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道子の鉄道ロマン旅
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私の名前は、鉄道子と書いて、くろがねみちこ。鉄道を愛し、鉄道に愛された女。もうすぐ魔法鉄道ゲーム「鉄道で、GO!」の魔法渋谷区代表決定戦が行われる。eスポーツとリアルゲームの融合。当然、指令室で仲間に指示を出す私は、仲間のために知識を蓄えるために、休日は、秘境駅に足を運ぶのだった。
「ああ~、気持ちいい!」
私は今、愛媛県の海の見える駅にいる。魔法JR四国予讃線の下灘駅にいる。かつては「海に一番近い駅」だったらしい。駅にはベンチと屋根があるだけである。全国秘境駅ランキングで1位にもなったことがあるらしい。1度は行ってみたい憧れの駅である。
「東京で満員電車に乗っているのが、本当にバカバカしくなってくるわ。」
魔法のカード、青春18きっぷの宣伝ポスターに3度も起用されているのが納得できるくらい、清々しい駅で鉄道ファンの道子は感極まって涙を流す。
「なんで魔法少女の日常を間に挟むのよ? 道子の鉄道ロマン旅でいいじゃない。」
これが道子の本音である。タイトルを道子の鉄道ロマン旅にして、温泉旅館で入浴シーンを撮影すれば、視聴率もスポンサーも、なんとか保てるだろう。
「あなたも鉄道が好きなの?」
道子に見ず知らずの女の子が声をかけてきた。首から一眼レフカメラをかけ、一目で鉄道が好きな、鉄子だと道子は直感した。
「はい。鉄道が大好きです。あなたも?」
「そうなの。電車とか駅のことを考えるだけで、ワクワクしてくるの!」
「分かる! 私も電車や駅が大好き! この下灘駅も、ドラマやCMで見て、1度は行ってみたいと思ってて、思い切って来ちゃった!」
「キャアアア! 鉄道! 最高!」
鉄道好きは全国共通。鉄道ファンは初対面でも分かり合える。
ここまでで素直に思うのは「このまま普通に、青春鉄道モノの道子の鉄道ロマン旅で良いのではないだろうか。」特に問題がなく、普通に書けばいいんだと感じる。その方が実写ドラマ化されるみたいだし、魔法NHKが「ホモ」を実写ドラマ化するということは、アニメも実写も脚本不足を露呈しているから。軽いラノベに拘らなくていいのかな。
「私、今度、魔法鉄道ゲームの東京予選に出るんです。」
「ピクッ。」
道子が何気なく言った一言に愛媛ガールは反応した。
「東京は区の予選もあるし、次は23区予選もあるし、それでやっと東京都の代表になれるんですよ。本当に嫌になっちゃいますよ。ハッハハハ。」
「東京、東京、うるさい!」
何気なく話していた道子だが、愛媛ガールが突然怒り出した。
「え? 私何か、機嫌を悪くするようなことを言いましたか?」
「あなたに悪気が無くても、東京東京言われたら、まるで田舎者をバカにしているように聞こえる!」
基本的な田舎者の僻みだった。
「そんな!? 私、田舎をバカになんかしてませんよ!? 大好きで田舎までやって来るぐらいだもの!」
「そんなことは分かっている。」
「じゃあ、どうして?」
「あなた、魔法鉄道ゲームの鉄道へ、GO! 選手権に出場するのよね。」
「はい。」
「なら、私たちはライバルよ!」
「なんですって!? まさか!? あなたも!?」
「そうよ! 私の名前は愛媛ポン子! 私は既に愛媛県代表の座を獲得している! 次に会う時は、全国大会よ! さらばだ!」
なんと愛媛ガールも鉄道へ、GO! に参加するのだった。
「勝ちあがって来なさい! 再会を楽しみに待っているわ。ワッハッハー!」
愛媛ポン子は下灘駅を去って行った。
「愛媛ポン子!? なんて恐ろしい相手なの!? 全国大会にはポン子見たいな鉄道ファンが集まって来るのね!?」
まだ道子は気づいていなかった。鉄道大好きで全国の鉄道や駅を見に行く度に、各地方のライバルと出会い、戦う相手の数が増えていくことを。
つづく。
「ああ~、気持ちいい!」
私は今、愛媛県の海の見える駅にいる。魔法JR四国予讃線の下灘駅にいる。かつては「海に一番近い駅」だったらしい。駅にはベンチと屋根があるだけである。全国秘境駅ランキングで1位にもなったことがあるらしい。1度は行ってみたい憧れの駅である。
「東京で満員電車に乗っているのが、本当にバカバカしくなってくるわ。」
魔法のカード、青春18きっぷの宣伝ポスターに3度も起用されているのが納得できるくらい、清々しい駅で鉄道ファンの道子は感極まって涙を流す。
「なんで魔法少女の日常を間に挟むのよ? 道子の鉄道ロマン旅でいいじゃない。」
これが道子の本音である。タイトルを道子の鉄道ロマン旅にして、温泉旅館で入浴シーンを撮影すれば、視聴率もスポンサーも、なんとか保てるだろう。
「あなたも鉄道が好きなの?」
道子に見ず知らずの女の子が声をかけてきた。首から一眼レフカメラをかけ、一目で鉄道が好きな、鉄子だと道子は直感した。
「はい。鉄道が大好きです。あなたも?」
「そうなの。電車とか駅のことを考えるだけで、ワクワクしてくるの!」
「分かる! 私も電車や駅が大好き! この下灘駅も、ドラマやCMで見て、1度は行ってみたいと思ってて、思い切って来ちゃった!」
「キャアアア! 鉄道! 最高!」
鉄道好きは全国共通。鉄道ファンは初対面でも分かり合える。
ここまでで素直に思うのは「このまま普通に、青春鉄道モノの道子の鉄道ロマン旅で良いのではないだろうか。」特に問題がなく、普通に書けばいいんだと感じる。その方が実写ドラマ化されるみたいだし、魔法NHKが「ホモ」を実写ドラマ化するということは、アニメも実写も脚本不足を露呈しているから。軽いラノベに拘らなくていいのかな。
「私、今度、魔法鉄道ゲームの東京予選に出るんです。」
「ピクッ。」
道子が何気なく言った一言に愛媛ガールは反応した。
「東京は区の予選もあるし、次は23区予選もあるし、それでやっと東京都の代表になれるんですよ。本当に嫌になっちゃいますよ。ハッハハハ。」
「東京、東京、うるさい!」
何気なく話していた道子だが、愛媛ガールが突然怒り出した。
「え? 私何か、機嫌を悪くするようなことを言いましたか?」
「あなたに悪気が無くても、東京東京言われたら、まるで田舎者をバカにしているように聞こえる!」
基本的な田舎者の僻みだった。
「そんな!? 私、田舎をバカになんかしてませんよ!? 大好きで田舎までやって来るぐらいだもの!」
「そんなことは分かっている。」
「じゃあ、どうして?」
「あなた、魔法鉄道ゲームの鉄道へ、GO! 選手権に出場するのよね。」
「はい。」
「なら、私たちはライバルよ!」
「なんですって!? まさか!? あなたも!?」
「そうよ! 私の名前は愛媛ポン子! 私は既に愛媛県代表の座を獲得している! 次に会う時は、全国大会よ! さらばだ!」
なんと愛媛ガールも鉄道へ、GO! に参加するのだった。
「勝ちあがって来なさい! 再会を楽しみに待っているわ。ワッハッハー!」
愛媛ポン子は下灘駅を去って行った。
「愛媛ポン子!? なんて恐ろしい相手なの!? 全国大会にはポン子見たいな鉄道ファンが集まって来るのね!?」
まだ道子は気づいていなかった。鉄道大好きで全国の鉄道や駅を見に行く度に、各地方のライバルと出会い、戦う相手の数が増えていくことを。
つづく。
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