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SOS3
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「ふあ~あ! よく寝た。」
僕の名前は佐藤蒼。普通の小学一年生。自分の部屋で目を覚ます。
「あんたよく寝るわね。そんな調子で新人戦は大丈夫なのかしら?」
「大丈夫。寝る子は育つなのだ。大きくなって地球を守る勇者になるんだ! 僕の将来の夢は英雄です!」
子供の蒼には夢がある。
「その前に自分の布団を守りなさいよね。」
「え?」
蒼は布団を見た。
「ギャアアアアアアー! 何じゃこりゃ!?」
蒼はお漏らししていた。
「殺される!? お母さんに殺される!? 助けて! 神様!」
「あ、確かに神様はいるわ。うんうん。」
神様は存在するので納得する天使エルエル。
「蒼! エルエルちゃん! 朝ごはんよ!」
蒼ママがご飯だと呼んでいる。
「は~い! どうしよう?」
「正直に言って怒られることね。」
「ですよね・・・・・・。」
こうして蒼ママに怒られて蒼の朝は始まる。
「なに? アガレスもやられただと?」
魔界。魔王シュベルトが悪魔騎士ルシファーから報告を受けている。
「はい。バエル同様に人間の子供相手に負けたそうです。」
「人間の子供というのは、そんなに狂暴なのか?」
魔王シュベルトは悪魔アガレスが人間の子供に負けたことが信じられなかった。
「人間は地球の自然環境を私利私欲のために破壊する金の亡者だ。やはり人間は絶滅させねばいけない。子供であっても容赦なくな。」
「はい。人間の子供であっても存在は脅威です。」
人間の地球に対する破壊行動は魔界でも問題になっていた。
「ウァサゴ! ウァサゴはおるか?」
「はい。魔王様。」
悪魔ウァサゴが現れる。
「ウァサゴよ。人間界に行ってアガレスを倒したという人間の子供を殺してこい。」
「はは。かしこまりました。暗殺は得意です。」
ウァサゴは人間界に飛び去って行った。
「人間を皆殺しにして地球を救ってみせる! ワッハッハー!」
魔界に魔王シュベルトの笑い声が響き渡る。
「それでは新人戦を行います。」
いよいよ始まる新人戦。
「おお! 強くなって僕が地球を救います!」
蒼は地球を救いたい気持ちが強いので張り切る。
「それはどうかしら?」
そこに一人の女の子が立ちはだかる。
「君は?」
「私は井上楓。地球を救うのはあなたじゃないわ。この私よ。」
現れたのは楓だった。蒼同様に子供らしい正義感が溢れていた。
「負けないです!」
「いいでしょう。勝負は新人戦でつけてあげるわ。」
楓は蒼に宣戦布告する。
「それでは1対1で戦ってもらいます。最初の試合は佐藤くんと井上さん。」
「おお!」
「はい!」
早速、蒼と楓の戦いである。
「蒼! がんばれ!」
「楓なんてコテンパンにやっつけちゃって!」
「おお! 僕に任せるです!」
樹と詩の声援に答える蒼。
「はじめ!」
蒼と楓の戦いが始まった。
「うらららー!」
蒼が楓に剣を振り回して襲い掛かる。
「なぜ!? 原始人スタイル!?」
「知らん。俺はちゃんと剣の使い方を教えたぞ。」
蒼の戦い方は独特だったので戸惑う樹と詩。
「そんなもの食らわないわ。燃えろ。火の魔法。ファイア!」
楓が火の魔法ファイアで蒼を攻撃する。
「アチチチチッ! 魔法を使うとは卑怯な!」
楓は火傷した。
「何を言っているのよ? 剣と魔法が使えるんだから問題ないでしょ。悔しかったらあなたも魔法を使えばいいじゃない。」
「・・・・・・だって魔法が使えないんだもん。」
言い返す楓に魔法を覚えていない蒼は何も言えなかった。
「おまえ蒼に魔法を教えなかったのかよ?」
「私の性じゃないわよ。教えたわよ。でも蒼に魔法の才能が無いのよ。」
詩は蒼に魔法を見せただけで、魔法の使い方は教えなかった。
「剣だ! 剣で僕と勝負しろ!」
「いいわよ。なら剣で勝負してあげましょう。」
楓は剣を構えた。
「剣の勝負なら僕は負けないぞ! いくぞ! 楓!」
蒼は楓に突進する。
「必殺! 蒼ストラッシュー!」
「そんなものあるか! 秘剣! 燕返し!」
楓は蒼の攻撃を避けるとカウンターをお見舞いする。
「ギャアアアアアアー!」
蒼の体が宙を舞う。
「勝者! 井上!」
楓が蒼に勝った。
「男のくせに情けない。」
楓は綺麗な姿勢で去っていく。
「蒼! 大丈夫か!」
樹たちが倒れた蒼に駆け寄る。
「後は任せた・・・・・・。」
「おまえの仇は俺たちが取ってやる。」
バタっと蒼は眠りに着いた。
「次は鈴木と木村。」
蒼が保健室送りになっても新人戦は続いていく。
「はい。」
樹の試合が始まる。
「面!」
「ギャアアアアアアー!」
「一本! 鈴木の勝ち!」
一瞬で終わった。剣が好きな鈴木の剣術は楓よりも強そうに見えた。
(なかなかできる!? 蒼とは大違いだわ!?)
戦いを観戦していた楓は樹の実力を感じ取った。
「なかなかやるわね。」
「当たり前だ。蒼と一緒にするな。俺は地球一の剣士になるんだからな。」
「なら将来地球一の魔法使いになる私の戦いも見ておきなさいよね。」
詩が戦場に舞い降りる。
「次は高橋と林。はじめ!」
詩の試合が始まる。
「私の魔法を見せてあげる! 燃えろ! 火の魔法ファイア!」
詩は火の魔法で林を攻撃する。
「そんなもの当たるか!」
林は素早くかわす。
「そうでしょうよ。誰も当たるとなんか思ってないわ。だ、か、ら。連続魔法!」
詩は火魔法ファイアを連続で10回ぐらいの攻撃をする。
「こんなのありか!? ギャアアアアアアー!」
さすが林に命中した。
「高橋の勝ち。」
「魔法はこうやって使うんだよ。アハッ!」
詩は魔法の才能だけでったかって勝った。
(一度に何回も魔法を繰り出すなんて!? 小学一年生のレベルを超えてるわ!?)
そう思う楓も小学一年生である。
「次、田中と斎藤。」
「は、はい。」
「笑! がんばって! 私に続け!」
「む、無理だよ。私なんか。」
次は笑の番である。
「はじめ!」
笑の試合が始まった。
「ま、参りました。」
笑は開始1秒で降参した。
「ええー!? そんなのありか!?」
周りの全員が驚く。
「何やっているのよ!? 笑!?」
「だ、だって私、自信がないんだもん。」
笑は自分に自信がなかった。
「伊藤の勝ち。」
外野で騒いでいる間に朧が清水に勝利していた。
「それでは後日、新人戦で勝った5人1チームで1年1組の代表チームと戦って新人戦の勝利組を決めます。我が組の代表に選ばれた人はがんばってくださいね。」
「はい!」
こうして蒼は1年2組の代表チームには入れなかった。
「バカな!? 僕が代表チームに入れないなんて!? 僕は主役だぞ!?」
帰り道。蒼は酷く項垂れていた。
「当たり前でしょ。主役は神様なんだから。クスクスッ。」
蒼をバカにする天使エルエル。
「酷いこと言うな! 堕天使め!」
「誰が堕天使よ! 私はこれでも立派な天使です!」
相変わらず蒼と天使エルエルは仲睦まじい。
「キャアアアアアアー!」
その時、悲鳴が響き渡る。
「悪魔だ! 悪魔が現れたんだわ! 行くわよ! 蒼!」
「はい。行きましょう。」
いつもと違い逃げ出さない蒼。
「あれ? 逃げないの。」
「諦めました。」
「素直な良い子ね。アハッ!」
蒼と天使エルエルは現場に向かう。
「ガッハッハー! 暴れなさい! モンスターども!」
「スラスラ!」
「ゴブゴブ!」
悪魔ウァサゴがスライムとゴブリンを使って街で暴れている。
「出たな! 悪魔! 僕が相手だ!」
「子供? そうか。おまえがバエルやアガレスを倒したという子供だな。私は悪魔ウァサゴ。なんだ? おまえは?」
悪魔ウァサゴに蒼は名乗る。
「僕は地球を救う勇者になる男だ! 地球の騎士! 蒼だ!」
蒼は魔王から地球を救いたい。
「何を言う!? 地球を汚染しているのは人間だろうが! 私たち悪魔が地球から人間を絶滅させて、元の水と緑の美しい地球に再生させるのだ!」
悪魔ウァサゴも地球を救いたいという。
「あれ? なんだか僕と悪魔と思っていることが同じ様な?」
地球を救いたいという思いは同じであった。
「だが悪魔と人間では立場も種族も違うのだよ。やはり私たちは戦うしかないのだ。悪魔スキル! インビジブル!」
悪魔ウァサゴの姿が消える。透明人間になったのだ。
「消えた!? ウァサゴはどこに行ったんだ!?」
周囲を見渡しても蒼にはウァサゴの姿が見えない。
「私は暗殺が専門なんだ。死ね!」
「ギャアアアアアアー!」
悪魔ウァサゴが蒼の背後から現れて蒼の心臓を一突きする。
「たかが人間が悪魔には勝てないのだ! やはり地球を救うのは私たち悪魔だ! ワッハッハー!」
悪魔ウァサゴは人間の子供に勝ってもとても嬉しい。
ピカーン!
その時、蒼の死体から光が溢れ出す。
「なんだ!?」
光を眩しがる悪魔ウァサゴ。
「私を傷つけたことを後悔するがいい。」
蒼の体から神ゼウスの意志が現れた。見た目は蒼のままである。
「なに!? 生きているだと!? 確かに殺したはずなのに!?」
悪魔ウァサゴは神ゼウスの存在を知らない。
「今度こそ殺してやる! インビシブル!」
悪魔ウァサゴは再び透明人間になる。
「愚かな。姿が見えなければ四方八方に攻撃すればどうということはない。私に歯向かったことを悔やむがいい。神サンダー!」
ゼウスは雷魔法のサンダーの神様バージョンを放つ。マジ神である。
ゴロゴロピッシャンー!
空が曇り暗雲が立ち込め、悪魔ウァサゴを目掛けて稲妻が雷鳴と共に降り注ぐ。
「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」
悪魔アガレスに雷が命中。悪魔ウァサゴは真っ黒に焦げながら魔界に撤退していく。
「私が負けることはないのだ。」
「さすが! ゼウス様! 宇宙一!」
よいしょを忘れない天使エルエル。
「zzz。」
力を使い果たし眠る神ゼウス。
「蒼も寝顔だけは可愛いのにな。アハッ!」
こうして悪魔ウァサゴは倒されて平和な地球が戻って来るのであった。
つづく。
1年2組
佐藤 蒼 剣士
鈴木 樹 剣士
高橋 詩 魔法使い
田中 笑 回復職
伊藤 朧 剣士
1年2組
井上 楓 魔法剣士
木村 築 魔法
林 空 魔法
斎藤 蛍 魔法
清水 心 魔法
1年1組
山崎 授 かなり性格が悪い
森 静
池田 昴
橋本 刹
阿部 奏
校長 渡辺
購買のおばちゃん。 山本
保健の先生 中村
剣の先生 小林
魔法の先生 加藤
悪役で教頭。吉田
担任の先生。山田
VR全否定の普通の授業の先生。佐々木
掃除のおっちゃん。山口
給食のおばちゃん。松本
神ゼウス
天使エルエル
蒼パパ
蒼ママ
魔王シュベルト
悪魔騎士ルシファー 光魔法
悪魔バエル 光魔法ライト
悪魔アガレス 地震アースクエイク
悪魔ウァサゴ 暗殺 透明インビシブル
悪魔ガミジン 召喚
僕の名前は佐藤蒼。普通の小学一年生。自分の部屋で目を覚ます。
「あんたよく寝るわね。そんな調子で新人戦は大丈夫なのかしら?」
「大丈夫。寝る子は育つなのだ。大きくなって地球を守る勇者になるんだ! 僕の将来の夢は英雄です!」
子供の蒼には夢がある。
「その前に自分の布団を守りなさいよね。」
「え?」
蒼は布団を見た。
「ギャアアアアアアー! 何じゃこりゃ!?」
蒼はお漏らししていた。
「殺される!? お母さんに殺される!? 助けて! 神様!」
「あ、確かに神様はいるわ。うんうん。」
神様は存在するので納得する天使エルエル。
「蒼! エルエルちゃん! 朝ごはんよ!」
蒼ママがご飯だと呼んでいる。
「は~い! どうしよう?」
「正直に言って怒られることね。」
「ですよね・・・・・・。」
こうして蒼ママに怒られて蒼の朝は始まる。
「なに? アガレスもやられただと?」
魔界。魔王シュベルトが悪魔騎士ルシファーから報告を受けている。
「はい。バエル同様に人間の子供相手に負けたそうです。」
「人間の子供というのは、そんなに狂暴なのか?」
魔王シュベルトは悪魔アガレスが人間の子供に負けたことが信じられなかった。
「人間は地球の自然環境を私利私欲のために破壊する金の亡者だ。やはり人間は絶滅させねばいけない。子供であっても容赦なくな。」
「はい。人間の子供であっても存在は脅威です。」
人間の地球に対する破壊行動は魔界でも問題になっていた。
「ウァサゴ! ウァサゴはおるか?」
「はい。魔王様。」
悪魔ウァサゴが現れる。
「ウァサゴよ。人間界に行ってアガレスを倒したという人間の子供を殺してこい。」
「はは。かしこまりました。暗殺は得意です。」
ウァサゴは人間界に飛び去って行った。
「人間を皆殺しにして地球を救ってみせる! ワッハッハー!」
魔界に魔王シュベルトの笑い声が響き渡る。
「それでは新人戦を行います。」
いよいよ始まる新人戦。
「おお! 強くなって僕が地球を救います!」
蒼は地球を救いたい気持ちが強いので張り切る。
「それはどうかしら?」
そこに一人の女の子が立ちはだかる。
「君は?」
「私は井上楓。地球を救うのはあなたじゃないわ。この私よ。」
現れたのは楓だった。蒼同様に子供らしい正義感が溢れていた。
「負けないです!」
「いいでしょう。勝負は新人戦でつけてあげるわ。」
楓は蒼に宣戦布告する。
「それでは1対1で戦ってもらいます。最初の試合は佐藤くんと井上さん。」
「おお!」
「はい!」
早速、蒼と楓の戦いである。
「蒼! がんばれ!」
「楓なんてコテンパンにやっつけちゃって!」
「おお! 僕に任せるです!」
樹と詩の声援に答える蒼。
「はじめ!」
蒼と楓の戦いが始まった。
「うらららー!」
蒼が楓に剣を振り回して襲い掛かる。
「なぜ!? 原始人スタイル!?」
「知らん。俺はちゃんと剣の使い方を教えたぞ。」
蒼の戦い方は独特だったので戸惑う樹と詩。
「そんなもの食らわないわ。燃えろ。火の魔法。ファイア!」
楓が火の魔法ファイアで蒼を攻撃する。
「アチチチチッ! 魔法を使うとは卑怯な!」
楓は火傷した。
「何を言っているのよ? 剣と魔法が使えるんだから問題ないでしょ。悔しかったらあなたも魔法を使えばいいじゃない。」
「・・・・・・だって魔法が使えないんだもん。」
言い返す楓に魔法を覚えていない蒼は何も言えなかった。
「おまえ蒼に魔法を教えなかったのかよ?」
「私の性じゃないわよ。教えたわよ。でも蒼に魔法の才能が無いのよ。」
詩は蒼に魔法を見せただけで、魔法の使い方は教えなかった。
「剣だ! 剣で僕と勝負しろ!」
「いいわよ。なら剣で勝負してあげましょう。」
楓は剣を構えた。
「剣の勝負なら僕は負けないぞ! いくぞ! 楓!」
蒼は楓に突進する。
「必殺! 蒼ストラッシュー!」
「そんなものあるか! 秘剣! 燕返し!」
楓は蒼の攻撃を避けるとカウンターをお見舞いする。
「ギャアアアアアアー!」
蒼の体が宙を舞う。
「勝者! 井上!」
楓が蒼に勝った。
「男のくせに情けない。」
楓は綺麗な姿勢で去っていく。
「蒼! 大丈夫か!」
樹たちが倒れた蒼に駆け寄る。
「後は任せた・・・・・・。」
「おまえの仇は俺たちが取ってやる。」
バタっと蒼は眠りに着いた。
「次は鈴木と木村。」
蒼が保健室送りになっても新人戦は続いていく。
「はい。」
樹の試合が始まる。
「面!」
「ギャアアアアアアー!」
「一本! 鈴木の勝ち!」
一瞬で終わった。剣が好きな鈴木の剣術は楓よりも強そうに見えた。
(なかなかできる!? 蒼とは大違いだわ!?)
戦いを観戦していた楓は樹の実力を感じ取った。
「なかなかやるわね。」
「当たり前だ。蒼と一緒にするな。俺は地球一の剣士になるんだからな。」
「なら将来地球一の魔法使いになる私の戦いも見ておきなさいよね。」
詩が戦場に舞い降りる。
「次は高橋と林。はじめ!」
詩の試合が始まる。
「私の魔法を見せてあげる! 燃えろ! 火の魔法ファイア!」
詩は火の魔法で林を攻撃する。
「そんなもの当たるか!」
林は素早くかわす。
「そうでしょうよ。誰も当たるとなんか思ってないわ。だ、か、ら。連続魔法!」
詩は火魔法ファイアを連続で10回ぐらいの攻撃をする。
「こんなのありか!? ギャアアアアアアー!」
さすが林に命中した。
「高橋の勝ち。」
「魔法はこうやって使うんだよ。アハッ!」
詩は魔法の才能だけでったかって勝った。
(一度に何回も魔法を繰り出すなんて!? 小学一年生のレベルを超えてるわ!?)
そう思う楓も小学一年生である。
「次、田中と斎藤。」
「は、はい。」
「笑! がんばって! 私に続け!」
「む、無理だよ。私なんか。」
次は笑の番である。
「はじめ!」
笑の試合が始まった。
「ま、参りました。」
笑は開始1秒で降参した。
「ええー!? そんなのありか!?」
周りの全員が驚く。
「何やっているのよ!? 笑!?」
「だ、だって私、自信がないんだもん。」
笑は自分に自信がなかった。
「伊藤の勝ち。」
外野で騒いでいる間に朧が清水に勝利していた。
「それでは後日、新人戦で勝った5人1チームで1年1組の代表チームと戦って新人戦の勝利組を決めます。我が組の代表に選ばれた人はがんばってくださいね。」
「はい!」
こうして蒼は1年2組の代表チームには入れなかった。
「バカな!? 僕が代表チームに入れないなんて!? 僕は主役だぞ!?」
帰り道。蒼は酷く項垂れていた。
「当たり前でしょ。主役は神様なんだから。クスクスッ。」
蒼をバカにする天使エルエル。
「酷いこと言うな! 堕天使め!」
「誰が堕天使よ! 私はこれでも立派な天使です!」
相変わらず蒼と天使エルエルは仲睦まじい。
「キャアアアアアアー!」
その時、悲鳴が響き渡る。
「悪魔だ! 悪魔が現れたんだわ! 行くわよ! 蒼!」
「はい。行きましょう。」
いつもと違い逃げ出さない蒼。
「あれ? 逃げないの。」
「諦めました。」
「素直な良い子ね。アハッ!」
蒼と天使エルエルは現場に向かう。
「ガッハッハー! 暴れなさい! モンスターども!」
「スラスラ!」
「ゴブゴブ!」
悪魔ウァサゴがスライムとゴブリンを使って街で暴れている。
「出たな! 悪魔! 僕が相手だ!」
「子供? そうか。おまえがバエルやアガレスを倒したという子供だな。私は悪魔ウァサゴ。なんだ? おまえは?」
悪魔ウァサゴに蒼は名乗る。
「僕は地球を救う勇者になる男だ! 地球の騎士! 蒼だ!」
蒼は魔王から地球を救いたい。
「何を言う!? 地球を汚染しているのは人間だろうが! 私たち悪魔が地球から人間を絶滅させて、元の水と緑の美しい地球に再生させるのだ!」
悪魔ウァサゴも地球を救いたいという。
「あれ? なんだか僕と悪魔と思っていることが同じ様な?」
地球を救いたいという思いは同じであった。
「だが悪魔と人間では立場も種族も違うのだよ。やはり私たちは戦うしかないのだ。悪魔スキル! インビジブル!」
悪魔ウァサゴの姿が消える。透明人間になったのだ。
「消えた!? ウァサゴはどこに行ったんだ!?」
周囲を見渡しても蒼にはウァサゴの姿が見えない。
「私は暗殺が専門なんだ。死ね!」
「ギャアアアアアアー!」
悪魔ウァサゴが蒼の背後から現れて蒼の心臓を一突きする。
「たかが人間が悪魔には勝てないのだ! やはり地球を救うのは私たち悪魔だ! ワッハッハー!」
悪魔ウァサゴは人間の子供に勝ってもとても嬉しい。
ピカーン!
その時、蒼の死体から光が溢れ出す。
「なんだ!?」
光を眩しがる悪魔ウァサゴ。
「私を傷つけたことを後悔するがいい。」
蒼の体から神ゼウスの意志が現れた。見た目は蒼のままである。
「なに!? 生きているだと!? 確かに殺したはずなのに!?」
悪魔ウァサゴは神ゼウスの存在を知らない。
「今度こそ殺してやる! インビシブル!」
悪魔ウァサゴは再び透明人間になる。
「愚かな。姿が見えなければ四方八方に攻撃すればどうということはない。私に歯向かったことを悔やむがいい。神サンダー!」
ゼウスは雷魔法のサンダーの神様バージョンを放つ。マジ神である。
ゴロゴロピッシャンー!
空が曇り暗雲が立ち込め、悪魔ウァサゴを目掛けて稲妻が雷鳴と共に降り注ぐ。
「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」
悪魔アガレスに雷が命中。悪魔ウァサゴは真っ黒に焦げながら魔界に撤退していく。
「私が負けることはないのだ。」
「さすが! ゼウス様! 宇宙一!」
よいしょを忘れない天使エルエル。
「zzz。」
力を使い果たし眠る神ゼウス。
「蒼も寝顔だけは可愛いのにな。アハッ!」
こうして悪魔ウァサゴは倒されて平和な地球が戻って来るのであった。
つづく。
1年2組
佐藤 蒼 剣士
鈴木 樹 剣士
高橋 詩 魔法使い
田中 笑 回復職
伊藤 朧 剣士
1年2組
井上 楓 魔法剣士
木村 築 魔法
林 空 魔法
斎藤 蛍 魔法
清水 心 魔法
1年1組
山崎 授 かなり性格が悪い
森 静
池田 昴
橋本 刹
阿部 奏
校長 渡辺
購買のおばちゃん。 山本
保健の先生 中村
剣の先生 小林
魔法の先生 加藤
悪役で教頭。吉田
担任の先生。山田
VR全否定の普通の授業の先生。佐々木
掃除のおっちゃん。山口
給食のおばちゃん。松本
神ゼウス
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