だぞ!」
樹は剣で心を斬りつける。
「ギャアアアアアアー!」
所詮回復職の心では樹に勝利することは難しかった。
「俺の勝利だ!」
樹は自身の勝利を確信した。
「ふっかーつ!」
しかし心は負けないで甦った。
「なに!?」
その悍ましい光景に樹は恐怖した。
「バカな!? 確かに俺の剣はおまえを捉えたはずだ!?」
「残念でした。負ける前にヒールで回復してしまえば、あなたの剣術などどうということはない。アハッ!」
どこか余裕のある心。
「ふざけるな! だが小学一年生の魔法力など量が知れている。おまえの魔法力が尽きて回復魔法が使えなくなるまで付き合ってやるぜ! でやあ!」
樹は心に再び襲い掛かる。
「でや! どや! こや!」
「ヒール! ヒール! ヒール!」
樹と心の激しいぶつかり合い。
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・どうして魔法力が尽きない!? こいつは化け物か!?」
樹は体力の限界が近づいていた。
「いいえ。魔法力は既に何回も尽きていますよ。私はこれを使っただけです。アハッ!」
心が薬のようなものを出す。
「それは!? 魔法力回復薬!?」
心は魔法力が尽きると薬を使って魔法力を回復していた。
「卑怯者!」
「何とでも言うがいい。私の役目は勝つことではない。」
「なに!?」
「仲間のために少しでもおまえの体力を奪うことにあった。だがおまえが私を弱いとなめてかかってきてくれたのでどうやら引き分けぐらいには持っていけそうだ。くらえ! 全身全霊! 体当たり!」
心は回復職でこれといった攻撃手段はないので体当たりを思いついた。
「し、しまった!? ウワアアアアアー!」
体力の限界だった樹は心の体当たりをまともに受けてしまう。
「両者! 引き分け!」
樹と心の戦いは引き分けに終わった。
「樹くん! 大丈夫ですか!?」
「ダメだ。疲れてしまって体に力が入らない。バタッ。」
樹は体力を使い果たしてしまっt。
「心!」
楓も心を心配して駆けつける。
「目が回ってグルグルする・・・・・・。バタッ。」
心も体力を使い果たして深い眠りに着いた。
「よくやったわ! 心! あなたの死は決して無駄にはしないわ!」
そして心は死亡扱いにされた。
「全くだらしがないわね。私が全員倒してあげるわ! アハッ!」
詩が出陣する。
「がんばれ! 詩ちゃん!」
蒼が詩に声援を送る。
「蛍! がんばって! 心の死を無駄にしちゃダメよ!」
「だから心は死んでないって。」
楓に呆れる蛍。
「それでは1班中堅高橋さんと2班次鋒斎藤さんの戦いを始めます。」
「はい!」
第3試合目が始まった。
「先手必勝! オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
詩は火の魔法を連続で唱えまくる。
「ギャアアアアアアー!」
蛍は一気にやられてしまう。
「見たか! 私の勝ちね! アハッ!」
詩は勝った気でいる。
「ん? んん!? いない!? 蛍がいない!?」
しかし蛍の姿が見えない。
(私の姿が見える? 私は蛍の様に隠れることを必死に修行した。あなたが攻撃魔法に特化していようとも、私の姿が見えなければ得意の魔法を当てることもできないでしょう。)
蛍は夏の夜に現れる蛍の様に姿を隠している。
「クソッ!? どこにいるの!? 一気に倒してしまおうと魔法力を使い過ぎた!?」
詩は連続魔法を使ったので魔法力が少ししか残っていなかった。
(魔法使いなんて魔法が使えなければただの人間に変わりない。もらった!)
見えない蛍が襲いかかかる。
「ギャアアアアアアー!」
殴られた詩はダメージを受ける。
「でも、捕まえた。アハッ!」
「なに!?」
詩は姿が見えない蛍が近づいてきて自分に触れた瞬間に蛍の体を掴んだのである。
「私は絶対に負けない! 私は地球一の魔法使いになるんだ! 相手の姿が見えないなら自分事燃やすまでだ! ファイア!」
詩は自分に火をつける。
「ギャアアアアアアー!」
その火が蛍に燃え移る。
「ストップ! この勝負! 引き分け! 直ぐに消化しろ!」
レフリーの先生が試合を止めて生徒に消火活動を命じる。
ピーポー! ピーポー!
救急車がやって来て火傷のために詩と蛍は病院送りになる。
「みんな・・・・・・絶対に勝ってね・・・・・・私を全国大会に連れて行って・・・・・・バタッ。」
「詩ちゃんのためにもがんばるです!」
詩は気を失ってタンカーで運ばれていく。
「蛍! あなたの死は無駄にはしないわ!」
「だから勝手に殺さないで・・・・・・バタッ。」
蛍も気絶してタンカーで運ばれていった。
「まずい! このままでは僕たち1班は負けてしまうです!」
蒼はピンチだと感じていた。
「大丈夫だよ。まだ1班には朧がいる。」
「そ、そうよ。お、朧くんがいれば大丈夫よ。」
「あの・・・・・・僕もいるんですけど?」
1班のメンバーは蒼は戦力に入れていなかった。
「私に任せて下さい。3人位は倒してみせますよ。」
「がんばれ! 朧くん!」
1班の副将の朧がリングに上がろうとする。
「あ。」
その時、朧は足を滑らせて後頭部から倒れてしまう。
「・・・・・・。」
朧は倒れた衝撃で気を失った。
「朧くん! 大丈夫ですか?」
しかし朧は返事をしなかった。
「タンカー! タンカー!」
こうして朧は戦わずしてタンカーで運ばれて去って行った。
「もう負けだ。詩も朧もいない。」
「お、終わった。」
樹と笑は負けたと諦める。
「待て待て! まだ僕がいるですよ!」
蒼は元気だけは人一倍であった。
「がんばって。蒼。」
「む、無理しないでね。」
樹も笑も蒼に期待していなかった。
「1班は副賞も病院送りらしいね。」
「もしかしたら俺たち勝てるんじゃないか?」
「心! 蛍! あなたたちの死は無駄にはしない!」
「だから勝手に殺すな!」
2班は1班の様子を見て士気が上がる。
「空。決めちゃっていいからね。」
「おお! 1班には悪いが正直、朧がいなくなってくれたのは良かった。俺たちに勝機が生まれた。」
空は蒼なら勝てると思っている。
「それでは1班大賞の佐藤くんと2班中堅の林くんの戦いを始めます。」
いよいよ試合が始まった。
「みんなの敵討ちだ! くらえ! ウラララー!」
蒼は剣を振り回して攻め込む。
「そんなもの食らうか!」
空は蒼の攻撃をかわす。
「やるな! 林くん!」
「俺は何もやってない。おまえに剣が重いんだろう。」
当てずっぽうのような蒼の攻撃では空に命中することはなかった。
「それなら魔法ならどうだ!」
「なに!? 魔法も使えるのか!?」
蒼の魔法攻撃に身構える空。
「くらえ! 雷魔法! サンダー! ・・・・・・。あれ? おかしいな? 確かに使えたはずなのに? アハッ!」
蒼は魔法が使えなかった。
「好きあり!」
空の剣が蒼に命中。
「ウワアアアアアー!」
蒼は倒された。
ピカーン!
その時、倒されたかに見えた蒼の体が光り輝く。
「神は負けることはない。」
蒼が覚醒した。もっとも蒼が気絶して神様が出てきただけなのだが。
「バカな!? 確かに倒したはず!? 蒼のどこに力が!?」
空は予想外の展開に戸惑う。
(ああ~。ムキになって大人げない。神様ったら負けず嫌いなんだから。)
カバンのぬいぐるみを演じている天使エルエルは心の中で神様を批判した。
(エルエル。何か言ったか?)
神ゼウスは天使エルエルの心に言葉を返す。
(ゲゲッ!? 神様は心の声が聞こえるんだった!? 私は何も言ってませんよ! 神様! がんばってください! アハッ!)
天使エルエルは笑って誤魔化す。
(・・・・・・まあ、許してやろう。私は神だからな。心が広いのだ。)
(ふう~。助かった。)
安堵する天使エルエル。
「さあ、続きを始めようか?」
再び蒼と空の戦いが始まる。
「いけ! 蒼!」
「今度こそ倒せ! 空!」
両サイドから声援が送られる。
「でやああああー!」
空が蒼に襲い掛かる。
「響け! 雷鳴! 光れ! 雷光! くらえ! 人間! これが私の稲妻だ! 神サンダー!」
蒼は雷魔法のサンダーを神バージョンで放つ。
「ギャアアアアアアー!」
空に雷が命中して真っ黒こげになる。
「私は負けない。だって神だから。」
威風堂々と仁王立ちしている蒼。
「やったー! 蒼の勝ちだ!」
蒼の勝利に盛り上がる1班。
「大丈夫か!?」
「空! おまえの死は無駄にはしないぞ!」
「だから仲間を勝手に殺すな! タンカーだ! タンカー!」
楓は相変わらずであった。
「この子たちは本当に小学一年生か?」
試合を見ていた渡辺校長は蒼たちの戦いにビビっていた。
「校長先生。これはもっと細かく試合のルールも決めないと生徒が怪我します。そうするとPTAの保護者が黙っていませんよ?」
審判をやっている山田先生が渡辺校長に進言する。
「それは困りますよ! 私は校長を終えたら教育委員会に天下りするんですから、問題は困りますよ!」
学校の教師など公務員なので生徒のことよりも自分のことしか考えていない人が9割である。
「とうことで。」
「どういうことですか?」
軽いチャチャを挟む。
「これからの試合は相手をダウンさせたり、場外に出した時点で負けになります。分かりましたね?」
「はい。」
こうして地球SOSの試合のルールは生徒が怪我をしないようにと大相撲と同じ様なルールに決まった。簡単で明確で一般大衆にも分かりやすいルールであった。これが全世界の統一るーるになった。
「続けますよ。次は1班の大将の佐藤蒼くんと2班の副将の木村築くんの試合を始め・・・・・・。」
試合が再開しようとしていた。
「神サンダー!」
「ギャアアアアアアー!」
その時、蒼のサンダーが築を直撃して真っ黒にした。
「話が長い。」
神様は長時間待たされるのが嫌だった。
「卑怯者!」
「築! おまえの死は無駄にしないぞ!」
「だから! 先に仲間の心配をしろよ!」
2班は蒼の試合開始前の攻撃を痛烈に批判した。
「1班の試合開始前の攻撃をフェアープレー精神に違反したとみて、反則負けにします!」
審判の山田先生が蒼の反則負けを宣告した。
「zzz。」
当の蒼は神様パワーを使い切って土俵の上で深い眠りに入っていた。
「ということでクラス代表決定戦は2班の勝利! 後日1組の代表と学校の1年の代表を決める学年代表決定戦に出場してもらいます!」
1年2組の代表は2班に決まった。
「私、戦ってないのに勝っちゃった。アハッ!」
楓一人は無傷の一人勝ち。
「みんなの死は無駄にはならなかったわよ。安らかに眠れ。」
「申す気にして・・・・・・。」
仲間たちは楓の天然ボケは諦めた。しかし1年2組は壮絶なクラス代表決定戦を行ったために楓以外は満身創痍であった。
「zzz。」
もちろん神様が宿っている蒼の傷は即座に完治するのであった。
「なんだかよく寝た一日だったな。」
蒼は学校を終えて自宅を目指して帰る。
「まあ、小学一年生にしては壮絶な一日ね。アハッ!」
天使エルエルは他人事のように面白がっていた。
「エルエル。おまえ人の不幸を楽しんでいるだろう? この堕天使め。」
「堕天使言うな!」
相変わらず蒼と天使エルエルの二人は仲良しであった。
「キャアアアアアアー!」
その時、悲鳴が響き渡る。
「悪魔だ! 悪魔が現れたんだわ! 行くわよ! 蒼!」
「嫌だ! 絶対に行かない!」
しかし蒼は断固拒否。
「どうして?」
「だって僕は1日1回の神様を使っちゃっんだろう? ということは僕は生身で悪魔と戦わないといけないじゃないか! そんなの無理!」
蒼には学習能力があり、自身の危機を察知していた。
「大丈夫よ。いざとなったら私が強い天使を呼んであげるから。」
「・・・・・・。外れだろ?」
蒼は天使エルエルの言葉に天使ウリエルを思い出した。
「外れよ。でも助かったでしょ。なんか文句ある?」
「・・・・・・ありません。」
何も言えない蒼。
「行くわよ! 蒼!」
「嫌だ! 死にたくないよ!」
こうして蒼は事件現場に向かうのであった。
「いけ! 魔物ども! このウァレフォルが人間を倒すのだ! ワッハッハー!」
「スラスラ!」
「ゴブゴブ!」
「ウルウル!」
「ナメナメ!」
「カラカラ!」
スライムとゴブリンとウルフとナメクジとカラスを使って街で暴れている。
「出たな! 悪魔! ぶっ飛ばすです!」
蒼が悪魔ウァレフォルの前に元気よく飛び出す。
「出たな! ちびっ子! 俺に盗めないものはない! おまえの命も盗んでやる!」
蒼は魔界では指名手配されている。
「ギャアアアアアアー! 怖いよ! 助けて! 天使エルエル様!」
蒼はビビっておしっこをチビりそうだった。
「こういう時だけは天使扱いしてくれるんだから。仕方がない。天使SOS!」
天使エルエルは天界に援軍を派遣してくれるように祈った。
「くらえ! スチール!」
「ギャアアアアアアー!」
悪魔ウァレフォルが蒼から命を奪った。
「・・・・・・・。」
蒼はバタっと脱力して死んでしまった。
「蒼ー!」
天使エルエルの叫び声も悲壮なものであった。
ピカーン!
その時、新しい天使が現れる。
「私は天使ガブリエル。」
天使ガブリエルが登場する。
「遅いじゃないですか! ガブリエル様! 蒼が、蒼が死んじゃったじゃないですか!」
天使エルエルは泣きながら文句を言う。
「黙れ。エルエル。おまえのSOSが遅かったんだ。私は悪くない。それに私は上級天使。おまえは下級天使。階級の上の私に歯向かうな。」
天使ガブリエルは真面目な性格だった。
「ケッ。この堅物が。」
「何か言ったか?」
「言ってません。アハッ!」
(どいつもこいつも神も天使も地獄耳ばっかり! ウキー!)
天使エルエルはストレスが溜まる。
「神様の器が死んでしまっていけない。蘇生魔法! リザレクション!」
天使ガブリエルは魔法を唱えた。
「ふあ~あ。よく寝た。」
蒼が息を吹き返した。
「蒼! 生き返ったのね! 良かった!」
「え? 僕は死んでいたの?」
蒼は自分が死んでいたことに気づいていなかった。
「バカな!? 確かにちびっ子の命は俺が奪ったはず!?」
悪魔ウァレフォルは予想外の出来事に驚く。
「私にとって死者を生き返らせるなど造作もないこと。逆におまえたちの命を奪ってやろう。ドレイン。」
天使ガブリエルが相手の命を奪う魔法を唱えた。
「スラ・・・・・・。」
「ゴブ・・・・・・。」
モンスターたちの命が奪われて天国に旅立っていく。
「このままでは俺の命も奪われてしまう!? 覚えてろよ!」
悪魔ウァレフォルは去って行った。
「めでたし。めでたし。アハッ!」
「どこがめでたい。エルエル。神に器の守護を任されたのならしっかりしないとダメじゃないか!」
「はい。すいません。すいません。」
「だいたいおまえは危機があったら早く天界に助けを求めないか!」
「すいません。ごめんなさい。今度からがんばります。」
天使エルエルは天使ガブリエルに散々怒られた。
「僕、先に帰っているね。」
蒼は天使エルエルを見捨てて逃げ帰った。
つづく。
1年2組
佐藤 蒼 剣士
鈴木 樹 剣士
高橋 詩 魔法使い
田中 笑 回復職
伊藤 朧 剣士
1年2組
井上 楓 魔法剣士
木村 築 魔法 謎
林 空 魔法 凡人
斎藤 蛍 魔法 気配を消す
清水 心 魔法 回復道具いっぱい
1年1組
山崎 授 かなり性格が悪い
森 静
池田 昴
橋本 刹 気合突き
阿部 奏
校長 渡辺
購買のおばちゃん。 山本
保健の先生 中村
剣の先生 小林
魔法の先生 加藤
悪役で教頭。吉田
担任の先生。山田
VR全否定の普通の授業の先生。佐々木
掃除のおっちゃん。山口
給食のおばちゃん。松本
神ゼウス サイコパス
天使エルエル マスコットキャラクター
天使ウリエル 神の火 神の光
天使ガブリエル 死者を生き返らせる ドレイン
蒼パパ
蒼ママ
魔王シュベルト
悪魔騎士ルシファー 光魔法サンライズ
悪魔バエル 光魔法ライト
悪魔アガレス 地震アースクエイク
悪魔ウァサゴ 暗殺 透明インビシブル
悪魔ガミジン 召喚サモンズ
悪魔マルバス 疫病プレーグ
悪魔ウァレフォル 盗むスチール
悪魔アモン 不和ディスコード
悪魔バルバトス 狩人ハンター
僕の名前は佐藤蒼。普通の小学一年生。
「僕も入学してから頑張ってべんきょうしたので、かなり強くなったです! アハッ!」
「あんたじゃなくて神様のおかげなんだけどね。」
「なんか言ったですか?」
「別に何も言ってないわよ。オッホッホッホー!」
天使エルエルは蒼の成長は神様によるところが多いと影ながら主張する。
「蒼! エルエルちゃん! 朝ごはんよ!」
蒼ママがご飯だと呼んでいる。
「は~い! どうしよう?」
こうして蒼の朝は始まる。
「どいつもこいつも役立たずばかりじゃないか!?」
「はい。魔王様。」
魔界。魔王シュベルトが悪魔騎士ルシファーから報告を受けている。
「これぐらいは余興で良いのではありませんか? それでも気分がすぐれないというのであれば、私が魔王様をお喜ばせましょう。堕天使サンライズ。」
ルシファーが指で弾いて光を飛ばす。
ドカーン!
光がアフリカ大陸に命中して、アフリカ全土の人間や建物を全て吹き飛ばす。
「おお! さすがルシファーだ!」
魔王シュベルトは愉快な出来事に大喜び。
「これでアフリカ大陸は魔王様のものです。お好きにモンスターを派遣して魔王様の地球支配の拠点にしましょう。」
「そうだ! まず私のお城を作るぞ! 生き残った人間を捕まえて奴隷にして私の城を作らせよう! ワッハッハー!」
こうして魔王と人間の戦いでアフリカ大陸は魔王の支配下に完全になり下がった。
「ウァレフォル。」
「はい。ルシファー様。」
悪魔騎士ルシファーが悪魔ウァレフォルを呼び出す。
「日本で我々の人間界の侵略を邪魔する者がいるようです。行って排除してきなさい。」
「かしこまりました。」
悪魔ウァレフォルは日本に旅立った。
「そうだ! その気になればいつでも人間など滅ぼすことができるのだ! ワッハッハー!」
喜び笑う魔王シュベルトであった。
「それでは夏の全国大会に向けて渋谷小学校の1年生の代表選手を決めたいと思います。」
月日は流れ夏の全国大会を決める時期になった。
「がんばるです! 勉強も剣も魔法も稽古は十分したです! うおおおおおー!」
蒼は気合十分である。
「夏の全国大会は学年ごとに行われるので、各学校1学年で5名の代表選手を決めます。まずは2組の代表選手5人を決めましょう。」
「おお!」
いよいよ夏の全国大会のクラス代表決定戦が始まる。
「僕たちは一生懸命に勉強と稽古したので必ず勝つです!」
「それはどうかしら。」
「ぬぬぬ!? おまえは井上さん!?」
そこに楓が現れる。
「2組の代表になるのは私たちよ。以前の私たちと思わないことね。」
楓は言いたいことだけ言って去って行った。
「確かに楓はできる。」
「でも向こうって楓だけでしょ?」
「わ、私は無理!」
「大丈夫ですよ。私たち3人で勝てますから。」
樹たちは笑と蒼も戦力には入れてなかった。
「負けるもんかと勇ましく! アハッ!」
蒼は気合だけは十分であった。
「それでは両班の先鋒は前へ。」
「は、はい。」
1班の蒼の班からは笑が。2班の楓の班からは心が現れる。
「笑! 辛かった勉強と剣と魔法の修行の成果を見せるです!」
「ま、任せておいて! わ、私だってがんばったもん! わ、私だって強くなったもん! ど、努力は人を裏切らないもん!」
笑も気合が入っている。
「それでは夏の全国大会のクラス代表選、始め!」
いよいよ夏の全国大会の代表を決める試合が始まった。
「ま、参りました!」
いつものように笑は開始1秒で負けを認める。正に「秒殺の笑」である。
「ズコーッ!」
もちろん会場の全員がズッコケる。
「笑!? あんたやる気はあるの?」
「だ、だって怖いんだもの。」
詩は笑を責め立てる。
「心! ナイス!」
「そうだ! 勝ちは勝ちだぞ!」
楓たちは勝った心に声援を送る。
「私、何もやってないんですけどね。ラッキー。」
素直に勝利を喜ぶ心。
「次は俺がいこう!」
樹が次鋒として戦いに赴く。
「がんばれ! 樹くん!」
「任せとけ!」
蒼は樹を応援する。
「それでは2班先鋒の清水さんと1班の次鋒の鈴木くんとの戦いを始めます。」
第2試合目が始まった。
「悪いが女相手でも手加減はしないぜ!」
「こっちも手加減するつもりはないわ。できるだけのことをするまでよ!」
樹と心の戦いが始まった。
「くらえ! 俺の剣術は小学一年生の中では最高峰だぞ!」
樹は剣で心を斬りつける。
「ギャアアアアアアー!」
所詮回復職の心では樹に勝利することは難しかった。
「俺の勝利だ!」
樹は自身の勝利を確信した。
「ふっかーつ!」
しかし心は負けないで甦った。
「なに!?」
その悍ましい光景に樹は恐怖した。
「バカな!? 確かに俺の剣はおまえを捉えたはずだ!?」
「残念でした。負ける前にヒールで回復してしまえば、あなたの剣術などどうということはない。アハッ!」
どこか余裕のある心。
「ふざけるな! だが小学一年生の魔法力など量が知れている。おまえの魔法力が尽きて回復魔法が使えなくなるまで付き合ってやるぜ! でやあ!」
樹は心に再び襲い掛かる。
「でや! どや! こや!」
「ヒール! ヒール! ヒール!」
樹と心の激しいぶつかり合い。
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・どうして魔法力が尽きない!? こいつは化け物か!?」
樹は体力の限界が近づいていた。
「いいえ。魔法力は既に何回も尽きていますよ。私はこれを使っただけです。アハッ!」
心が薬のようなものを出す。
「それは!? 魔法力回復薬!?」
心は魔法力が尽きると薬を使って魔法力を回復していた。
「卑怯者!」
「何とでも言うがいい。私の役目は勝つことではない。」
「なに!?」
「仲間のために少しでもおまえの体力を奪うことにあった。だがおまえが私を弱いとなめてかかってきてくれたのでどうやら引き分けぐらいには持っていけそうだ。くらえ! 全身全霊! 体当たり!」
心は回復職でこれといった攻撃手段はないので体当たりを思いついた。
「し、しまった!? ウワアアアアアー!」
体力の限界だった樹は心の体当たりをまともに受けてしまう。
「両者! 引き分け!」
樹と心の戦いは引き分けに終わった。
「樹くん! 大丈夫ですか!?」
「ダメだ。疲れてしまって体に力が入らない。バタッ。」
樹は体力を使い果たしてしまっt。
「心!」
楓も心を心配して駆けつける。
「目が回ってグルグルする・・・・・・。バタッ。」
心も体力を使い果たして深い眠りに着いた。
「よくやったわ! 心! あなたの死は決して無駄にはしないわ!」
そして心は死亡扱いにされた。
「全くだらしがないわね。私が全員倒してあげるわ! アハッ!」
詩が出陣する。
「がんばれ! 詩ちゃん!」
蒼が詩に声援を送る。
「蛍! がんばって! 心の死を無駄にしちゃダメよ!」
「だから心は死んでないって。」
楓に呆れる蛍。
「それでは1班中堅高橋さんと2班次鋒斎藤さんの戦いを始めます。」
「はい!」
第3試合目が始まった。
「先手必勝! オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
詩は火の魔法を連続で唱えまくる。
「ギャアアアアアアー!」
蛍は一気にやられてしまう。
「見たか! 私の勝ちね! アハッ!」
詩は勝った気でいる。
「ん? んん!? いない!? 蛍がいない!?」
しかし蛍の姿が見えない。
(私の姿が見える? 私は蛍の様に隠れることを必死に修行した。あなたが攻撃魔法に特化していようとも、私の姿が見えなければ得意の魔法を当てることもできないでしょう。)
蛍は夏の夜に現れる蛍の様に姿を隠している。
「クソッ!? どこにいるの!? 一気に倒してしまおうと魔法力を使い過ぎた!?」
詩は連続魔法を使ったので魔法力が少ししか残っていなかった。
(魔法使いなんて魔法が使えなければただの人間に変わりない。もらった!)
見えない蛍が襲いかかかる。
「ギャアアアアアアー!」
殴られた詩はダメージを受ける。
「でも、捕まえた。アハッ!」
「なに!?」
詩は姿が見えない蛍が近づいてきて自分に触れた瞬間に蛍の体を掴んだのである。
「私は絶対に負けない! 私は地球一の魔法使いになるんだ! 相手の姿が見えないなら自分事燃やすまでだ! ファイア!」
詩は自分に火をつける。
「ギャアアアアアアー!」
その火が蛍に燃え移る。
「ストップ! この勝負! 引き分け! 直ぐに消化しろ!」
レフリーの先生が試合を止めて生徒に消火活動を命じる。
ピーポー! ピーポー!
救急車がやって来て火傷のために詩と蛍は病院送りになる。
「みんな・・・・・・絶対に勝ってね・・・・・・私を全国大会に連れて行って・・・・・・バタッ。」
「詩ちゃんのためにもがんばるです!」
詩は気を失ってタンカーで運ばれていく。
「蛍! あなたの死は無駄にはしないわ!」
「だから勝手に殺さないで・・・・・・バタッ。」
蛍も気絶してタンカーで運ばれていった。
「まずい! このままでは僕たち1班は負けてしまうです!」
蒼はピンチだと感じていた。
「大丈夫だよ。まだ1班には朧がいる。」
「そ、そうよ。お、朧くんがいれば大丈夫よ。」
「あの・・・・・・僕もいるんですけど?」
1班のメンバーは蒼は戦力に入れていなかった。
「私に任せて下さい。3人位は倒してみせますよ。」
「がんばれ! 朧くん!」
1班の副将の朧がリングに上がろうとする。
「あ。」
その時、朧は足を滑らせて後頭部から倒れてしまう。
「・・・・・・。」
朧は倒れた衝撃で気を失った。
「朧くん! 大丈夫ですか?」
しかし朧は返事をしなかった。
「タンカー! タンカー!」
こうして朧は戦わずしてタンカーで運ばれて去って行った。
「もう負けだ。詩も朧もいない。」
「お、終わった。」
樹と笑は負けたと諦める。
「待て待て! まだ僕がいるですよ!」
蒼は元気だけは人一倍であった。
「がんばって。蒼。」
「む、無理しないでね。」
樹も笑も蒼に期待していなかった。
「1班は副賞も病院送りらしいね。」
「もしかしたら俺たち勝てるんじゃないか?」
「心! 蛍! あなたたちの死は無駄にはしない!」
「だから勝手に殺すな!」
2班は1班の様子を見て士気が上がる。
「空。決めちゃっていいからね。」
「おお! 1班には悪いが正直、朧がいなくなってくれたのは良かった。俺たちに勝機が生まれた。」
空は蒼なら勝てると思っている。
「それでは1班大賞の佐藤くんと2班中堅の林くんの戦いを始めます。」
いよいよ試合が始まった。
「みんなの敵討ちだ! くらえ! ウラララー!」
蒼は剣を振り回して攻め込む。
「そんなもの食らうか!」
空は蒼の攻撃をかわす。
「やるな! 林くん!」
「俺は何もやってない。おまえに剣が重いんだろう。」
当てずっぽうのような蒼の攻撃では空に命中することはなかった。
「それなら魔法ならどうだ!」
「なに!? 魔法も使えるのか!?」
蒼の魔法攻撃に身構える空。
「くらえ! 雷魔法! サンダー! ・・・・・・。あれ? おかしいな? 確かに使えたはずなのに? アハッ!」
蒼は魔法が使えなかった。
「好きあり!」
空の剣が蒼に命中。
「ウワアアアアアー!」
蒼は倒された。
ピカーン!
その時、倒されたかに見えた蒼の体が光り輝く。
「神は負けることはない。」
蒼が覚醒した。もっとも蒼が気絶して神様が出てきただけなのだが。
「バカな!? 確かに倒したはず!? 蒼のどこに力が!?」
空は予想外の展開に戸惑う。
(ああ~。ムキになって大人げない。神様ったら負けず嫌いなんだから。)
カバンのぬいぐるみを演じている天使エルエルは心の中で神様を批判した。
(エルエル。何か言ったか?)
神ゼウスは天使エルエルの心に言葉を返す。
(ゲゲッ!? 神様は心の声が聞こえるんだった!? 私は何も言ってませんよ! 神様! がんばってください! アハッ!)
天使エルエルは笑って誤魔化す。
(・・・・・・まあ、許してやろう。私は神だからな。心が広いのだ。)
(ふう~。助かった。)
安堵する天使エルエル。
「さあ、続きを始めようか?」
再び蒼と空の戦いが始まる。
「いけ! 蒼!」
「今度こそ倒せ! 空!」
両サイドから声援が送られる。
「でやああああー!」
空が蒼に襲い掛かる。
「響け! 雷鳴! 光れ! 雷光! くらえ! 人間! これが私の稲妻だ! 神サンダー!」
蒼は雷魔法のサンダーを神バージョンで放つ。
「ギャアアアアアアー!」
空に雷が命中して真っ黒こげになる。
「私は負けない。だって神だから。」
威風堂々と仁王立ちしている蒼。
「やったー! 蒼の勝ちだ!」
蒼の勝利に盛り上がる1班。
「大丈夫か!?」
「空! おまえの死は無駄にはしないぞ!」
「だから仲間を勝手に殺すな! タンカーだ! タンカー!」
楓は相変わらずであった。
「この子たちは本当に小学一年生か?」
試合を見ていた渡辺校長は蒼たちの戦いにビビっていた。
「校長先生。これはもっと細かく試合のルールも決めないと生徒が怪我します。そうするとPTAの保護者が黙っていませんよ?」
審判をやっている山田先生が渡辺校長に進言する。
「それは困りますよ! 私は校長を終えたら教育委員会に天下りするんですから、問題は困りますよ!」
学校の教師など公務員なので生徒のことよりも自分のことしか考えていない人が9割である。
「とうことで。」
「どういうことですか?」
軽いチャチャを挟む。
「これからの試合は相手をダウンさせたり、場外に出した時点で負けになります。分かりましたね?」
「はい。」
こうして地球SOSの試合のルールは生徒が怪我をしないようにと大相撲と同じ様なルールに決まった。簡単で明確で一般大衆にも分かりやすいルールであった。これが全世界の統一るーるになった。
「続けますよ。次は1班の大将の佐藤蒼くんと2班の副将の木村築くんの試合を始め・・・・・・。」
試合が再開しようとしていた。
「神サンダー!」
「ギャアアアアアアー!」
その時、蒼のサンダーが築を直撃して真っ黒にした。
「話が長い。」
神様は長時間待たされるのが嫌だった。
「卑怯者!」
「築! おまえの死は無駄にしないぞ!」
「だから! 先に仲間の心配をしろよ!」
2班は蒼の試合開始前の攻撃を痛烈に批判した。
「1班の試合開始前の攻撃をフェアープレー精神に違反したとみて、反則負けにします!」
審判の山田先生が蒼の反則負けを宣告した。
「zzz。」
当の蒼は神様パワーを使い切って土俵の上で深い眠りに入っていた。
「ということでクラス代表決定戦は2班の勝利! 後日1組の代表と学校の1年の代表を決める学年代表決定戦に出場してもらいます!」
1年2組の代表は2班に決まった。
「私、戦ってないのに勝っちゃった。アハッ!」
楓一人は無傷の一人勝ち。
「みんなの死は無駄にはならなかったわよ。安らかに眠れ。」
「申す気にして・・・・・・。」
仲間たちは楓の天然ボケは諦めた。しかし1年2組は壮絶なクラス代表決定戦を行ったために楓以外は満身創痍であった。
「zzz。」
もちろん神様が宿っている蒼の傷は即座に完治するのであった。
「なんだかよく寝た一日だったな。」
蒼は学校を終えて自宅を目指して帰る。
「まあ、小学一年生にしては壮絶な一日ね。アハッ!」
天使エルエルは他人事のように面白がっていた。
「エルエル。おまえ人の不幸を楽しんでいるだろう? この堕天使め。」
「堕天使言うな!」
相変わらず蒼と天使エルエルの二人は仲良しであった。
「キャアアアアアアー!」
その時、悲鳴が響き渡る。
「悪魔だ! 悪魔が現れたんだわ! 行くわよ! 蒼!」
「嫌だ! 絶対に行かない!」
しかし蒼は断固拒否。
「どうして?」
「だって僕は1日1回の神様を使っちゃっんだろう? ということは僕は生身で悪魔と戦わないといけないじゃないか! そんなの無理!」
蒼には学習能力があり、自身の危機を察知していた。
「大丈夫よ。いざとなったら私が強い天使を呼んであげるから。」
「・・・・・・。外れだろ?」
蒼は天使エルエルの言葉に天使ウリエルを思い出した。
「外れよ。でも助かったでしょ。なんか文句ある?」
「・・・・・・ありません。」
何も言えない蒼。
「行くわよ! 蒼!」
「嫌だ! 死にたくないよ!」
こうして蒼は事件現場に向かうのであった。
「いけ! 魔物ども! このウァレフォルが人間を倒すのだ! ワッハッハー!」
「スラスラ!」
「ゴブゴブ!」
「ウルウル!」
「ナメナメ!」
「カラカラ!」
スライムとゴブリンとウルフとナメクジとカラスを使って街で暴れている。
「出たな! 悪魔! ぶっ飛ばすです!」
蒼が悪魔ウァレフォルの前に元気よく飛び出す。
「出たな! ちびっ子! 俺に盗めないものはない! おまえの命も盗んでやる!」
蒼は魔界では指名手配されている。
「ギャアアアアアアー! 怖いよ! 助けて! 天使エルエル様!」
蒼はビビっておしっこをチビりそうだった。
「こういう時だけは天使扱いしてくれるんだから。仕方がない。天使SOS!」
天使エルエルは天界に援軍を派遣してくれるように祈った。
「くらえ! スチール!」
「ギャアアアアアアー!」
悪魔ウァレフォルが蒼から命を奪った。
「・・・・・・・。」
蒼はバタっと脱力して死んでしまった。
「蒼ー!」
天使エルエルの叫び声も悲壮なものであった。
ピカーン!
その時、新しい天使が現れる。
「私は天使ガブリエル。」
天使ガブリエルが登場する。
「遅いじゃないですか! ガブリエル様! 蒼が、蒼が死んじゃったじゃないですか!」
天使エルエルは泣きながら文句を言う。
「黙れ。エルエル。おまえのSOSが遅かったんだ。私は悪くない。それに私は上級天使。おまえは下級天使。階級の上の私に歯向かうな。」
天使ガブリエルは真面目な性格だった。
「ケッ。この堅物が。」
「何か言ったか?」
「言ってません。アハッ!」
(どいつもこいつも神も天使も地獄耳ばっかり! ウキー!)
天使エルエルはストレスが溜まる。
「神様の器が死んでしまっていけない。蘇生魔法! リザレクション!」
天使ガブリエルは魔法を唱えた。
「ふあ~あ。よく寝た。」
蒼が息を吹き返した。
「蒼! 生き返ったのね! 良かった!」
「え? 僕は死んでいたの?」
蒼は自分が死んでいたことに気づいていなかった。
「バカな!? 確かにちびっ子の命は俺が奪ったはず!?」
悪魔ウァレフォルは予想外の出来事に驚く。
「私にとって死者を生き返らせるなど造作もないこと。逆におまえたちの命を奪ってやろう。ドレイン。」
天使ガブリエルが相手の命を奪う魔法を唱えた。
「スラ・・・・・・。」
「ゴブ・・・・・・。」
モンスターたちの命が奪われて天国に旅立っていく。
「このままでは俺の命も奪われてしまう!? 覚えてろよ!」
悪魔ウァレフォルは去って行った。
「めでたし。めでたし。アハッ!」
「どこがめでたい。エルエル。神に器の守護を任されたのならしっかりしないとダメじゃないか!」
「はい。すいません。すいません。」
「だいたいおまえは危機があったら早く天界に助けを求めないか!」
「すいません。ごめんなさい。今度からがんばります。」
天使エルエルは天使ガブリエルに散々怒られた。
「僕、先に帰っているね。」
蒼は天使エルエルを見捨てて逃げ帰った。
つづく。
1年2組
佐藤 蒼 剣士
鈴木 樹 剣士
高橋 詩 魔法使い
田中 笑 回復職
伊藤 朧 剣士
1年2組
井上 楓 魔法剣士
木村 築 魔法 謎
林 空 魔法 凡人
斎藤 蛍 魔法 気配を消す
清水 心 魔法 回復道具いっぱい
1年1組
山崎 授 かなり性格が悪い
森 静
池田 昴
橋本 刹 気合突き
阿部 奏
校長 渡辺
購買のおばちゃん。 山本
保健の先生 中村
剣の先生 小林
魔法の先生 加藤
悪役で教頭。吉田
担任の先生。山田
VR全否定の普通の授業の先生。佐々木
掃除のおっちゃん。山口
給食のおばちゃん。松本
神ゼウス サイコパス
天使エルエル マスコットキャラクター
天使ウリエル 神の火 神の光
天使ガブリエル 死者を生き返らせる ドレイン
蒼パパ
蒼ママ
魔王シュベルト
悪魔騎士ルシファー 光魔法サンライズ
悪魔バエル 光魔法ライト
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