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マオ VS 宿子

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 ここは渋谷のスクランブル交差点。
「さあ! かかってこい! 矢でも鉄砲でも持ってこい!」
 第17魔法少女の川田マオは絶好調だった。
「こんにちわ。良く私なんかが魔法少女になることができたものね。」
 第18魔法少女、竹下宿子が現れた。ちなみに宿子は第3魔法少女、結の鉄道ゲーム仲間だったので、コネで魔法少女になれたのだった。
「おまえが私の相手か! ゴキブリ娘!」
「ご、ご、ゴキブリ!? 私はゴキブリじゃなくて、ゴスロリよ!」
「知らんがな。」
 マオと宿子は険悪な中になった。
「それにしてもエムブレスとは、よう考えたもんや。確かに私の「ゲームの世界で、コニャニャチワ!」スキルは、魔法とは言えんような特殊能力やからな。」
 マオの能力はゲームの世界で得たスキルとダメージを、現実世界でも使うことができるというものである。
「私の能力は、いったい!? どうすればいいの!? 回復魔法なんて、使えない!?」
 宿子は特にスキルはない。ただのカワイイ原宿に居そうなゴスロリ娘というだけだからだ。とりあえず、他の魔法少女にない能力として、回復専門を目指すことにした。
「回復か、地味なエムブレスを選んだんやな。しかもキャラクター的に上級天使のラファエルと同じ。道は険しいな。」
「誰ですか? ラファエルって?」
「知らんのかいな。可哀そうに。一気にくるで。今までに生み出した男子キャラクターも女性に性転換させることによって、ドドドドドッ! ドピュドピュッ! と魔法少女を48人にするつもりや。あっという間に量産されるで。」
 ちなみに気晴らしに1万字「魔法とミステリ」コン用で第21魔法少女、炎のシャーロットと、第22魔法少女、氷のエマが創作されたばかりである。もっともらしい魔法少女の2人である。
「でも、この魔法少女の格闘ゲームは、1話で魔法少女2人にフォーカスを当てるという、キャラクターの育成に特化したものですよね?」
「そうや。うちみたいにゲームの世界で得たスキルを、現実世界でも使えるというのは、個性アリアリの両スキルやな。主人公の栞も倒せたしな。だから宿子も何か自分の必殺技みたいなものを創作すればええやないか。」
「私の必殺技か。」
 宿子は自分のことを考えて見る。ゴスロリが好きという女の子である。
「ゴスロリメークで呪いをかける。ゴスロリ衣装で世界観に洗脳する。こんなぐらいしか思いつかない!? アア!? どうしよう!?」
 宿子は自分には何ができるのか、悩み込んでしまう。
「まあ、あれや。まだ魔法少女になるのが早かったちゅうことやな。魔法少女が48人揃って、入れ替え戦が始まるまでに、自分の個性を見つけることやな。」
「はい。がんばります。」
「ということで、勝負はうちの勝ちでええな。」
「それは嫌です。」
 個性と勝敗は別である宿子。
「ええー!? なんでや!?」
「だって出番を増やさないと、私が私の個性を考えている時間がないじゃないないですか。」
「う~ん。それも一理あるな。」
 マオの言うことより、宿子の言い分の方が話の筋が通っていた。
「分かった。今回は特別にわての負けでええわ。」
「え!? いいんですか!?」
「ええで。うちは完成された個性のあるキャラクターやからな。宿子、頑張るんやで。」
「マオさん、ありがとうございます。」
「かまへん、かまへん。」
 こうして勝負は宿子の勝ちが決まった。
「最後にうちから、緊急告知をぶち込んどくわ。このシリーズは3までで終わり、タイトルを新しくリニューアルして、さらにシリーズを続けていくということが決定した。ということは本シリーズは魔法少女の育成の場ということが決定したんや! カッカッカ!」
 勝負に負けて、美味しい所を持っていくマオであった。

 つづく。
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