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エイプリル3

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ここはディセンバー城。アインとイリーナの結婚式が行われようとしていた。
「あなたはイリーナを妻にしますか?」
「はい。誓います。」
神父の言葉にアインはイリーナを幸せにすると男らしく誓う。
「あなたはアインを旦那にしますか?」
「はい。誓います。」
イリーナもアインとの永遠の愛を誓い、二人で幸せになると微笑んでいる。
「それは無理です。」
突然、神父が声のトーンも普通に二人の愛を否定する。
「な!?」
「え!?」
神父の言動に、アインとイリーナ、それに結婚式場に祝に来た人々がザワザワする。
「なぜなら、この娘は魔王様の妻になるからです。」
神父は人間の姿から魔物の姿に変わっていく。
「魔物!?」
アインは神父の姿が魔物になり驚く。
「私の名前は、悪の大神官コンドール。」
神父の正体は悪の大神官コンドールだった。
「キャアアア!?」
コンドールはイリーナを抱きかかえる。
「イリーナを離せ!」
「それも無理です。魔王様に捧げるのですから。」
コンドールは床に魔法陣を描き始める。
「いでよ! 竜王! ドラゴンキング!」
魔法陣から巨大な竜が姿を現わし始める。
「ガオー!」
ドラゴンキングは雄叫びを上げて完全に召喚された。
「ドラゴン!?」
アインの前に巨大な竜が立ち塞がる。
「皆殺しにして下さい。」
「分かりました。コンドール様。」
「後は頼みましたよ。」
コンドールはイリーナを抱えたまま、ドラゴンキングに任せて、この場を去ろうとした。
「待て! イリーナを返せ!」
「残念。結婚式と思って油断しましたね。伝説の生き物エクスカリパーをお持ちじゃない。いや~実に残念。」
「クソッ!?」
コンドールの言うようにアインは図星を突かれたように気持ちになった。
「あなたの人生はここで終わりです。さようなら。」
コンドールはイリーナを連れディセンバー城から去ろうとする。
「アイン! 助けて!」
「イリーナ!」
アインは無力のままイリーナを連れされてしまう絶望に呑み込まれようとしている。
「確かに私には結婚式の招待状が届かなかったな。」
その時、エクスカリパーが現れる。
「エクスカリパー!?」
「貴様!? どうやってやって来た!?」
アインもコンドールもエクスカリパーの登場に驚く。
「私が歩いて来ても不思議はあるまい。だって伝説の生き物なんだから。」
エクスカリパーは自慢するかのように堂々としている。


ここはエイプリル花畑。
「所有者のいない伝説の生き物がいるというのか?」
ウァズワースはファフニールに尋ねる。
「私は知らないが、もう少し進んだ所に湖がある。そこにラーガルフリョゥトルムリンという物知りな竜がいる。聞いてみるんだな。」
「分かった。」
ウァズワースはファフニールの言う通り湖を目指そうとする。
「一つ言っておく。このエイプリルで争い事を起こすと魔王ですら生きては帰れない。決して攻撃をしてはならんぞ。」
「面白い。それは相手次第だ。いくぞ。クポクポ。」
「はい。ウァズワース様。」
ウァズワースとクポクポはエイプリル湖に向けて歩き出す。

つづく。
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