BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている

青緑三月

文字の大きさ
上 下
19 / 127

19(騎士A視点)

しおりを挟む


「あの子にまた会いたいな」
「は?」

 執務室で、書類を仕上げていた王子がふとペンを持つ手を止める。
 そして何をいうかと思えば、予想だにしないことを言ってきた。あの子とはきっと、レイザードの事だろう。この間あったばかりだ。なにをほざいてらっしゃるんだこの方は。

「レイザードだよ。レイザード、この前はローエンお前が変装をしていたせいで、そっちを警戒して私と碌に会話をしてくれなかっただろう」
「私に変装して、あの場にいろとお命じになったのは王子ですがお忘れですか?」

 あからさまに俺に視線を向け、王子がため息をついてくる。

 そう探りきれなかったレイザードの事もあり、俺は彼を謁見させるのには反対した。
それを押し通し、あげくに不安なら変装してあの場にいればいい。そう宣ったのは目の前の王子だ。

「覚えている。覚えているにきまっているだろう。だけれどカイナスの馬鹿があの子に愚かな事をしてしまったし、今のところレイザードの私に対する心象は最悪だと思うんだ。
なんせ呼んでおいて、変装した怪しい男を部屋にいさせるし、帰りには弟に絡まれるし」
「だからこのままじゃ、嫌われるからとおっしゃって無茶を通して謝りに行かれたではありませんか」

 とうとう仕事を続けるのを拒否した王子が、つくえに突っ伏してまたため息をつく。
 ため息をつきたいのは、こちらの方だ。

 この第一王子リシュワルド様は、馬鹿な弟君が起こした騒ぎを聞きつけてすぐに走り出そうとした。

 どこに行くつもりなのかと、羽交い絞めにしてとめたら『レイザードに会いに行く』と、そういって俺の腕を振り切ろうとする。もちろん振り切れるわけがない。怪我してないか心配だの、怖い思いをしなかったかだの、このままでは嫌われてしまだのもう好き勝手に、喚きだした。

 いつもはこうじゃない。弟君とはちがい、冷静で思慮もあり、落ち着いた方だ。この取り乱しようが、異常であることは間違いがない。
 結局この様子だと、いつか俺らの目をかいくぐり一人で会いにいきそうな可能性もある。それよりは、俺らが着いて行った方がましだという結論なり彼の家に向かうことになる。

「あの時もお前たちが、追いかけて怖い思いをさせただろう」
「追いかけなきゃ逃げられて、謝罪はできませんでしたよ」

 恨みがましそうな目でねめつけられる。
 あれは不可抗力というやつだ。あの子は俺らの姿が見えたと同時に、走り出した。追いかけたのは、そのせいだ。責められるいわれはない。

 まあその過程で楽しんだのは、事実だけれどそれは別の話だろう。
 普段はけっして、部下が動いた理由を察してこんなことは言ってこない方だ。やはり普段と違う。

「それにお前、あの子に怪我をさせたろう? 首に少し血がついていたぞ」
「思いのほか、腕が立ったんですよ」

 そうあの子は、ナイフを突きつけられても決して諦めていなかった。だから軽口を叩くロヴァルタと俺の様子をずっと探っていた。隙があれば、逃げられるようにとずっとだ。
 あの子が観念したのは、家に入った後だろう。

「減給」
「横暴だな!」

 ぼそりと、つぶやく王子に怒鳴り返す。
 頑張って仕事に、励んでいる俺に対する仕打ちじゃない。

「やっと言葉が戻ったな。気持ち悪くて吐き気をもよおしてくるから、他の者がいない時はそれでいいと言ってあるだろう」
「俺にも一応、体面ってもんが存在するですけどねえ……はあはいはいわかりましたよ。じゃあ遠慮しないで言わせてもらいますけどね。なんであの子にそんなにこだわるんです」

 これ見よがしに、王子は肩を竦めてくる。
 いうに事欠いて、吐き気を催すとかぬかしやがった。

 俺の立場としては、今のは怒鳴りかえしたあれは立派な暴言だ。俺は王子直属の隊をまとめる役割を担っている。本当なら不敬だと、糾弾されても文句は言えない。けれど変わり者の王子は、俺にそれを望む。

 俺はらしくない王子に、ひっかかりを覚えていたこともあり直接的な言い方で尋ねた。

「お前だってこだわってるだろう。聞いたぞお前の所に引き入れようとしているらしいな。しかもなんだ、私には話を通してあるそうだな。初耳だぞ」
「あの野郎、口が堅そうな外面して、かるっかっるじゃねえか」

 目を細めて笑う姿は、女なら頬を染めそうだ。だが一瞬冷たくなった、その目に俺は寒気しか覚えない。
 あの堅物男は、ずいぶんと細かい事まで王子に話していたらしい。全く必要な事は喋らないのに、余計な事を報告する男だ。思わず悪態をつく。

「初恋なんだ」
「はい?」
 幻聴が、俺の耳に届いた。
 俺の視界には、頬を赤く染める王子がみえる。どうやら、とても残念なことに俺の耳は正常であったらしい。
「あれは忘れもしない10年前の気持ちのいい晴れの日だった。私は城から抜け出して城下を散策していたんだが」
「抜け出さないでもらえますかね。かなり迷惑なんで」

 遠くをみるように語りだす王子が、さらりととんでもないことをぬかしやがった。

「10年前のことだ。子供の好奇心だ。そこで市場の様に色んな店が、並んでいるところがあってな。私は興味をひかれて立ち寄ったんだ。そこで彼と出会った」
「その話長くなります?」

 人の色恋などに、興味はない。俺はため息をついて、ちゃちゃを入れる。

「なる。お前から聞いてきたんだろう。最後まで責任を持って聞け。そこで大人に交じって、私と大して歳の変わらない子供が店を開いていた。気になってね近づいたら、とてもかわいらしい女の子が一人で店番をしていたんだ。売り物は氷の置物でね。キラキラしていてとてもきれいだった。
私は気分がよくなって、しばらくその子に話しかけ続けた。人見知りの激しい子みたいで、表情もあまりかわらなかったけれど相手をしてくれてね」
「それ、物も買わない客に長々と居座られて、迷惑していただけじゃないんですかね。絶対そうだろう」

 長くなりそうになるのを、察して俺は部屋にある椅子に座りこむ。
 面倒くさいが相手にしないで、いじけられるのも面倒でツッコミを入れる。

「うるさいぞ、口を挟むな。けど残念なことに、近衛に見つかってしまって連れ戻されてしまったんだ」
「当時の近衛の苦労する姿が目に浮かびますね」

 口を挟みな。そういった顔が、まるで子供の様で二度見する。
 本当に普段は、冷静な王子なんだ。これはもしかして偽物かと、問いただしたいほど別人に成り果てている。

「だからうるさいぞ。その連れ戻される時にな、また来ると言った私に、商品を1つ私の掌に置いてくれて彼女が『それを、あげるから』っと、そこまで聞いたら無粋な近衛が私の身を抱き上げてしまったせいで雑踏のうるささで続きが聞こえなかったんだが。きっとそれを上げるから、忘れないでまた来てといいたかったんだと思う」
「それをあげるから、もう二度とくるなが正解だと思いますよ」

 嬉しそうに笑んでいる。 

 だが身なりのいい何も買わない、ずっとしゃべりかけてくる子供は相当迷惑だったろう。
 身なりの良さから、貴族かもしれないと察しが付く、邪険にしたら、後で何をされるかわからない。それだけでも迷惑だというのに、何も買わずに話しかけてくる。商売をしている最中にだ。完全なる嫌がらせでしかない。

「そんなわけがない。そして遠ざかりながらも私は名前を伝えて、彼女にも尋ねたんだ。そのときレイと聞こえたから。レイちゃんだと思っていた。まさかレイザード君だとは思わなかったんだ」
「……そうですか」

 軽く息をはいて、嬉しそうに頬杖をつく。
 満足したらしい。話が終わる兆しがみえる。俺は内心で、安堵のため息をついた。

「まあでも、その脱走のあと私に対する警戒レベルが上がってしまって、彼の所に行く事ができなくなってしまいはや10年、ついに運命の再開を果たした。学園の生徒が行う試合の名前の欄にあの子の名前があってね。思わず大臣がいくところを職権乱用して私が赴く事にしてしまったよ」
「なんで王子が行くことになったかと思ったら、あんた自身のせいか! あほか! 何考えてんだ! それも護衛を新米の近衛、たった二人に任せやがって!」

 俺は王子の執務机に、掌を叩きつけた、もう無礼だろうが、しったとことか。

 そうあの王子が襲撃された、学園で執り行われた試合は王子が行く事にはなってはいなかった。当初は財務を担当する大臣が、資金援助をするにふさわしいか判断する為に行くことになっていた。

 だというのに当日、俺が執務室赴いたときそこにいるはずの王子がいなかった。
どこかに休憩にでもいったのか。そう思ったが、そんな時でもいつもなら一言告げてから移動する。

 いやな予感を覚えた俺が向かった先は、近衛騎士がいるところだった。
 あいつらは王子のいう事には、逆らわない。正しいか間違っているか、そんなこと関係なく王子がいうならそれを是として従う。

 もし王子が俺にしられずに動きたいなら、確実に近衛をつかう。だが普段はけっしてそんなことを、する人じゃない。それは俺らを信用していないのと、同義だ。それを理解できないほど、俺の主は愚鈍じゃない。

 だが可能性としては、絶対ないとは言い切れない。俺は焦燥を抱えて、廊下を走り抜ける。
 そしてたどり着いた近衛の詰所に行って、レイヴェンを締め上げれば王子は学園で行われる試合を見に行ったとほざく。それも新入りの騎士二人のみを伴ってと。

 言われた意味が、理解できなかった。王子が赴くには、学園側の準備もいる。当日に行くと、伝えてはいそうですかとならないのが王族だ。
 ということはだ、最初から王子が赴く事になっていたはずだ。俺らには知らされずに。
 やりやがったな。誰だ。そう思った。誰が俺ら王子の直属には、知らせないで王子が行く事を仕組んだ。

 まさかこの王子、自らが仕組んでいたとは思わなかった。

「ごつい近衛を連れてって、あの子に怖がられたら嫌だろう。ごつくないのが新米の彼らしかいなかなったんだ」
「命と怖がられたら嫌だを天秤にかけて、なんでそっちが重くなるんだよ……」

 真面目な顔で、あほな台詞を俺に向かって投げつけてくる。
 本当に普段の慎重な、俺の主はどこに行った。いくら初恋だからとはいえ、色々とおかしいだろう。怒りもあるが、脱力感が強い。

 情けなく座りこまないように、俺は叩きつけ手を支柱にしてなんとか立位を維持した。


「ああだからか、報告には生徒でごった返していたとあったのに、そんな中で術を行使してアンタらを守ったのがあの子だと気が付いたのは」
「気が付いてというより、ずっとみていたからね」

 頬を染めていう事か。
 おかしいとは思っていた。あっさりやられた近衛から、当時の情報を聞きだしたときはとてもじゃないが誰か術を行使して王子を護ったか判断できない。そうふんだのに、王子はきっぱりとレイザードだと断言してきた。

 もう心の底から、敬語をつかうのが面倒くさくなってきた。俺は王子が許容しているのを、いいことに敬う事を放棄する。

「自分の命が危険な時くらい、視線を外せ」
「とまあ、そういうわけなんだ。ちなみにそこにあるのが、あのときあの子がくれた氷の置物だよ。かわいいだろう」

 あきれてため息をついた俺を、さらりと流し王子は棚の上に置かれた置物に視線を向ける。少し丸みを帯びた猫の置物が、日差しをうけて光っている。
 その隣には、花を模したものだろう随分と精巧なものが置いてあった。

「その横にある精巧さのました物は……」
「ああ、あの子の作品だよ。お前の部下に買わせに行った。むかしのも可愛いけれど、今のもとても細かくて綺麗だろう」

 笑みを浮かべて立ち上がり、王子はその置物を手に取ると俺に見せるように近づけてきた。

「俺の部下を、完全なる私的な理由で使うの止めてもらえますかね。お使い程度ならメイドにでもいかせろ!」
「なにをいう。メイドに任せて、帰りにたちの悪いものに絡まれたらあの子の作品が壊れてしまうかもしれないだろう」

 俺たちは、王子直属の騎士であって間違ってもお使い係じゃない。俺の言っている事は、間違いじゃないはずだ。だというのに、王子は至極当然の事と言うような表情で言いかえしてくる。

「かなり強化されていて、めったなことじゃ壊れないそうですよ。もし壊れたら、修復してくれるそうですし」
「なんでそんなに詳しいんだ」
「あんたに会う前に、調べたからに決まってるでしょうが! 個人的な興味で調べたわけじゃないんだよ! そんな嫉妬のこもった目で部下を見るな!」

 恨みがましい視線を向けられるいわれはない。俺はお仕事の一環で、その情報を知っただけだ。それも王子が礼をしたいと押し通したから、あの子の事を調べる事になったわけで。俺には何の非もない。


「それで話しが戻るが、あの子にあいたい」
「理由がないでしょうが。この前は王子を助けた礼って立派なお題目がありましたけれどね。今度はどうするんです。平民が王族に会うには理由が必要なんですよ。だいたいあの子、あまり権力者に関わりたくないみたいですし」

 まだ諦めていなかったらしい。真剣な表情で、王子はまた同じ要求をしてきた。
 だがそうそう平民であるレイザードと、王子が合える訳もない。だいたい会いたいといって、気軽に会えるものじゃない。

 日程の調整、客を迎える準備、訪れる奴の身辺調査、その他もろもろ手間も時間もとんでもなくかかる。それは知っているし、理解もしているはずだ。

「やっぱりそうか……」
「やっぱり?」

 王子に物言いと、その声の硬さに違和感を覚えて問い返す。

「……城であったとき、あまり積極的に話そうとしてなかったからな」
「それは俺を警戒してたんでしょうよ。それとは別じゃないですか。
あの子に城へ来るようにという命を伝えた講師と、まあ城に来るまでの段取りを打ち合わせするのに、何回かあってるんですけれどね。
まあかなり遠まわしにいってましたけれど、あの子が城にくるのを望んでないとぶっちゃけ権力者に関わるのを嫌がっている節があると言ってたんですよ。まあ本当にかなり遠まわしに分り難い感じでいってましたけど。だから失礼をしてしまうかもしれないから、お友達だけの方ではどうかって打診されたんですけどね。当の王子があの子に会いたがってたもんで、強行したんですよね」

 そうあの時は、苦労した。講師の話と、素性を調べきれないレイザードを王子に合わせるのは、正直なところ歓迎できるものじゃない。だがら俺は反対した。したのだが王子は珍しく強硬に反論し押し通した。

「私は王族を辞めるぞ」
「辞めるっていって、気軽に辞められるわけないだろうが」

 大真面目な表情で、突拍子もないことを口から出す。
 俺は頭を叩きたくなるのを、必死に抑えてツッコミをいれる。さすがに手を出すのは、憚れる。

「なぜだカイナスがいるんだから、問題ない!」
「あるに決まってんだろうが! あんた本当に弟がいるから、大丈夫だとおもってんのか! お前あの弟だぞ!」

 拳を握りしめて立ち上がる王子に、俺は遠慮なく言い返す。
 第二王子は、色々と問題が多い。あんなのが、王位をついだらこの国は終わる。確実に、終焉を迎える。


「優秀な弟がほしい」
「無茶を、言わないでもらえますかね」

 悲愴さをにじませた王子は、力なく椅子に座りこんだ。

 これ以上付き合っては、いられない。俺は何度もため息をこぼす王子を無視して、放置された書類を揃えてから王子に突き付けた。














しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~

なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。 一つは男であること。 そして、ある一定の未来を知っていること。 エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。 意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…? 魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。 なんと目覚めたのは断罪される2か月前!? 引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。 でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉ まぁどうせ出ていくからいっか! 北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)

流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。

時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!? ※表紙のイラストはたかだ。様 ※エブリスタ、pixivにも掲載してます ◆4月19日18時から、この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」を1話ずつ公開予定です。そちらも気になったら覗いてみてください。 ◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。 ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。 あの日までは。 気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。 (無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!) その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。 元日本人女性の異世界生活は如何に? ※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。 5月23日から毎日、昼12時更新します。

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

処理中です...