蛍光刀 いつ蛍は光る?

渋谷かな

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「おまえたちに用はない。お頭の所に案内してもらおうか?」

蛍は野盗、源夜叉のアジトである鎌倉大仏にたどり着いた。

「黙れ! 殺してやる! 一斉にかかれ!」
「おお!」

野盗の手下が集団で蛍に襲い掛かる。

「無限蛍。」

蛍の一振りで無数の蛍が飛び散った。

「ギャアアア!?」

一瞬で野盗の手下の集団を倒した。

「お頭を出してもらおうか?」

蛍は再び歩き始める。

「私がお頭だ。」

その時、自分はお頭だと名乗る聞き覚えのある声を蛍は聞いた。

「か、楓!?」

そこに現れたのは、さらわれたはずの楓だった。

「遅かったな。おまえが来るのが遅いので、この子供の体を借りさせてもらった。」
「な!? おまえ・・・楓じゃないな!? 何者だ!?」

蛍は楓に何か悪い悪霊が憑りついていると悟った。

「知りたいか? 知りたければ私に勝て。そうすれば私の正体を教えてやろう。」
「・・・。」
「無理か? おまえにこの子を傷つけることはできないな。なら・・・死ね!」

何者かに操られている楓が刀で蛍を襲う。

「うわあ!? やめろ!? 楓!?」

蛍は楓の攻撃を交わしていく。

「ほれほれ! どうした? 逃げてばかりだと、この子は助けられないぞ!」

楓は蛍を追い詰めていく。

「クソ!? 卑怯者!?」

蛍は操られている楓を攻撃する訳にはいかなかった。

「どうすればいいんだ!?」
「とどめだ!」
「しまった!?」

楓が刀を振り上げて、蛍目掛けて振り下ろす。

「やめろ! クソガキ!」

ピクッと楓の動きが止まる。

「目を覚ませ! クソガキ! おやつの団子の時間だぞ!」

蛍は畳みかける。

「ほ、ほ、蛍ちゃんの嘘つき! 蛍ちゃんは甲斐性なしの貧乏人だ!」

楓と蛍の強い絆が憑りついている何者かを楓の体から追い出した。

「じゃあ、お団子いらない?」
「食べる。蛍ちゃんの意地悪。」

蛍と楓は飾らずにケンカできる仲の良さ。

「いつもクソガキと呼んでおいて良かった。」
「蛍ちゃん! 頭いい!」
「楓を飼いならしてるからな。」
「ワンワン!」
「わっはっは!」

蛍は楓を救い出し、二人に和やかな雰囲気になる。

「それでは本題に戻ろう。」
「ワン。」
「いつまで犬の真似をしてるの?」
「ニャンもできるよ。」
「そういうことじゃなくて・・・。」

蛍と楓は大の仲良し。

「おまえはいったい何者だ!?」
「ただの通りすがりの者だ。」
「・・・いや、それは俺のセリフだから。」
「すまんすまん。一度、主役のセリフを言ってみたかったんだ。」
「迷惑な!」
「蛍ちゃん! 大人げない!」
「うるさい! クソガキ!」
「はい! クソガキいただきました! わっはっは!」
「まったく、調子狂うな。」

これでも蛍と楓は仲良し。

「私の名前は、平将門だ。」

悪霊の正体は、平家の平将門だった。

つづく。
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