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ポーちゃんママと融合

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「こんなに考えていると頭が禿上がるわ。育毛シャンプーを買ってこなくっちゃ。」
 抜け毛を心配するポーちゃんママであった。

「おはよう! みんな!」
 ポーちゃんママは研究所にやって来た。
「おはようございます! ボス!」
 研究員たちがポーちゃんママに挨拶する。
「どう? 何本かは物語を思いついたかしら?」
「はい、大丈夫です。」
「それでは早速いってみよう!」
 こうして時代劇の物語の実験を始まる。

「邪悪な妖怪が現れた時、侍忍者が現れて世界を救う」

 という言い伝えがある。

「大変だ! 大変だ! 姫様がさらわれて行方不明らしいぞ!」
 時は太平の江戸時代。お城のお姫様が何者かにさらわれた。

ピキーン!

 その時、ポーちゃんママは何かに気づいた。
「配役を旧暦12人で賄ってやる。」
 こうして。
「睦月ちゃん、如月姫がさらわれたんだって。」
「そうなんだ。みんなで仲良くすればいいのにね。」
 睦月。こいつが主人公の侍忍者。
「そうよね。早く睦月ちゃんと結婚したいな。アハッ!」
 弥生。お団子屋さんで働く娘。
「ごめんね。貧乏で。」
 睦月は貧乏侍であった。
「チャンスだよ! おまえたち!」
「あ、女将さん。」
 そこに茶店の女将の卯月が現れる。
「瓦版には、如月姫を助けたら徳川の将軍様からご褒美がたんまりともらえるらしいよ!」
 姫を助けたいので将軍様は姫の救出に賞金をかけた。
「待っててね。弥生ちゃん。いってくる!」
「がんばって! あなた!」
 こうして睦月は如月姫を探す旅に出た。

「行ってくると言ったものの、どこへ行けばいいんだ?」
 睦月は途方に暮れていた。
「ワッハッハー!」
 そこに睦月に対して馬鹿笑いしている少年が現れる。
「その下品な笑い声は・・・・・・皐月!」
「誰が下品な笑い声だ!?」
 睦月と皐月は仲良しだった。
「どうやら姫がさらわれた事件は妖怪の仕業らしい。」
「妖怪!?」
 妖怪とは人間ではない者である。
「侍忍者の僕の出番だな。」
「私の出番だよ。私の。睦月! おまえには負けないぞ!」
 睦月も皐月も侍忍者だった。
「睦月! おまえに勝って、弥生ちゃんは私がもらい受ける!」
 皐月も弥生のことが好きだった。
「人の許嫁に手を出すな!」
「知らない。」
 睦月と弥生と皐月は三角関係であった。
「皐月様! 酷い!」
「水無!?」
 そこに水無月が現れる。
「私というものがおりながら、まだ弥生なんかに恋心を抱いているのですか!?」
「違う!? 冗談だ!? 頼むから命だけは助けてくれ!?」
 皐月は水無月と良い仲だった。
「ギャアアアアアアー!」
 皐月の悲鳴声が世に響き渡る。

「妖怪なんか出るのかな?」
「出ると思うから出るのさ。」
 睦月と皐月は夜の巡回をしていた。
「ギャアアアアアアー!」


・・・・・・。
朝、目が覚めると違うストーリーが描かれる。
(昨日のストーリーを忘れてしまう。)


「でやー!」
 睦月は旧暦道場で剣術の稽古をしている。
「俺は世界一の侍になってみせる!」
 彼の夢は世界一の侍になることだった。
「よう。睦月。気合が入っているな。」
「如月。」
 そこに睦月の友達の如月が現れる。
「世界一の忍者になるのは俺の方が早いぜ!」
 如月も旧暦道場で忍術の稽古をしている。
「何を! 負けるもんか!」  
 睦月と如月は友でありライバルであった。

 時は江戸時代。徳川家が全国統一を成し遂げ日本から争いがなくなったかに見えたが・・・・・・。
「ガオー!」
 妖怪が暴れ出し、人々を恐怖のどん底に落としていた。
「求む! 侍! 忍者!」
 徳川家は妖怪退治のために侍や忍者を募集した。
「俺も戦う!」
「俺もだ!」
 睦月と如月も妖怪と戦うために徳川家の妖怪討討伐隊に参加する。

「なあ、睦月。本当に妖怪なんているのか?」
「なに? おまえビビってるの?」
「違うわい!」
 睦月も如月も対人間用に稽古をしていたのでまさか妖怪と戦うとは思っていなかった。
「出たぞ! 妖怪だ!」
 その時、妖怪が現れた。
「いくぞ!」
「おお!」
 ここに人間と妖怪の激しい戦いが始まる。

「でやー!」
「たあー!」
 睦月と如月も必死に妖怪と戦った。
「ガオー!」
 しかし人間よりも数で勝る妖怪たちが優勢に戦いを進める。

「人間、脆いな。」
 日本の三大妖怪の一人、酒呑童子。
「なんだい? 戦いにもならないね。」
 日本の三大妖怪の一人、玉藻前。
「人間は平和ボケ。こちらは長い間、この日のために鍛えてきた。」
 日本の三大妖怪の一人、大嶽丸。
「生前の恨みを晴らす時が来たのだ。」
 日本の三大怨霊の一人、菅原道真。
「長かった。この日が来るのが長かったぞ。」
 日本の三大怨霊の一人、平将門。
「やはりこの世の恨みはこの世で晴らさねば。」
 日本の三大怨霊の一人、崇徳天皇。

「逃げろ!」
 幹部妖怪たちの前に平和ボケの人間の侍が役にたつことはなかった。
「ダメだ!? 殺される・・・・・・。」
 睦月は戦いに疲れ倒れてしまう。
「しっかりしろ!? 睦月!?」
 心配して駆け寄る如月。
「ガオー!」
 そこに妖怪の黒竜が現れる。
「お願いだ! 俺はどうなっても構わない! こいつだけは助けてくれ!」
 命乞いする如月。
「自分を犠牲にしてまで助ける価値があるのか?」
 問う黒竜。
「俺の友達なんだ! 俺の大切な友達なんだ!」
「いいだろう。その代わりおまえの命を貰うぞ。」
「分かった。」
 睦月を助けるために黒竜と取引をする如月。
「睦月。俺の忍術を、俺の夢をおまえに託すぞ。」
 如月は睦月に世界一の忍者になるという夢を託した。
「いいぞ! 俺の命をくれてやる!」
「ガオー!」
 黒竜は如月を飲み込んだ。
「ギャアアアアアアー!」
 如月の悲鳴が響いた。

「・・・・・・ん・・・・・・んん・・・・・・。」
 睦月は目を覚ました。
「ここは?」
「道場よ。」
 そこに睦月の看病をしている少女が現れる。
「弥生!」
 彼女の名前は弥生。睦月と同じく旧暦道場の門下生である。

ピキーン!

 その時、ポーちゃんママは何かに気づいた。
「黒竜を妖怪王にしよう。これで妖怪王を考えなくていいぞ! やったー!」
 さすが!
「黒竜は妖怪や怨霊の誰かに操られていて、本当は聖龍だった。面白そう!」
 完璧。

「如月は!?」
 睦月は如月のことを思い出した。
「・・・・・・いなかった。救助隊が助けられたのはあなただけだった。」
「そんな!? 如月はしんでしまったのか!? うおおおおおー!」
 友の死を受け入れられない睦月。
「許さない! 俺が妖怪を倒して、如月の無念を晴らしてやる!」
 復讐に燃える睦月。

「ギャアアアアアアー!」
 猛威を振るった妖怪たちは人間の世界をあっという間に支配した。
「ガオー! 我は黒竜! 妖怪王である!」
 江戸城はあっという間に妖怪王の黒竜に支配された。
「人間?」
 そして妖怪王の側近は人間だという噂があった。

「負けるもんか! 妖怪に人間の恐ろしさを教えてやる!」
 睦月は妖怪を倒しに飛び出していく。
「ガオー!」
 睦月の前に妖怪たちが現れる。
「おまえたちが如月を、俺の友を殺したな!」
 睦月は刀を抜き妖怪たちに斬りかかる。
「ギャアアアアアアー!」
 睦月は妖怪たちを倒していく。

「斬れない!?」
 しかし実態のない幽霊なんかは睦月の刀では斬れなかった。
「おまえの刀なんかでは斬れないんだよ! 忍者の忍法でしか怖くないんだ! なんせ、こっちは足が無いんでね! ケッケッケ!」
 侍の睦月に幽霊は斬れない。
(俺はここで死ぬのか? 俺はここまでなのか? 結局、一人では何もできねえ。クソッ! こんな時に如月がいてくれたら!)
 睦月は妖怪に殺された忍者の如月を思い出した。

ピキーン!

(これは!?)
 その時、睦月の中に何か温かいものが生まれる。
「死ね!」
 幽霊が睦月に襲い掛かってくる。

スパン!

 その時、幽霊が睦月に斬られた。
「バカな!? 侍に幽霊の私が斬られるなんて!? その刀は!?」
 睦月の刀は光を放っていた。
(これは忍術!? 侍の俺は忍術が使えないはず!?)

ピキーン!

 その時、睦月の中で何かを感じる。
(俺の夢もおまえに託す。必ずなれよな。世界一の侍に。)
 睦月の中に如月の言葉が響く。
「そうだ。俺は世界一の侍になるって決めたんだ。こんな所で負けていられるか!」
 睦月は立ち上がった。
「死ね! 人間!」
 幽霊が襲い掛かってくる。
「俺の刀と友の忍術。二つが一つに融合して負ける訳がねえ!」
 睦月の刀が神々しい光を放つ。
「いくぞ! 如月! 必殺! 光刀斬!」
「ギャアアアアアアー!」
 光る刀は幽霊を斬り浄化させた。
「やったー! 妖怪に勝ったぞ! わ~い!」
 睦月は妖怪に勝利した。
(如月。おまえのおかげで勝てたよ。我が友よ。ありがとう。)
 睦月と如月の友情は続いている。
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