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メイ7

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ここはメイの森。
アインたちはバジリスクの毒にやられたエアレーのために解毒が出来るというユニコーンを探すのだった。
「ユニコーンの特徴は?」
「頭に角が生えている一角獣です。」
アインは前方に頭に鏡を乗せた獣を見つける。
「あれは?」
「カーバンクル。」
アインは次に目玉が3つある獣を見つける。
「あれは?」
「カトブレパス。」
そう簡単にユニコーンは見つからない。
「ああ、いったいユニコーンはどこにいるんだ?」
アインは天を見上げた。
「ガオー!」
その時、馬のようなものが現れた。
「あ!?いた!?」
どこにも見当たらないユニコーンだったが、噂をするとユニコーンは姿を現わした。
「ユニコーンだよ! カッコイイ!」
アイアタルもレアなユニコーンを見れて喜んでいる。
「ユニコーン。一緒に来てくれ。牛のエアレーが蛇のバジリスクの毒にやられて腰にそうなんだ。」
アインはユニコーンに助けてもらいたくて事情を話す。
「嫌だ。関係ない。どうして私がいかなければならない。」
ユニコーンは見た目と違い獰猛で自分勝手な嫌な奴だった。
「なに!? 困っている者がいるんだから助けてくれればいいじゃないか!?」
ユニコーンの態度にアインは怒りが込み上げてくる。
「エアレー、成仏してね。」
この時点でエアレーは全身に毒が回って死んだと、アイアタルは手を合わせて涙ぐむ。
「ユニコーン! おまえだけは許さない!」
アインは薄情なユニコーンを倒そうと決意する。


ここはメイの林檎園。
ウァズワースはテュポーンたちに、自分も伝説の生き物を手に入れたいと言うのだった。
「そうだ。私は伝説の生き物を手に入れたい。」
「おお!?」
ウァズワースの発言にテュポーンたちは驚く。
「だが、伝説の生き物には既に持ち主がいて、持ち主は神クラスなので、伝説の生き物を手に入れることは容易ではない。」
「神!? 伝説の生き物は神なのですか!?」
「そうだ。神だ。」
ウァズワースは知っている限りの話をする。ほぼエクスカリパーの強さは神と言っていいレベルだと実感していた。
「だから私は所有者のいない伝説の生き物を探してここにやって来た。黄金の林檎が見つかれば、私は伝説の生き物を持つことができると言われたのだ。」
「黄金の林檎ですか・・・それは難しいですね。」
テュポーンが黄金の林檎について知っていて、困った顔をする。
「知っているのか? テュポーン?」
「はい。実は黄金の林檎は昔は、この林檎園で出来たみたいですが、その昔、神々が全て奪い去り、黄金の林檎の木を全て焼き払ったそうです。」
「なんだって!?」
ウァズワースは黄金の林檎の歴史を聞いて驚く。
「だから私も黄金の林檎を見たことがありません。申し訳ありません。ウァズワース様。」
「そうか、仕方がない。」
黄金の林檎が空想上のものだと知り落胆するウァズワース。
「どうした?」
そこに一匹の蛇がヒュドラの元にやって来る。
「ヒュドラ様! バジリスクが何者かに倒されました!」
「なに!? バジリスクがやられただと!?」
ヒュドラは驚くと共に怒りが込み上げてくる。
「許さん! 私のかわいいバジリスクを!? 許さん! ぶっ殺してやる!」
ヒュドラは頭に血が上ったのか、勢いよく家から出て行った。
「ヒュドラはまだまだ若いな。」
「大丈夫ですよ。このメイの林檎園の主、テュポーンファミリーにケンカをうって生きていられると思っている者はいませんよ。」
テュポーンたちは余裕の笑みを浮かべている。
「いったいバジリスクを倒したのはどんな奴だ?」
「それが人間の剣士なんですが、そいつの持つ剣が光ったらバジリスクはやられたそうです。」
「なんだと!?」
心当たりのあるウァズワースの目の色が変わる。
「その剣の名前は何という!?」
「確か・・・エクスカリパーと。」
「エクスカリパー!? そいつは伝説の生き物だ!?」
ウァズワースは最悪の事態を一瞬で感じ取った。これも一度剣を交えたことがある者ならではの感覚である。
「な!? 伝説のお邪魔虫は武器なのですか!?」
テュポーンファミリーは伝説の生き物が武器と聞いて戸惑う。
「まずい!? このままではヒュドラは殺されてしまうぞ!?」
ウァズワースとテュポーンファミリーに緊張が走るのだった。

つづく。
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