90 / 127
<ジルベール>恋愛ルート
8<ジルベール視点>
しおりを挟む
「自分で入れられるようになったのか。成長してるじゃないか」
「一人暮らしなんだから、当たり前だろ」
お茶を入れたカップを置くと、見慣れた腹の立つ表情を浮かべる。久しぶりに見たのに、変わっていない。
「それで何するつもりなんだ。レイザードに迷惑かけるつもりなら、さっさと帰れ」
「お前の想い人にそんなことを、するわけがないだろう。町を案内してもらいたいだけだ」
突然現れたと思ったら、お前の想い人に会いに来た。案内しろなんてふざけたことを言って、拒否したら勝手に会いに行くなんて聞き捨てならない事を言われた。しょうがなく連れだって歩いてたら、はぐれたて嫌な予感を覚えて急いだら案の定で――
「そんなことなら、俺がする」
「今でさえ話すのが嫌だって顔してるのにか? まあいい。ところで、彼とはどこまでいったんだ?」
嫌だって言うのが、分かっているのに帰る気はないらしい。厄介な奴だって思っていたら、目を細めて口の端を上げたのが見えた。
「なにが」
「どう見ても、恋人同士って感じではなかったな。まさかまだ告白すらしてないのか?」
長い溜息をつきそうになるのを、なんとか堪えた。
―― やっぱりか
ユージスは、俺を揶揄いに来た。わざわざ他国まで来てとは思いはするけど、こいつは平気でそういうことをする。故郷にいるときも、会えば揶揄われてばかりだった。
―― 全く
仕事が忙しいはずなのに、何やってるんだ。大体、レイザードと俺の事に、何も関係ないだろう。言われたとおり告白すら出来る段階じゃ無いのが、勘に触る。
「……」
「そうむくれるなよ。なにも俺と、二人きりで会うわけじゃないだろ。愛しの彼もお前と一緒にと、言ってたじゃないか」
軽く肩をすくまる。何気ない仕草が、一々癪に触ってしょうがない。
「人を子供みたいにいうな。むくれてない。それとお前と彼が、会うこと自体がいやなんだ」
「彼が俺の方を、好きになるかも知れないからか?」
自分でも表情が、無くなるの分かった。多分、ユージスは、分かっていて言っている。
「そんなこと言っていない」
「目が、言っているぞ」
さもおかしいと言いたげに、目を細めて笑い声をこぼす。
椅子から立ち上がって、玄関に向かっていく。一人でレイザードの所に、行かせるつもりはないから追いかけた。
「気が変わった。ジルベールお前は、あとでこい」
「は?」
振り返って口の端を、上げたのが見える。
足下に冷気を感じる。不味いと思ったときには、透明な蔦を模した氷に囲まれていた。
「ユージス、ふざけるな!」
「ふざけてない、ふざけてない。至って真面目だ。先に行ってお前の愛しの君と、話をしてくるだけだよ。あせらずに、のんびり来ると良い」
思い切り拳で叩いても、びくともしない。見た目は華奢なガラス細工のように、見える。けれど見た目通りの強度で無いのは、手に残る痛みが証明していた。
気が変わったなんて、嘘に決まってる。
あいつは案内しろって言っておいて、俺とはぐれたあとレイザードのお店にいた。きっと来る前に名前も市場にいることも、調べ上げていたんだ。
会いに行くだけなら、俺に言わずに行くことが出来る。なのにわざわざ俺の家に寄って、今から行くのだと教えた。
そっちのほうが、俺の反応が見れてあいつにとって楽しいからだ。それで一緒に行くように仕向けて、足を止めをした。
なにもしらないより知った上で、なおかつ俺が焦るのをわかっていてこの状況を作りりだした。
足止めされている俺が、あいつが一人でレイザードに会いに行くって状況に何を思うかわかったうえでだ。
―― あいかわらず、性格が悪い!
焦りからか構築した風は、あいつが生み出した氷に傷をつけられない。
薄いまるで装飾のような氷が、いつまで経っても壊せない。炎を出しても溶ける様子もなかった。
なんでこんなに、手こずっている。何年経ったと思ってる。なんでこんなに、まだ差がある。
『俺の方を、好きになるかも知れないからか?』
余裕の表情が、脳裏に浮かぶ。
―― そうだよ
俺はお前に何一つ叶わない。二つの適性を持っている。ただそれだけで、もてはやされて。けどユージスに、一度も勝ったことがない。魔力の量も術の技能も、なにもかもが劣る。
いつも余裕の表情で、俺より遙か上にいる。
大抵のことは何でも出来た。教えられた術は、すぐに習得できたし術意外でも特に困ったことはない。けどあいつには勝てない。あいつに勝つために努力しようって気を奪うほどに、ユージスと俺の間には明確な差があった。
―― 少しはマシになったかもって、思っていた
レイザードの事を、好きになって彼に好かれたいが為に努力を始めて――追い越せないまでも、差は縮んでいると思っていたのに。なんて無様なんだ。
劣っているとか弱いとか、そういうことじゃない。俺には実力や才能というものがあって、でもそんな程度のモノは鼻で笑えるくらいの差がユージスとの間にはある。
―― けど、諦めたりしない
あいつは俺より優れていて、術にも詳しい。話をしたらレイザードと、気が合うかも知れない。あいつの方が大人だし色々と、上手くやる。俺より彼に相応しいのかもと、思いもする。
けど――いやだ
レイザードの傍にいるのが、俺じゃなくあいつなのがいやだ。彼の傍にいたい。とりとめないことを、話して一緒に時を過ごしたい。
叶わないからって、諦めるつもりなんてない。
―― 焦るな
焦燥にかられたら、あいつの思うつぼだ。
ぎりぎりまで熱で溶かして、あとは風を使って粉砕すれば良い。
きっと出来る。俺だって成長したんだ。学園に来るまでの俺とは違う。
目を閉じて意識を集中して、術を構築していく。
あいつは俺を揶揄うのが目的だから、俺にどうにか出来ない術を仕掛けてきたりはしない。なら今できる全てで氷の檻を壊せば良い。
―― 出来る
あいつの嫌な笑みがちらついたけれど、直ぐに追い出す。意識を術を構築することだけに、注いで術を放った。
「一人暮らしなんだから、当たり前だろ」
お茶を入れたカップを置くと、見慣れた腹の立つ表情を浮かべる。久しぶりに見たのに、変わっていない。
「それで何するつもりなんだ。レイザードに迷惑かけるつもりなら、さっさと帰れ」
「お前の想い人にそんなことを、するわけがないだろう。町を案内してもらいたいだけだ」
突然現れたと思ったら、お前の想い人に会いに来た。案内しろなんてふざけたことを言って、拒否したら勝手に会いに行くなんて聞き捨てならない事を言われた。しょうがなく連れだって歩いてたら、はぐれたて嫌な予感を覚えて急いだら案の定で――
「そんなことなら、俺がする」
「今でさえ話すのが嫌だって顔してるのにか? まあいい。ところで、彼とはどこまでいったんだ?」
嫌だって言うのが、分かっているのに帰る気はないらしい。厄介な奴だって思っていたら、目を細めて口の端を上げたのが見えた。
「なにが」
「どう見ても、恋人同士って感じではなかったな。まさかまだ告白すらしてないのか?」
長い溜息をつきそうになるのを、なんとか堪えた。
―― やっぱりか
ユージスは、俺を揶揄いに来た。わざわざ他国まで来てとは思いはするけど、こいつは平気でそういうことをする。故郷にいるときも、会えば揶揄われてばかりだった。
―― 全く
仕事が忙しいはずなのに、何やってるんだ。大体、レイザードと俺の事に、何も関係ないだろう。言われたとおり告白すら出来る段階じゃ無いのが、勘に触る。
「……」
「そうむくれるなよ。なにも俺と、二人きりで会うわけじゃないだろ。愛しの彼もお前と一緒にと、言ってたじゃないか」
軽く肩をすくまる。何気ない仕草が、一々癪に触ってしょうがない。
「人を子供みたいにいうな。むくれてない。それとお前と彼が、会うこと自体がいやなんだ」
「彼が俺の方を、好きになるかも知れないからか?」
自分でも表情が、無くなるの分かった。多分、ユージスは、分かっていて言っている。
「そんなこと言っていない」
「目が、言っているぞ」
さもおかしいと言いたげに、目を細めて笑い声をこぼす。
椅子から立ち上がって、玄関に向かっていく。一人でレイザードの所に、行かせるつもりはないから追いかけた。
「気が変わった。ジルベールお前は、あとでこい」
「は?」
振り返って口の端を、上げたのが見える。
足下に冷気を感じる。不味いと思ったときには、透明な蔦を模した氷に囲まれていた。
「ユージス、ふざけるな!」
「ふざけてない、ふざけてない。至って真面目だ。先に行ってお前の愛しの君と、話をしてくるだけだよ。あせらずに、のんびり来ると良い」
思い切り拳で叩いても、びくともしない。見た目は華奢なガラス細工のように、見える。けれど見た目通りの強度で無いのは、手に残る痛みが証明していた。
気が変わったなんて、嘘に決まってる。
あいつは案内しろって言っておいて、俺とはぐれたあとレイザードのお店にいた。きっと来る前に名前も市場にいることも、調べ上げていたんだ。
会いに行くだけなら、俺に言わずに行くことが出来る。なのにわざわざ俺の家に寄って、今から行くのだと教えた。
そっちのほうが、俺の反応が見れてあいつにとって楽しいからだ。それで一緒に行くように仕向けて、足を止めをした。
なにもしらないより知った上で、なおかつ俺が焦るのをわかっていてこの状況を作りりだした。
足止めされている俺が、あいつが一人でレイザードに会いに行くって状況に何を思うかわかったうえでだ。
―― あいかわらず、性格が悪い!
焦りからか構築した風は、あいつが生み出した氷に傷をつけられない。
薄いまるで装飾のような氷が、いつまで経っても壊せない。炎を出しても溶ける様子もなかった。
なんでこんなに、手こずっている。何年経ったと思ってる。なんでこんなに、まだ差がある。
『俺の方を、好きになるかも知れないからか?』
余裕の表情が、脳裏に浮かぶ。
―― そうだよ
俺はお前に何一つ叶わない。二つの適性を持っている。ただそれだけで、もてはやされて。けどユージスに、一度も勝ったことがない。魔力の量も術の技能も、なにもかもが劣る。
いつも余裕の表情で、俺より遙か上にいる。
大抵のことは何でも出来た。教えられた術は、すぐに習得できたし術意外でも特に困ったことはない。けどあいつには勝てない。あいつに勝つために努力しようって気を奪うほどに、ユージスと俺の間には明確な差があった。
―― 少しはマシになったかもって、思っていた
レイザードの事を、好きになって彼に好かれたいが為に努力を始めて――追い越せないまでも、差は縮んでいると思っていたのに。なんて無様なんだ。
劣っているとか弱いとか、そういうことじゃない。俺には実力や才能というものがあって、でもそんな程度のモノは鼻で笑えるくらいの差がユージスとの間にはある。
―― けど、諦めたりしない
あいつは俺より優れていて、術にも詳しい。話をしたらレイザードと、気が合うかも知れない。あいつの方が大人だし色々と、上手くやる。俺より彼に相応しいのかもと、思いもする。
けど――いやだ
レイザードの傍にいるのが、俺じゃなくあいつなのがいやだ。彼の傍にいたい。とりとめないことを、話して一緒に時を過ごしたい。
叶わないからって、諦めるつもりなんてない。
―― 焦るな
焦燥にかられたら、あいつの思うつぼだ。
ぎりぎりまで熱で溶かして、あとは風を使って粉砕すれば良い。
きっと出来る。俺だって成長したんだ。学園に来るまでの俺とは違う。
目を閉じて意識を集中して、術を構築していく。
あいつは俺を揶揄うのが目的だから、俺にどうにか出来ない術を仕掛けてきたりはしない。なら今できる全てで氷の檻を壊せば良い。
―― 出来る
あいつの嫌な笑みがちらついたけれど、直ぐに追い出す。意識を術を構築することだけに、注いで術を放った。
89
お気に入りに追加
1,187
あなたにおすすめの小説

時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆4月19日18時から、この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」を1話ずつ公開予定です。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる