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帰ってきた野盗少女
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「お友達になろう! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
真理亜、お友達10億人キャンペーン実施中!
「お友達になろうよ! アハッ!」
今日も真理亜はお友達の勧誘を行っていた。
「キャアアアアアアー! 変態! ストーカーよ!」
荒れ果てた貧しい侍時代。自分が生きていくだけでも大変な時代に、真理亜のようにお友達を探す人間なんかいなかった。
「こらー!? 誰が110番だ!? ・・・・・・って、この時代は電話すらなかった・・・・・・悲しいでござる。アハッ!」
別に死んで転生してきたわけではないが、なぜか現ファンの記憶を持つ真理亜。
「それが〇〇少女ワールド! アハッ!」
困った時は笑って誤魔化す真理亜。
「最近、野盗さんがいなくなっちゃったから、戦利品がないね。」
「この世界が平和になったのは私のおかげでござる。アハッ!」
「今夜のご飯は無しね。」
「そ、それだけは勘弁してください!? 神様! 仏様! 楓様!」
主に死人から価値ある品を盗んで生きているので、この世の中が平和になるとご飯が食べれない大神姉妹。
「キャアアアアアアー!」
その時、少女たちの悲鳴が聞こえる。
「何事!?」
「グワッハッハー!」
「この声は!?」
どこかで聞き覚えのある声がする。
「俺だ! 俺だよ! 野盗の親分だよ! グワッハッハー!」
喋り方は同じだが親分はカワイイ女の子になっていた。
「あれれ? 親分はおっさんのはずだ!? 女の子になってる!?」
「オカマよ。オカマ。」
「あ、そっか。納得。アハッ!」
妙に納得する真理亜。
「違うわい!? 敵がオッサンでは盛り上がらないだろう! だから俺の設定は少女になったのだ! 分かったか! このおバカども!」
「やっぱりオカマだって。」
「言い訳するなんてオカマの風上にもおけないわ。」
「人の話を聞いていたのか!?」
真理亜の耳に念仏である。
「ピキーン!」
その時、真理亜は勝利のサイキック・インプレッションを感じた。
「見えた! 勝利の方程式!」
真理亜は超能力少女として、見えないものを感じ取った。
「楓。」
「なに? お姉ちゃん。この野盗さんの身包みを剥がさないと私たちのご飯は買えないよ。」
「なんですと!? それだけはご勘弁くださいでござる!? ・・・・・・違う!?」
侍時代に豊かな生活などないのだ。
「楓。お姉ちゃんを信じて人質になりなさい。」
「やだ。」
「どうして?」
「だってお姉ちゃんが信用できないんだもん。アハッ!」
おバカな姉を信用できない賢い妹。
「ギャアアアアアアー!? お姉ちゃんなんか、大っ嫌いだ!?」
「ありがとう。人質交換に応じてくれて。これからは私の妹を優先的に人質にしてくれでござる。」
「おまえ、野盗以下だな・・・・・・。」
「誉め言葉と受け取っておくよ。アハッ!」
「可哀そうに。悪いお姉ちゃんだね。悲しい。同情するよ。」
「野盗さん、優しい。」
人質は楓に変わった。
「さあ! 妹は預かった! 返してほしければ、無駄な抵抗はやめて、速やかに刀を捨てなさい!」
「クッ!? 卑怯な!? 妹を人質にするなんて!?」
「え? おまえが妹を人質にしろって言ったんじゃないか!?」
「そうだ! そうだ! 真理亜お姉ちゃんの鬼! 悪魔! 鬼畜!」
「お黙り!」
すごいバッシングを受けて逆ギレする真理亜。
「分かったわ。刀を捨てるわ。」
真理亜は刀を捨てた。
「はい。約束なので妹さんを返します。」
「え?」
「やったー! 助かっちゃった!」
野盗さんは約束通り楓を真理亜に返した。
「ストップー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
しかし、真理亜は天地をひっくり返すような大声を放つ。
「違うでしょ!? 野盗さん! そこは刀を捨てた私に斬りかかってもらわないと、刀を捨てた私の立場が無いでしょ!?」
「すいません・・・・・・。」
「お、お姉ちゃん!? 何を言ってるの!? 私たち無事に助かったんだよ!?」
「楓! あなたもあなたで、喜んでいないで、野盗は怖い存在なんだから、もっと怖がりなさい!」
「ええー!?」
厳しい真理亜監督の演出指導が入った。
「テイク2! スタート!」
再開される撮影。
「刀を捨てた侍など怖くもないわ! 先におまえを殺して、後から妹も殺してやる! グワッハッハー!」
「騙したな!? 卑怯者!?」
「なんとでも言え! 卑怯は野盗には誉め言葉だ! グワッハッハー!」
「危ない!? お姉ちゃん!?」
刀を捨てた真理亜は絶体絶命の危機に陥る。
「死ねえ! ござる侍少女!」
野盗が真理亜に斬りかかる。
「かかったね。」
真理亜は平然と笑みを浮かべている。
「私は刀より体術の方が得意でござる! 野盗、おまえにも悲しみを味合わせてやる! 必殺! タイキック!」
「ギャアアアアアアー!? さようなら! また来るからな!」
タイキックで空高く蹴り飛ばされた野盗は星になって消えた。
「正義は勝つ。」
汗をヒーローらしく拭う真理亜。
「真理亜お姉ちゃん!」
「楓!」
姉妹の運命的な再会である。
「グヘッ!?」
姉の顔に蹴りを食らわせ黙らせる妹。
「言ったよな! あいつの身包みを剥がして裸にして売らないと、おかずが買えないって! 今日はお姉ちゃんのご飯は無しだからね!」
「そ、そんな!? お許しください! 神様! 仏様! 楓様!」
こうして何事も無かったように日々は過ぎていくのだった。
つづく。
真理亜、お友達10億人キャンペーン実施中!
「お友達になろうよ! アハッ!」
今日も真理亜はお友達の勧誘を行っていた。
「キャアアアアアアー! 変態! ストーカーよ!」
荒れ果てた貧しい侍時代。自分が生きていくだけでも大変な時代に、真理亜のようにお友達を探す人間なんかいなかった。
「こらー!? 誰が110番だ!? ・・・・・・って、この時代は電話すらなかった・・・・・・悲しいでござる。アハッ!」
別に死んで転生してきたわけではないが、なぜか現ファンの記憶を持つ真理亜。
「それが〇〇少女ワールド! アハッ!」
困った時は笑って誤魔化す真理亜。
「最近、野盗さんがいなくなっちゃったから、戦利品がないね。」
「この世界が平和になったのは私のおかげでござる。アハッ!」
「今夜のご飯は無しね。」
「そ、それだけは勘弁してください!? 神様! 仏様! 楓様!」
主に死人から価値ある品を盗んで生きているので、この世の中が平和になるとご飯が食べれない大神姉妹。
「キャアアアアアアー!」
その時、少女たちの悲鳴が聞こえる。
「何事!?」
「グワッハッハー!」
「この声は!?」
どこかで聞き覚えのある声がする。
「俺だ! 俺だよ! 野盗の親分だよ! グワッハッハー!」
喋り方は同じだが親分はカワイイ女の子になっていた。
「あれれ? 親分はおっさんのはずだ!? 女の子になってる!?」
「オカマよ。オカマ。」
「あ、そっか。納得。アハッ!」
妙に納得する真理亜。
「違うわい!? 敵がオッサンでは盛り上がらないだろう! だから俺の設定は少女になったのだ! 分かったか! このおバカども!」
「やっぱりオカマだって。」
「言い訳するなんてオカマの風上にもおけないわ。」
「人の話を聞いていたのか!?」
真理亜の耳に念仏である。
「ピキーン!」
その時、真理亜は勝利のサイキック・インプレッションを感じた。
「見えた! 勝利の方程式!」
真理亜は超能力少女として、見えないものを感じ取った。
「楓。」
「なに? お姉ちゃん。この野盗さんの身包みを剥がさないと私たちのご飯は買えないよ。」
「なんですと!? それだけはご勘弁くださいでござる!? ・・・・・・違う!?」
侍時代に豊かな生活などないのだ。
「楓。お姉ちゃんを信じて人質になりなさい。」
「やだ。」
「どうして?」
「だってお姉ちゃんが信用できないんだもん。アハッ!」
おバカな姉を信用できない賢い妹。
「ギャアアアアアアー!? お姉ちゃんなんか、大っ嫌いだ!?」
「ありがとう。人質交換に応じてくれて。これからは私の妹を優先的に人質にしてくれでござる。」
「おまえ、野盗以下だな・・・・・・。」
「誉め言葉と受け取っておくよ。アハッ!」
「可哀そうに。悪いお姉ちゃんだね。悲しい。同情するよ。」
「野盗さん、優しい。」
人質は楓に変わった。
「さあ! 妹は預かった! 返してほしければ、無駄な抵抗はやめて、速やかに刀を捨てなさい!」
「クッ!? 卑怯な!? 妹を人質にするなんて!?」
「え? おまえが妹を人質にしろって言ったんじゃないか!?」
「そうだ! そうだ! 真理亜お姉ちゃんの鬼! 悪魔! 鬼畜!」
「お黙り!」
すごいバッシングを受けて逆ギレする真理亜。
「分かったわ。刀を捨てるわ。」
真理亜は刀を捨てた。
「はい。約束なので妹さんを返します。」
「え?」
「やったー! 助かっちゃった!」
野盗さんは約束通り楓を真理亜に返した。
「ストップー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
しかし、真理亜は天地をひっくり返すような大声を放つ。
「違うでしょ!? 野盗さん! そこは刀を捨てた私に斬りかかってもらわないと、刀を捨てた私の立場が無いでしょ!?」
「すいません・・・・・・。」
「お、お姉ちゃん!? 何を言ってるの!? 私たち無事に助かったんだよ!?」
「楓! あなたもあなたで、喜んでいないで、野盗は怖い存在なんだから、もっと怖がりなさい!」
「ええー!?」
厳しい真理亜監督の演出指導が入った。
「テイク2! スタート!」
再開される撮影。
「刀を捨てた侍など怖くもないわ! 先におまえを殺して、後から妹も殺してやる! グワッハッハー!」
「騙したな!? 卑怯者!?」
「なんとでも言え! 卑怯は野盗には誉め言葉だ! グワッハッハー!」
「危ない!? お姉ちゃん!?」
刀を捨てた真理亜は絶体絶命の危機に陥る。
「死ねえ! ござる侍少女!」
野盗が真理亜に斬りかかる。
「かかったね。」
真理亜は平然と笑みを浮かべている。
「私は刀より体術の方が得意でござる! 野盗、おまえにも悲しみを味合わせてやる! 必殺! タイキック!」
「ギャアアアアアアー!? さようなら! また来るからな!」
タイキックで空高く蹴り飛ばされた野盗は星になって消えた。
「正義は勝つ。」
汗をヒーローらしく拭う真理亜。
「真理亜お姉ちゃん!」
「楓!」
姉妹の運命的な再会である。
「グヘッ!?」
姉の顔に蹴りを食らわせ黙らせる妹。
「言ったよな! あいつの身包みを剥がして裸にして売らないと、おかずが買えないって! 今日はお姉ちゃんのご飯は無しだからね!」
「そ、そんな!? お許しください! 神様! 仏様! 楓様!」
こうして何事も無かったように日々は過ぎていくのだった。
つづく。
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