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さよなら私の好きだった人
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「「あ~あ」」
二人のため息が重なる。
「もう卒業か~」
「そうだね~」
長いようで、短い三年間だった。
思い出を作るには短すぎて。
この想いを自覚するには長すぎた。
「やっぱやだあ!なんで海外の大学なんて選んだの!!」
「ちょっ」
「定期的に帰ってきてね。連絡もちゃんとしてね。仲いい子ができたらちゃんと私にも紹介すること!
わかった?」
それはこっちのセリフなのよね、この子は案外抜けているところが多いから心配だ。
いつも私がついていたから今までは大丈夫だったといってもいい。
しかもこれで、自分はしっかり者だと思ってるからさらに困った。
「はいはい、もう・・・子供じゃないんだから。
ま、ちゃんとしてあげるから笑顔で見送ってね」
「うん、もちろんでしょ!」
あぁ、この顔だ、
私はこの笑顔に恋をしたんだ。
このまま近くにいたら
いつかこの気持ちに気づかれてしまうから。
耐えきれなくなって自分から伝えてしまうかもしれないから。
さようなら私の好きだった人
二人のため息が重なる。
「もう卒業か~」
「そうだね~」
長いようで、短い三年間だった。
思い出を作るには短すぎて。
この想いを自覚するには長すぎた。
「やっぱやだあ!なんで海外の大学なんて選んだの!!」
「ちょっ」
「定期的に帰ってきてね。連絡もちゃんとしてね。仲いい子ができたらちゃんと私にも紹介すること!
わかった?」
それはこっちのセリフなのよね、この子は案外抜けているところが多いから心配だ。
いつも私がついていたから今までは大丈夫だったといってもいい。
しかもこれで、自分はしっかり者だと思ってるからさらに困った。
「はいはい、もう・・・子供じゃないんだから。
ま、ちゃんとしてあげるから笑顔で見送ってね」
「うん、もちろんでしょ!」
あぁ、この顔だ、
私はこの笑顔に恋をしたんだ。
このまま近くにいたら
いつかこの気持ちに気づかれてしまうから。
耐えきれなくなって自分から伝えてしまうかもしれないから。
さようなら私の好きだった人
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