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ジュライ9

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 ここは魔界に続く道ジュライ道。
「いくぞ! アイン! しっかり耐えろよ!」
「おお! やってくれ!」
 ウァズワースは手の平に炎を集約させる。
「おまえの炎など、この不死鳥の俺が全て防いでやる!」
 フェニックスには、ウァズワースの炎が効かない。
「くらえ! 必殺! デビル・ファイア!」
 ウァズワースは必殺の悪魔の炎を魔物ではなく、アインにぶつけた。
「うわあ!!!!!」
 アインは炎に包まれて姿が見えなくなる。
「あいつらバカじゃないか!? 炎を自分の味方にぶつけやがった!?」
「仲間割れですね。」
「なんてこった? 俺たちの獲物が1人減っちまったぜ! ワッハッハー!」
 魔物たちはウァズワースの行動をバカにして笑う。しかし、ウァズワースは余裕そうな表情をしている。決して悲観していない。
「変だ!? 変です!?」
「どうした? ヨルムンガンド。」
「はい。ヘルハウンド様。もし逃げ道がないと気が狂って、味方を攻撃したのなら馬鹿笑いをしたり、荒れ狂うものです。しかし、ウァズワースの落ち着いています。表情なんかは、まるで自分たちの勝利を確信したかのように。」
「なんだと!?」
 ヘルハウンドもウァズワースの表情を眺め嫌なプレッシャーを感じる。
「血迷ったようにみえるか? 私の行動は全て計算通りだ。」
「なんだと!?」
「私は魔界を、人間には人間界をやると約束した。交渉が成立し、悪魔と契約した者を私が殺してどうする?」
 アインとウァズワースは口約束だが契約した。人間と魔物と仲良く暮らしましょうと。
「みんな、仲良し。」
 もちろん二人の手を取って握手させたのはパイアである。少しアインとウァズワースは手が痒くなった。
「おまえたち! さっさとあいつらを殺してしまえ!」
「おお!」
 魔物たちはヘルハウンドの命令でウァズワースたちに襲い掛かろうとする。
「残念。手遅れだ。」
「なに!?」
「おまえたちの足元を見ろ。」
 ヘルハウンドたちの足元には聖なる五芒星の光の魔法陣が描かれていた。
「光の五芒星!?」
「そうだ。私の人間に放った炎は人間の姿を隠し、聖なる光の集約と聖なる光の五芒星を描いているのを気づかせないための炎の演出だ。」
 ウァズワースの炎が激しく眩しいので地面に聖なる光で線を書いても、魔物たちは気づかなかった。
「バカな!? 聖なる光だと!? 聖剣エクスカリバーは氷漬けにされたはず!? はっ!? まさか!?」
 ヘルハウンドは、ウァズワースがアインに炎を包んだ最大の理由に気づいた。
「騎士とは、友になった者を最後まで絶対に信じ抜く! そして信じてくれる者ががいる限り、絶対に諦めないのが私の騎士道精神だ!」
 エクスカリパー復活!

つづく。
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