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<リシュワルド>ルート
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今日はとても良い日に、なりそうな予感がする。
萌え満載の夢を見れたし、天気は快晴だ。店の場所まで向かっているときに、同じ市場で店を出している人から貰った果物が凄く美味しかった。
きっとこの後も、良い事が続きそうな気がする。
なんて思っていた自分に、教えてやりたい。予感は大外れだと。
市場の一角を借りている場所で、店の体裁を整えた。たくさん売れると良いなと、気分良く店を開いて数分後に真逆の気分になるなんて思いもしない。
「やあ、久しぶり」
「……いらっしゃいませ」
思い切り溜息を、つきたい心情になった。出来るなら目の前の存在が、幻覚だったら良かったのにと強く思う。だが現実は、非情だ。目の前で嘘くさい笑みを浮かべている騎士Aは、消えてはくれない。
「新作って、あるかな」
「ここら辺が、そうです」
「じゃあ、ここからここまで全部ちょうだい」
うさんくさい笑顔を浮かべたまま出てきた言葉に、一瞬動きを止める。
なんか金持ち臭のする発言が聞こえた。なんだここから、ここまでって何個あると思ってるいんだ。どれだけ買うつもりだ。まるで貴族みたいな……って、こいつ貴族だったな忘れてた。
「包装するので、お待ちください」
「はいはーい。ねえところでさ、元気だった?」
一つ一つ術を構築して、氷で包む。こいつが来るなら、適当な袋を用意しておけば良かった。失敗したなと思っていると、なぜか話しかけてくる。必要最低限の関わりにしたいのに、なんで声をかけてくるんだ。切実に、止めてもらいたい。
「普通でした」
「何か面白いことあった?」
「特にありません」
人が作業しているときに、どうでも良い話題ばかり振らないでほしい。一体何が目的なのか。待っているのが暇なら、他の店を見てくれば良いだろうに。
「嫌な事は?」
「特にないです」
さすがに目の前にお前がいることが、嫌だとは言えない。心の底から関わりたくないと思っているし顔も合わせたくない。けどそれを口にするほど、分別がないわけじゃない。
「君、俺のこと嫌いでしょ」
「好きになる要素が,思いつかない」
―― しまった
あと少しで包み終わる。そんなときだから、少し気が抜けたのかも知れない。心の声が、漏れてしまった。言ってから不味いと思ったけれど、口から出た言葉は取り消せない。
嫌いだと直球で返してはいないが、嫌いだと言っているのも当然だ。俺に嫌われたからと言って何があるわけでもないが、もし機嫌が悪くなったら面倒だ。なんせこっちは平民オブ平民で、騎士Aは貴族だ。ややこしいことに、なりかねない。
ただ今までもぞんざいな態度を、とっている自覚はある。けどそれによる実害はない―― いやあったけど、色々とありはしたけれど、それは態度が要因じゃない。だから大丈夫かも知れないが……視線を向けると下を向いて震えている。怒って……いや笑ってるな。一体なんなんだ。
「くっくっ……あっははは!」
「大丈夫ですか」
体をくの字にして、笑っている。どうでも良いが、商品を置いている台に手をつくのは止めてもらいたい。あと叩くな、商品が落ちたらどうしてくれる。
「えっ? うん、大丈夫。楽しかっただけだから」
「いえ周りから不審者かって、目を向けられていますが大丈夫ですかという意味です」
隣で店を出しているおっさんが、露骨に胡乱げな目を向けている。周りも似たようなものだ。まあいきなり大仰に笑い出しのだから、反応としては正常だ。
不審な目で見られているのは、騎士Aだけだ。俺に対しては、気遣うような視線が向けられている。これも表情筋が仕事をしない代わりに、周りに礼儀正しく接した成果だ。
「へっ? ああ、うん大丈夫。冷たい目で見られるのは、何時もで慣れてるから」
「本当に、大丈夫ですか?」
思わず本気で、尋ねてしまった。冷たい目で見られるのに慣れるほど、そんな視線にさらされてるってどんな状況なんだ。
かわいそ……なんて思わないぞ。そうだ絶対に何があっても、こいつに同情したりなんてしない。
「君は、優しいね。嫌いな相手の心配もするんだ」
「心配なんてしていません。大丈夫か気になっただけなので」
そうだなんで俺が、こいつの心配なんてしないといけないんだ。首に短刀を、押しつけた奴だぞ。口に出したら何時まで、言っているんだといわれそうだ。けどあんな目に合って、こいつが嫌だって感情が期限をむかえること絶対にない。
「それを心配してるって、言うんじゃない?」
「していません。どうぞ。沢山のお買い上げ、ありがとうございました」
バラバラに渡すのもなんだから、術で大きめの箱形の氷を作ってまとめていれた。あと持ち運びに不便そうだから、薄い氷を作って袋にして渡す。他のお客さんでも沢山買ってくれたときは、そうしている。こいつが何で来たのかはしらないが、客として買い物をしているのだから対応は変えない。
「器用だね」
「そうでもないです」
「ところでさ、俺がなんで君の所に来ると思う?」
―― 知るか
理由なんて、思いつかない。もしや未だに怖がっている俺を見て、悦に入るためにきてるのか。なんて性根の腐った奴だろうか。二度と来ないで、もらいたい。答えずにいると、目が細まったのが見える。
「ひ・み・つ」
たった三文字を絶妙に、イラッとする間合いで口にする。人をおちょくっているように、見える目が腹立たしさを増幅させる。。
そもそも自分から聞いてきて、何が秘密だ。答えるつもりがないなら、最初から聞くな。
「……そうですか」
「じゃあ、また来るね」
もういっそうのこと氷漬けにして、市場の外に放り出したい気分になる。けどそんなことをしようとしても、絶対に返り討ちにあう。あと問題を起こしたわけではない客に、そんなことは出来ない。下手したらシーディスさんに、迷惑がかかってしまう。
―― 二度と、来るな
色んな感情を押し込めて短く返すと、苛つきの原因は笑顔のまま手を振って去って行った。
萌え満載の夢を見れたし、天気は快晴だ。店の場所まで向かっているときに、同じ市場で店を出している人から貰った果物が凄く美味しかった。
きっとこの後も、良い事が続きそうな気がする。
なんて思っていた自分に、教えてやりたい。予感は大外れだと。
市場の一角を借りている場所で、店の体裁を整えた。たくさん売れると良いなと、気分良く店を開いて数分後に真逆の気分になるなんて思いもしない。
「やあ、久しぶり」
「……いらっしゃいませ」
思い切り溜息を、つきたい心情になった。出来るなら目の前の存在が、幻覚だったら良かったのにと強く思う。だが現実は、非情だ。目の前で嘘くさい笑みを浮かべている騎士Aは、消えてはくれない。
「新作って、あるかな」
「ここら辺が、そうです」
「じゃあ、ここからここまで全部ちょうだい」
うさんくさい笑顔を浮かべたまま出てきた言葉に、一瞬動きを止める。
なんか金持ち臭のする発言が聞こえた。なんだここから、ここまでって何個あると思ってるいんだ。どれだけ買うつもりだ。まるで貴族みたいな……って、こいつ貴族だったな忘れてた。
「包装するので、お待ちください」
「はいはーい。ねえところでさ、元気だった?」
一つ一つ術を構築して、氷で包む。こいつが来るなら、適当な袋を用意しておけば良かった。失敗したなと思っていると、なぜか話しかけてくる。必要最低限の関わりにしたいのに、なんで声をかけてくるんだ。切実に、止めてもらいたい。
「普通でした」
「何か面白いことあった?」
「特にありません」
人が作業しているときに、どうでも良い話題ばかり振らないでほしい。一体何が目的なのか。待っているのが暇なら、他の店を見てくれば良いだろうに。
「嫌な事は?」
「特にないです」
さすがに目の前にお前がいることが、嫌だとは言えない。心の底から関わりたくないと思っているし顔も合わせたくない。けどそれを口にするほど、分別がないわけじゃない。
「君、俺のこと嫌いでしょ」
「好きになる要素が,思いつかない」
―― しまった
あと少しで包み終わる。そんなときだから、少し気が抜けたのかも知れない。心の声が、漏れてしまった。言ってから不味いと思ったけれど、口から出た言葉は取り消せない。
嫌いだと直球で返してはいないが、嫌いだと言っているのも当然だ。俺に嫌われたからと言って何があるわけでもないが、もし機嫌が悪くなったら面倒だ。なんせこっちは平民オブ平民で、騎士Aは貴族だ。ややこしいことに、なりかねない。
ただ今までもぞんざいな態度を、とっている自覚はある。けどそれによる実害はない―― いやあったけど、色々とありはしたけれど、それは態度が要因じゃない。だから大丈夫かも知れないが……視線を向けると下を向いて震えている。怒って……いや笑ってるな。一体なんなんだ。
「くっくっ……あっははは!」
「大丈夫ですか」
体をくの字にして、笑っている。どうでも良いが、商品を置いている台に手をつくのは止めてもらいたい。あと叩くな、商品が落ちたらどうしてくれる。
「えっ? うん、大丈夫。楽しかっただけだから」
「いえ周りから不審者かって、目を向けられていますが大丈夫ですかという意味です」
隣で店を出しているおっさんが、露骨に胡乱げな目を向けている。周りも似たようなものだ。まあいきなり大仰に笑い出しのだから、反応としては正常だ。
不審な目で見られているのは、騎士Aだけだ。俺に対しては、気遣うような視線が向けられている。これも表情筋が仕事をしない代わりに、周りに礼儀正しく接した成果だ。
「へっ? ああ、うん大丈夫。冷たい目で見られるのは、何時もで慣れてるから」
「本当に、大丈夫ですか?」
思わず本気で、尋ねてしまった。冷たい目で見られるのに慣れるほど、そんな視線にさらされてるってどんな状況なんだ。
かわいそ……なんて思わないぞ。そうだ絶対に何があっても、こいつに同情したりなんてしない。
「君は、優しいね。嫌いな相手の心配もするんだ」
「心配なんてしていません。大丈夫か気になっただけなので」
そうだなんで俺が、こいつの心配なんてしないといけないんだ。首に短刀を、押しつけた奴だぞ。口に出したら何時まで、言っているんだといわれそうだ。けどあんな目に合って、こいつが嫌だって感情が期限をむかえること絶対にない。
「それを心配してるって、言うんじゃない?」
「していません。どうぞ。沢山のお買い上げ、ありがとうございました」
バラバラに渡すのもなんだから、術で大きめの箱形の氷を作ってまとめていれた。あと持ち運びに不便そうだから、薄い氷を作って袋にして渡す。他のお客さんでも沢山買ってくれたときは、そうしている。こいつが何で来たのかはしらないが、客として買い物をしているのだから対応は変えない。
「器用だね」
「そうでもないです」
「ところでさ、俺がなんで君の所に来ると思う?」
―― 知るか
理由なんて、思いつかない。もしや未だに怖がっている俺を見て、悦に入るためにきてるのか。なんて性根の腐った奴だろうか。二度と来ないで、もらいたい。答えずにいると、目が細まったのが見える。
「ひ・み・つ」
たった三文字を絶妙に、イラッとする間合いで口にする。人をおちょくっているように、見える目が腹立たしさを増幅させる。。
そもそも自分から聞いてきて、何が秘密だ。答えるつもりがないなら、最初から聞くな。
「……そうですか」
「じゃあ、また来るね」
もういっそうのこと氷漬けにして、市場の外に放り出したい気分になる。けどそんなことをしようとしても、絶対に返り討ちにあう。あと問題を起こしたわけではない客に、そんなことは出来ない。下手したらシーディスさんに、迷惑がかかってしまう。
―― 二度と、来るな
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