24 / 127
24
しおりを挟む
あれから数日たった。
やはりモブたる俺には、怪我をして苦しむなどという差分は用意されていないのだろう。寝て起きる度に、怪我は良くなり今では痛みはあまりない。火傷の痕がのこっているのと、まだ治り途中の皮膚が引きつれて体を動かすときに少し痛むくらいだ。
問題が起きた。体は問題ない。
なぜだか、ジルベールに会わないのだ。
ロイにはあれから、直ぐに会えた。自分も怪我をしているというのに、俺の心配をしてくる。いいやつだ。
そして状況を聞かされているロイは、ジルベールの身も案じていた。あんな目にあったというのに、なんていい奴なのだろうか。
状況を聞くと、どうやらロイもジルベールの姿を見ていないと聞かされる。
俺に会わないだけならまだいい。なぜロイにも会わないのか。
俺が知っているジルベールという奴は、自分に非があれば謝る事の出来る奴である。
一見、軽薄そうに見えて、根はいい奴だ。思い人には、一途な面もある。決して見た目通りの、ちゃらんぽらんな奴ではない。
今回の事に関しては、ジルベールは完全に被害者だ。悪いのは闇の術を、ジル
ベールに使った奴である。
けれどロイが、あんな目にあった以上は普段のあいつなら謝罪に来るはずだ。
なのに、きていない。
普段なら、会いに行けよ。イベントがおきないだろうが。と、キレるところだが、あんなことがあった後だ。いささか心配になってくる。
だから探した。受けている筈の、講義が終わるのを待って待ち伏せて見たりもしている。だが奴は、講義自体を受けていなかった。
あいつは、遊びに行く為に講義をさぼりそうな見た目はしている。だがこの学園に通う為に、わざわざ他国から来たほどだ。真面目に講義は受けていたはずである。 さぼることなど、物凄く珍しい。
サイジェスの話では、怪我はしていない。そう言っていた。だから問題は、精神面だろう。下手すればロイを、殺していたかもしれない状況だった。その事実が深く、のしかかっているのかもしれない。
そうなると、家に引きこもっている可能性が高い。
よし会いに行くとしよう。なかなか重い展開だったが、ジルベールには立ち直ってもらいたい。そして主人公とのイベントを見せてほしい。
とりあえずロイが、ジルベールの事を案じていたことを伝えよう。それでジルベールの様子を見つつ、ロイと合わせてみよう。きっと主人公パワーで、傷ついた奴を癒してくれるはずだ。モブたる俺は、そのサポートに徹する事にしよう。
「ジルベール、ジルベールいないのか」
玄関の扉を、強く叩くが反応が無い。
いないのか、居留守を使っているのかは分からない。だがここで帰ったら、確実に会えないだろう。
いないのなら、ここで待って入れば会えるはずだ。居留守を使っているのなら、いつか出てくるはずである。俺は持久戦に、挑むことにした。
玄関先に座り込む。閑静な住宅街だ。店の多い場所と違って、そこまで人通りも多くない。おかげで、あまり変な目で見られる事も無かった。
膝を抱えて座り込んでいると、眠くなってくる。まだ完治してないせいで、体が睡眠を欲しているのかもしれない。
瞼が落ちてくる。船をこぎそうになる。ここで眠る訳にはいかない。を首を振って、眠気をやり過ごす。その動作を、何度も繰り返した。
「どこだ、ここ」
目を開けたら、見慣れない天井が見えた。あれこの前も、同じことがあったな。
「レイザード! よかった目を覚ましたんだね!」
「ジルベール?」
扉の開く音と、随分とでかい声が聞こえた。振り向くと、探していたジルベールの姿が見える。なぜだが、泣きそうな表情をしていた。
「あんな雨の中に、居続けるなんて……なんて無茶をするんだ」
言っている意味が分からない。
雨……そういえば、すこしぽつぽつ降ってきてたな。直ぐに止むだろうと気にしてなかった。どうやらそのまま眠ってしまったようだ。それでそのうち、強くなった雨に気づかず爆睡していた。きっと、そんなところだろう。
視線を下げると、服も変わっている。どうやら随分と手間をかけたらしい。ジルベールの言いかたから、想像するに強い雨だったのだろう。そんな中、寝続けるとは、どれだけ眠かったのか。
「気分はどうだい? どこか痛まない?」
「頭も腹も問題ない。吐き気もないしな。しいていうなら、眠いだけだ」
気遣う様子を見せるジルベールに、問題ないと首を横に振る。するとやつは安堵からか、息をはいた。
「よかった。ならゆっくりと休んで、起きたら1階に軽くだけと食事を用意してあるから、よかったら食べてくれ。家にあるものは、好きに使って構わないから」
「世話をかける」
相も変わらず動かない表情で礼を言う。もう慣れているのだろう、ジルベールは顔をしかめる事もなく緩く首を振った。
そしてもう一度、好きに使って構わない。そう念を押してから、背を向けた。
「まて、お前どこに行く気だ」
「……」
窓の外は、闇に染まっている。普通なら、他の部屋で寝るのだろう。そう思う筈だったが、なぜか嫌な感じがして服を掴み引き留める。
「どこか、別のところに泊まるよ。君の傍にはいられないから」
「何を言っている?」
意味が分からずに、問い返すとジルベールの顔が歪んだ。
「またあの状態になって、君を傷つけるかも知れない。だから……」
えっ? なにお前、俺の事を気にしてたの?
思わずそう声に出しそうになる。
そういえば、サイジェスが俺が重症だから気にする。みたいなことを言ってたな。
ああそうか、そういえば俺、結構重症だったんだ。差分が無いせいで、サクサク治ったからきにしてなかった。それ以前に、俺としては主人公とジルベールが無事なら無問題だったからな。すっかり自分の状態を、失念していた。
そういえばジルベールにとっては、俺は貴重な茶飲み友達的なポジションだ。
女生徒に囲まれていることは、多くとも実は茶を飲む友達の一人もいない。それが発覚した時は、驚きもしたが事実だ。
まあたしかに唯一の茶飲み友達に、重症を負わせたんだ。それはショックを、受けるだろう。
本当に悪い。俺そこらへんが、スコーンと抜けていた。随分とジルベールは、思い詰めていたらしい。酷く辛そうな顔をしている。
もうほとんど治っているのだと、見せるべきだろうか。だが俺はこれが、モブ仕様だと、知っている。けれど知らないジルベールからみたら、この傷の治りの早さは異常だろう。
「また傷つけてしまうかもしれない!」
「なら今度は、止めてやる」
どうするべきか。そう頭を悩ませていると、ジルベールが泣きそうな顔で声を上げる。
考えるより早く、口から言葉が出ていた。
うんそうだ。そうなる前に止めてしまえば、問題ない。やられる前にやれ。なんともシンプルな論理である。
「えっ……」
「そうだな。氷漬けなんてどうだ。おかしな動きをしたら、氷の彫像をつくってやる」
動けなくしてしまえばいい。それには氷漬にするのが、一番簡単だ。安心しろ。きちんと後遺症が、残らない様に調節はしてやる。
「止めてやる。必ず俺が、お前を止めてやる。だから戻ってこい、ジルベール」
もうほんと、戻ってこい、俺なんともないから、ピンピンしてるからな。なんなら、三回に一回受けていた茶の誘いを二回に一回受けてやってもいい。だからさっさと、戻ってこい。
そして早々に、主人公に会いに行け。俺は間近で、その様子を見て幸せに浸るから。
「……レイザード」
「もういいのだろう?」
色々と聞きたかったのに、口からでたのは具体性をもたないあいまなものだった。
これでも、心配はしていたんだ。サイジェスは、体には問題はない。そうはいっていたが、本人にしか分からないこともある。
――無事か? もういいのか? 後遺症はないのか? 術の作用が残ったりはしていないか? そう尋ねたいのに、なぜ口からでた台詞は数文字なんだ。なんだモブに、あらたに台詞の字数制限でも設けられたのか。あんまりな仕打ちである。
「……もう問題ないよ」
力なく笑うジルベールに、不安がつのった。いつものこいつなら、もっと余裕尺癪な笑みをつくる。
また闇の魔術なんてものが発動したら、ほのぼのイベントがまた台無しになる可能性がある。影響はないのか念入りに確認をする。ただ確認したからといって、俺が闇の魔術とやらの何かを感じれるわけじゃない。とりあえず今はおかしいところはなさそうだということしかわからない。
考えてもわからない。なら今はそれでよしとしよう。
「そうか、ならばかまわない」
「ごめんレイザード、ごめん……」
いきなり抱きしめられた。驚いて体を離そうとするが、振るえる声と体からジルベールが泣いている事に気づいて止める。いくらなんでも泣きながら、謝罪をする奴を引きはがす気にはなれない。
できるならこの美味しいシチュエーションを、主人公相手に再現してくれないだろうか。そう考えもしたが今はとりあえず、落ち着くまでこのままでいることにする。
サイジェスは操られた者には、その時の記憶があると言っていた。ということはジルベールには自分が、何をしたか一から十まで覚えているということだ。
実は過去に暗殺者でした。なんてヘビーな過去もちではないジルベールにとって、人を殺していたかもしれないという事実は衝撃だろう。
そう簡単には、癒えないかもしれないな。
ふとそんな考えがよぎる。前に俺が迷惑をかけた時も、同じことを思ったな。
なんか俺のせいで、ジルベールがトラウマもちのキャラに変貌していく気がする。
……申し訳なくなってきた。
なんか本当にごめんな、ジルベール
謝罪の意味を込めて、落ち着けるように軽く背中を叩く。そしてそのまま、落ち着くまで背中を叩き続けた。
やはりモブたる俺には、怪我をして苦しむなどという差分は用意されていないのだろう。寝て起きる度に、怪我は良くなり今では痛みはあまりない。火傷の痕がのこっているのと、まだ治り途中の皮膚が引きつれて体を動かすときに少し痛むくらいだ。
問題が起きた。体は問題ない。
なぜだか、ジルベールに会わないのだ。
ロイにはあれから、直ぐに会えた。自分も怪我をしているというのに、俺の心配をしてくる。いいやつだ。
そして状況を聞かされているロイは、ジルベールの身も案じていた。あんな目にあったというのに、なんていい奴なのだろうか。
状況を聞くと、どうやらロイもジルベールの姿を見ていないと聞かされる。
俺に会わないだけならまだいい。なぜロイにも会わないのか。
俺が知っているジルベールという奴は、自分に非があれば謝る事の出来る奴である。
一見、軽薄そうに見えて、根はいい奴だ。思い人には、一途な面もある。決して見た目通りの、ちゃらんぽらんな奴ではない。
今回の事に関しては、ジルベールは完全に被害者だ。悪いのは闇の術を、ジル
ベールに使った奴である。
けれどロイが、あんな目にあった以上は普段のあいつなら謝罪に来るはずだ。
なのに、きていない。
普段なら、会いに行けよ。イベントがおきないだろうが。と、キレるところだが、あんなことがあった後だ。いささか心配になってくる。
だから探した。受けている筈の、講義が終わるのを待って待ち伏せて見たりもしている。だが奴は、講義自体を受けていなかった。
あいつは、遊びに行く為に講義をさぼりそうな見た目はしている。だがこの学園に通う為に、わざわざ他国から来たほどだ。真面目に講義は受けていたはずである。 さぼることなど、物凄く珍しい。
サイジェスの話では、怪我はしていない。そう言っていた。だから問題は、精神面だろう。下手すればロイを、殺していたかもしれない状況だった。その事実が深く、のしかかっているのかもしれない。
そうなると、家に引きこもっている可能性が高い。
よし会いに行くとしよう。なかなか重い展開だったが、ジルベールには立ち直ってもらいたい。そして主人公とのイベントを見せてほしい。
とりあえずロイが、ジルベールの事を案じていたことを伝えよう。それでジルベールの様子を見つつ、ロイと合わせてみよう。きっと主人公パワーで、傷ついた奴を癒してくれるはずだ。モブたる俺は、そのサポートに徹する事にしよう。
「ジルベール、ジルベールいないのか」
玄関の扉を、強く叩くが反応が無い。
いないのか、居留守を使っているのかは分からない。だがここで帰ったら、確実に会えないだろう。
いないのなら、ここで待って入れば会えるはずだ。居留守を使っているのなら、いつか出てくるはずである。俺は持久戦に、挑むことにした。
玄関先に座り込む。閑静な住宅街だ。店の多い場所と違って、そこまで人通りも多くない。おかげで、あまり変な目で見られる事も無かった。
膝を抱えて座り込んでいると、眠くなってくる。まだ完治してないせいで、体が睡眠を欲しているのかもしれない。
瞼が落ちてくる。船をこぎそうになる。ここで眠る訳にはいかない。を首を振って、眠気をやり過ごす。その動作を、何度も繰り返した。
「どこだ、ここ」
目を開けたら、見慣れない天井が見えた。あれこの前も、同じことがあったな。
「レイザード! よかった目を覚ましたんだね!」
「ジルベール?」
扉の開く音と、随分とでかい声が聞こえた。振り向くと、探していたジルベールの姿が見える。なぜだが、泣きそうな表情をしていた。
「あんな雨の中に、居続けるなんて……なんて無茶をするんだ」
言っている意味が分からない。
雨……そういえば、すこしぽつぽつ降ってきてたな。直ぐに止むだろうと気にしてなかった。どうやらそのまま眠ってしまったようだ。それでそのうち、強くなった雨に気づかず爆睡していた。きっと、そんなところだろう。
視線を下げると、服も変わっている。どうやら随分と手間をかけたらしい。ジルベールの言いかたから、想像するに強い雨だったのだろう。そんな中、寝続けるとは、どれだけ眠かったのか。
「気分はどうだい? どこか痛まない?」
「頭も腹も問題ない。吐き気もないしな。しいていうなら、眠いだけだ」
気遣う様子を見せるジルベールに、問題ないと首を横に振る。するとやつは安堵からか、息をはいた。
「よかった。ならゆっくりと休んで、起きたら1階に軽くだけと食事を用意してあるから、よかったら食べてくれ。家にあるものは、好きに使って構わないから」
「世話をかける」
相も変わらず動かない表情で礼を言う。もう慣れているのだろう、ジルベールは顔をしかめる事もなく緩く首を振った。
そしてもう一度、好きに使って構わない。そう念を押してから、背を向けた。
「まて、お前どこに行く気だ」
「……」
窓の外は、闇に染まっている。普通なら、他の部屋で寝るのだろう。そう思う筈だったが、なぜか嫌な感じがして服を掴み引き留める。
「どこか、別のところに泊まるよ。君の傍にはいられないから」
「何を言っている?」
意味が分からずに、問い返すとジルベールの顔が歪んだ。
「またあの状態になって、君を傷つけるかも知れない。だから……」
えっ? なにお前、俺の事を気にしてたの?
思わずそう声に出しそうになる。
そういえば、サイジェスが俺が重症だから気にする。みたいなことを言ってたな。
ああそうか、そういえば俺、結構重症だったんだ。差分が無いせいで、サクサク治ったからきにしてなかった。それ以前に、俺としては主人公とジルベールが無事なら無問題だったからな。すっかり自分の状態を、失念していた。
そういえばジルベールにとっては、俺は貴重な茶飲み友達的なポジションだ。
女生徒に囲まれていることは、多くとも実は茶を飲む友達の一人もいない。それが発覚した時は、驚きもしたが事実だ。
まあたしかに唯一の茶飲み友達に、重症を負わせたんだ。それはショックを、受けるだろう。
本当に悪い。俺そこらへんが、スコーンと抜けていた。随分とジルベールは、思い詰めていたらしい。酷く辛そうな顔をしている。
もうほとんど治っているのだと、見せるべきだろうか。だが俺はこれが、モブ仕様だと、知っている。けれど知らないジルベールからみたら、この傷の治りの早さは異常だろう。
「また傷つけてしまうかもしれない!」
「なら今度は、止めてやる」
どうするべきか。そう頭を悩ませていると、ジルベールが泣きそうな顔で声を上げる。
考えるより早く、口から言葉が出ていた。
うんそうだ。そうなる前に止めてしまえば、問題ない。やられる前にやれ。なんともシンプルな論理である。
「えっ……」
「そうだな。氷漬けなんてどうだ。おかしな動きをしたら、氷の彫像をつくってやる」
動けなくしてしまえばいい。それには氷漬にするのが、一番簡単だ。安心しろ。きちんと後遺症が、残らない様に調節はしてやる。
「止めてやる。必ず俺が、お前を止めてやる。だから戻ってこい、ジルベール」
もうほんと、戻ってこい、俺なんともないから、ピンピンしてるからな。なんなら、三回に一回受けていた茶の誘いを二回に一回受けてやってもいい。だからさっさと、戻ってこい。
そして早々に、主人公に会いに行け。俺は間近で、その様子を見て幸せに浸るから。
「……レイザード」
「もういいのだろう?」
色々と聞きたかったのに、口からでたのは具体性をもたないあいまなものだった。
これでも、心配はしていたんだ。サイジェスは、体には問題はない。そうはいっていたが、本人にしか分からないこともある。
――無事か? もういいのか? 後遺症はないのか? 術の作用が残ったりはしていないか? そう尋ねたいのに、なぜ口からでた台詞は数文字なんだ。なんだモブに、あらたに台詞の字数制限でも設けられたのか。あんまりな仕打ちである。
「……もう問題ないよ」
力なく笑うジルベールに、不安がつのった。いつものこいつなら、もっと余裕尺癪な笑みをつくる。
また闇の魔術なんてものが発動したら、ほのぼのイベントがまた台無しになる可能性がある。影響はないのか念入りに確認をする。ただ確認したからといって、俺が闇の魔術とやらの何かを感じれるわけじゃない。とりあえず今はおかしいところはなさそうだということしかわからない。
考えてもわからない。なら今はそれでよしとしよう。
「そうか、ならばかまわない」
「ごめんレイザード、ごめん……」
いきなり抱きしめられた。驚いて体を離そうとするが、振るえる声と体からジルベールが泣いている事に気づいて止める。いくらなんでも泣きながら、謝罪をする奴を引きはがす気にはなれない。
できるならこの美味しいシチュエーションを、主人公相手に再現してくれないだろうか。そう考えもしたが今はとりあえず、落ち着くまでこのままでいることにする。
サイジェスは操られた者には、その時の記憶があると言っていた。ということはジルベールには自分が、何をしたか一から十まで覚えているということだ。
実は過去に暗殺者でした。なんてヘビーな過去もちではないジルベールにとって、人を殺していたかもしれないという事実は衝撃だろう。
そう簡単には、癒えないかもしれないな。
ふとそんな考えがよぎる。前に俺が迷惑をかけた時も、同じことを思ったな。
なんか俺のせいで、ジルベールがトラウマもちのキャラに変貌していく気がする。
……申し訳なくなってきた。
なんか本当にごめんな、ジルベール
謝罪の意味を込めて、落ち着けるように軽く背中を叩く。そしてそのまま、落ち着くまで背中を叩き続けた。
275
お気に入りに追加
1,187
あなたにおすすめの小説

時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆4月19日18時から、この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」を1話ずつ公開予定です。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

生意気な弟がいきなりキャラを変えてきて困っています!
あああ
BL
おれはには双子の弟がいる。
かわいいかわいい弟…だが、中学になると不良になってしまった。まぁ、それはいい。(泣き)
けれど…
高校になると───もっとキャラが変わってしまった。それは───
「もう、お兄ちゃん何してるの?死んじゃえ☆」
ブリッコキャラだった!!どういうこと!?
弟「──────ほんと、兄貴は可愛いよな。
───────誰にも渡さねぇ。」
弟×兄、弟がヤンデレの物語です。
この作品はpixivにも記載されています。

王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる